頭木弘樹のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
星野源や朝井リョウが「うんこを漏らした」という話を面白おかしくエッセイで語っていますが、その流れをくむ本だろうと思い手に取りました。
本書ではエッセイだけでなく、古今東西の文学作品や哲学者の考察など幅広く「排泄」について取り上げた作品を収録しており、このテーマは他者と広く共有する者ではないにしても、人間が生きてゆくうえでは避けて通ることができず、皆それぞれに考え方がある、ということが分かる一冊だと思います。
大人になって(排泄を自分自身でコントロールできるようになって)から、「うんこを漏らす」ということがあると、それは「人間の尊厳」を失うに等しい「恥」として受け止められたり、他者に語るにあ -
Posted by ブクログ
編者頭木さんが難病に罹り大変苦しんだことは『食べることと出すこと』で知ったが、20歳のときに人前でうんこを漏らしてしまったときのショック、茫然自失の状態になってしまった経験から、同じような状況になってしまった場合、人はどのような気持ちとなり、どのようにするのかを知りたいとの思いから、本アンソロジーを編んだとのこと。
尾辻克彦「出口」。帰途、便意に襲われるこの苦しみは良く分かる。自分も食事をして帰る途中、どうも腹の調子が悪いなから始まり、早く家に戻ってトイレに行かなくちゃ、さらに戻るまで持つだろうかとの不安。歩き方を工夫したり、肛門辺りを手で押さえたり、あと何歩とカウントしたり、何とか間に -
Posted by ブクログ
フランツ・カフカ
Franz Kafka
勿論、名前は知ってます!
小説を書いた人というのも知ってます
(作品は読んだことないですが…)
あとは何にも知りません(^_^;)
では、なぜこの本を読んだかというと、おびのりさんの
「パワーさえ感じるカフカのネガティブな人生論。あまりに絶望的で笑えて、こちらは元気がでてきそうな迷言な名言集。」
というレビューを見て気になったからw
【あまりにも絶望的で、かえって笑えてくる】
カフカの日記やノートは、日常生活の愚痴で満ちています
「父が…」「仕事が…」「胃が…」「睡眠が…」
カフカが関心があるのは自分のことだけ
自分の気分、体調、人から言われ -
Posted by ブクログ
「ひきこもり」という言葉から一般的に想像するのとは違う、入院や宇宙船内での生活を含めた「社会から遮断された生活」をしている人々の話。
「部屋から出られない人のための12の物語」という副題がついていますが、病気や宇宙船内、そして自らの意志によるひきこもりであれば本も読めると思いますが、育児中に外に出られなかったときは、本を読む余裕なんてなかったなあ、と思います。
病気も私の場合は目だったので、やはり本は読めませんでしたが。
元教え子を訪ねて韓国(ソウル)に行ったとき、教え子家族が住んでいる高層マンション群に泊めてもらったので、韓国文学の「私の女の実」の妻の気持ちが一番理解できた気がします。
-
Posted by ブクログ
ひきこもりのアンソロジー。
ひきこもりを否定することはない。
なんらかの事情があるのだから…。
出たくなければ出なくてもいいじゃないか、と思うほうである。
自分もいつ、突然に引きこもるかもしれないわけで。
それは、わからない。
ひきこもらずに一生を終えるかもしれないし…。
どうなるかはわからない。
たとえば、萩原朔太郎の「死なない蛸」は、存在しないものと思われると悲しいが、魂はある。
たしかにそこに居る、自分がわかってれば良いじゃないかと思わせる。
想像以上のかなり上をいくのが、ハン・ガンの「私の実」である。植物で活きた心地になるならばそれを完成形というのだろうか。
萩尾望都の「スロ -
Posted by ブクログ
【収録作品】ひきこもっている間に忘れられる-散文詩 「死なない蛸」 萩原 朔太郎/ひきこもり願望-ドイツ文学「ひきこもり名言集」 フランツ・カフカ(Kafka,Franz) 選訳/頭木 弘樹 /鬼退治に行かない桃太郎- 昔話「桃太郎 岡山県新見市」 編著/立石 憲利/差別によるひきこもり-ショートショート「凍った時間」 星 新一/感染を避けるためのひきこもり-アメリカ文学「赤い死の仮面 The Masque of the Red Death」 エドガー・アラン・ポー(Poe,Edgar Allan) 新訳/品川 亮/ひきこもりによる物の見え方・感じ方の変化-エッセイ 「病床生活からの一
-
-
-
Posted by ブクログ
梶尾真治作品が含まれるアンソロジーということで購入した。特に「ひきこもり」に興味がある訳ではない。ただ、昨今のコロナ禍に伴って外出自粛を余儀なくされる中、実際の現状には所謂ひきこもりに共通する面もあり、作品の幾つかには共感できるものもある。やはり、今の自分はひきこもりなのだろうか。まあ、現在のひきこもりレベルは人に迷惑をかけるものでは無いので良しとしよう。
梶尾作品は有名な「フランケンシュタインの方程式」が収録、その他には星新一「凍った時間」、萩尾望都「スロー・ダウン」が収録されている。
その他で気になったのは、韓国女流作家のハン・ガン「私の女の実」、立石憲利「桃太郎」、ポー「赤い死の仮面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しい出来事から立ち直る方法
最初は悲しい音楽に浸る=同質の原理
その後で、楽しい音楽を聴く=異質への転導
勝つか負けるかより、手にしているモノをどう生かすか、のほうが大事。
人生は常にわき道にそれていく。むしろそれが本当の道。
一人でいれば何事も起こらない。
「見る前に飛べ」行動を起こすためにはそれが大事。見たら飛べなくなる。
人生の多くが、費やされてもなお人は何かをなしうる。
セルフハンディキャッピング=自分にハンデを与えることで自尊心が傷つかないようにする心理。才能があると信じて、延ばす努力をしない、など。中島敦山月記など。
試験の前日に片づけなど勉強以外のことをしてしまう心理。 -