頭木弘樹のレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
カフカのエッセイや日記から、選りすぐりのネガティブ発言だけを集め紹介した名言(迷言?)集。「将来に」「世の中に」「自身の健康に」「親に」…ありとあらゆることに悲観的です。
中身は全てカフカ自身の愚痴と諦めと絶望に溢れています。気付けば私自身も彼の影響を受けネガティブになるのではと少し心配もありましたが、全くの杞憂でした。
彼のネガティブ思考は達人級なので「ここまで自分を卑下しなくても…」とやきもきし始め、気付けば会ったこともない彼を叱咤激励している自分がいます。
カフカ自身を知れる興味深い1冊です。笑っちゃうくらいネガティブな面を知った上で、彼の作品を読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
20歳で難病にかかった著者が、
自分に疲れることありませんか?と問いかけ、
数々の本の引用と共にその原因を探る本。
そもそも 自分 とは、体 なのか 心 なのか
から始まり、
体や心がコントロールできないのはどんな時なのか、
心と体はどうつながっているのか、など
細かく紐解き、
自分に疲れる原因は他者との関係も影響するという
別視点からのアプローチから、
最終的に分けて考えてきた 心 と 体 の
「あいだに」あるものを大事にすることの大切さを説いている。
5章が特に印象的で、
共に食べることを苦にする人がいること
漏らしてしまうことの罪悪感の話が心に残りました。
(多数派が優先され、少数派 -
-
-
Posted by ブクログ
「痛い人」と「痛い人のそばにいる人」のために(人はたいていこの2種類に分けられる)、「痛い人」の立場から、文学的アプローチをもとに書かれた本。
私は「痛い人」の方として読み進めた。そして「痛い人」になってみて初めて、「痛みというのは孤独なもので、誰にもホントの痛みはわかってもらえないのだなぁ」と思った経験がある。なので、この本に書いてあることは、非常によくわかった。痛みを言語化するのって、難しいのよね……。
そして、「痛い人」に対して、かけてはいけない言葉。気の持ちよう的なやつ……! ホントそれ。法律で使用禁止にしてほしい。たまに医師でも使う人がいるから、油断できない。
それはさておき、痛がる -
Posted by ブクログ
トーン・テヘレン著『ハリネズミの願い』を読んだ流れで再読。いや、再々再々読、くらい。暗い。
『ハリネズミの願い』で「絶望することはけっしてない。絶望はできないんだ(p.26)」と言う陰鬱なハリネズミに、カフカか、と思ったのですが、カフカは「あらゆることに、わたしは失敗する。いや、失敗することさえできない」だった。あら思い込み。でも絶望の神といえばカフカよね。
年に1度の100冊処分祭開催時、何度も何度も処分を検討しながら、結局手元に残る本。
「手軽に絶望に浸りたい」という、あまりにもしあわせな願望がやって来たときにしっくり来る一冊。絶望の最中にいるときには読むべからず。 -
-
Posted by ブクログ
〈この本が目指すのは、痛い人と痛くない人のあいだに置いてもらって、「自分の気持ちはこれに近い」と痛い人が説明したり、「こういう痛みなの?」と痛くない人が質問したり、そんなふうに使ってもらえることだ。〉
痛みにさんざん苦しめられてきたご自身の半生を交えながら、「痛み」をいろんな角度から考察してみようという一冊。
頭木弘樹さんの著書には引用が多いけれど、そのどれもが絶妙。(おかげで今回も読みたい本がたくさん増えた。)
村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』において、さまざまな痛みを経験してきたという加納クレタの台詞も、ここで改めて目にするとまるで別物のように響いた。
経験したことがない加納クレタの痛み