頭木弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なかなか心と体はやはり切っても切れないものだし、それぞれの経験は深いから一冊にまとめるのは難しい気がした。
横道さんの生い立ちも凄まじく、宗教二世の話もあり、心云々の前にそれに驚いてしまったし、性についての話は少し読んでて疲れた。
頭木弘樹さんの本としては「食べることと出すこと」の方がおすすめ。
横道さんの
「大衆文学は難しい
大衆文学は、定型発達者同士の情緒的な交流
大衆文学は共感を求めてくるから非常に読みにくい
純文学のほうがむしろ読みやすい
純文学は一種の抽象性
現代アート的、単純化
それがある意味わかりやすい」
という内容は、そういう見方もあるんだなと、印象に残った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分の本体は「体」なのか「心」なのかについて、考えてみようよ!という本。文学や科学やアニメやマンガなどを引用して、「自分とは何か」について考察を深める。著者は消化器系の病気をされていて、「自分の中にも大腸があること」や「食事をとって、排泄をコントロールできるのは当たり前のようでいて、実は凄いこと」などということを考える。
「なぜ大小便を漏らすと社会は冷たくなるのか」とかとか、そういうことも書いてある。
計画通りに動けない自分に苛立ち、私はこの本を手に取った。自分らしく生きられてないなとか考えたこともあったけれど、著者が言うには「本当の自分なんてものはなく、そのときどきの自分がいるだけだ」と -
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Posted by ブクログ
能天気なほど絶望的。
ってな事で、頭木弘樹の『絶望名言』
文学紹介者の頭木さんとアナウンサーの川野一宇さんがNHKの深夜ラジオ便での放送を活字化したもの
絶望名言の著名者カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア達の絶望名言をお二人が解説、掘り下げる内容。
お二人共、絶望的な経験をしている中で、励ましや労りの言葉は、実は全く癒されることは無く、絶望感の中に堕ち込んでいる時こそ絶望的名言の方が心を癒して労わってくれたそうです。
読んでるうちになるほどなぁと思う事に。
絶望の中は実は生きたい欲望が強く、もがいている時ではないのかと
数ある名言の内、わしに響い -
Posted by ブクログ
”自分に疲れる” 原因とは何か。
生きづらさの原因が解れば少しでも生きやすくなるのか
著者が様々な視点から考えたり、自身の経験談を交えて文字化している。
解っているようでこうして文学化されることで、そうだよなと自覚出来る。
著者の体験談の部分では、真面目に書いてあることなのだが、どうしてか
クスリと笑ってしまった。本人にとっては一大事なのだが、どうしても思い通りにならない事はある。
皆やり過ごしながら生きづらい世の中を生きているのかなと感じた。
理由や原因探しも良いかもしれないけれど、もしかしたら他に大事な事があるかもしれないと思えた。 -
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Posted by ブクログ
20世紀文学の代表的作家、フランツ・カフカはとてもネガティブな人だったらしい。そんな彼が日記や手紙、メモにのこしたネガティブな言葉を紹介した本。
恋愛、家族、仕事、社会など、あらゆることに絶望し、悲観的な言葉をのこしている。繊細で傷つきやすく、自己肯定感が低い。考えすぎて臆病になり、一歩が踏み出せない。100年前の人ではあるのにその性格は現代的で、その言葉に共感するところも少なくない。(だからこそ文学史に名前がのこることになったのだろう。)
『変身』しか読んだことはないが、カフカがこんな性格だったことを知ると、ああいう小説を書いたというのも納得。カフカ自身も自分の作品の異質性に自覚的であっ -
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Posted by ブクログ
大の排泄を取り扱ったアンソロジー。
最近はないが、若い頃は通勤時や帰宅時にに危ない思いを何度もしたことがあり、ストッパを持ち歩いていたこともあった。最初の小説と同様、これまでもどうにかなってきたので、これからも大丈夫だろうと思っている。
とは言え、これを読んで、結局老後は誰かの世話になるのだと痛感した。いや、そんなに先のことではない。
仏教では排泄も扱っているのに他の宗教ではあまりないというのも面白い視点だし、人は結局うんこ製造機に過ぎないと考えると何だか気が楽になる気もする。
アンソロジーなので、読み応えという意味で星3にしているが、目から鱗が落ちるという意味では星5だった。