頭木弘樹のレビュー一覧

  • 当事者対決! 心と体でケンカする

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    なかなか心と体はやはり切っても切れないものだし、それぞれの経験は深いから一冊にまとめるのは難しい気がした。
    横道さんの生い立ちも凄まじく、宗教二世の話もあり、心云々の前にそれに驚いてしまったし、性についての話は少し読んでて疲れた。

    頭木弘樹さんの本としては「食べることと出すこと」の方がおすすめ。

    横道さんの
    「大衆文学は難しい
    大衆文学は、定型発達者同士の情緒的な交流
    大衆文学は共感を求めてくるから非常に読みにくい
    純文学のほうがむしろ読みやすい
    純文学は一種の抽象性
    現代アート的、単純化
    それがある意味わかりやすい」

    という内容は、そういう見方もあるんだなと、印象に残った。

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    2024年07月03日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言2

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    目には目を、歯には歯を、絶望には絶望を、ということなのですね。
    落ち込んでいるときに嫌な話を読むとさらに落ち込んだりすることもあるし、「自分はコイツよりマシだ」と思うための材料を探しているみたいで嫌だったのですが、そんなことはないようです。
    片思いしてるときには片思いの歌が、一人暮らしを始めたらそういう歌が、異様にこころに染みるのと同じことなんだ。
    いまは落ち着いてるときに読みましたが、手元に置いておいてめっちゃ落ち込んだときに手に取ってみたいと思いました。

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    2024年07月02日
  • ケアする対話 この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ

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    最近知った、当事者研究やオープンダイアローグ等に取り組んでいる方々の話を聞けました。

    イメージができなくて理解が難しくても、声を傾けることは大事だと思いました。

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    2024年06月26日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    初めてカフカの文章に触れた。
    どこまでも後ろ向きで、絶望や停滞、諦め、挫折などが散りばめられていた。
    だからこそ、救いがあるのかも。

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    2024年06月24日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    カフカのネガティブな考え方が、今辛く苦しんでいる人に優しく寄り添う
    悲しい時はまず悲しいことにひたり(同質の原理)
    その後で楽しいことをする事(異質への転導)の方がよい

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    2024年06月10日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    中に入りたい男に向かって門番が言う「俺は一番下っ端の門番で、これより門番はどんどん強くなる」という漫画でよくある台詞がカフカで読めるとは思わなかった。
    あぁそういうことかと思わせる落ちと共に「法の前に」というこの作品が好きで印象に残った。

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    2024年06月09日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言

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    NHKラジオ「ラジオ深夜便」の1コーナーを書籍化したものです。タイトルに惹かれました。

    番組ディレクター根田さん曰く
    「死が救いに思われるほどの絶望をすくいとって言葉にしていく」
    傷口に塩を塗る名言ばかりですが、なぜか笑ってしまいます。あれ、まだ絶望までいってないのかな、って。

    象徴的なカフカの名言を。
    「将来にむかって歩くことは、僕にはできません。
    将来にむかってつまずくこと、これはできます。
    いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」

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    2024年05月26日
  • イライラ文学館

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    普段読むことのない作家さんの話に触れることができました。たしかに文学を通して、いらいらや不安を消化する方法もありだなと思いました。

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    2024年05月21日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    ネタバレ

    自分の本体は「体」なのか「心」なのかについて、考えてみようよ!という本。文学や科学やアニメやマンガなどを引用して、「自分とは何か」について考察を深める。著者は消化器系の病気をされていて、「自分の中にも大腸があること」や「食事をとって、排泄をコントロールできるのは当たり前のようでいて、実は凄いこと」などということを考える。

    「なぜ大小便を漏らすと社会は冷たくなるのか」とかとか、そういうことも書いてある。

    計画通りに動けない自分に苛立ち、私はこの本を手に取った。自分らしく生きられてないなとか考えたこともあったけれど、著者が言うには「本当の自分なんてものはなく、そのときどきの自分がいるだけだ」と

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    2024年02月12日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言2

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     『絶望名言』その2。
    今回は″ミニ″もあり、より多くの人の名言を知ることができた。
     特に、黒澤明やゴッホについては、初めて知ることばかりで興味深く味わった。
     古今亭志ん生の、貧乏は味わうもの。
     向田邦子の、一番欲しいのは「普通」ということである。
    と言うのは、シンプルであり、じわじわ沁みる言葉であった。

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    2024年02月01日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言

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     先日読んだ『変身』の作者、カフカの言葉について書かれていたので手に取った。
     ラジオ番組のひとつのコーナーを、そのまま書き起こしていて、さらさらと読みやすい。
    しかし書かれていることは、絶望を体験しなければ気がつくことない言葉ばかりで、心に響く。
     カフカだけでなく、太宰治や芥川龍之介などの作品も紹介されており、かつて読んだ時に受けた言葉の印象は、今違う捉え方に変わったことに気づいた。
    その時々で、心に寄り添ってくれる言葉は変わる。
    その違いを知り、生きていく杖となる言葉を心に留めたいと思った。

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    2024年01月27日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言

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    能天気なほど絶望的。

    ってな事で、頭木弘樹の『絶望名言』

    文学紹介者の頭木さんとアナウンサーの川野一宇さんがNHKの深夜ラジオ便での放送を活字化したもの

    絶望名言の著名者カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェークスピア達の絶望名言をお二人が解説、掘り下げる内容。

    お二人共、絶望的な経験をしている中で、励ましや労りの言葉は、実は全く癒されることは無く、絶望感の中に堕ち込んでいる時こそ絶望的名言の方が心を癒して労わってくれたそうです。

    読んでるうちになるほどなぁと思う事に。

    絶望の中は実は生きたい欲望が強く、もがいている時ではないのかと

    数ある名言の内、わしに響い

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    2024年01月22日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    ”自分に疲れる” 原因とは何か。
    生きづらさの原因が解れば少しでも生きやすくなるのか
    著者が様々な視点から考えたり、自身の経験談を交えて文字化している。
    解っているようでこうして文学化されることで、そうだよなと自覚出来る。
    著者の体験談の部分では、真面目に書いてあることなのだが、どうしてか
    クスリと笑ってしまった。本人にとっては一大事なのだが、どうしても思い通りにならない事はある。
    皆やり過ごしながら生きづらい世の中を生きているのかなと感じた。
    理由や原因探しも良いかもしれないけれど、もしかしたら他に大事な事があるかもしれないと思えた。

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    2024年01月08日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    「食べることと出すこと」の著者が若い人向けにココロとカラダの間柄について、様々な小説を引用して書いていて、読みやすいです。

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    2023年12月17日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言

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    絶望名言というラジオ番組が書籍化されたもの。落ち込んだ時に暗い曲を聴くように、絶望した文豪が形にした言葉を取り込む本です。
    紹介されていた中では芥川龍之介の「侏儒の言葉」が好きでした。些細なことで幸せを感じる人は、ささいなことで辛さも感じてしまう。芥川はすごい。

    またディレクターによるあとがきがよかった。
    「1人の苦しみを突きつめていくと普遍性を持つものです。この番組はそのプロセスの実践です」
    「言葉の限界を越える絶望が確かにある、その事実に謙虚でありたいと思っています」
    綺麗な言葉だと思いました。

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    2023年12月04日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    20世紀文学の代表的作家、フランツ・カフカはとてもネガティブな人だったらしい。そんな彼が日記や手紙、メモにのこしたネガティブな言葉を紹介した本。

    恋愛、家族、仕事、社会など、あらゆることに絶望し、悲観的な言葉をのこしている。繊細で傷つきやすく、自己肯定感が低い。考えすぎて臆病になり、一歩が踏み出せない。100年前の人ではあるのにその性格は現代的で、その言葉に共感するところも少なくない。(だからこそ文学史に名前がのこることになったのだろう。)

    『変身』しか読んだことはないが、カフカがこんな性格だったことを知ると、ああいう小説を書いたというのも納得。カフカ自身も自分の作品の異質性に自覚的であっ

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    2023年11月28日
  • シリーズ「あいだで考える」 自分疲れ ココロとカラダのあいだ

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    面白かった。優しい言葉で諭す様な本ではなく、心と体について文献など引用して理解を深める内容。引用されている文献はジャンルの幅が広く、それも楽しく読めた要因だと思う。
    特に印象に残っているのは、食べることで相手を受け入れていることを表す内容。相手が勧めたものを食べない(食べられない)ことで関係が断ち切れる例は悲しかった。体や心が自分だけの問題でなく、自分を社会がどう評価してくるかを考えさせられた。
    他のあいだシリーズも読んでみたい。

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    2023年11月25日
  • 絶望名言 文庫版

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    絶望は自分の地面を踏み締めるうえで有効な現実把握だと考えている
    この本で紹介されている名言の多くも、自身の地面を把握する様について繊細な感覚から紡がれた言葉である、と私は解釈
    その中で一際印象に残ったのはシェイクスピアがリア王で書いた台詞
    「どん底まで落ちたと言えるうちは、まだ本当にどん底ではない。」
    底と感じているうちはまだまだだと甘さを思い知った

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    2023年11月16日
  • NHKラジオ深夜便 絶望名言2

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    『絶望名言』から続けて読んだ感想。
    一冊目に比べると名言そのものだけでは、わかりづらい絶望という印象。物語の前後や筆者の状況などの情報があってこその絶望名言かなと思いました。それでも充分面白いし、興味深く読みたい本も沢山出てきましたが一冊目の名言だけで、ハッとするようなものは少なかったかな。
    中島敦さんの言葉は自分には痛くて、嗚呼…、と落ち込んでから、是非読みたい!となりました。
    本の紹介本としてとても良かったです。

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    2023年08月27日
  • うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語

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    大の排泄を取り扱ったアンソロジー。

    最近はないが、若い頃は通勤時や帰宅時にに危ない思いを何度もしたことがあり、ストッパを持ち歩いていたこともあった。最初の小説と同様、これまでもどうにかなってきたので、これからも大丈夫だろうと思っている。

    とは言え、これを読んで、結局老後は誰かの世話になるのだと痛感した。いや、そんなに先のことではない。

    仏教では排泄も扱っているのに他の宗教ではあまりないというのも面白い視点だし、人は結局うんこ製造機に過ぎないと考えると何だか気が楽になる気もする。

    アンソロジーなので、読み応えという意味で星3にしているが、目から鱗が落ちるという意味では星5だった。

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    2023年07月23日