頭木弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絶望名言2冊目。個人的にはやはり一冊めの方がインパクトのある名言が多かったし、頭木さんや川野さんの絶望体験が語られて共感される様子が面白かった。でも二冊目に取り上げられる作家たちの人生の絶望度合いは、一冊めのよりも壮絶。印象に残ったのは喘息治療を兼ねてパラオに行った中島敦が、向こうでは熱帯の病にやられ日本に戻れば寒さで病のやられ早死してしまうという人生。いやあ、転地を考えるほどの喘息の辛さは想像を絶する。又はほとんどの名曲を失聴してから作ったというベートーヴェンの人生。希望を持たず諦めたことで生きていけたのだろうが、そんな自分の人生を諦めという隠れ家、という言葉で絶望するしかない姿に胸打たれる
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Posted by ブクログ
ポジティブ思考が跳梁跋扈する今の社会において、本書はその潮流に逆らって、クソみたいな「キャッキャ、うふふ」風土に風穴を開けてくれるだろう。
落ち込む時は徹底的に落ち込む─
人生、万事上手くいくわけではない。そんなことありえない。人生には必ず「良いこと」と「悪いこと」の二つ糸が織り交ぜられ、赤黒い糸を紡いでいる。人生という無色の糸の中に幸不幸という名の赤黒い糸が混じっているのだ。その糸を解きほぐして分解し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、「絶望名言」の任務なのである。
失恋したときは失恋ソングを聴いて徹底して落ち込む。失恋している自分に酔いしれるくらい落ち込め -
Posted by ブクログ
悩んで辛い時には、明るいものよりも暗く苦悩しているものを読む方が救われる。なるほどな、わかる気がする。ぼんやりそう思いながら読んでいましたが、次のように説明してあって唸りました。
「文学を読むと、本当に暗い心とか辛い心とか、とことん描いてあるじゃないですか。普通に生活していると、会話でそこまで心のうちを見せる人っていませんし、やっぱり辛いことは見せないようにしていることが多いですからね。
世の中に普通に語られることって、成功体験が多いじゃないですか。苦労話もありますけれど、結局、乗り越えた人の話なんですよね。乗り越えなかった人の話って、なかなか出て来ないじゃないですか。だけど、文学だけは、そう -
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