長江俊和のレビュー一覧
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「別冊太陽 探偵小説の鬼 横溝正史: 謎の骨格にロマンの衣を着せて」のすぐ後の本書。横溝の作家人生、とりわけ江戸川乱歩と横溝正史の関係性の歴史を確認したばっかりだったのでタイミングバッチリでした。特に横溝の同級生の西田徳重の兄の西田政治から生まれた乱歩との出会いとか「別冊太陽」読んでいなければスルーする事実が埋め込まれていて、本書の作者、相当にマニア。終わりの方で松本清張の『探偵小説を「お化け屋敷」の賭小屋からリアリズムの外に出したかったのである。』という発言も引用されていて、乱歩と正史、二人の天才に対するリスペクトだけでなく、探偵小説というジャンル、そのものへの愛情が本作になった気がします。
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Posted by ブクログ
禁止シリーズ3冊目ですが、最初に購読した「出版禁止」ほどの威力がない。短編集だからかな。
とは言え、人気の〝放送禁止〟未読なのでそちらに期待したい。
・例の支店
題名と内容に関連性ない。よくあるトリックホラー。
・ルレの風に吹かれて
消えた友人がその村に惹かれた理由が最後まで分からず、男女逆転した経緯も謎。
・リヨンとリヲン
「マウスの楽園実験」のような話し。題材としてこの中ではいちばん好き。
・カガヤワタルの恋人
人怖と言えば…な話し。短い中で上手いこと二転三転するのはおもしろい。
他
全体的には「人怖・逆転ホラー」なのだけど、いまいちスッキリ感がなくて残念。
夏なのでホラーをと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生の和真は混乱の中にいた。いつものバッグを持って大学に向かっていたはずが、ふと開けたバッグの中には女の生首が。
首と一緒に入っていた横溝正史の原稿に解決の糸口がないかと和真は原稿を読み始める。
江戸川乱歩と横溝正史が巻き込まれた猟奇的殺人事件とは。
乱歩と正史の蘊蓄の数々がちょっとまどろっこしい。
なかなか話が進んでいかない感じがして何度も睡魔に襲われてしまった。
残り1/3くらいでようやく加速、よかった読み切れて。
「陰獣」のような「八つ墓村」のような、いわくのある空き家、心理学の大学教授、もうまさに乱歩と横溝の世界なんだけどなあ。
唐突な登場の謎の美貌の人妻、貴和子が違和感ありありなの