長江俊和のレビュー一覧
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ネタバレ一つ一つの短編は面白いのだが、全て叙述トリックものであり、"時系列ズラし"、"首謀者は誰か"といったネタに限っては、どちらも2回ずつ使われている。
全体としては少し単調になってしまっており、少しもったいない印象。
個人的ベストは『原罪SHOW』。
時系列ズラしとあまり変わらないが、KI SHOW TEN KETSUをズラすという発想は面白く、正しい順番に気づいたときの驚き、ホラーのような絶妙な怖さも良かった。
収録順が最初だったから、というのもあるかもしれない。
『掲載禁止』は二度目に読むと、何で気づかなかったんだろう!と思わされる巧い描写が多数あ -
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2020年、19冊目は、『禁止』シリーズで有名な、長江俊和の連作短編。
ライター、原田璃々子は、大学の先輩で、民俗学講師、島野仁と、東京二十三区のいわくつきの場所を巡っている。それは、オカルト的企画の目的であるが、璃々子には、もう一つ、別の目的もあった。
実話系怪談と、地域伝承等を膨らませたホラー・ミステリーかと思い、あまり考えずに、手に取った一冊。そこは、長江俊和。一編目の『板橋区』の絵馬に書かれた、謎の文言のトリック(ベタ過ぎるでしょ、コレ)以外は、思いの外、「アタリ」感があった。
基本は、璃々子と島野のパートとエピソードとの、パラレル・ストーリーが一つに重なって行く造りだが、『港区 -
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2019年、4冊目は、長江俊和の『禁止』シリーズの短編集。5編収録。
今回はタイトルのみ紹介。
原罪SHOW
マンションサイコ
杜の囚人
斯くして、完全犯罪は遂行された
掲載禁止
ホラー・フレイバーの匙加減が異なる、叙述トリックのミステリー。
全編、叙述トリックなので、手法が単調なのは否めないし、TVマン出身なので、小道具のビデオカメラが大事な役割を果たすのも致し方なし。ソレよりは、どぅ着地させるのか、どぅオチをつけるのか、を単純に楽しめる方向き。
個人的好みは、アンソロジー『怪談』で既読だが、ホラーの匙加減、展開もシックリくる「原罪SHOW」が一番のお気に入り。続いてが、オチでヒネ