長江俊和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
放送禁止シリーズ。8編の短編集。
どの話も最後にどんでん返しが待っていて楽しめた。
以下印象的だった作品。
「ルレの風に吹かれて」
失踪した友人を追って異国の地にやってきた男の話。
放送禁止シリーズらしい仕掛けが施された作品。こういうの好きです。
「撮影現場」
カリスマ映画監督の作品に出演することになった無名俳優の話。
映像作品にしたら面白そう。これも放送禁止らしい作品。
「この閉塞感漂う世界で起きた」
世の中に絶望し、お金持ちの家に空き巣に入った男。家を物色しているところを住民に見つかるが、なぜかその家の住人はとても親切で…?
最初と最後に出てくる「耳の大きな小型犬」というのが気になる -
Posted by ブクログ
著者の長江が、若橋呉成の「心中」について書かれたルポルタージュを紹介するような今までにない不思議な構成のミステリー。
それでいてとても読み易く、読み直さなくても済むように最後まで丁寧に書かれていた。
ただ、最後にもう一味物足りない感じがしてしまった。
でも、普通に読んだだけでは分からない何かがあったとしたら。
もしも、まだ気づけていない何かがあったとしたら。
そんな何かがあるんじゃないかと匂わせるものがありました。
平仮名で書かれた「わかはしくれなり」に特に意味はないのでしょうか?
「我、端くれ也」…?
だから…何?でも、何かがあるんじゃないかと勘ぐってしまう。
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Posted by ブクログ
ネタバレ心霊スピ系のどんでん返しでオチないでくれ〜と願いながら読んだので好みの結末でした。
刺客じゃない自分の中の人格(潜在意識?洗脳?多重人格?)が縦読みとかアナグラムを仕込んだとは思うけどはっきりとした答えがないのはやっぱり歯痒い。放送禁止時代からそうだったけど歯痒い。
今回のオチ:
心中でなくなった監督は最初から死ぬつもりがなく、愛人と心中をするという映像作品を撮っているつもりで演技していた。愛人(七緒)はそれ利用して監督を殺した。動機は暴力被害者の監督婦人を助けるため。七緒は刺客だった。
主人公のライターは監督の親である政治家(神湯)が送り込んだ刺客。心中の真相を暴いて犯人を殺すという使命が