あらすじ
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
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Posted by ブクログ
ついに読んでしまった。 長江先生の短編集となっているが、中でも「例の支店」は幽霊の存在について白熱した議論が展開されてその世界に引き込まれてしまう。その白熱した議論だが、次々のどんでん返しが繰り返されてスリルと驚きが続出するのである。そして、最後の最後に強烈などんでん返しが待っているのだ。どうやら、幽霊は存在するらしい。 「ルレの風が吹く」や「哲学的ゾンビの殺人」も面白かったが、個人的にはあまりにも「例の支店」の結末が衝撃すぎた。久しぶりにハラハラドキドキしながら読んだ作品であった。
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今回もミスリードにまんまと引っかかってしまいました!私のお気に入りの作品は、、、
例の視点
読み終わるとこのタイトルに納得します。長江さんらしい作品だなと感じました。
カガヤワタルの恋人
最後の章です。犯人を考察しながら読み、今回は騙されないぞと気をつけていたのですが、最後の数ページで2度感嘆の声をあげてしまいました。
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カガヤワタル…なんか引っかかるんだけど気のせいか⁇
漢字カタカナメッセージどういう事なんだろう…。
素直に結末通り受けとって良いんだろうかー。
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ずっと気になっていた長江俊和さんの放送禁止シリーズ。基本、怖い系は苦手なので、なかなか手が出せなかったけど、まずは短編集でどんな作風なのか試してみた。
面白い!
読みやすい!
全編ハズレなし。
ジワーっと襲ってくる怖さが良い感じだった。
短編なのにそれぞれどんでん返しも十分味わえて楽しめた。
シリーズで読んでみたいと思えた。
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今回の短編集もとても楽しめました。どの作品も印象深いものばかりです。グイグイと物語に引き込まれてしまい、物語の到達する場所も想像していたものとは別の場所に連れて行かれます。想像の斜め上か、斜め下、あるいは真後ろに連れて行かれるのです。長江さんの著書は7冊目になりますが、私の中ではハズレはありませんでした。次回の作品も楽しみに待っています。
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手元にある禁止シリーズラスト一冊。
長江さんの作品はいつもそうですが、今作も完全に予想が当たることは一話もありませんでした。
•元オフィスの廃墟にて、首吊り自殺がありました。しかしその事件は殺人だった可能性が…霊能者を騙る男、ジャーナリストの男の2人で話が進んでいきます。ジャーナリストが犯人なのは予想したが、まさか、語り手がずっとその被害者だったとは…「例の支店」
•秘境のような場所にある村に突如姿を消した友人。主人公はその村に妻子を設け幸せを掴んだが…
最終的に愛する人を”食べること”が永遠の愛を証明するという、自分の価値観からすると恐ろしい風習が主人公を襲います。
最終的に妻を食べなければならないのか…と思っていたら、食べられているのはどうやら…
「ルレ、サク、ツベ、タイタ、國野、久保田、レラ、ベタ、デウタ、カシア、ウヨリ」、天地をひっくり返して読むと分かる真実が…「ルレの風に吹かれて」
•ある銃撃殺人事件について自首してきた犯人は、動機を「哲学的ゾンビ」(自分の感覚として、あらゆる事柄等をを感じることができない状態)であったため、という、訳のわからない理由を述べる。
いきなり犯人を殺してしまう刑事2人、実は”哲学的ゾンビ”であった…「哲学的ゾンビの殺人」
•ホームレスの主人公は、出来心で空き巣を試みたが、家主の老夫婦に見つかってしまう。そんな自分に対しても、ご飯を出してくれたり風呂に入れてくれたりと、予想外に良くてもらい主人公は反省し、奮起して終わりますが…老夫婦が探している失踪中の娘は、失踪などしておらず、町で起こる連続通り魔殺人事件の犯人なのです…
その事実が明るみに出ないよう、毒を盛った弁当を主人公に渡していた…「この閉塞感漂う世界で起きた」
•ある人物を殺すために殺し屋は注射を試みるが、手が震えて失敗してしまった(イップス?!)。しかし翌朝、何者かに同じく注射で殺されていた。一体誰が元々殺し屋で、誰が真犯人か?!
意外な角度でイップスの殺し屋が最後にサクッと判明!「イップスの殺し屋」
•鬼才と呼ばれる映画監督の作品に出演が決まった主人公。無人島で撮影が進んでいくが、躊躇なく血が出るほど「監督の言うことなら絶対」というスタッフや出演者たちの悍ましさを感じ、島から逃げようとするが…まさか監督が”監督役”をやらされていたとは…そして何より、気の弱そうな三流役者が実は監督だったという予測不可能な物語…「撮影現場」
•双子ばかりが在住する村で、連続して双子の片割れだけが殺される事件が発生する…犯人は誰なのか、何故双子ばかりが集っているのか…双子を生まれてすぐに引き離し、成人してから引き合わすというモルモットの実験のようにことがこの村では行われていたのだ…リヨンとリヲンもその一組だが、彼らは出会う前からお互い数十人と殺してきたとんでもない性質を持った双子であり、今後は世の中の人々をとんでもないスピードで殺していくだろう…「リヨンとリヲン」
•友人のカガヤワタルには、恋人に対し、「本当の彼女は私だ」「彼から離れないと殺す」などのメッセージを送る謎の女がいた。かつての恋人は商業施設にて転落死してしまい、自殺とみなされたがそうでないのは自明であった。
しかし、新しい恋人の凛はそれを知りつつもワタルと付き合い続け、なんと相手の女に直接話をしてもいた。
が、しばらくすると、「死ね」「殺す」等の激しい言葉や、凛の部屋のポストに鳥の首が入れられたり、行為はエスカレートしていく…
そしていよいよ凛も殺され、何故か犯人であるはずのまどかまでも殺される?!何が起こっているか分かるない…
そこで明かされる真実がとんでもなかった。
冒頭で相談に乗っていた主人公の”友人”は実は女で、ずっとカガヤワタルのことが好きだったのだ。
全て周りの邪魔な存在を消し、ワタルにとって自分しかいなくなる、そんな状況を作るための策略だった…
この話の衝撃度は群を抜いて大きかったです。
一話一話がそんなに長くないので、サクサク読めてすぐ終わりました。
Posted by ブクログ
全八作のホラーミステリー短編集。約350頁。
どの作品も長江色が強く、この手の小説が好きな人にはたまらない一冊。『カガヤワタルの恋人』は特に好みだった。各話の満足度が高いので文量は多くないものの長編ミステリーにも負けない一冊だと感じた。
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8つのどんでん返しの短編集。どの短編も中身が濃く、読み終わる度にゾクゾクする。特に「ルレの風に吹かれて」「この閉塞感漂う世界で起きた」「カガヤワタルの恋人」は良かった。ただ「哲学的ゾンビの殺人」がよくわからない。二人が刑事ではない?哲学的ゾンビか?解説求む笑。
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騙された!!!
どんでん返しに備えて心の準備というか、
きっと最後はこうだろうと想像を膨らまし、
一旦「やっぱりね!!」と誇らしく思った後にまたひっくり返されて
見事に完敗。
物語の設定や世界観も独特で
パラレルワールドのようで
でも現実世界のようで
ひっくり返されなくてもこのまま世界が広がりそうで
その先も見てみたい、このまま進むバージョンも見てみたい
そんな世界だった
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全部、どんでん返されます。
しかも、返された後の後味が何とも言えません。驚き共に、ぞくぞくっと背筋が震え、次は?次は?とページをめくる手が止まりません。
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読み進めるうちにもやもやと浮かび上がる違和感。あっちなの?それともこっちなの?うわっ、そっちなのか!と、どれもが揺さぶられる8編。テレビ番組「世界で一番怖い答え」が好きな人は是非
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何編かある小説で最初ホラー要素が強いのかな ~と思って読んでましたが、ゾワっとするような感じの物語で私は面白かったです。
レルの風に吹かれてが
映画のミッドサマーみたいで面白かった。
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スタートが映像監督だからだろうけど、初期の作品は熱量があるけれど、ざらつきのある文章で、それが長江監督の味にもなっていました。文章力がどんどん上達して、よくも悪くも、完全に作家の文章になりましたね。
おおよそ落ちが当たったものは2篇だけでした。逆にまったく意味が分からなかったのが「哲学的ゾンビの殺人」です。誰か解説してください。
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「禁止」シリーズ大好き。短編集だから読みやすかった。
個人的には「ルレの風に吹かれて」と「イップスの殺し屋」が好き。
最後になって「え?そういうことなの?」っていう気持ちになって二度読みしちゃうのが多いのがいい!
Posted by ブクログ
「例の支店」は霊の視点と出版禁止のシカクのシカクに通じるし「ルレの風に吹かれて」も同作品の手記に似ていた、「カガヤワタルの恋人」の叙述トリックもるろうの村滞在記を思い出された。まだ未読作品もあるのでなんだがよくも悪くも短編集だなと、まあ楽しめました
Posted by ブクログ
放送禁止シリーズ。8編の短編集。
どの話も最後にどんでん返しが待っていて楽しめた。
以下印象的だった作品。
「ルレの風に吹かれて」
失踪した友人を追って異国の地にやってきた男の話。
放送禁止シリーズらしい仕掛けが施された作品。こういうの好きです。
「撮影現場」
カリスマ映画監督の作品に出演することになった無名俳優の話。
映像作品にしたら面白そう。これも放送禁止らしい作品。
「この閉塞感漂う世界で起きた」
世の中に絶望し、お金持ちの家に空き巣に入った男。家を物色しているところを住民に見つかるが、なぜかその家の住人はとても親切で…?
最初と最後に出てくる「耳の大きな小型犬」というのが気になるんだけど、犬=娘ってわけじゃないですよね…?解読しきれてない感じがして消化不良。
映像作品になったら窓から娘が見切れてるシーンありそう。
「カガヤワタルの恋人」
加賀谷亘は「加賀谷亘の恋人」を名乗る人物からの執拗な嫌がらせで恋人を自殺に追い込まれた経験から、恋人は作らないようにしていたが…
結末が2転3転する。近くにいた人物が実は一番恐ろしかった。
タイトルは何でカタカナなんだろう?何かまだ裏があるのではと疑ってしまう。
関係ないけど、ストーカー女が長身で長髪という描写があって、リカ…?と思ってしまった。(五十嵐貴久のリカシリーズをつい先日読んでいたので…)
解説は真梨幸子さん。私もTVでやってた放送禁止を普通のドキュメンタリーだと思って見てたら最後で死ぬほど驚かされた経験があるので、真梨幸子さんも同じような経験をしていてうれしくなった。
モキュメンタリーブームが訪れるだいぶ前の話です。
Posted by ブクログ
禁止シリーズ3冊目ですが、最初に購読した「出版禁止」ほどの威力がない。短編集だからかな。
とは言え、人気の〝放送禁止〟未読なのでそちらに期待したい。
・例の支店
題名と内容に関連性ない。よくあるトリックホラー。
・ルレの風に吹かれて
消えた友人がその村に惹かれた理由が最後まで分からず、男女逆転した経緯も謎。
・リヨンとリヲン
「マウスの楽園実験」のような話し。題材としてこの中ではいちばん好き。
・カガヤワタルの恋人
人怖と言えば…な話し。短い中で上手いこと二転三転するのはおもしろい。
他
全体的には「人怖・逆転ホラー」なのだけど、いまいちスッキリ感がなくて残念。
夏なのでホラーをと思い「心臓の弱い方は…」という帯でチョイスしたけど、怖さはまったくなかった。
今年の20冊目
Posted by ブクログ
「例の支店」
「ルレの風に吹かれて」
「哲学的ゾンビの殺人」
「この閉塞感漂う世界で起きた」
「イップスの殺し屋」
「撮影現場」
「リヨンとリヲン」
「カガヤワタルの恋人」
8話収録の短編集。
長江さんと言えばどんでん返し。
脳内で描いた予想はことごとく覆され反転に次ぐ反転。
どの短編も刺激的で面白かったが、特に印象に残ったのは『この閉塞感漂う世界で起きた』。
自らの境遇を嘆き、盗み目的で豪邸に忍び込んだ男。
老夫婦に見つかってしまうが、その後思いも寄らぬ展開が待ち受ける。
世の中捨てたもんじゃないと感じたのも束の間、地獄へ一直線。
Posted by ブクログ
禁止シリーズは3冊目。
短編なので隙間時間に1編ずつ。
撮影現場。イップスの殺し屋。リヨンとリヲン。
読み終わってすぐページを戻した。
イヤミスに浸る。
最後1ページ、1行でのどんでん返し。
短編なのにすごい。
帯の心臓の弱い方はご注意ください…はオーバーかな笑
面白かった。