長江俊和のレビュー一覧
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ネタバレ奈良県辺境の奥深い山間部にある村。心に傷を負い、恨みを抱えた人々が辿り着く「すくいの村」。だが、そこには呪いで人を殺しているという根強い噂があった。
2008年、すくいの村近隣の廃村で陰惨な死体遺棄事件が発生。遺体は山奥の湖畔で、切断され、樹木に釘で打ち付けられていた……。
悩み、苦しむ人々の力になるという「すくいの村」。すくいの村に滞在したルポルタージュとして記されるホラーミステリ。
一冊読み終えてようやく全容が明らかになる構成になっていて、あらすじにある様に確かに二度読みしたくなる。伏線を捜したり違和感を集めたりだとか、ネタバレサイトなんかを探して自分の考察と比較・答え合わせしてみたり。色々楽しみがあります。
いろいろホラーを読んでいると、「ろろる」とか「ろろるい」とかの文字が出てくるとまあアレですよね、となってしまうので、村が実は何を目的としているのかとかはタイトルだけで察してしまうところはあるのですが、それでも考察し甲斐があってあって楽しい。
冒頭の詩も「逆打ち」するととても怖いのでおすすめ。 -
Posted by ブクログ
山奥に存在する心に傷を負った者たちが集まるコミュニティ『すくいの村』に、潜入取材で潜り込むルポライターの話。このすくいの村には呪いで人を殺すという噂が絶えないという。不穏な雰囲気の中、序盤は気持ちがザワザワしながら読み進める。中盤ちょっと中弛みしてきたし、カルト的なシーンがメインで疲れてくるが、どうにか最後まで読み切った。
話の内容を深く理解したければ、カバーにもあるように二度読み必須。一回読んで所々に感じた違和感には、ある程度こういうことかな?と理解したつもりだけど、この本には、まだまだ回収しきれなかった緻密な伏線がいっぱいありそう。
中盤にあったパラドクスのくだりは、おぉ、と唸った。哲学者エウブリデスの『私は嘘つきである』の言葉の矛盾だったり、文明が発展するほど、かえって我々は時間に追われて忙しくなるという矛盾だったり。
他にも生と死の矛盾など、世の中には多くのパラドクスが散りばめられていて、この世の矛盾点を注意深く探索すること、逆説的に捉えることで、本質を見失わず真理に辿り着く。なんか、妙に得心して心に引っ掛かった。
今のところ、じゃあもう一回読むか!という熱量は正直湧いてこないけど(汗)、気が向いたらまた読んでみるかなぁ。
『行けたら、行きます!』みたいな大概行かないパターンかもしれないけど… -
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「別冊太陽 探偵小説の鬼 横溝正史: 謎の骨格にロマンの衣を着せて」のすぐ後の本書。横溝の作家人生、とりわけ江戸川乱歩と横溝正史の関係性の歴史を確認したばっかりだったのでタイミングバッチリでした。特に横溝の同級生の西田徳重の兄の西田政治から生まれた乱歩との出会いとか「別冊太陽」読んでいなければスルーする事実が埋め込まれていて、本書の作者、相当にマニア。終わりの方で松本清張の『探偵小説を「お化け屋敷」の賭小屋からリアリズムの外に出したかったのである。』という発言も引用されていて、乱歩と正史、二人の天才に対するリスペクトだけでなく、探偵小説というジャンル、そのものへの愛情が本作になった気がします。自分の読書体験で言えば、中川右介「江戸川乱歩と横溝正史」がそのままエンターテイメントになったような感覚を得ました。美少年フレーバーもぷんぷんだし…。あとはちょうど一年前に観た映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に近しい何かが。「鬼太郎の親父と水木しげる」のバディ感にBLっぽさを感じたのがヒットの秘密という記事を読んだことがありますが、「乱歩と正史」のバディにもその構造を感じました。心理的SFモチーフもなんか現代っぽい。探偵文学愛好家が現代のエンタ構造を探偵文学史に援用して相当ロジカルに構築した作品、とみました。多分、この読書の流れ最近、書評で見つけた後藤隆基「乱歩を探して」に繋がる?
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禁止シリーズ3冊目ですが、最初に購読した「出版禁止」ほどの威力がない。短編集だからかな。
とは言え、人気の〝放送禁止〟未読なのでそちらに期待したい。
・例の支店
題名と内容に関連性ない。よくあるトリックホラー。
・ルレの風に吹かれて
消えた友人がその村に惹かれた理由が最後まで分からず、男女逆転した経緯も謎。
・リヨンとリヲン
「マウスの楽園実験」のような話し。題材としてこの中ではいちばん好き。
・カガヤワタルの恋人
人怖と言えば…な話し。短い中で上手いこと二転三転するのはおもしろい。
他
全体的には「人怖・逆転ホラー」なのだけど、いまいちスッキリ感がなくて残念。
夏なのでホラーをと思い「心臓の弱い方は…」という帯でチョイスしたけど、怖さはまったくなかった。
今年の20冊目
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ネタバレ学生の和真は混乱の中にいた。いつものバッグを持って大学に向かっていたはずが、ふと開けたバッグの中には女の生首が。
首と一緒に入っていた横溝正史の原稿に解決の糸口がないかと和真は原稿を読み始める。
江戸川乱歩と横溝正史が巻き込まれた猟奇的殺人事件とは。
乱歩と正史の蘊蓄の数々がちょっとまどろっこしい。
なかなか話が進んでいかない感じがして何度も睡魔に襲われてしまった。
残り1/3くらいでようやく加速、よかった読み切れて。
「陰獣」のような「八つ墓村」のような、いわくのある空き家、心理学の大学教授、もうまさに乱歩と横溝の世界なんだけどなあ。
唐突な登場の謎の美貌の人妻、貴和子が違和感ありありなので、そこは割と早くわかってしまうのだけど、和真にはやられたー。そうきたかー!