あらすじ
江戸川乱歩と横溝正史。現実に師弟関係にあった二人が挑む不可能事件。
首なし死体と生首が次元を揺蕩い、うつし世と夢は混線し……。
ミステリー界の巨人たちが、悩み、もがき、執筆し、謎について語り、あげく事件の泥沼に巻き込まれる。
あり得ない事件、受け容れ難き怪奇幻想。時空を越える乱歩と正史の推理は、現代の私達をも浸食する。
二人の蜜月を蘇生させるという大胆不敵な試みに、完璧に翻弄された。―ミステリー作家 斜線堂有紀
悪魔的な発想で紡ぎ上げられた小説の混沌に身を委ねる愉悦と、その混沌に理知の光が差す瞬間の恍惚を堪能した。
ーミステリー評論家 村上貴史
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江戸川乱歩と横溝正史という二大作家が、本物のミステリに挑戦していくお話。まさか乱歩が横溝を見出したというのは初めて知ったなあ。知らないことばっかりだった。とある心理学の教授の奥様が殺害される。全裸で、しかも首だけがない。世間は探偵小説のせいだ!規制しろ!と強く主張する流れに乗ってしまう。そんな苦境の中、乱歩、横溝、それぞれが自分なりの方法で解決法を見つけていく。まさか巻き込まれた和真くんが…?だったのにびっくりした。でも確かに身体が痛いとか言ってたもんな…本当に彼は時空を超越できたのか。不可思議な体験をした感じ。
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現在と過去の時空を超えたSFなのか??とドキドキしながら読む。今まで知らなかった江戸川乱歩と横溝正史の関係や高木光琳、司馬遼太郎など作家の名前も出てきてワクワク感が止まらない。
そして謎の女性の首と横溝正史の手記がカバンに入っていた訳が最後に分かるのだが楽しく、ノンストップで読み切る。集中力が欠けてきている自分がウソのように、また乾いたパンを牛乳に浸したように栄養化と共に吸い取っていく。
人は何故推理小説や刑事ドラマを好むのか、犯人の背景、心情や善によってストレス発散になるという。だから水戸黄門が長く放映されているんだなぁ。こんな国民的に愛されている水戸黄門は映画化されていたのだろうか??
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本邦が誇る推理/怪奇小説の二大巨頭を主役に据えて奇怪な話に仕上げたのは腕の見せどころ、といったところか。物語の本筋とは別に挿入される挿話も面白い。何かあるのだろうなとは思いつつ終盤ではなるほどなぁと思わせてくれた。
ただ、個人的に一箇所「いや流石に無理だろ」と思える箇所があった。悪くはないのだけれど、こればかりは嗜好の問題なので深く言わないでおく。
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「別冊太陽 探偵小説の鬼 横溝正史: 謎の骨格にロマンの衣を着せて」のすぐ後の本書。横溝の作家人生、とりわけ江戸川乱歩と横溝正史の関係性の歴史を確認したばっかりだったのでタイミングバッチリでした。特に横溝の同級生の西田徳重の兄の西田政治から生まれた乱歩との出会いとか「別冊太陽」読んでいなければスルーする事実が埋め込まれていて、本書の作者、相当にマニア。終わりの方で松本清張の『探偵小説を「お化け屋敷」の賭小屋からリアリズムの外に出したかったのである。』という発言も引用されていて、乱歩と正史、二人の天才に対するリスペクトだけでなく、探偵小説というジャンル、そのものへの愛情が本作になった気がします。自分の読書体験で言えば、中川右介「江戸川乱歩と横溝正史」がそのままエンターテイメントになったような感覚を得ました。美少年フレーバーもぷんぷんだし…。あとはちょうど一年前に観た映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」に近しい何かが。「鬼太郎の親父と水木しげる」のバディ感にBLっぽさを感じたのがヒットの秘密という記事を読んだことがありますが、「乱歩と正史」のバディにもその構造を感じました。心理的SFモチーフもなんか現代っぽい。探偵文学愛好家が現代のエンタ構造を探偵文学史に援用して相当ロジカルに構築した作品、とみました。多分、この読書の流れ最近、書評で見つけた後藤隆基「乱歩を探して」に繋がる?
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江戸川乱歩と横溝正史。現実に師弟関係にあった二人が挑む不可能事件。
ミステリー界の巨人たちが、悩み、もがき、執筆し、謎について語り、あげく事件の泥沼に巻き込まれる。
ミステリー作家の2大巨頭が主人公とくれば読まずにはいられないでしょう!ということで手に取ってみました。これはこれで面白かったです。
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学生の和真は混乱の中にいた。いつものバッグを持って大学に向かっていたはずが、ふと開けたバッグの中には女の生首が。
首と一緒に入っていた横溝正史の原稿に解決の糸口がないかと和真は原稿を読み始める。
江戸川乱歩と横溝正史が巻き込まれた猟奇的殺人事件とは。
乱歩と正史の蘊蓄の数々がちょっとまどろっこしい。
なかなか話が進んでいかない感じがして何度も睡魔に襲われてしまった。
残り1/3くらいでようやく加速、よかった読み切れて。
「陰獣」のような「八つ墓村」のような、いわくのある空き家、心理学の大学教授、もうまさに乱歩と横溝の世界なんだけどなあ。
唐突な登場の謎の美貌の人妻、貴和子が違和感ありありなので、そこは割と早くわかってしまうのだけど、和真にはやられたー。そうきたかー!