デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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白石貢さんがすすめていたデービッド・アトキンソンの本。
日本の人口減少をどうやって対策していくべきかを提案している。
移民を受け入れる、老人を働かせる、女性を働かせる…
様々な意見が取りざたされているが、
イギリス生まれ、イギリス育ち、ゴールドマン・サックスに入社して…経済のプロとしての視点で、日本の問題点を暴き、解決の糸口を提案している。
なるほど、そうかもしれないと思いました。
日本の「高品質・低価格」は、本当か?
・求められてもいない不必要なことまでもやって、高品質をうたっても、高い価格で売れないの出れば、それは生産性が低い。なるほど。
・「高品質・低価格」は、労働者にサービス残業や -
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強い衝撃を受けた。数値的な根拠を提示しながら、生産性を上げるしかないという強いメッセージを送っている。
日本が社会保障制度を維持し続けるためには、生産性の向上が必要。
高度経済成長の主因は爆発的な人口増加であって、日本的経営や文化的背景が効いたわけではない。
日本人は客観事実よりも感覚的に物事を捉える傾向が強い。FACTや一次情報を軽視し、抽象的なフレーズを多用する。これは大手企業や役人でさえ多くみかけられる。
生産性向上5つのメリット
1.労働者の生活水準の向上と労働条件の改善
2.年金基金と一般株主の配当利益の増加
3.消費者が受け取る付加価値の向上
4.環境への配慮の向上
5.政府が -
購入済み
着実に破綻に向かうこの国の将来シナリオを、科学的にあぶり出すだけでなく、破綻を回避する方法をも明示していて素晴らしい。日本人全員が読めば、この国の未来が変わる、かも。
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イギリス出身で日本にて活躍している著者による観光立国論。学術的とは言えないが、データに基づき論理的に意見を述べている。説得力があるし前向きである。参考となるいい本だった。
「観光大国になる4条件は、自然、気候、文化、食(日本はすべてを満たす稀な国)」p3
「環境産業は、170兆円」p19
「日本の観光インフラは、まだまだ整備が不十分。アクティビティ、ホテル、解説、座る場所などのレベルアップが必要」p52
「(観光最大の支出である宿泊と食事)(訪日客)アジアの平均支出額は1人あたり9万5621円、北米が13万5479円、欧州が16万6317円、オーストラリアが20万9009円でした」p78
「 -
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日本の無能な経営者、感情論でしか政治をしない政治家官僚に読んでいただきたい。
基本的にに今までの著作と言っていることは同じ。
今までなぜ日本はヨーロッパのように論理的で数字に基づいた原因の追求と導き出された結果をそのまま政治に反映できないのか、ほとほと疑問に思っていた。もちろん政治は妥協の産物であるが欧米でできていることがなぜできないのか。
そういった点にも触れられている。
外資の金融出身と言うだけあって論理的でストレートに問題点と解決策を提示している。この点がおそらく日本人にとっては痛いところ突かれ批判的な反論を生むのだと思う。
著者の出身を考えればおそらく詳細な数字やデータを提示しても -
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全日本人必読。世界最高レベルの労働者を有しながら先進国では類を見ないほど生産性が低い今の日本。
バブル期以降の凋落ぶりとその要因を豊富なデータを引用しながら暴き、これから進むべき道筋を明快に示してくれる。
人口の減少曲線と需給バランスが自然調和するまでデフレが進行し、大きな方向転換を強いられたペスト流行期の欧州に倣い、新陳代謝を止めぬ正しい政策を打ち出し、各企業で付加価値への投資、賃金の引き上げ、生産性改革が進行するかどうか。ここにこの国の未来がかかっている。
それにしても、著者の語気が新観光立国論の時以上に強くなっていて、読みながらにして申し訳のない気持ちになってしまいました…。日本人以 -
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p.144 みながわかりきっている問題を積極的に解決していくという姿勢やプロセスは、「変わらない」と絶望している国民にとってはその問題解決の効果以上に希望が持てるという心理的なプラス効果がある。
→ 「変わりたいけど、変えられない」と皆が半ば諦めている課題を解決してみせることで、根強いファンができる。
p.147 この教えから見えるのは、「客の都合」を無視するような「傲慢な主人」ではありません。「客」のために万全を期してあらゆる準備をし、心地よい体験を演出するという、自らの頭で極上のサービスを考える「心遣いの主人」ではないでしょうか。
→ ありとあらゆる状況を想定して準備ができる人こそ、お客 -
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ネタバレ論理的に、数字をベースに、現状の日本の状況を説明している。GDPの状況などをかっくこと比較し、生産性=一人あたりのGDP を上げる必要性を説いている。
私も日本の異常な高品質と低価格は懸念をいただいているため、非常に興味深く読めた。
さまざまな統計情報もあるため何かの説明の際にもベースになる数字知識として活用できそう。
また、日本は根拠の検証をしない国、というにも非常に納得がいく。
22 日本は世界第3位のGDP。
人口数は11位で1億以上は13カ国しかない。
先進国の中で1億以上なのは米国と日本だけ。
25 生産性向上率は126位
56 生産性=1人あたりのGDP★ -
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ビジネスマン・プロジェクトに携わっている人などに強くおススメ。
内容としては観光に特化している様に見えるが、実はどの企業においての問題解決の手段として非常に有効なアプローチである。
現在の日本には、他の世界との比較を避けているだけでなく、それを良しとして自己満足を強要する空気を強く感じる。この閉塞的現状を打破するためにはどうしたら良いのかを、考え方から具体的解決策迄提案してくれる。
一言で言ってしまえば、「変わらなければいけない」。今迄の成功体験は、「成功」だったのだはなく、人口激増の中での「必然」であって、その経験にしがみついていても、二匹目のドジョウはいないのだ。
おまけにながら、 -
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ネタバレ2017年、41冊目です。
著者のデービット・アトキンソン氏の経歴に驚きです。
証券マンで成功した氏が、日本の国宝重要文化財を修理する会社の社長に就かれている。イギリスの出身者ですが、日本に対する愛情に基づいた様々な提言がなされています。大きな提案は、観光立国として日本が発展すれば、アベノミクスGDP600兆円の達成は可能だというものです。そのために、様々な規制を緩和して観光資源の活用が課題ということです。そしてもう一つ大きな主張は、日本の生産性の低さを改善するべきというものです。GDPを人口で割って算出するので、バイアスのかかっていない数字のはずですが、なかなか日本人自身が、客観的なデータ -
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日本のGDP世界3位(中国に抜かれるまでは2位)の地位は人口の多さによるもので、1人あたりGDPは世界第27位。
筆者は言う ”皆さんが学校でこんなに熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、有給休暇もほとんど消化せず、一生懸命働いているのに、「生産性は世界第27位」と言われて、悔しくないですか。先進国最下位の生産性と言われて、悔しくないですか。”
確かに、3年半ロンドンで暮らし、ヨーロッパ各国を旅行して感じるのは、中流以上の人たちの物質的、(特に)精神的な豊かさだ。ほとんどの人にとって長時間労働という概念はなく、有給休暇は使い切るのが当然、2、3週間連続の休 -
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何事も、独りよがりになっていないだろうかと振り返るとき、第三者の意見を聞くべきであろうと思う。ただ、何かに集中しすぎているときは、なかなかそうとは思えないものであるのだが。
家の近所の書店に行くと、平積みされており、気にはなっていたのだが、他の本で手一杯だったので、ようやく今回手にすることが出来た。
海外の方で、それもアナリスト。どのように、日本を見て、解説しているのだろうと、興味津々で本の中に飲み込まれていった。
ポイントは2つ。
1つは、海外の方から見た、日本の良くも悪くも特徴的なポイント。これについては、なるほどと、思いながら楽しく読むことが出来た。
2つめは、数字での比較。これ