デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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自分が持っている中小企業診断士の資格が、どうしてできたのか、恥ずかしながら初めてこの本で知りました。
要は、戦後の成長期「前」において、外国の脅威がいまよりももっときつかった時代に、国の零細企業を守るため、S38年に中小企業基本法が成立したとの由。
それが日本の足かせになってる部分があり(中小企業のままでいれば補助金制度が手厚いなど)、だからいま騒いでいる生産性の向上・働き方改革とか言う前に、中小企業→大企業への成長ができるような環境を整えるべき、というのが筆者の主張。
ただ一点惜しむらくは、生産性向上をなぜ目指さなければならないのか、この本はそういうことを教える趣旨ではないものの、ちょっと残念かな。
これは働き方改革の文脈でもあまり「なぜ」というところに力点を置いていないような・・・。 -
Posted by ブクログ
ネタバレデービッド・アトキンソンさんの新作。
前作の「日本人の勝算」の未来のある提言に比べて、かなり危機感を煽る側面が強い作品。
しかし、それも読めば納得できる。
地震に関しては、あまり普段の生活で意識してなかった。
昔は「関東はいつか必ず大地震が来る」と言われたものだけど、別エリアの関西や東日本に大地震が起こり、何となく関東に住んでる人は今の生活が永続すると勘違いしている節がある。
自分は東日本大震災のときは関西に住んでて、今は関東に住んでいるが、最近は周期的な地震がなくなってきた。なので、あまり危機感を感じていなかった。
けど、この本読んで、その考えがいかに甘いか、改めて感じた。
自然災害に関しては年々酷くなってる。
今後良くなることはないだろう。さらに大地震が襲ったら・・・・。
この本の最悪のシナリオは、かなり現実になるだろう。というか、場所によってはもう進んでるわけだし。
また、経済学者たちは、日本は永遠に借金しても問題ない、実質借金はゼロだ、国の借金を一般人の家計と一緒にするのは愚かだ、などと言う。
たしかに国の収益を家計と一緒にする必要はないし、国や企業として借金ゼロが素晴らしいわけではない。投資のための借金はむしろ積極的に行うべきだ。しかし、今日本が行なっている借金は将来の投資のための借金なのか?
老人世代を支えるため、その票田を失わないため、つまり政治家のため、つまり若い世代のことなんか考えていないのではないか?だって、若い世代は選挙に行かないから。これを将来への投資と言えるのか?
楽観的なシナリオは、日本に災害がなく今後も人口が変わらないか増え続ける前提での話でしかない。経済学者の楽観論は単にアメリカが今後も人口が増えるからだ。どこの国の話をしてるのやら。。
どちらの前提も意味がない。
だって、日本はこれから人口が減っていくし自然災害も多いのだから。
本当に一刻の猶予もない。本当の本当に。
この本のメインテーマである「人口減少」は待ったなしで進む。人口動態ほどわかりやすい分析はない。ほぼ予測通りに進むので。現実を見ない振りをしようがしまいが、予測通りに生産労働人口は減り続ける。
なのに、現時点で何の手も打てていない。
基本的には「中小企業神話」をさっさと捨てて、最低賃金をあげることで経営者にプレッシャーをかけよう、という提言の本で、趣旨それ自体は前作同様に明快なのだが、何というか、それ以上に日本人のどうしようも無さを感じてしまった。。。
こんな状態なのに、過去の栄光が捨てられないからか、何も変えようとしない。。。直近で関西電力幹部への笑うしかない資金(裏金)供与のニュースを見た影響かもしれんが。。
本気で思うけど、デービッド・アトキンソンさんが日本に居て、日本語を話せて、日本に思い入れを持ってくれて、こういう本を出してくれる幸運を、日本人はもっと喜ぶべきだ。
少なくとも、今の段階で切迫感を持つことができる。
個人的な実感としても、来年2020年のオリンピック後(・・むしろその前から)の日本経済は確実に停滞するだろう。消費税を上げたことでさらに確定となった。
この本で書かれている提言を実現できなければ、日本は間違いなくこのまま沈んでいく。
中小企業の社長の利権を守って一緒に沈んでいくか、今すぐ手を打つか、日本人が主体的に決断すべきだ。本でも書いてくれてる通り、まだ人的リソースはあるのだから。 -
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白石貢さんがすすめていたデービッド・アトキンソンの本。
日本の人口減少をどうやって対策していくべきかを提案している。
移民を受け入れる、老人を働かせる、女性を働かせる…
様々な意見が取りざたされているが、
イギリス生まれ、イギリス育ち、ゴールドマン・サックスに入社して…経済のプロとしての視点で、日本の問題点を暴き、解決の糸口を提案している。
なるほど、そうかもしれないと思いました。
日本の「高品質・低価格」は、本当か?
・求められてもいない不必要なことまでもやって、高品質をうたっても、高い価格で売れないの出れば、それは生産性が低い。なるほど。
・「高品質・低価格」は、労働者にサービス残業や低賃金で働くことを強要することで成り立っている悪しき慣習。これをやめなければ、日本の未来なない。なるほど。
日本の戦後の経済発展は、人口爆発によっておこっただけ。勤勉で手先が器用だから(だけ)ではない。→これは、他の本でも読んだな。
経済大国、アメリカや中国は、今も人口が増え続けている。
人口減少は、ヨーロッパで以前から起きている。その対策として、女性を活用する方向にシフトした。日本人の女性の働く意欲のなさには驚く。ヨーロッパで数十年前までは、男尊女卑が横行していたが、それでは経済が成り立たないので、女性が活躍できる環境に整えてきた経緯がある。 -
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強い衝撃を受けた。数値的な根拠を提示しながら、生産性を上げるしかないという強いメッセージを送っている。
日本が社会保障制度を維持し続けるためには、生産性の向上が必要。
高度経済成長の主因は爆発的な人口増加であって、日本的経営や文化的背景が効いたわけではない。
日本人は客観事実よりも感覚的に物事を捉える傾向が強い。FACTや一次情報を軽視し、抽象的なフレーズを多用する。これは大手企業や役人でさえ多くみかけられる。
生産性向上5つのメリット
1.労働者の生活水準の向上と労働条件の改善
2.年金基金と一般株主の配当利益の増加
3.消費者が受け取る付加価値の向上
4.環境への配慮の向上
5.政府が格差社会緩和のために使う税収の増加
ーアクションー
・一度では消化不良があるので再読する
・経済本をお絵描きしながら読む
・対案や施策を提示する
ーおまけー
著者の書き方は非常にわかりやすい論理構成をしている。節の頭にメッセージを提示し、それを支持する内容を本文に書く。マッキンゼーのプレゼン本などで見かける構成をしている。 -
購入済み
着実に破綻に向かうこの国の将来シナリオを、科学的にあぶり出すだけでなく、破綻を回避する方法をも明示していて素晴らしい。日本人全員が読めば、この国の未来が変わる、かも。
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イギリス出身で日本にて活躍している著者による観光立国論。学術的とは言えないが、データに基づき論理的に意見を述べている。説得力があるし前向きである。参考となるいい本だった。
「観光大国になる4条件は、自然、気候、文化、食(日本はすべてを満たす稀な国)」p3
「環境産業は、170兆円」p19
「日本の観光インフラは、まだまだ整備が不十分。アクティビティ、ホテル、解説、座る場所などのレベルアップが必要」p52
「(観光最大の支出である宿泊と食事)(訪日客)アジアの平均支出額は1人あたり9万5621円、北米が13万5479円、欧州が16万6317円、オーストラリアが20万9009円でした」p78
「「世界遺産」の肩書は欲しいが、その整備はしたくないとの理論は通用しない」p150
「世界にはお金を払ってでも狩猟をしたいという人が山ほどいる(野生動物の駆除を依頼する)」p172
「文化財を観光すれば、外国人にも理解できるわかりやすい解説は皆無であるにもかかわらず、禁止事項はこれでもかというくらいに羅列されている(外国人の不満)」p182
「日本には、世界の「5つ星ホテル」を常宿としているような富裕層はほとんど訪れていない(5つ星ホテルがほとんどないから)」p250
「アジア各国がカジノという集金エンジンを用いたIR(国際会議場)で国際会議場を続々整備しているという国際的な潮流の中で、日本だけが「カジノなしのIR」で対抗しようというのは、「高級ホテルを作らずに超富裕層を誘致しよう」ということぐらい無理のある話です」p265
「文化財を単に税金を増やす「研究・学習の場」から、「自ら稼げる観光施設」に生まれ変わらせることで、自ら稼いで、施設のメンテナンスや伝統文化の普及を進めていくべき」p297
「文科省からスポーツと文化を切り離すべき」p310
「「自然」「文化」「スポーツ」という産業化できていなかった分野を「観光」という扇の要で結びつけることによって大きな成長を遂げることができ、それによって日本は世界でも稀にみる多様性に富んだ「観光大国」になることができる」p313 -
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日本の無能な経営者、感情論でしか政治をしない政治家官僚に読んでいただきたい。
基本的にに今までの著作と言っていることは同じ。
今までなぜ日本はヨーロッパのように論理的で数字に基づいた原因の追求と導き出された結果をそのまま政治に反映できないのか、ほとほと疑問に思っていた。もちろん政治は妥協の産物であるが欧米でできていることがなぜできないのか。
そういった点にも触れられている。
外資の金融出身と言うだけあって論理的でストレートに問題点と解決策を提示している。この点がおそらく日本人にとっては痛いところ突かれ批判的な反論を生むのだと思う。
著者の出身を考えればおそらく詳細な数字やデータを提示してもっと分厚い本にすることもできるだろうがわかりやすくするために省いているのだと思われる。
ですので非常にわかりやすく簡潔に書かれている。
こういう提言があって日本が変われば良いのだが、おそらく無理だろう、正直絶望的な気持ちになる。
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全日本人必読。世界最高レベルの労働者を有しながら先進国では類を見ないほど生産性が低い今の日本。
バブル期以降の凋落ぶりとその要因を豊富なデータを引用しながら暴き、これから進むべき道筋を明快に示してくれる。
人口の減少曲線と需給バランスが自然調和するまでデフレが進行し、大きな方向転換を強いられたペスト流行期の欧州に倣い、新陳代謝を止めぬ正しい政策を打ち出し、各企業で付加価値への投資、賃金の引き上げ、生産性改革が進行するかどうか。ここにこの国の未来がかかっている。
それにしても、著者の語気が新観光立国論の時以上に強くなっていて、読みながらにして申し訳のない気持ちになってしまいました…。日本人以上に高い危機意識と客観的な洞察を持って警鐘を鳴らしてくれている。こういう人がいてくれるうちが華だなと思いつつ、いよいよこの国がまずい状況であることの示唆でもあることが皮肉…
現実を直視せず、楽観に逃げてしまう。「日本的資本主義」など実態のないものを拠り所としてしまう性質は、「失敗の本質」で指摘されるような大戦中の日本軍に蔓延る空気感とどこか通じてしまうところが、底のない問題のように思えてまた恐ろしい。この国は戦争だけでなく、経済でも大敗してしまうのだろうか。 -
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p.144 みながわかりきっている問題を積極的に解決していくという姿勢やプロセスは、「変わらない」と絶望している国民にとってはその問題解決の効果以上に希望が持てるという心理的なプラス効果がある。
→ 「変わりたいけど、変えられない」と皆が半ば諦めている課題を解決してみせることで、根強いファンができる。
p.147 この教えから見えるのは、「客の都合」を無視するような「傲慢な主人」ではありません。「客」のために万全を期してあらゆる準備をし、心地よい体験を演出するという、自らの頭で極上のサービスを考える「心遣いの主人」ではないでしょうか。
→ ありとあらゆる状況を想定して準備ができる人こそ、お客様に感動を与えることができる。
p.148 一部の評価を、全ての評価にこじつけてしまうと、見直さなくてはいけない問題が見えなくなる。
→ 良い評価を得ても、全てが満点だったと勘違いしてはならない。必ず改善すべきポイントがあるものである。
p.186 一人当たりの落とす金額が少ないと言うのは、日本人の観光客であっても、海外の観光客であっても、素直に文化財のサービス度合いに見合った対価が払われているからと考えるべきではないでしょうか。
→ 感動を与えるほどのサービスであれば、みんなそれ相応の対価を払ってくれる。価格が安いということは、安くなる相応の理由がある。 -
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ネタバレ論理的に、数字をベースに、現状の日本の状況を説明している。GDPの状況などをかっくこと比較し、生産性=一人あたりのGDP を上げる必要性を説いている。
私も日本の異常な高品質と低価格は懸念をいただいているため、非常に興味深く読めた。
さまざまな統計情報もあるため何かの説明の際にもベースになる数字知識として活用できそう。
また、日本は根拠の検証をしない国、というにも非常に納得がいく。
22 日本は世界第3位のGDP。
人口数は11位で1億以上は13カ国しかない。
先進国の中で1億以上なのは米国と日本だけ。
25 生産性向上率は126位
56 生産性=1人あたりのGDP★
60 1人あたりのGDPは28位。
日本のGDPが高いのは人口が多いから。
144 日本は本当に根拠の検証をしない国
225 IMD World Digital Competitiveness Ranking 2017
によると、日本のデジタルインフラ競争力は6位と高い。すじゃす、」企業の機敏性は57位で、データを使う能力は59位。 -
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ビジネスマン・プロジェクトに携わっている人などに強くおススメ。
内容としては観光に特化している様に見えるが、実はどの企業においての問題解決の手段として非常に有効なアプローチである。
現在の日本には、他の世界との比較を避けているだけでなく、それを良しとして自己満足を強要する空気を強く感じる。この閉塞的現状を打破するためにはどうしたら良いのかを、考え方から具体的解決策迄提案してくれる。
一言で言ってしまえば、「変わらなければいけない」。今迄の成功体験は、「成功」だったのだはなく、人口激増の中での「必然」であって、その経験にしがみついていても、二匹目のドジョウはいないのだ。
おまけにながら、最近流行りのハイライト入り。重要点に目が惹きつけられて思いのほか重宝し、結果通常の倍近い速さで読める。 -
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ネタバレ2017年、41冊目です。
著者のデービット・アトキンソン氏の経歴に驚きです。
証券マンで成功した氏が、日本の国宝重要文化財を修理する会社の社長に就かれている。イギリスの出身者ですが、日本に対する愛情に基づいた様々な提言がなされています。大きな提案は、観光立国として日本が発展すれば、アベノミクスGDP600兆円の達成は可能だというものです。そのために、様々な規制を緩和して観光資源の活用が課題ということです。そしてもう一つ大きな主張は、日本の生産性の低さを改善するべきというものです。GDPを人口で割って算出するので、バイアスのかかっていない数字のはずですが、なかなか日本人自身が、客観的なデータを認めようとしない。 -
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日本のGDP世界3位(中国に抜かれるまでは2位)の地位は人口の多さによるもので、1人あたりGDPは世界第27位。
筆者は言う ”皆さんが学校でこんなに熱心に勉強して、塾にも通って、就職してからも毎日長い時間を会社で過ごし、有給休暇もほとんど消化せず、一生懸命働いているのに、「生産性は世界第27位」と言われて、悔しくないですか。先進国最下位の生産性と言われて、悔しくないですか。”
確かに、3年半ロンドンで暮らし、ヨーロッパ各国を旅行して感じるのは、中流以上の人たちの物質的、(特に)精神的な豊かさだ。ほとんどの人にとって長時間労働という概念はなく、有給休暇は使い切るのが当然、2、3週間連続の休みも珍しくない。たっぷりある余暇時間には様々な趣味を楽しむ。それでいて給料は日本の同等の仕事をする人より高い。世界27位、先進国最下位というのはその通りなのだろう。
人口が増えない中で経済成長するには、生産性向上しかない。筆者は、生産性向上のために労働者全員の仕事のやり方、各業界のあり方、人の配分などを根本的に変える必要があると説く。「失われた20年」以前、日本が経済成長していた時代にも、様々な非効率はあったが、増える人口にがそれを補って余りある効果を発揮していた。その人口ボーナスステージが終わり、生産性向上に向き合わなければいけない時代はとっくに来ている。
どうすればよいのか。筆者は、”生産性向上は、労働者が自ら進んで行うことではなく、間違いなく経営者がなすべきこと”だが、経営者にそのインセンティブはないので、政府が国家として経営者にプレッシャーをかけて、経営者に成長戦略の実現を求めるよう、真剣に働きかけるべき、と主張する。
主観的にも客観的にも、日本の一人一人の労働者の能力は全然低くなく、むしろ優位にあるので、無駄なことをやめて意識を変えれば、未来はそんなに暗くないはず。 -
Posted by ブクログ
何事も、独りよがりになっていないだろうかと振り返るとき、第三者の意見を聞くべきであろうと思う。ただ、何かに集中しすぎているときは、なかなかそうとは思えないものであるのだが。
家の近所の書店に行くと、平積みされており、気にはなっていたのだが、他の本で手一杯だったので、ようやく今回手にすることが出来た。
海外の方で、それもアナリスト。どのように、日本を見て、解説しているのだろうと、興味津々で本の中に飲み込まれていった。
ポイントは2つ。
1つは、海外の方から見た、日本の良くも悪くも特徴的なポイント。これについては、なるほどと、思いながら楽しく読むことが出来た。
2つめは、数字での比較。これは一般的にある数字を積み上げれば分かることであるが、なかなかそんなことをせずに、感覚的に、ああだこうだと言っていることを、数字で見せてくれている。分からないことは、まず数字に置き換えること、そしてその数字の意味することを考えることの必要性を改めて知った。
さっと読める本なので、色々悩んでいる人には、是非読んでみてもらいたい1冊だ。