デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【良かった点】
・企業規模の拡大が生産性の向上につながるという道筋を理解できた
・monopsonyについて知識を得られた
・全ての中小企業を優遇するのではなく、優遇すべき中小企業を選定して政策を打つべきというのには賛同できるが、中小企業の数が特に多い日本では大きな反発も容易に想像でき、実現の難しさも感じた。
【疑問に感じた点】
・同じ主張を繰り返すことが多いので、議論が進んでないように感じる
・企業規模を増やすことを第一に考えた際、個人事業主やスタートアップの立場はどうなるのか
・中小企業優遇政策を辞めれば、現在の中小企業は規模を拡大していくという前提には違和感を感じる。優遇を辞めれば本当に体力のない企業は追い込まれる。急激な人口減少に際し、ある程度の犠牲はやむを得ないという主張だが、その姿勢ではスタートアップ企業の切磋琢磨は生まれないのでは、と感じた。
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Posted by ブクログ
単なる「日本下げ」ではなく、現在の日本のやり方の誤りを指摘し、それを改善する術を示している。
海外の観光地と日本の観光地の考え方の違いなど知らなくて恥ずかしいことがたくさん。
ただ、本当に日本がこれをやる覚悟と柔軟性があるかと心配になった。やれれば素晴らしいのだが、意味もわからずに精神論で批判する妨害者がたくさん出てきそう。
以下自分用の内容要約
日本を成長させるには、観光が重要。それは外国人移民の短期バージョン。
観光大国の条件は、客の多さと落とすお金の多さ。
日本は富裕層向けの、落とすお金を意識した観光を行っていない。
日本は観光大国の四条件、気候、自然、食事、文化すべて充実しているが、観光に活かせていない。治安やマナー、交通アクセスなどを重視しているが、それらはあくまであったらいい要素。
お金を落としてもらうために、発信力と観光インフラが大切。押し付けのおもてなしではなく、観光客のニーズに対応できるようなおもてなしが必要。アジア圏のニーズには合っているが、アジア圏は短期滞在が多く、お金を使わない。ヨーロッパ圏は遠いので長期滞在し、お金を使う。ヨーロッパ圏「も」ターゲットにすべき。
観光大国になるために、観光コンテンツの多様性が必要。富裕層から一般層まで。富裕層向けの高級ホテル(数百万単位の宿泊費)も増やすべき。観光は人数ではなく収入。観光地も混雑していては富裕層は来ない。VIP扱いは必要。もちろん、お金はたくさん取る。
そして、文化財の整備、これも重要。日本は無料が多すぎる。ガイドは有料にすべき。展示案内、ガイドブック、多言語対応、ガイドスタッフ。内容を充実させて、お金を取る。そのお金でさらに内容を充実。調べて来いの観光では外国人は来ない。文化財は稼ぐもの。 -
Posted by ブクログ
中小企業再編論者の著者が、日本の生産性の低さとその処方箋を列挙する。
序盤で「生産性」と「効率性」は別物と言っていたのはそのとおりだと思った。また「GDPの増加より幸福感の増加」といったカネが全てじゃない論に対しても、少子高齢化で社会保障費が増え続けながら労働人口が減ってる今そんな腑抜けたことを言ってる場合じゃないと一蹴していたのも同意。
低価格を当たり前にしている企業と国民、最低賃金の低さとろくに収益を上げない中小企業と退場を拒む政府と経済界が少しでも現状を改めていって欲しい。
満足には給料も払えないブラック企業なんてとっとと消えて欲しいと思ってるから著者の主張には全面的に同意。 -
Posted by ブクログ
弱体化する日本という国の現状を知ることができる良い本でした。
この本の主張を要約すると以下の通りです。
・日本はこのままだと数十年後に発展途上国レベルの国になる
・その原因は「高齢化」と「人口の減少」の2つの問題を同時に抱えていること
・特に「人口の減少」は日本経済にとって致命的、なぜなら「人口の減少」は商品やサービスの需給バランスを崩す(需要が減る)が、企業は供給を減らしたくないので企業同士による価格競争が起き、この競争によって「低品質・低価格のスタイル」になってしまい、最後に「給与を下げられてしまう」という形でバチを食らうのが最下層の従業員たち
・「高齢化」と「人口の減少」の2つの問題を同時に抱えている国は諸外国には少ないので諸外国の対策は参考にならず、日本独自の対策に取り組む必要がある(「高齢化」だけど「人口は増えている」という諸外国の方が多い)
・その対策とは「賃金を上げること」、日本の最低賃金はあまりにも低い
・企業が従業員の賃金を上げるためには、「生産性を上げる」しかない
・「生産性を上げる」ためには、中小企業の統合(中小企業は生産性が低い)、高品質な商品を売って高所得を得るスタイルへの切替(現状は逆)、大人の生涯学習による生産者のスキル向上、などやることは多い
・でも一番やらなければならないのは、まず国民が「変化を歓迎すること」
・特に人口が多い40代以上の大人が時代の流れと共に積極的に意識を変えていかないと、日本は本当に終わる
この本を読んで僕が思ったのは、「日本はここまで難しい状況にきてしまっているのか・・」ということです。例えば、著者はこの本だけでなく至る所で中小企業の統合を薦めていますが、これはかなり痛みを伴うと思います。日本の中小企業には良い面がたくさんあって、それが日本の経済の根幹を支えていると僕は思います。だけど、現実として、高齢化社会の日本で年金や介護医療保険制度を維持していくために国は税収が必要で、税収を得るためにはとても少ない働き手ひとりひとりが生産性を上げることが必須で、そのためには中小企業の経営統合をして人事総務や経営を一体化しないといけない。日本が誇る中小企業の良い面を捨てるほどの意識改革をしないともうなす術が無いところまできているのか・・と思わされてしまいました。
あと、それ以前にまず、「生産性とは何か?」と人に聞かれたときにきちんと答えられるような大人になろう、とこの本を読んで思いました。
日本以外の国にルーツを持ち、だけど日本に長く住み、日本人的視点と日本国外からの視点の両方を持つ筆者のような方の本は、自分には無い視点と発見を教えてくれるので、僕は読むのが好きです。
他には、ロバート・フェルドマン氏の「フェルドマン博士の日本経済最新抗議」なんかもおススメです。 -
Posted by ブクログ
菅首相が信者だというデービット・アトキンソンの著書、積読が発掘されたので読みました。人口減少に対して賃上げで需要喚起、生産性を上げてGDPアップ、輸出拡大、人材育成、これらは全く同意です。だがしかし、企業規模拡大については異論あり、これが平成の初め頃ならば正しかったかもですが、今や中小零細でもITを安いコストで使えるので、先ずはITを酷使したビジネス戦略で生産性向上ではないだろうか。揚げ足を取るようですが、日本と米国は人口や国土の大きさも違うので、比較対象にすべきではないと言いながらも米国のデータで会社の規模と生産性を論じているところは不誠実です。と言いつつもベンツに乗って六本木で遊ぶ金(どっちも無いですが^^;)ができると規模拡大を止める社長の話はドキッとしました。
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Posted by ブクログ
日本企業にこれから求められるのは生産性1.7倍の向上。
そのためには中小企業の合併による大企業化の推進 (規模の経済によって生産性の向上が見込める)、monopsyの排除 (これによって権力が経営者から労働者に移る)、労働の流動性、最低賃金の向上が必須だと謳っている本。
生産性向上が必要な理由は、人口減少と高齢化によって就労人口は減っていくかつ総需要が減っていく一方で一人当たりの社会保障負担分が増えるため。
現在のGDPを維持するためには労働生産性を向上させる、もしくは労働の参加者を増やす他ない。
私はこの本のおかげで山本太郎やアベノミクスが謳っている量的緩和に基づくインフレ推進、物価の2%向上は人口減少が続いていく日本において有効ではないことを学んだ。成熟した日本において、これから求められるのはいかに生産性を高めていくか。イノベーションによって今までなかった需要を想起していくか。なのだと。
細々した会社を創立していくのはやめよう。
生産プロセスにおいてももっとコミュニティ化して、シェアして、スケールさせていこう。
企業の成長にインセンティブをおいた政策を中心としていこう。
これから外資企業でプロセスを学んだ人材、さらには大企業を経営した経験のある人材は市場で高い価値を確立していくことになる。また労働者も貴重になってくるだろう。逆に中途半端な経営者は淘汰されていく。早めに吸収合併を目標として動いていくのが吉だ。
私ももっと歳を取ったら仲のいい人たちで旅館とかカフェを営みたいと思ったけど、生産性高い方法を考えていかないといけない。それってなんだろうなー。 -
Posted by ブクログ
観光立国をしていく上で「おもてなし」が渡航の動機にはならないという点は非常に共感できる。旅行にはたいていの場合、建築物や絶景など目的物があるはずで、日本のおもてなしの精神を見にやってくるとは到底思えない。マンホールや自動販売機に力を入れるというのも論外と思う。外国人が日本のどこに注目するのか、何に魅力を感じるのかをもっと考えるべきだよね。
いかに国内で消費させるかというところも共感。前爆買で経済効果アップ論には以前から違和感があった。ほとんど海外生産で作られた家電製品や日用品が売れても儲かるのは結局国内じゃなくて外。まあ生産してる日系企業や小売店は儲かっていくんだろうけど、観光客にも日本の観光地にもっとお金を落としてもらわないといけないよね。
あとは数字を用いたデータ展開も説得力が増して読みやすかった。
が、?な部分もちらほら...
P117から始まる海外の従業員対応と日本の従業員対応を比較しているところもそうだけど、
日本の従業員でもできてるところはできてるし、海外でも出来てないところは出来てない。
もちろん全てできればそれはいいのだが、
結局どの層をターゲットにするかで対応の仕方は変わってくる。サービスがアップしたことで値段も高騰し中低所得者層が気軽に行ける観光スポットが減ってしまっても日本には安い店が少ないと叩かれるわけで、、、
筆者は富裕者層を捕まえれれば問題ないと考えているのだろうけど。
総評としては非常に興味深い本。日本の観光産業の課題を的確についていると思う。
最終的には結局金がいるという話だったが、そこも日本の課題として捉えていくべきか -
Posted by ブクログ
外資系金融機関出身で日本の伝統文化保護の企業を経営し、大学でも日本を学んできた、英国人でありながら日本人以上に日本を知り、日本を愛してくれている著者による、数ある著書の中でも際立って強いワードによって綴られた提言書。
日本政府や経営者にかなり辛辣な意見を述べているが、彼だからこその複眼的な視点による提言は、愛する日本の行末を本気で案じているからこそのものであるのであろう。
世界を比較してのデータから見る、日本の生産性の低さは恐るべきものである。
そして歴史的に見ても、外部要因によって改革を強いられたことが多く、自ら改革をすることが苦手であるとの著者の言葉は、我々日本人の特性を鋭く指摘している。