デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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ネタバレ日本の生産性について
日本は経済大国なのは人口大国だったから。
・日本の人口が減少していく今、生産性を上げなくては、日本経済が経ち行かなくなる。日本の抱える借金や今の社会保障制度を維持するためにはGDPの維持は必須。
生産性はGDPを国民の数で除したもの。
そのためには生産性を上げる必要がある。
では、どのように上げるのか。日本は何がいけないのか。
・移民を増やすと言う考察。2060年ごろまでに3400万人の労働人口が減少する。これを移民で補うと実に5人に2人が移民になると言う。(数字はうろ覚え)
・高齢者に働いてもらうと?そもそも身体的能力が衰えてくるので、現役世代と同等に考えることはできな -
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過去の成功体験にしがみついている場合ではない。
現状を客観的に分析して、変えるべき所は変える。
―というようなお話。
そう、その通りなのだけれど、それが難しい。
一部の美談を国民全般に拡大する、シンプルアンサーに飛びつく、といった点は、もしかしたら日本人だけではなくありそうな気がするけれど、まあ、そうならないようにしたほうがいいことだよね、と思う。
日本人が誇りにしている「おもてなし」。
それが供給者の都合が優先され、本当の顧客本位ではないという指摘に驚く。
自分があまりおもてなしを受けたことがないので、どうかわからない。
日光東照宮の補修も手掛ける美術修復を専門とする会社の経営者となっ -
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ネタバレ人口減、生産性の低下、大地震のリスクにより、日本の貧乏化が懸念される。
改善できるところは、生産性の改善。
これは、中小企業が多く、保護されているとこに問題があるという。
最低賃金を上げることが、生産性を上げる要因の一つになる。
もちろん経営者側の方にも問題はあるが、働く方も賃金の良い方に積極的に流れていく姿勢が大切だと思う。
そのためには、スキルを上げることはもちろんなのだが、根本的にその気概があるかどうかが一番大切だが、そもそも働く方にその気がないのではないか。
ゆとり教育が失敗のような気がする。
中国の経済援助による、経済的な植民地化はさすがに避けたい。 -
ネタバレ 購入済み
深刻な日本
とてもわかりやすく、一気に読めました。
日本人は、行くところまで行かないと動かないので、最悪な状況になってから、やっと改革に動くことになるでしょう。 -
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ネタバレ日本の少子高齢化という事象で、最大の問題は『生産年齢人口の激減』
労働者は減るのに、高齢者が減らない事によって社会保障費が逼迫されます。
つまり課題は、GDPを増やさないといけないということ。
世界の経済分析の世界では、もはや常識と言われていることがあります。
それは、企業の生産性と従業員数(規模)は相関関係がある。
そして企業の生産性と給与も、相関関係がある。
よって、従業員の給与を積極的に上げれない生産性の低い中小企業は、さっさと統廃合をすすめる必要がある。これが、アトキンソンが分析した結果です。
メタ分析の詳細は前作の『日本人の勝算』に書かれていますが、日本の改革はもう待ったなし -
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日本経済の生産性に絞って議論を進めた本。
とはいえ、杉田女史の件もそうですが、この言葉(生産性:Productivity)は非常にセンシティブですね。
生産能力とか生産手段とかいった左の言説の臭いもすれば、「生めよ増やせよ」の戦時統制の時代の空気の臭いもするという・・・。
そのあたりの空気感を察知したわけではないのでしょうが、この本では生産性の定義を一人あたりのGDPとしていて、イデオロギーなあれこれを遮断している。
著者いわく、経済学では「生産性=一人あたりのGDP」なのは常識なのだそうだ。
そうなのかもしれない。
もうね、カタカナでプロダクティビティとでも書いたほうが我々も混乱しないかもし -
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我が国の観光政策に少なからず影響を与えたと思われる『新・観光立国論』の続編ともいえる本で、日本に通暁したイギリス人アナリストの著者が、日本の観光業の可能性と課題をデータに基づき分析し、日本を「世界一訪れたい国」にするための具体的な方法論を提示している。
『新・観光立国論』と主張がかぶるところが多いし、データの解釈に一部腑に落ちないところ(World Economic Forumの国際競争力ランキングに基づく日本の観光業のボトルネックの指摘など)があったり、データに基づかない主張(中国人の爆買いの多くが輸入品であるという指摘)が散見されたり、気になるところはあったが、「ドイツ人など「上客」をター -
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2015.5記。
日本の文化に魅せられた金融プロフェッショナルが世を儚んで茶道に没頭し、京都の古民家に隠遁していたところ、請われて文化財修復会社の社長に。その奮闘記。
えーと、本のタイトルから受けるイメージと実際の内容にかなりのギャップあり。僕としては門外漢ならではの鮮烈な日本文化へのまなざし、みたいなものを想定していたが、中身はあくまで日本経済論、すなわち過去の本業(銀行アナリスト)の思い出話、及びそれをベースとした日本企業の体質論。
国宝、はどこに出てくるんだという感じだが、「日本経済はここが問題、とくにこのままでは『観光業』は立ち行かない、文化行政にもっと予算を」というのが主たるメ -
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ネタバレ「新・観光立国論」等の著書で日本の観光産業の問題点を舌鋒鋭く指摘し、そのあるべき姿を提唱してきたイギリス出身で元証券アナリストの著者が、「生産性」の観点から今日の日本が抱える根本的な課題を分析し、その解決に向けた処方箋を示した一冊。
日本は戦後の高度成長期を通じて奇跡的ともいえる経済的成功を収め、90年代以降は低迷しているとはいえ、GDPでは世界第3位を維持する経済大国であるが、人口一人あたりでみるとGDPは世界第27位であり、著者は人口の絶対量による規模ではなく、一人あたりでみる生産性に着目すべきと指摘した上で、戦後の日本の経済成長が実は人口の爆発的増加による「人口ボーナス」効果によるもの -
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・GDPは「人口×生産性」
・潜在能力の発揮度合いは「一人あたり」で見るべき
・伊藤忠商事の元役員の話「日本は少しずつ改善する調整が苦手で、180度の方向転換しかできない」
・縦割り行政は多くの国で確認されており、日本固有の問題ではない。英語では「silo」が縦割り行政をあらわす。先進国では、経済が低迷すると経済政策に政治家が積極的に介入する。
・職人気質を要約すると、インプットという給料に関しては経済原則を適用してほしいが、アウトプットという生産性に関しては「黙って我々のやりたい放題やらせてくれ」と言っている。
それに対して次のように言い聞かせる。
「小西美術工藝社の裏庭には、一万円札がなる -
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ネタバレ【書評】日本が観光先進国になるための教科書『世界一訪れたい日本のつくりかた』
日本が外国人観光客にお金と時間をかけてでも行きたいと思われる国になるためには、何が足りないのか。
デービッド氏は本書でデータ、事例をもとに今の日本に欠けている部分を分析、そして今後どうするべきかを提案している。
1つ目のポイントは「相手目線」である。
日本人にわかることが、外国人にわかるとは限らない。
同じ言葉でも、国によって受け止め方が異なる。
頭ではわかっていても、日本の情報発信には外国人目線が欠けているものが多い。
これでは外国人観光客が、時間とお金をかけてまで行きたい国にはならないのではないか。
2つ目 -
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初めてデービッド・アトキンソン氏の本を読んだ。生産性という言葉の定義をちゃんと認識出来ていなかった事を反省。「生産性の定義は一人当たりのGDPで、GDPとは一定期間に国内で生み出された付加価値の総額、より細かくいうと、労働者の給料、企業の利益、政府などが受け取る税金、お金を貸した人が受け取る利息などの総額」
共感できたのは、仕事で、取引先から「高品質・低価格」をしつこく言われていた所で、相手先の言い分は「おたくから仕入れる額が上がると、競合と価格競争で負けちゃう」といわれていて、付加価値ないのを前面に出されて困惑してたから。こちらから付加価値を提案して上げないと行けないなぁと良い気付きが得ら -
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ひとつの行動論のまとめである。すでによく知られた本書について、あらためて感想を書くこともないところではあるが、第4章で述べられていることで、子どもをつくることを優遇すべきというは、自分自身を振り返ってみてあらためてその通りである。ただ、もう少し細かい部分を気にすると、子どもを「育てる」ことを優遇すべきなのだろう。いろいろな事情で子どもを授からない人もいる。超高齢化社会になる社会の構えである。子どもが絶対的に少ないことによって、この先は現実問題として暗く厳しい。
まとめの第7章にすべてがある。時々ここを読み返して振り返ってみるとよいだろう。何をやめて生産性を高めるのか、そして生産性が評価基準