デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章低成長のワナからいかにして抜け出すか
第2章日本経済の最大の問題は中小企業
第3章この国をおかしくした1964年問題
第4章崩壊しはじめた1964年体制
第5章人工減少。高齢化で国益が変わった
第6章国益と中小企業経営者の利益
第7章中小企業 護送船団方式の終焉
第8章中国の属国になるという最悪の未来と再生への道
おわりに
<骨子>
少子高齢化、社会保障の崩壊からすれば、生産性を上げる
しかない。
生産性向上は、大きな会社組織でないと、達成できない。
中小企業の統廃合、労働生産性を上げ、従業員の賃金アップ
を図る。さもなくば、日本特有の自然災害によって立ち直れ
なくなった時に、中国に買われてしまい、属国となるだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の生産性について
日本は経済大国なのは人口大国だったから。
・日本の人口が減少していく今、生産性を上げなくては、日本経済が経ち行かなくなる。日本の抱える借金や今の社会保障制度を維持するためにはGDPの維持は必須。
生産性はGDPを国民の数で除したもの。
そのためには生産性を上げる必要がある。
では、どのように上げるのか。日本は何がいけないのか。
・移民を増やすと言う考察。2060年ごろまでに3400万人の労働人口が減少する。これを移民で補うと実に5人に2人が移民になると言う。(数字はうろ覚え)
・高齢者に働いてもらうと?そもそも身体的能力が衰えてくるので、現役世代と同等に考えることはできない。
・高品質、低価格
価格を下げても、人口減少により、そもそも買う人が減るから、売上は伸びない。
求められてもいない、企業の独りよがりな高品質で、売上は伸びないし、社員には無駄に高い負荷。(マーケティングで市場の求めるものをきっちり把握)
それに高品質・低価格は伝統的な価値観じゃない。
・女性の活躍
今は、昔に比べ、家事労働がかなり楽になっている。だから、子供の手がかからないときは、女性も働くべき。そうすれば、外食や贅沢、ハウスキーパーなど、様々なことにお金を使うようになる。これは経済成長にとって好循環。沢山稼いで沢山使う。
・経営者が無能。
労働者の質は世界的に見ても、日本は高い。
生産性の低い企業は淘汰される。そういう国に不利益になる企業をわざわざ国は守らなくても良い。悠長に守っている場合じゃない。もう悠長ではいてはいけない。
・その他
企業が上げるのは利益ではなく生産性。同じ売り上げの中で、社員の給与を減らして相対的に利益を上げるのではなく、付加価値を高めて、売り上げを上げて、社員の給与も利益も上げる。
効率を上げるのではなく、生産性を上げる。いかに効率よく仕事をしていても、無駄な仕事があったりする。そんなのを効率良くしても意味がない。無くした方が良い。 -
Posted by ブクログ
過去の成功体験にしがみついている場合ではない。
現状を客観的に分析して、変えるべき所は変える。
―というようなお話。
そう、その通りなのだけれど、それが難しい。
一部の美談を国民全般に拡大する、シンプルアンサーに飛びつく、といった点は、もしかしたら日本人だけではなくありそうな気がするけれど、まあ、そうならないようにしたほうがいいことだよね、と思う。
日本人が誇りにしている「おもてなし」。
それが供給者の都合が優先され、本当の顧客本位ではないという指摘に驚く。
自分があまりおもてなしを受けたことがないので、どうかわからない。
日光東照宮の補修も手掛ける美術修復を専門とする会社の経営者となった著者。
実は、補修に関するあれこれの話があるのかと思って読み始めて、期待が外れてしまったのだが、まあ、それでよしとしよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人口減、生産性の低下、大地震のリスクにより、日本の貧乏化が懸念される。
改善できるところは、生産性の改善。
これは、中小企業が多く、保護されているとこに問題があるという。
最低賃金を上げることが、生産性を上げる要因の一つになる。
もちろん経営者側の方にも問題はあるが、働く方も賃金の良い方に積極的に流れていく姿勢が大切だと思う。
そのためには、スキルを上げることはもちろんなのだが、根本的にその気概があるかどうかが一番大切だが、そもそも働く方にその気がないのではないか。
ゆとり教育が失敗のような気がする。
中国の経済援助による、経済的な植民地化はさすがに避けたい。 -
ネタバレ 購入済み
深刻な日本
とてもわかりやすく、一気に読めました。
日本人は、行くところまで行かないと動かないので、最悪な状況になってから、やっと改革に動くことになるでしょう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の少子高齢化という事象で、最大の問題は『生産年齢人口の激減』
労働者は減るのに、高齢者が減らない事によって社会保障費が逼迫されます。
つまり課題は、GDPを増やさないといけないということ。
世界の経済分析の世界では、もはや常識と言われていることがあります。
それは、企業の生産性と従業員数(規模)は相関関係がある。
そして企業の生産性と給与も、相関関係がある。
よって、従業員の給与を積極的に上げれない生産性の低い中小企業は、さっさと統廃合をすすめる必要がある。これが、アトキンソンが分析した結果です。
メタ分析の詳細は前作の『日本人の勝算』に書かれていますが、日本の改革はもう待ったなしです。
本当に中小企業の統廃合がすすめば、今まで以上に暮らしの場所の変化があるでしょう。
国運の分岐点とは、そういうことなのです。 -
Posted by ブクログ
日本経済の生産性に絞って議論を進めた本。
とはいえ、杉田女史の件もそうですが、この言葉(生産性:Productivity)は非常にセンシティブですね。
生産能力とか生産手段とかいった左の言説の臭いもすれば、「生めよ増やせよ」の戦時統制の時代の空気の臭いもするという・・・。
そのあたりの空気感を察知したわけではないのでしょうが、この本では生産性の定義を一人あたりのGDPとしていて、イデオロギーなあれこれを遮断している。
著者いわく、経済学では「生産性=一人あたりのGDP」なのは常識なのだそうだ。
そうなのかもしれない。
もうね、カタカナでプロダクティビティとでも書いたほうが我々も混乱しないかもしれないです。
ともあれ、経済学の議論だからということで、純粋な数字での論考となるのですが、ちょっと無理めなシミュレーションが続きます。
GDPを維持するために必要な移民の数は約3420万人。つまり日本の人口の四割が移民である社会を受け入れますか?
とか、17時間労働しますか?
あ、でも女性の社会進出を加味しないなら21時間労働となります。とか。
いやー、無理ですよね。だから生産性を向上させないと、というお話です。
先日レビューした高橋洋一先生の『未来年表 人口減少危機論のウソ』では人口減少に伴うGDPへの寄与率は最大で年▲0.7%としていたが、この本では年率▲2.2%としている。
それもあってこういった数字の列記になっているのでしょうが、▲2.2%が正しかったら、ちょっとやそっとの生産性の向上くらいじゃ無理でしょう。
それでも向上させないと日本に未来は無いのです、というのはわかるが、日本の労働者は優秀なんです、という前提で議論を組み立てているので、生産性を向上させる鍵を経営層とか政府の施策に持っていっている。
日本の経営者は無能だ、優秀な経営者が必要だ、アメリカ企業で労働者は不真面目なのに生産性が高いのは経営者が優秀だからだ。
といった主張には、確かにね、シャープとか東芝とかの事例を見せられると頷くけど、そういう形の議論にすることで、今の労働者諸君自身が、自分のような社畜にはどうすることもできない話だし、関係もない、的な感じで、かえって問題意識から遠ざけ、現状への愚痴の根拠付にしかならなくなることを危惧。
極論言うと、労働者は日本人、経営層はアングロサクソンにすれば、万事うまくいく。
(だから日本は完全にアメリカの属国になれ。)的なこと、思ってません?
あ、そういえば、著者も今や日本企業のガイジン経営者だった・・・。 -
Posted by ブクログ
我が国の観光政策に少なからず影響を与えたと思われる『新・観光立国論』の続編ともいえる本で、日本に通暁したイギリス人アナリストの著者が、日本の観光業の可能性と課題をデータに基づき分析し、日本を「世界一訪れたい国」にするための具体的な方法論を提示している。
『新・観光立国論』と主張がかぶるところが多いし、データの解釈に一部腑に落ちないところ(World Economic Forumの国際競争力ランキングに基づく日本の観光業のボトルネックの指摘など)があったり、データに基づかない主張(中国人の爆買いの多くが輸入品であるという指摘)が散見されたり、気になるところはあったが、「ドイツ人など「上客」をターゲットにすべき」、「「横並び」をやめて、客の「満足度」を高めるために何をすべきか考えるべき」、「自然を活かしたアクティビティを充実させるべき」、「情報はネイティブにつくってもらい、必ず「So what?テスト」をすべき」、「「世界標準のサービス」を取り入れた「高級ホテル」を増やすべき」、「文化やスポーツの「観光業化」に力を入れるべき」といった提示されている処方箋は一理あると感じることばかりで、観光政策担当者や観光業関係者が一読する価値のある本だと感じた。本書で主張されているIR推進論も納得のいくものだった。 -
Posted by ブクログ
2015.5記。
日本の文化に魅せられた金融プロフェッショナルが世を儚んで茶道に没頭し、京都の古民家に隠遁していたところ、請われて文化財修復会社の社長に。その奮闘記。
えーと、本のタイトルから受けるイメージと実際の内容にかなりのギャップあり。僕としては門外漢ならではの鮮烈な日本文化へのまなざし、みたいなものを想定していたが、中身はあくまで日本経済論、すなわち過去の本業(銀行アナリスト)の思い出話、及びそれをベースとした日本企業の体質論。
国宝、はどこに出てくるんだという感じだが、「日本経済はここが問題、とくにこのままでは『観光業』は立ち行かない、文化行政にもっと予算を」というのが主たるメッセージ。
こうなると往々にして「結局は金目当てか」と怒り出す人が出てくるが、「日本の文化財行政はなってない。うちの会社にカネを落とせばずっとかっこよくしてやるぜ」という主張は分かる(英国の文化財保護との比較部分はやや虫がよいが)。本書は、「理屈でなく情緒で」非効率を温存してきた日本に警鐘を鳴らし、しかしだからこそポテンシャルも莫大であることを訴える本、ということができそうだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「新・観光立国論」等の著書で日本の観光産業の問題点を舌鋒鋭く指摘し、そのあるべき姿を提唱してきたイギリス出身で元証券アナリストの著者が、「生産性」の観点から今日の日本が抱える根本的な課題を分析し、その解決に向けた処方箋を示した一冊。
日本は戦後の高度成長期を通じて奇跡的ともいえる経済的成功を収め、90年代以降は低迷しているとはいえ、GDPでは世界第3位を維持する経済大国であるが、人口一人あたりでみるとGDPは世界第27位であり、著者は人口の絶対量による規模ではなく、一人あたりでみる生産性に着目すべきと指摘した上で、戦後の日本の経済成長が実は人口の爆発的増加による「人口ボーナス」効果によるもので、他国が取り組んできた生産性向上に向けた努力を怠ってきたため、前例踏襲主義や官僚主義、変化への抵抗感が根強く、今日の低迷に繋がっているとする。
そのため著者は、まずは経営者が生産性向上に本気で取り組むことを提唱し、移民の前に女性の労働力を質的な面でもっと活用することなどを通じて企業価値を上げることが不可欠であると説く。多くの日本人にとって耳の痛いアドバイスが多いが、豊富な定量的分析によって支えられた分析と論理展開は説得力があり、また単なる批判で終わらない著者の日本に対する愛情の強さも感じる。 -
Posted by ブクログ
・GDPは「人口×生産性」
・潜在能力の発揮度合いは「一人あたり」で見るべき
・伊藤忠商事の元役員の話「日本は少しずつ改善する調整が苦手で、180度の方向転換しかできない」
・縦割り行政は多くの国で確認されており、日本固有の問題ではない。英語では「silo」が縦割り行政をあらわす。先進国では、経済が低迷すると経済政策に政治家が積極的に介入する。
・職人気質を要約すると、インプットという給料に関しては経済原則を適用してほしいが、アウトプットという生産性に関しては「黙って我々のやりたい放題やらせてくれ」と言っている。
それに対して次のように言い聞かせる。
「小西美術工藝社の裏庭には、一万円札がなる木があるわけではありません。給料に経済原則があるように、アウトプットにも一定の経済原則があります。職人は特別な存在で、こだわりをもって仕事をしている、生産性など関係ないと経済原則を否定することを言うのは、給料というインプットも放棄することと同じです。皆さんはご奉仕でこの仕事をしてくれますか」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【書評】日本が観光先進国になるための教科書『世界一訪れたい日本のつくりかた』
日本が外国人観光客にお金と時間をかけてでも行きたいと思われる国になるためには、何が足りないのか。
デービッド氏は本書でデータ、事例をもとに今の日本に欠けている部分を分析、そして今後どうするべきかを提案している。
1つ目のポイントは「相手目線」である。
日本人にわかることが、外国人にわかるとは限らない。
同じ言葉でも、国によって受け止め方が異なる。
頭ではわかっていても、日本の情報発信には外国人目線が欠けているものが多い。
これでは外国人観光客が、時間とお金をかけてまで行きたい国にはならないのではないか。
2つ目のポイントは「多様性」である。
日本には幅広い客層が遊べる商業施設がない。
またスポーツ観戦に関しても、他国と比べて幅広い客層に対応できていない。
日本には他国と比べて多様性が足りていないのだ。
外国人観光客が日本におとすお金が少ない所以である。
上記2つのポイントは何も観光業に限った話ではない。
どの業種にも当てはまる話ではないだろうか。
自分の勤めている会社、業界は真の意味で「相手目線」なのだろうか。
幅広い客層に対応できる「多様性」を持たせているだろうか。
現状の観光業を紐解くことで、日本そして我々が見直すべき固定観念が明らかになる。 -
Posted by ブクログ
初めてデービッド・アトキンソン氏の本を読んだ。生産性という言葉の定義をちゃんと認識出来ていなかった事を反省。「生産性の定義は一人当たりのGDPで、GDPとは一定期間に国内で生み出された付加価値の総額、より細かくいうと、労働者の給料、企業の利益、政府などが受け取る税金、お金を貸した人が受け取る利息などの総額」
共感できたのは、仕事で、取引先から「高品質・低価格」をしつこく言われていた所で、相手先の言い分は「おたくから仕入れる額が上がると、競合と価格競争で負けちゃう」といわれていて、付加価値ないのを前面に出されて困惑してたから。こちらから付加価値を提案して上げないと行けないなぁと良い気付きが得られた。
本では、人口減少を前面に出されているが、それを抜きにしても、儲かるにはどうしたらいいか?給料を上げるにはどうすべきか?を皆んながもっとシンプルにアピールする世の中になってもいいんじゃないかなと思った。 給料を上げてくれというアピールには、責任も伴うわけだが、この責任に対する感覚が弱いのが日本のサラリーマンなんだろうと思う。ちなみに自分は外資系企業に勤めているが、営業組織は若いうちから数字について厳しく教育されている。営業以外はあまり厳しく問われない感じ。
この本の今の日本の現状を数字で他国と比較して、警鐘を鳴らすスタイルは、嫌いじゃない。最低賃金を上げて、対応出来ない企業には市場から退出してもらうと言う考え方もいいと思う。自然にそうなって行くと思うし。国が言わないと動かない風土もあると思うので、国会議員には、検討をお願いしたい。
自分でできることは、付加価値を上げていく努力を継続して行くことだと頭で分かっても、そこそこ給料貰っていてやる気ないんだよっていう人向けに、デービッドさんの父ちゃんのアドバイスがおもろい。「刺激を求めて転職するか、できる限りの借金して家を買え」w