デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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ひとつの行動論のまとめである。すでによく知られた本書について、あらためて感想を書くこともないところではあるが、第4章で述べられていることで、子どもをつくることを優遇すべきというは、自分自身を振り返ってみてあらためてその通りである。ただ、もう少し細かい部分を気にすると、子どもを「育てる」ことを優遇すべきなのだろう。いろいろな事情で子どもを授からない人もいる。超高齢化社会になる社会の構えである。子どもが絶対的に少ないことによって、この先は現実問題として暗く厳しい。
まとめの第7章にすべてがある。時々ここを読み返して振り返ってみるとよいだろう。何をやめて生産性を高めるのか、そして生産性が評価基準というのは、核心部分として納得がいくことであり、自分自身の行動の中に、また自分がかかわる事象に対して、その視点を常に意識したい。 -
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2018051
人口が減少する日本でやれること。生産性を向上して、付加価値を高めることが必要だと著者は言う。年金制度を維持するには、人口の減少に合わせて、1日17時間労働の必要がある。女性が働かなければ、21時間とか。
供給側の問題よりも、需要の問題が何よりも大きい。供給はAIや効率で何とかなる部分もあるけど、需要は増やせない。低価格高品質をキーワードに、これが何よりも付加価値を下げている。
日本人の潜在的な能力は世界4位とか。これを活かすことのできない経営者が情けないという。
政治に期待しようと思うと、高齢者が幅を利かせることになり、思いきった改革はできない。高齢者の、意識改革が先じゃないかと思ってしまいました。 -
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前著「新・観光立国論」から約2年。その提言を受けた世の中の変化も反映して、実践編としてどのようにしていけば良いのか。その問いに答えた内容になっています。豊富なデータを駆使し、説得力ある内容で書かれています。観光につながるサービス産業に携わる人間は必読なのではないでしょうか。我々はどうなれる可能性があり、そこにどのようにして向かって行くのか。参考となる外国の具体例も書かれており、イメージしやすくなっています。日本人を始め近場から来日する観光客向けにしか整備されていない設備。爆買いに頼る問題点。そこからどのように変化をして行くべきなのか。思い切った「やる」という覚悟を決めるか決めないかだけ。著者の最後の主張が身に沁みました。
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日本はGDP世界第3位の成熟国家であり、これ以上の大きなのびしろはない。そもそも資本主義そのものが終焉に近づいている、なんていう話の方をよく聞く。そうなんだ、と納得するところはありつつも、どこか閉塞感を感じていた。でも本書では、がらりと印象がかわる。生産性では、世界第27位で、日本なんてまだまだのびしろがあるんだよ、って。そういわれると、妙に元気になるなぁ(苦笑)。
サブタイトルに「日本病」とある。それは「英国病」という今では忘れられた感もある過去を持つ国から来た人ならではの表現かもしれない。所得倍増論というのは、客引きかもしれないが、実際のところ所得うんぬんの話は、結果的にそうなりますよ、程度の話であって焦点ではない。俺が読んだこの人の本も、もう三冊目。重なる話も多い。だから言いたいことは、常にひとつなんだな、という部分も察せられる。銀行がなぜ三時に閉まるのか。別に銀行をやり玉にあげるのではなく、そういうことは俺自身が属する仕事環境にもあるのではないか。なぜそういうするのか。ほんとうにそれが必要なのか。そこから掘り返していくことで、もっと大きな仕事ができる。なんて考えると、楽しいよね。 -
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ネタバレ観光ビジネスについて全くの知識なしですが、先輩からの推薦を受けて拝読。
日本は「世界一訪れたい国」になるポテンシャルがあるとの主張をアナリストらしく様々なデータを持って説明。
客観的な分析でありながらも、著者の熱量が伝わってくる文章だった。主張もはっきりしていて分かりやすい。
安倍政権の方針もあり、今後拡大が予想される観光産業の入門にもとても興味深い良著という印象を受けた。
※以下気になった点メモ
・日本は「世界一訪れたい国」になるポテンシャルがある
・グローバルでは観光は大きく伸びている産業。
・WTTCの試算では、観光産業は全世界のGDPの10%。全世界の雇用の11分1を生み出している。
・世界経済において、観光産業はエネルギー、化学製品に次ぐ第3の基幹産業
・安倍政権の戦略成功もあり、2016年度は前年比21.8%成長の2400万人もの外国人観光客が来日。
・訪日客数増加に円安の影響度は薄く、ビザ緩和が大きく影響。
・円安の影響が薄れ爆買いがなくなっても、観光客数に与えるインパクトは小さいと予想。観光業は国際情勢の影響をそれほど受けない。
・爆買いされる商品は他国商品が対象であることが多いため、日本経済に与えるメリットは少ない
・日本のように自然、気候、文化、食の4つの観光資源が揃った国は稀。
・アジアからの集客は順調。次のターゲットはお金を使ってくれる上客はドイツ。
・どの国から何人連れてくるというミクロ目標を持つべき
・これまでの日本の観光産業は売り手市場の「一極集中型」のため、量をいかにさばくかが求められた。
・これからは質を高め、リピーターを増やす必要がある
・日本は「文化資源」ばかりを重要視、「自然資源」にもっと着目すべき
・日本の自然の多様性は「四季」のおかげではない。四季がある国なんてたくさんある
・日本ほど自然災害の多い国はあまりなく、それがこの国の自然の多様性をつくった。
・自然資源はメインの目的になり、滞在日数を稼げる。
・京都ですら観光資源になり得る街並みは減少の一途。自然との抱き合わせでカバーすべき。
・文化保護、自然保護のためにも観光化すべき。
・日本は外国人にとって冷たい国。ネガティブな注意書きばかりで観光客目線になってない。
・マナーという言葉はデリケート
・キャッチコピーで文化のニュアンスを伝えるのは至難の業。もっと写真や映像などを活用すべき。
・価値の多様性に加えて、価格の多様性が必要。
・日本には5つ星ホテルが少ない。ハードは一流でも、ソフトが三流。
・IR(統合型リゾート)にとって収益装置のカジノは必須。
・カジノ運営のノウハウは世界規模で見れは豊富に溜まっている
・IRを入り口として、観光資源を発信していくべき -
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日本在住歴30年以上のイギリス人、デービッド・アトキンソン氏による日本観光論。彼は元々証券アナリストなのだが、現在は国宝や文化財などの修復をする日本企業の社長を勤めている。
昨年、日本に訪れた外国人観光客は2400万人で、10年前と比較すると3倍に増えており、さらに日本政府は2020年に4000万人、2030年には6000万人という目標を掲げているそうだ。この大きな目標を達成すために必要な施策について、アトキンソン氏は豊富なデータを元に分析している。
現在の外国人観光客は、中国や台湾などアジアからの短期滞在者が中心なのだが、今後目標達成のためには、欧州などアジア以外の地域からのインバウンドを増やし、客数とともに客単価も増やす事が重要である。そのためには爆買い頼りではダメで、五つ星ホテルの整備、文化やスポーツの産業化、カジノの誘致などによる収入の安定化が必要とのこと、もう補助金に頼る時代ではないのだ。
確かに日本は人口減少のフェーズに突入しており、先細って行く税収を補うためには外国人観光客の誘致が有効策、というより必須課題なのかもしれない。はるばる遠方から日本を選んで訪れる観光客のために、受け入れる私達の意識の変化も必要なのだと思った。もちろん歳入の確保も大切な事なのだが、何より一人でも多くの日本ファンが増えてくれればうれしい限りである。 -
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<目次>
はじめに~観光はもっとも「希望のある産業」である
第1章 日本の「実力」は、こんなものじゃない~「大観光時代」を迎える世界と日本の現状
第2章 「どの国から来てもらうか」がちばん大切~国別の戦略を立てよう
第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた~「昭和の常識」を捨てて、質を追究しよう
第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」~「長く滞在してもらう」ことを考えよう
第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」をもっと考えよう~「So What?テスト」でうまくいく
第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる~「高級ホテル」をもっと増やそう
第7章 観光は日本を支える「基幹産業」~あらゆる仕事を「観光業化」しよう
<内容>
『新・観光立国論』第2弾。かなり具体的な提案が随所にみられる。そして、耳の痛い指摘も随所に。たとえば、文化財の扱い方(ちょっと前にとある大臣が学芸員を批判して物議を醸したが、著者はこの大臣と似た指摘をする。文化財は保存するだけのものでなく、活用するもの。触るな!写真撮るな!ばかりでなく、例えば二条城の大広間に、什器を並べて江戸時代の使われ方を再現するとか、もっと大胆にあの大広間で食事ができるようにするなど…)。あるいは説明文やパンフレット。無駄が多く、わかりにくい(どころか専門化した理解できないものが多い。もっともな指摘だ)。今のままの日本では、人口が激減し、税収も激減する。文化財ひとつとっても税で賄わなければならないなら、近い将来、日本の文化財は全滅する。観光化することで、各文化財の持ち主(寺社や美術館なども含めて)が自腹で文化財の保護ができるようになる、という指摘は正しい。
外国人ならではならではの指摘、経済アナリストならではの分析。頭の固い日本人にどこまで通用するか。しかし、文化財保護問題からして、待ったなしの状況に直面しているように思う。 -
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イギリス人から見た日本人の良いところ、また、日本人の技術は素晴らしいと言いながらも客観的な数字で見ると決してそうではないといった現実。これから見えてくるのはもっと数値化することで精神論や曖昧さを無くし色々なことが効率化できるのではと。
実際に会議では結構長時間使いながらも中身が有るように思えないのは事実であり、数値を用いることで結果が見えて少しずつでも改善されていくように思う。
一方著者が文化財の保護と観光に力を入れることで日本経済の成長率や雇用機会が増えると述べている。確かにそうだと思うが、この方が文化財の会社を経営しているからかもしれないが、何か自分寄りの解釈が強すぎるようにも感じた。 -
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日本が経営していくと言うこと。
作者は小西美術工藝という、日本の古くからある建築物などの修理などを手がける会社の社長で、この本に書かれているような内容を複数の書に記している。
うがった見方をすれば、衰退している伝統工芸としての建築メーカーのアピールであるのかもしれないが、昨今しきりに騒がれているインバウンド、海外の方が日本に旅行にいらっしゃることについて、再度考えてみることができた。
というのは、海外の方が何故日本に?と考えると、分からなくなってくるので、私たちは何故、そこに旅行するのだろうか?で考えてみたら良いのだと考えた。
私は行ったことが無いが、ハワイや、グァム、ラスベガスなどのリゾートに行くのは、現在を忘れて別世界で夢の世界に浸ることだろう。そういえば、ディズニーリゾート、USJ、ピューロランドもそうなのかもしれない。
そのような体験で言うと、人が少ない大自然を訪問するというのも同じ感じではないだろうか。であれば、私は後者の方が好きかもしれない。
それに対して、京都、鎌倉、日光、または各地の城、城下町、はたまた寺社、仏閣を訪れたいというのはどういう思いからだろうか?
それは、今の歴史を積み上げて人たちが、どのような暮らしをしていたのか?その地域の文化、その時代の文化に触れてみたいからではないだろうか?となると、それができるだけわかりやすく、当時の面影を残した状態で見せてもらえると、あらがたいものとなるのであろう。
翻って現在のそれらの保存状況を見てみると、果たしてそれらができていて、公開されているかというと、案外そうでも無かったりする。また、写真撮影禁止となっているところも多く、現代であればSNSでここに行ってきたよ、素晴らしかったとアピールすることすらできない。
ヨーロッパに行くと美術館に行く日本人は多いだろうが、日本に来て歴史的建造物を訪問したいと思っているヨーロッパの方も多いと思われる。その時、安価に入場してもらうのではなく、見合った代金を頂き、しっかりと見ていただけるという建物の容姿、サービスも付加させていくことが今後必要になるだろう。
私たちも、海外で有名な観光名所に行って、えっ、てことがあると、もう2度と行こうとは思わないでしょうから。