デービッド・アトキンソンのレビュー一覧
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観光業を発展させる事で、観光業を生業にしている人以外に恩恵がないと考えてしまうかもしれないがそれは違う。国内にいる旅行好きに新たな日本の一面を見せる事が出来る。現に最近の観光地はどこもクオリティが高くなっている、日光東照宮は綺麗になり、東照宮に至る道も綺麗になっている。
ほとんどの部分は過去の著作に書いてある事の焼き直しではあるが、スポーツ産業への提言は面白かった。日本のスポーツ観戦はスポーツのみしか楽しめない。スポーツにあまり興味のない人達を呼び込まなければならないと。つまりにわかファンを取り込む事が非常に肝要だ。最近見たニュースではサーフィン、ゴルフなどは競技人口が大幅に減ってしまい、ゴ -
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元ゴールドマンサックスの社員で、今は文化財修復会社の社長さんの語る日本の文化財の危機的状況について。
なんとなく恣意的な箇所が見られるような気がする。
文化庁が他の省庁に比べ「総合評価入札」を行っていないというのは、どれくらいの割合なんだろうか。ここデータ出せば積極性があるのに出さない理由は何だろうか。あと、下村前文部科学省大臣の名前を出す意味もよくわからない。社寺的な意味合いだろうか。あるいは大臣とパイプがあることを示したいのか?と穿ってしまうところがある。
ゴールドマンサックス証券出身ゆえに、データの意味合いについては理解しているかと思うのだが、データを出す出さないの統一性がない -
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日本の観光を構成する文化産業の構造とその問題点について分析した本です。
ここで語られることは、
・人口増の時代には許されたことも、今の時代では通用しないのなら変わる必要がある。
・文化は特別であるという考えは正に今の時代には通用せず、文化を守るために、文化を産業化せざるを得ない。
・後継者を育てるには教育に対する補助もありうるが、前提として需要が増えなければならない。同様に、産業を持続させるには補償金を出すことではなく需要を増やす施策が必要である。
ということで、要は文化といえどもマーケティングと市場経済の中で他の産業と同列に生きていくしか道はないということです。
他方で、文化財を白日の下 -
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著者が書かれた別の本「新観光立国論」があまりに面白かったので、読んだ本です。結論を言うと、主張している内容は「新観光立国論」とさして変わらず、著者の意見を詳述し、論旨の構成も整えられているという意味で「新観光立国論」の方が面白く、特に本書を読む必要はなかったと思いました。
、、と言っても、私が本書に期待していたことにあまりページを割かれていないというだけで、「新観光立国論」と比較しなければ充分に興味深い本です。
本書を読む前に期待していたのは、超一流の投資銀行で成功した著者が、全く異質の文化財補修の会社で経営者になり会社を再建するまでのプロセスの詳細ですが、そこが本書のメインではなかったです。 -
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日本人が一般的に「強み」だと主張しているところに、論理性が足りないこと(=wooly thinking)、客観性が足りないことが数字を基に検証されているのが面白かった。
こういったロジカルな議論が乏しい国で、今後グローバルに競争していくのが難しいのではとやはり感じてしまう。日本的な「井の中の蛙」は今後、様々な局面で日本を世界から取り残してしまうのではないだろうか。
日本人が実は個人主義が強い、というのは同感である。文句は言うが、自分ではやらない、自分に飛び火してきて欲しくない、というのは、税金、福祉、国づくり、様々な場所に見て取れる。
全体的に「強み」よりも「弱み」と若干の批判に重きが置か -
Posted by ブクログ
丁寧な言葉遣いで読みやすかった。そんなに丁寧で、謙遜しなくてもいいのにと思ってしまうほど。
デービッドさんの指摘は、共感や納得する部分は多い。なにより、わかりやすい数字的根拠を示してくれるので納得しやすい。
GDPは人口との関わりが深い、というのは確かだと思う。そりゃそうだ。
日本の強みは、他の文化を取り入れてアレンジすることではなく、足し算していく、というのも納得。とはいえ、近代、お城や寺を次々と壊した時期もありますが…
あとは、おもてなしを外国人に押し付ける、というのが新鮮でした。言われてみればそうかもしれない。
最近のおもてなしには私もなんだか納得できていなかったので、妙に腑に落ち