あらすじ
「日本人の優秀さ」こそ、この国の宝だ――。
日本在住30年、元ゴールドマン・サックス「伝説のアナリスト」、
日本文化に精通する「国宝の守り人」、日本を愛するイギリス人だから書けた!
外国人エコノミスト118人の英知を結集して示す、日本人の未来。
「人口減少×高齢化」というパラダイムシフトに打ち勝つ7つの生存戦略とは。
■筆者からのコメント■
日本に拠点を移してから30年、さまざまな出来事を目の当たりにしてきました。
経済の低迷、それにともなう子どもの貧困、地方の疲弊、文化の衰退
――見るに耐えなかったというのが、正直な気持ちです。
厚かましいと言われても、大好きな日本を何とかしたい。
これが私の偽らざる本心で、本書に込めた願いです。
世界的に見て、日本人はきわめて優秀です。
すべての日本人が「日本人の勝算」に気づき、行動を開始することを願って止みません。
――デービッド・アトキンソン
■主要目次■
第1章 人口減少を直視せよ――今という「最後のチャンス」を逃すな
第2章 資本主義をアップデートせよ――「高付加価値・高所得経済」への転換
第3章 海外市場を目指せ――日本は「輸出できるもの」の宝庫だ
第4章 企業規模を拡大せよ――「日本人の底力」は大企業でこそ生きる
第5章 最低賃金を引き上げよ――「正当な評価」は人を動かす
第6章 生産性を高めよ――日本は「賃上げショック」で生まれ変わる
第7章 人材育成トレーニングを「強制」せよ――「大人の学び」は制度で増やせる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
菅義偉元総理大臣のブレーンでもあったと言われている元GSのデービッド・アトキンソン氏の著書。
内容には大方同意である。
今後給料を継続的に上げて行く事が出来ない企業=生産性が低い,イノベーションを起こしえない企業と判断され、急激な少子高齢化で"労働者"の大部分が減っていくことも相まって優秀な人材が集まらず、どんどん吸収合併され淘汰されていくだろう。
昨今の(まるで中小企業を蚊帳の外に置いた様な)賃上げブームが良い証拠で、良い悪いでは無く実際にもうその流れが目と鼻の先まで来ていると感じる。私達一労働者に出来ることは、某ネットニュースの賃上げ記事のコメント欄に「中小企業は関係無い」だのだらだら不満を書き散らすことではなく、今の給料に不満があれば転職する事、それしか無いのだろう。
また、著者を最近他の動画媒体でも比較的多く見かけるが、個人的にこの方の「多すぎる中小企業を淘汰すべき」との意見は1時間そこらの番組で末端まで説明するのはほぼ不可能で、言葉自体が強烈ながら無駄な誤解を産む可能性があると思われる。
少なくとも私はそう感じた。
Posted by ブクログ
日本人は変化を極端に嫌う。物事の急激な悪化には仕方なく変化を了承するが、緩やかな悪化には目を瞑り反対する傾向にある。
また、その場で反対せずに後から文句を言う傾向にもある。自分の頭で考えることが苦手で、人の頭で考えさせる人間が多く存在する。
日本人の人材の質は世界4位であるが、給与水準は世界28位である。人口減少に目を瞑り、人口が多かった際の企業数のまま、人口減少時代に突入したため、給与水準は低い位置にある。
戦後は子供が増え、企業も増えてそれに伴う仕事も増えて知らず知らずのうちに経済成長が進み、それに伴って給与水準も上がっていった。しかし、GDPと人口、給与水準、生産性、企業数の相関性を正しく分析してこなかった為に、人材の質と給与水準が反比例する歪な社会となってしまった。
政府、会社経営者のみならず一般市民に於いても、安易な楽な選択をせず、勉強を続け、将来を見据えた行動をすべきであるとの提言書。
Posted by ブクログ
人口動態と経済成長を非常に明快に解き明かしてくれる。
筆者が提案している具体策が示唆深い。
オススメ。
人口減少と戦うためには別次元の発想で対策考えないといけない。
もっと必死に生産性上げないといけないね。
人口動態は高齢化という率と人口という数量に分けて説いているのが、目からウロコ。
Posted by ブクログ
【自分に役立つ内容ベスト3】
1. 企業規模を大きくして所得を上げると、生産性向上によって輸出増加&技術普及になる
2. 日本人の所得が増えると税収が増え、株価が上がり、財政が健全化する
3. 年金の受給年齢引き上げ、消費税増税、国の借金を減らすなどは本質的な対策ではなく、別次元の対策が必要
Posted by ブクログ
少子化が最大の問題。
それを補うには生産性を上げるしかない。
その為には大人の学び、教育が必要。
アメリカのデータは日本にとって参考にならない。
日本に訪れる危機とそれに対する対策を、数字とデータを用いて、分かりやすくロジカルに説明している。
Posted by ブクログ
日本の文化や経済に詳しい英国人学者による、日本の生産性について述べた本。今後、社会保障費増大が予想される日本はGDPを大幅に伸ばしていかねばならないが、人口増加が望めない現状では、生産性を伸ばしていくしかない。幸い日本は世界第3位の経済規模でありながら生産性は世界第28位と低迷しているため、伸びしろは大きい。生産性低迷の原因となっている中小ゾンビ企業の退出と、合併による規模拡大など痛みを伴う改革を行いつつ、最低賃金の上昇などの生産性改善が見込める政策を次々打っていく必要がある。定量的データと多数の学術論文による根拠が明確に示されており、説得力があった。
「パラダイムシフト(常識の劇的変化)が起きると、それまでのやり方がまるで通じなくなります。当たり前だと考えられていた前提条件が大きく変わってしまうので、対処の方法も大きく変えていかなくてはいけなくなるからです」p1
「IMFが2014年11月に発表した「Impact of Demographic Changes on Inflation and the Macroeconomy」では、人口増加はインフレ率を大きく引き上げると断言して、そのデータを公表しています。逆に、人口が減ると当然、デフレ圧力がかかるという理屈が成立します。高齢者の割合の増加と寿命の長期化も、インフレ率の低下につながっていると分析しています」p26
「人口増加によるインフレ圧力より、人口減少によるデフレ圧力のほうが倍くらい大きいということです。特に22〜44歳までの人口動向による影響が最も大きいとあります」p27
「(企業の要望)1990年代に貸しはがし規制、中小企業を優遇する政策、金利の引き下げ、税率の引き下げなど、さまざまな要望を繰り返してきました。しかし、自ら生産性を高める努力は見られません。設備投資もせずに、従業員の給料を下げることで利益を増やし、内部留保として蓄えを増やしている企業がきわめて多いのです。この動きはすべてデフレ要因です」p35
「企業の生き残りのしわ寄せが労働者に回ってきているのが、日本という国です」p36
「経営者の「Last man standing戦略」(価格を下げて他社の体力を奪い、最後まで生き残った企業が大きな利益を得る戦略)は資本主義の下、合理的な選択ということです。経営者は、悪事をはたらいているわけではないのです」p39
「通貨量によって物価が決まる。これを物価の均衡論といいます(人口減少時には適用できるとは限らない)」p40
「不動産価格は物価に最も影響を与える要因です。だから不動産価格が上昇すると、インフレに戻りやすくなるのです」p49
「経済成長を「人口増加要因」と「生産性向上要因」とに分けて考える」p56
「GDP総額は「人口×生産性」という式で表されます。人口が減って、生産性が高まらなければ、GDPは間違いなく減ります」p64
「日本でGDPを減らすのは自殺行為です。だから結局、何をどう検討しても、人口減少・高齢化による総需要減少を、賃上げによって相殺するしかないのです。それには生産性を向上させ、付加価値を高めていくしかありません。論理的に分析すればするほど、結論はここに辿り着きます」p68
「日本は、人材の質が高い(世界第4位)のでいいものを作っているのですが、価格が安いために生産性が低くなる(世界第28位)のです」p69
「(High road capitalism)最も安いものではなく、ベストなものを作る。そのスタンスの裏には、顧客は自分のニーズにより合っているものに、プレミアムな価格を払ってくれるという信条が存在します」p74
「仕事をこなすのではなく、仕事を改善する能力。組織の論理に追従するスキルではなく組織を変える能力。このように「広く応用できるスキル」がメタスキルです」p74
「生産性と輸出には強い相関があることが確認されています(輸出が伸びると生産性が上がる)」p103
「産業の分野を問わず、大企業の生産性が高く、中小企業の生産性が低い。(ただ単に規模が大きければ生産性が高まるのではなく、生産性を追求することによって、結果としてある程度の規模が必要とされる)」p126
「さまざまな国のエコノミストたちは、最低賃金と生産性の相関があまりにも強いので、「生産性が高いから最低賃金が高くなった」という可能性はとりあえずおいておくことにしました」p168
「最低賃金を引き上げると必ず企業の倒産が増える、失業者が街にあふれるという、新古典派経済学の仮説は、現実世界で起きた事実をもってすでに否定されています。現実の世界で実際に最低賃金を引き上げてみてわかったのは、最低賃金を引き上げると雇用が犠牲になるという単純かつ簡単な予測が正しくなかったことと、最低賃金の引き上げの方が重要だということでした」p237
「40歳を過ぎると人間はなかなか変わろうとしませんし、新しい考え方を受け入れなくなる傾向があります」p250
「日本のビッグマックがタイより安く、発展途上国並みの安さです。材料などは同じなのに、なぜそれができるのでしょうか。日本は不動産も高いし、電気も高い。材料もタイより安いはずがありません。理由は最低賃金が安いことに尽きます」p258
「日本の企業間競争の熾烈さは世界第1位です。熾烈すぎる企業間の競争環境は、生産性を向上させるのにはマイナスに働きます」p277
「先進国の場合、解雇規制と生産性の相関関係はあまり強くないのがわかります」p291
「日本の経営者の分析能力は63か国中59位、有能な経営者の割合は第58位、経営教育は第53位と、惨憺たる評価を受けています。国の将来を背負っている経営者の教育は、日本にとって最も重要な課題の1つなのです」p315
Posted by ブクログ
菅総理のブレーンと呼ばれるデービッド・アトキンソン氏が書いた本。読み始めてすごい人だと知った。
日本はこれから世界一の超少子高齢化社会を迎える。世界に例のないこの問題を解決しなければならない。
もし私が政治家になったら、この本のアドバイス通りにまず最低賃金を高め好循環を生み出したい。
アトキンソン氏の成長戦略会議での活躍を期待したい。
Posted by ブクログ
少子高齢化による人口減少問題について、他国から人を呼ぶのも悪い訳ではないが、まずは自国の生産性をあげることが大切だということを論理的に解説している。
そのためには最低賃金引き上げによる所得の向上、多すぎる中小企業の統合による生産効率の向上などが必要だと説明した。
また、こどもの教育は盛んだが、大人の教育、トレーニングの実施率が他国と比べて23位(だったかな?)と低く、55歳以上の教育実施となると非常に低いようだ。最新の教育を受けてない層の増加によって、企業の新陳代謝が落ちている。任意にすると、大人の教育格差が広がってしまうので、強制的に大人の教育を行うことが必要とのこと。
日本人の人材評価はかなり高く、しかし、経営者の分析力や能力の評価はかなり低い。経営者教育を行なって上記の取組みを進めれば、かなりの生産率の向上が見込めるということだ。
人手不足と嘆いていたが、それは随分と古い考え方らしい。今ある人材でどう生産性を向上するかに頭を働かせることが、経営者として必要なことだ。
短期的、短絡的に判断すれば、大変なことばかりかもしれないが、長期的に見れば、経営者にとっても非常に意味のあることになるだろう。
Posted by ブクログ
金融業界、文化財業界、観光業界で、異常なほどの「変わらない力」を見せつけられてきた著者の、いくつものツッコミが日本人にたくさんの気づきを与えてくれる本。
「日本の生産性を上げるために問題となるのは、人でも設備でもありません。日本の場合、問題は全要素生産性にあります。人と設備の組み合わせ方、活かし方に問題があるのです。これはデザイン、発想転換、クリエイティビティの問題ですから、労働者ではなく経営者の領域です。」(P.299-300)
この方の本をもっと読みたくなった。
着実に破綻に向かうこの国の将来シナリオを、科学的にあぶり出すだけでなく、破綻を回避する方法をも明示していて素晴らしい。日本人全員が読めば、この国の未来が変わる、かも。
Posted by ブクログ
国としては税金の引き上げではなく、人手不足の解消でもなく最低賃金の引き上げが最も重要。
企業レベルでは技術革新ではなく、生産性の向上が最重要。せっかくシステムがあっても無駄な作業が増えてることがある。
個人レベルとしては再教育(リスキリング)で長い人生社会のために貢献できるような人材居続けることが重要。
Posted by ブクログ
気づき
・日本において最低賃金の引き上げは社会福祉政策であり、他の先進国においては経済政策であると言う違い
・人材育成の重要性
→任意ではなく強制。経営者にこそ育成が必要
Posted by ブクログ
GDPが上がる要因は人口要因と生産性要因がある。前者が無理な日本は、後者を上げなくてはならないが、現状OECD最低基準。
日本の労働者の質は世界で第4位だが、賃金が低いため、生産性は28位。
色々な論文を提示して、根拠を持って論じているのは良いが、その論文の妥当性は自ら判断しないといけない。
Posted by ブクログ
日本は少子高齢化と人口減少が同時に訪れるという世界でどの国も経験したことのない恐ろしい未来が見えているにも関わらず、国は危機感が足りず、従来の延長線での対策しか打てていない。今のままでは急速な経済の縮小は避けられない。
個人としては国に期待せず、自らの人材価値を高めるための努力を粛々と続けていく必要があると感じた。
Posted by ブクログ
面白かったです。
・大企業に比べて中小零細は生産性が低く、企業統合して規模を拡大すべき
・日本は中小零細が多すぎる
・中小零細からは技術革新も起きづらいどころか、前時代的な技術を使い続けている
という話は特に印象的でした。
最低賃金アップの話も面白い。
インボイス制度が賛否両論を呼び起こしているが、中小零細の優遇を改めるには良い政策だと思った。
Posted by ブクログ
イギリス人が日本の現状を分析し、処方箋を提示する本。最初は日本人に耳障りのよい「潜在労働力は世界4位、しかし労働生産性は世界28位」と日本を褒めたたえて販売増を狙う本かとおもったが、後半は、日本は中小企業がつぶれず残っていて、その経営者はデータ分析などせずに賃金を低く抑えることで利益を確保してきたと痛快な展開。
エコノミストらしく論文、データに基づいた展開は予想通り。
私はオーディオブックの2.8倍速、2時間半で読んだ。そんなむつかしい本ではないので聞き流すのをおすすめします。
内容はぜひ読んでほしいが、個人的には、最低賃金を日本では厚労省が決めている(経産省が行うべき)、日本は変わらない率ではトップ、高齢者、社会人になって勉強しないので大学での再教育システムも必要というのは印象に残った。
Posted by ブクログ
よく中小企業統合論者で弱肉協力の新自由主義者のように言われるが本書を読む限り最低賃金の上昇や、賃金対策としての移民反対、解雇規制緩和に懐疑的など一部のイメージが先行しているに過ぎないと理解。首相の知恵袋のようなので是非書かれていることを政府に働きかけて欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
この方の論考はかなり好きです。論文を読み込み、そこから自分なりのアイディアを生み出すという基本形がとてもしっかりしています。最初の1冊には向かないけど、それでもいつかは読んで頂きたいです。
Posted by ブクログ
今までの世界の経済成長は、人口増加モデル!
いいものをより安く!は、人口増加が大前提!
人口増加するアメリカを手本にするのはやめろ!
内需で余るものは輸出!
最低賃金の引き上げが、企業の統廃合、生産性向上に繋がる!
日本人の労働の質に見合った賃金は倍!
Posted by ブクログ
世界史上にも存在していないスピードで進む日本の「高齢化」・「少子化」による影響。それらを解決する方策としての「最低賃金の値上げ」。その実現のためには、政府主導で動くことが求められる、と筆者は主張する。しかし、今の政治の構造からしても、「政府主導」は可能なのだろうか。保守層のバックアップを受けている政党は動けないだろう、と思う。
Posted by ブクログ
弱体化する日本という国の現状を知ることができる良い本でした。
この本の主張を要約すると以下の通りです。
・日本はこのままだと数十年後に発展途上国レベルの国になる
・その原因は「高齢化」と「人口の減少」の2つの問題を同時に抱えていること
・特に「人口の減少」は日本経済にとって致命的、なぜなら「人口の減少」は商品やサービスの需給バランスを崩す(需要が減る)が、企業は供給を減らしたくないので企業同士による価格競争が起き、この競争によって「低品質・低価格のスタイル」になってしまい、最後に「給与を下げられてしまう」という形でバチを食らうのが最下層の従業員たち
・「高齢化」と「人口の減少」の2つの問題を同時に抱えている国は諸外国には少ないので諸外国の対策は参考にならず、日本独自の対策に取り組む必要がある(「高齢化」だけど「人口は増えている」という諸外国の方が多い)
・その対策とは「賃金を上げること」、日本の最低賃金はあまりにも低い
・企業が従業員の賃金を上げるためには、「生産性を上げる」しかない
・「生産性を上げる」ためには、中小企業の統合(中小企業は生産性が低い)、高品質な商品を売って高所得を得るスタイルへの切替(現状は逆)、大人の生涯学習による生産者のスキル向上、などやることは多い
・でも一番やらなければならないのは、まず国民が「変化を歓迎すること」
・特に人口が多い40代以上の大人が時代の流れと共に積極的に意識を変えていかないと、日本は本当に終わる
この本を読んで僕が思ったのは、「日本はここまで難しい状況にきてしまっているのか・・」ということです。例えば、著者はこの本だけでなく至る所で中小企業の統合を薦めていますが、これはかなり痛みを伴うと思います。日本の中小企業には良い面がたくさんあって、それが日本の経済の根幹を支えていると僕は思います。だけど、現実として、高齢化社会の日本で年金や介護医療保険制度を維持していくために国は税収が必要で、税収を得るためにはとても少ない働き手ひとりひとりが生産性を上げることが必須で、そのためには中小企業の経営統合をして人事総務や経営を一体化しないといけない。日本が誇る中小企業の良い面を捨てるほどの意識改革をしないともうなす術が無いところまできているのか・・と思わされてしまいました。
あと、それ以前にまず、「生産性とは何か?」と人に聞かれたときにきちんと答えられるような大人になろう、とこの本を読んで思いました。
日本以外の国にルーツを持ち、だけど日本に長く住み、日本人的視点と日本国外からの視点の両方を持つ筆者のような方の本は、自分には無い視点と発見を教えてくれるので、僕は読むのが好きです。
他には、ロバート・フェルドマン氏の「フェルドマン博士の日本経済最新抗議」なんかもおススメです。
Posted by ブクログ
菅首相が信者だというデービット・アトキンソンの著書、積読が発掘されたので読みました。人口減少に対して賃上げで需要喚起、生産性を上げてGDPアップ、輸出拡大、人材育成、これらは全く同意です。だがしかし、企業規模拡大については異論あり、これが平成の初め頃ならば正しかったかもですが、今や中小零細でもITを安いコストで使えるので、先ずはITを酷使したビジネス戦略で生産性向上ではないだろうか。揚げ足を取るようですが、日本と米国は人口や国土の大きさも違うので、比較対象にすべきではないと言いながらも米国のデータで会社の規模と生産性を論じているところは不誠実です。と言いつつもベンツに乗って六本木で遊ぶ金(どっちも無いですが^^;)ができると規模拡大を止める社長の話はドキッとしました。
Posted by ブクログ
日本の現在と今後の流れ、そしてどうしていけばいいのかをデータを元にわかりやすく書いてる印象を受けた。ただ日本人の平均年齢が上がっていく現代において、風潮を変えるのは大変なんだろうなって感じがした。
Posted by ブクログ
300ページ以上ある本ですが、主張としては「日本は最低賃金上げよ」の1点のみだと思います。
最低賃金を上げれば、企業は生産性を上げざるを得ない。
その結果として、企業は高付加価値・高収益体質になり、税収が増えるので、少子高齢化が進んで人口が減少しても、社会保障制度は維持できる、という内容です。
そういう意味では、シンプルでわかりやすい主張なのですが、そのためだけにこれだけの紙面を使うのは、生産性が低い(著者にとっても、読者にとっても)ように思います。
また、生産性を上げよ、と繰り返し書いている割には、具体的な施策があるわけではないので、具体的な行動にはつながらない気がします。
ここ最近、現場経験のない、机上の空論だけの人たちと話をする機会が多いのですが、この本にも同じ匂いを感じました。
これだけの紙面を使うならば、無駄な繰り返しを削って、もっと具体例を紹介してほしかった、というのが正直な感想です。
Posted by ブクログ
GDPの成長は人口増加化と生産性向上の2つに分解することができる.これから少子高齢化を迎え,生産性向上による経済成長を目指さなければならない.方法として高生産・高所得資本主義(付加価値が高くそれに見合った価格の商品),企業規模の拡大と企業統合,最低賃金の引き上げを主張している.また人材のレベルは高いがうまく活用できていない部分をどうするかを考えなければならない.それぞれを研究をもとに提案をしていて説得力がある.日本はおうおうにしてアメリカを目指すが状況が違うよねという観点は確かにそうだと強く同感した.
Posted by ブクログ
☑︎高生産性・高所得資本主義
☑︎企業の規模拡大・統合促進政策
☑︎最低賃金の継続的な引き上げ
☑︎人的資本形成のためのトレーニング
所得と生産性を上げることの重要性について学べました!
Posted by ブクログ
データに基づいた論調でいつものアトキンソン節が効いているものの、他の本と書かれてることが似ているので読むのが辛い。
また、引用している論文の妥当性が分からないのでデータの恣意性が気になる
Posted by ブクログ
イギリス出身で日本在住30年の著者が、少子高齢化でこれまでのような経済成長が見込まれない日本が今後生き残るためのヒントを示す。人口減少は国力をそぎ厳しい未来が待ち構えているので、これまで以上に生産性を向上させる必要があり、著者は最低賃金の引き上げを提唱している。日本の生産性の低さは、多すぎる中小企業の影響が大きいことが分かった。