【感想・ネタバレ】日本企業の勝算―人材確保×生産性×企業成長のレビュー

あらすじ

伝説のアナリスト×世界のエコノミスト174人、渾身の提言!
日本企業の「根本問題」を突き止め、人口減少時代の「最強経営」を明らかにする。

■本書の主な内容■
実力はあるのに「結果」が出せない日本企業
「沈みゆく先進国」の企業には共通の課題がある
日本企業の生産性が低いのは、規模が小さすぎるからだ
「中小企業を守る政策」が日本企業の首を絞めている
「低すぎる最低賃金」が企業の競争を歪めている
日本の「経営者の質」が低いのは制度の弊害だ
人口減少で「企業の優遇政策」は激変する
人口減少時代の日本企業の勝算

■著者のメッセージ■
今の日本企業は、人口が増加していた時代にできた制度に過剰適応しています。人口減少時代に変わった以上、根本から変革するしか選択肢はありません。
これからの日本企業が進むべき道を見極めるには、冷静な分析が不可欠です。本書の最大の目的は、日本企業のあるべき姿を見極め、日本経済の新しい時代をつくることに役立つ提言を行うことです。これは私のこの国に対する恩返しでもあるのです。

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Posted by ブクログ

monopsony、一つの買い手の解消

イノベーションを起こせない企業に補助金を支給しても、効果は出ない。
商工会議所は中小企業の労働者の団体ではなく、中小企業の経営者の団体。

人件費の上昇や非効率的企業の撤退について、どのように考えるか。

現状でデータに基づいて、説明しても現場では感情論となる。教育についてと同じかな。

エビデンスベースよりエピソード従来の中小企業戦略

経験と勘と度胸、年長者がリーダーとなる。

これからの人口減少によって労働人口も減少し、monopsony の力が弱くなり、労働集約型の企業は大きな影響を受ける。何もせずにいても、減っていくのは間違いない。

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2021年03月06日

Posted by ブクログ

【求達最適解】
― 分析するデータ ―
データがものをいう。
わざわざデータを人が故意に入力することは面倒なため、自動ログが必要です。

人の行動をすべてクラウドで行えば、ログはできそうです。
メールは完全にクラウドになっています。googleスプレッドシートを使えば表計算はクラウド、究極はOSをクラウドにすればOKですね。
全作業をクラウドにすれば自動ログが完成します。

データを取るとなると精度を増すために母数を増やす必要があり、全データを取れないために恣意的なデータになる可能性があります。全データを取れば例外はなくなり、統計データでもなく、事実そのものができあがります。あとはどういう切り口でソートするかだけです。

エピソードではなくデータから仮説を立てることは基本です。エピソードから入ると事象としては真実であっても、それがよく起きる事象なのか、たまたま起きた事象で真実は別のところにあるのかが見極めることができません。ただ、なぜエピソードに頼るかと言えばデータがないからです。比較検討しようにもデータがないのです。やはり、自動ログが必要になります。データは存在するが、分析されていない、こういう状態でないと一から収集するという途方もない作業と、全データを収集できない事情から恣意的なデータを集めてしまいます。

― 無きプライバシー ―
自動ログとなると、すべて監視されているようで気持ち悪いと思われるかもしれませんが、かなりの部分ですでにデータとして集められ監視されているようなものです。
メール、SNS、携帯電話、GPS、インターネットの閲覧、防犯カメラ、ナビゲーション、クレジットカード、銀行を介したお金の動き、どこにプライバシーがあるのでしょうか。もうすでにないも同然です。すべての動きが把握されている状況です。個人的なデータはそろっていますので、何か事件を起こせばアリバイもなにも関係なく、過去のデータを調べれば簡単に捕まってしまう訳です。悪いことはできません。

企業のデータとなるとまだまだ公に出てきません。犯罪を犯しているわけではないのでメールを検索することもできませんし、上記に挙げたものでは「銀行を介したお金の動き」ぐらいしか見えません。

― 企業価値 ―
確かに中小企業の優遇措置には期限を設けるべきです。5年間がちょうどいいような気もします。6年目からは優遇措置がないので起業した経営者はなんとか5年で優遇措置がなくても成長していける生産性を身につける必要があります。5年で見につかなければ経営が苦しくなり最終的には倒産するというごく自然な淘汰が起きます。非常にすばらしい事業で経営者に能力がない場合、せっかくの事業が消えてなくなる可能性はありますが、事業内容がすばらしければ、また別の能力のある経営者が立ち上げて会社として成長させるでしょう。

― 最適解な中小企業経営者 ―
中小企業の社長が最も裕福な暮らしをしている現状を変える必要があります。家庭の財布と会社の財布が同じ状態で、家族は役員になっており給料が支払われ、車、旅行、外食などはすべて会社の経費として扱い、会社としては利益がない状態(赤字)で税金を払わない、しかも雇われている側は最低賃金で雇われるという状態になっています。雇われる側はいいように搾取されているだけです。
ただ、中小企業の社長もルールに乗っ取って最適な方法を見出しているのであり、雇う側が悪いわけではありません。雇われる側がルールを把握していないことが問題です。あるいはルールそのものが間違っている可能性もあります。ルールが変われば、そのルールの中で最適解を求めていくことが合理的な流れです。ルールを理解せず最適解を求める努力を怠り、給料が安いと文句を言っても意味はありません。

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2020年06月28日

Posted by ブクログ

 産業構造が非効率であることが、日本を低迷させているさまざまな問題の根幹にある。この仮説を唱えている人を、私は寡聞にして知りません。私のオリジナルの仮説だと考えています。
 イノベーションが進まない理由、働き方改革が進まない理由も、この産業構造の非効率性に原因があると思っています。日本経済が30年間伸びていない理由も、「産業構造の非効率性」にあると思っています。

■「monopsony」が強い国の特徴
生産性が低い
大企業の規模が小さい
大企業の数が少ない
中堅企業が少ない
小規模事業者が多い
高成長企業が少ない
イノベーションが少ない
輸出が少ない
女性活躍度が低い
格差が大きい
貧困率が高い
最低賃金で働く比率が高い
外国人労働者はスキルの低い比率が高い
労働市場の流動性が低い
労働者の専門性が低い
会社に対する忠誠心が高い


 総括すると、日本は教育水準が高く、忍耐力が強い労働市場を有し、輸出入も少なく、言葉の壁があって外資系企業の参入も少なく、かつ「monopsony」の力が強い国です。このような日本で、その「monopsony」の力を緩和してくれるはずの最低賃金が低く設定されると、非常に小さい企業が増えすぎるのです。


■日本企業に対する4つの教訓
 ここまで紹介した海外の例を、日本に当てはめて考えてみましょう。これらの分析結果には、 日本の経営と産業構造を考えるにあたって、4つの大切な指摘がありました。

①企業が増えるほど平均的な経営者の質が下がる
 1つ目は、どの国でも経営者に向いている人材は無尽蔵ではなく、企業の数が増えれば増えるほど経営者の質の全体平均が下がること。これは必然です。
 別の見方をすれば、非常に小さい企業が数多くできてしまう優遇策を設けると、優れた経営ができる人以外にも、経営者になる機会を与えてしまうことになります。経営者としての資質に欠けた人が起業しても、会社を大きく成長させることはできません。結果的に生産性の低い産業構造ができ上がってしまうのです。

②賃金が低いほど経営者になるインセンティブが高まる
 2つ目は、先述した論文のとおり、賃金が低い国ほど経営者になるインセンティブが高まるいうことです。
 ここには2つの要因が働きます。まず、賃金が低いほど人を雇うコストが低いので、経営者なろうとする人が増えます。さらに、賃金が低ければ既存の企業で働くメリットが相対的に暑くなるので、経営者になる道を選ぶ人が増えます。逆に既存企業の給与水準が高ければ、リスクと労力がともなう起業の道を選ぶインセンティブは低下します。
 日本のように起業するハードルが低く、かつ既存企業の賃金が低い国では、向き不向きは関係なく、起業して経営者になろうとする人が増えると考えられます。1964年以降の日本でこのとおりのことが起こったのは、実際のデータで確認したとおりです。
 所得水準は、最低賃金に大きく左右されます。最低賃金が低く設定され所得水準が低くなると、経営者にならないと自分の希望する額の賃金を手にできません。だから優れた経営ができなくても、無理をして会社をつくろうとする人が増えます。能力が低いので、その人がつくる企業は規模が小さく、生産性も低くなります。こういう企業が増えれば増えるほど、日本という国全体の生産性が低下するのです。
 製造業は工場などに多額の設備投資が必要なので、新規参入のハードルが高くなります。ですから、日本でも製造業では構造問題は起こりにくいと考えられます。このことはデータでも確認できます。
 日本では規制と優遇策の影響で、サービス業の企業の平均規模が著しく小さくなった上、経営者になる人も激増したため経営のレベルが低くなってしまっています。そのため、他国のサービス業と比較しても非常に低い生産性しかあげられず、また、国内の製造業にも大きく差を開けられているのが実態です。
このように産業構造を見れば、経済学の理論から予想されることが、実際の世界でもまったくそのとおりに起きていることが判明するのです。

③企業規模は経営者の能力を映す鏡
 3つ目は、企業の規模が小さいこと自体が、経営者の質の低さの証拠だとされていることです。
 質の高い経営者は本人に強い意欲があるだけではなく、優秀な労働者などの経営資源が自然と集まってきます。結果として質の高い経営者が経営する企業は成長し、規模が大きくなるのです。
 日本では、規制と優遇によって企業の数を大きく増加させた結果、規模の非常に小さい企業が多くなってしまいました。企業の規模が小さいということは、1つひとつの企業の経営者の能力が低いことの証拠であることを看過するべきではありません。

④大学教育の質が経営者のレベルを左右する
 最後のポイントとして、先進国では経営者層に大学卒業者の占める割合が高い傾向が確認できることが挙げられます。当然それぞれの国の大学教育の質が、経営者層のレベルに大きな影響を及ぼしています。
 日本の場合、大学教育に対してはかなり厳しい評価が下されています。第1章で紹介したとおり、特に文科系の教育では欠かすことのできない論理的思考に関して、日本の評価は非常に低くなってしまっています。このことは経営者の質が低く、生産性を下げている要因の1つとなっています。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

デービッド・アトキンソン氏の「日本の生産性」の低さについての考察は一冊の著書に留まらず、複数の書に多数の視点で纏められているが、別著で述べられていた働き方原因論よりも、本作の主論となる中小企業原因論は、随分しっくり来る内容で、これが答えだと確信を得たような感じがある。

従業員数が少ない中小企業の数が多ければ、大企業が牽引する構造よりも、自ずと生産性は低くなる。日本は先進国の中でも圧倒的に中小企業が多い。これは、中小企業基本法による保護政策や中小企業によって雇用が維持されているという側面もある。

しかし、他方で女性活躍が進んでいないのも、この構造が一因。中小企業には産休や育休の余裕が無いからだ。製造業は比較的生産性が高く、生産性が低いのはサービス業の方だが、これも、中小企業基本法で定める基準で、製造業は従業員数300人未満、小売業・サービス業は50人未満が理由という説明にも説得力がある。最低賃金を中々上げない事も中小企業支援に繋がる。そして、この大きな票田に期待して政治家が中小企業を優遇するのだから、構造は変わらない。それでも至近は、生産性向上のためなど、単に中小企業だからというだけではなく、その投資に対し補助金支援する方向に向き始めたのは良い事だ。

中小企業の淘汰が進まないと、賃金も生産性も上がらない。しかし、中小企業の経営者は節税と現状維持が目的で、拡大やリスクは望まず、創業者家族の既得権益、利権のためのトンネル企業、税金対策等で、健全な事業拡大を目指さぬ会社も多い。また、偏差値教育に落ちこぼれた人間は、大企業への就職が難しく、起業した方が一発逆転まである。しかし、日本社会の多数派は中小企業労働者であるから、票田を冷遇は出来ない。民主主義において力を持っているからだ。これも合成の誤謬だろうか。

問題点は見えている気がする。それに対して、どこから、どうやって手をつけられるのか、だ。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

菅政権で重用されている理由を知りたくて読んでみたが、ファクトに基づいた分析、主張で、非常にわかりやすかった!

数人しかいない会社がほとんどなんだから、有休消化率が低いのは当然だし、女性を登用する風土なんでない。

全ての元凶は中小企業の定義と優遇策!国際比較をすれば明確!読み書きのレベルが高い国民なのに、最低賃金が低く設定されているので、搾取される仕組みも非常にわかりやすかった。

あとは、どうやって中小企業を中堅、大企業に育てるか。。。
問題が明確だから、中小企業の定義と優遇策、最低賃金を変えれば良いが、、、感情論や、給料を払いたくない中小企業経営者による抵抗が凄い事になりそうだ。。。

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2020年11月26日

ネタバレ 購入済み

円が20年後は紙屑になる理由

よく言われるなぜ日本企業の生産性は世界的に見ても非常に低い。
その理由が企業が労働者を安い価格で買い叩くことができるmonopsony効果が日本では強烈に働いていると言う論点。
ではなぜ企業は労働者を本来の価値よりも安く雇えるのか。
それは政治が直接及び間接的に極めて小規模な中小企業に補助金をばらまいているからだというのが本書の論点。
それを改めれば日本は良くなるというのが筆者の主張だが、やれ聖域なき構造改革だ、やれ最小不幸社会だと耳障りのいいだけで状況を悪化させてきた日本の政治屋を今更国民が信用するだろうか?
初戦、政治家は国民の民度以上にはなれない。結局は現行の正社員優遇、中小企業への補助金ばらまきで終わる気がするし、最低賃金の上昇も物価の上昇に全く追いつかない上に少子化で社会崩壊という結果で終わる気がする。

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2020年08月23日

ネタバレ 購入済み

前作同様に、これでもかとデータを示した主張には説得力がある。中小企業の合併促進など、やろうとすると現実的には数多くの壁に直面すると思うが、ジリ貧の日本の将来の為には待ったなしの施策である。是非政治家や官僚の方々に読んでいただき、これを受け入れること自体に、プライドの問題や抵抗感あったりするのかもしれないが、まずはやってみて欲しい。

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2020年08月21日

Posted by ブクログ

環境変化に適応する必要をなくすインセンティブを生み出してしまっている国策についての本。尻に火がつかないとやる気になれない人間のサガに知性でどう抗うか。とても難しい

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2020年10月02日

Posted by ブクログ

ゴールドマン・サックス元マネージング・ディレクターで、日本在住歴30年以上の経営者、デービッド・アトキンソンさんの著書。

女性や高齢者などの労働参加率を高めることによる生産性向上を行ってきたが、これ以上は厳しいから労働生産性そのものを上げざるを得ない、

99.7%の中小企業を生きながらえさせるための補助金を減らして、中堅以上の会社が規模拡大(→生産性向上)に繋げられるような投資をすべき、

最低賃金をもっと上げるべき、最低賃金が低すぎるが故に雇用主側が強く、流動性が低くなり、企業側は新たな人材確保が難しくなる(結果的に生産性が高まらない)

などの指摘はまぁごもっとも。
ただ、結局は言うはやすし行うは難しで、
実行するのが、現実的に難しく変わるの大変。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

非効率な産業構造が生産性を下げている

大学教育が弱い、ロジカルシンキングができない
規制緩和で中小企業が多すぎる
経営者高齢化
非正規雇用のために社員教育が進んでいない

1億円以上の規模の中堅企業が必要

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2022年02月16日

Posted by ブクログ

相変わらず著者の分析は素晴らしく、視点も面白い。
対策も具体的で説得力がある。
・企業の大きさと1人あたり生産量は比例関係がある。
・国としては中小企業を守る政策ではなく、規模拡大を促進する政策をするべき。
・最低賃金を上げるべき。

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2021年09月21日

Posted by ブクログ

低迷を続ける日本経済。私たち(一般市民)の生活が一向に豊かにならない原因は、monopsony(モノプソニー、買い手独占)が強く働いている、いまの労働市場にある。

遡ること1964年、OECD(経済協力開発機構)の加入条件である資本の自由化。この課題(当時の懸念ともいえるが)を払拭するために制定された中小企業基本法。企業の育成を後押しするための優遇措置が、本来市場から退場するべき生産性の低い中小企業をも救済し、延命させることにも繋がってしまったのは皮肉な話し。

人口の減少、少子高齢化社会のフェーズに本格的に突入したいま、再びこの国の経済に活力を取り戻し、豊かな生活を手にするためには、企業の規模を大きくし、労働生産性を向上される以外に道は残されていないと著者は切実に訴える。

本書の中で幾度となく槍玉に挙げられる中小企業の経営者の感想(ホンネ)をお聞きしたいところ。

ただし彼らは合理的に判断し、経済活動をしてきた(いる)のであり、全ての責任は時の権力者である政治家にあることは強く申し上げておきたい。

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2021年04月04日

Posted by ブクログ

論調が明確で良い。日本の農業に通ずる非効率温存体質。イノベーション、成長企業に対する政府支援なき、中小温存、低賃金。打開を期待したい。

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2021年03月21日

Posted by ブクログ

【良かった点】
・企業規模の拡大が生産性の向上につながるという道筋を理解できた
・monopsonyについて知識を得られた
・全ての中小企業を優遇するのではなく、優遇すべき中小企業を選定して政策を打つべきというのには賛同できるが、中小企業の数が特に多い日本では大きな反発も容易に想像でき、実現の難しさも感じた。

【疑問に感じた点】
・同じ主張を繰り返すことが多いので、議論が進んでないように感じる
・企業規模を増やすことを第一に考えた際、個人事業主やスタートアップの立場はどうなるのか
・中小企業優遇政策を辞めれば、現在の中小企業は規模を拡大していくという前提には違和感を感じる。優遇を辞めれば本当に体力のない企業は追い込まれる。急激な人口減少に際し、ある程度の犠牲はやむを得ないという主張だが、その姿勢ではスタートアップ企業の切磋琢磨は生まれないのでは、と感じた。

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2021年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終始、中小企業の規模の小ささによる日本の生産性の低さ、日本への影響などが書かれている。様々なデータや論文が並べられわかりやすい。
自分の関わりがある企業も、まさに中小企業であり、経営者の高齢化や質の向上が伴わず、苦しんでいることが思い浮かんだ。
今の日本は人口が減る中で、企業数だけが多い。経営者の質を保ち続けることは難しいことは想像に難くない。今後の中小企業改革を進めるために必要な考え方が詰まっている本だと思った。

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2020年12月19日

Posted by ブクログ

日本企業にこれから求められるのは生産性1.7倍の向上。

そのためには中小企業の合併による大企業化の推進 (規模の経済によって生産性の向上が見込める)、monopsyの排除 (これによって権力が経営者から労働者に移る)、労働の流動性、最低賃金の向上が必須だと謳っている本。

生産性向上が必要な理由は、人口減少と高齢化によって就労人口は減っていくかつ総需要が減っていく一方で一人当たりの社会保障負担分が増えるため。
現在のGDPを維持するためには労働生産性を向上させる、もしくは労働の参加者を増やす他ない。

私はこの本のおかげで山本太郎やアベノミクスが謳っている量的緩和に基づくインフレ推進、物価の2%向上は人口減少が続いていく日本において有効ではないことを学んだ。成熟した日本において、これから求められるのはいかに生産性を高めていくか。イノベーションによって今までなかった需要を想起していくか。なのだと。

細々した会社を創立していくのはやめよう。
生産プロセスにおいてももっとコミュニティ化して、シェアして、スケールさせていこう。
企業の成長にインセンティブをおいた政策を中心としていこう。

これから外資企業でプロセスを学んだ人材、さらには大企業を経営した経験のある人材は市場で高い価値を確立していくことになる。また労働者も貴重になってくるだろう。逆に中途半端な経営者は淘汰されていく。早めに吸収合併を目標として動いていくのが吉だ。

私ももっと歳を取ったら仲のいい人たちで旅館とかカフェを営みたいと思ったけど、生産性高い方法を考えていかないといけない。それってなんだろうなー。

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2020年07月04日

Posted by ブクログ

会社の偉い人に薦められた本。なるほと、日本はガラパゴスと思っていたが、データで語るとなんて事はない、ギリシアやイタリアと同じね、と。人口減の日本は社会の構造から変えないといけない。

大企業なんて、と思っていたけれど、大企業はそれだけで教育なり資本なり、知らず知らずのうちに生産性が高くなる行動に繋がってるのね、と肯定できた。

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2021年07月02日

Posted by ブクログ

日本企業のさまざまな問題の根本に下向き矢印が多すぎる。↑は“格差”のみ、汗。“SINKING” の二種類の意味。興味深いものでした。日本の行く末、心配です┉

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2021年06月19日

Posted by ブクログ

日本が世界と比べて劣っている点、今後の日本の経済が上がるために必要なことがわかりやすく書かれている。

日本の経済から自分たちの会社まで落とし込んで考えると面白い

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2021年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元ゴールドマン・サックス金融調査室長の著者が、データ分析に基づき、日本企業の課題の本質を明かす。

人口減少が進む日本では、企業が強くならなければならない。
企業が強くなるとは、生産性を上げること。
日本は生産性が低い。その理由は、中小企業が多すぎること。
日本は中小企業を優遇しすぎている。
生産性が低い理由は経営者の質の悪さも影響している。
経営者の質が悪い理由は、中小企業が多く、能力が低くても社長になってしまうこと。また、大学でクリティカルシンキングを教えていないこと。

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2020年12月15日

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