木村二郎のレビュー一覧

  • 怪盗ニック全仕事6

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     「泣いても笑ってもこれが最後」と訳・解説の木村二郎さんの言うとおり、『怪盗ニック全仕事』シリーズ完結。怪盗ニックの活躍する短編は全て読んでしまったということになる。寂しいけど、文庫全六巻と手頃な達成感は嬉しい。そして最高に面白かった!

     六巻には一九九七〜二〇〇七年までの発表作品が収録されている。「この二十一世紀に…」というような台詞もあるし、ニックもサンドラもインターネットを使う。麻薬やダイヤではなく「マイクロチップ」が価値を持ったりもする。ただ、「インターネットで調べたのさ」とお爺さん(?)ニックが自慢げに言う様子から見ると、作者のホックさんもそっち方面が得意とは思われず、情報収集が多少しやすくなった程度の変化であり、シリーズ全体を通して大きく価値観が変わるようなことは起きていない。そこは安心して読める。
     
     この短編集は東京創元社が独自に編んだものなので、作者が“ニック最終巻”のつもりで書いたわけではないのだが、老いてきたニック、自分なりの社会参加を深めているグロリア、終盤にかけて登場回数がどんどん増えていくサンドラ・パリス、一応顔を見せてくれるチャーリー・ウェストンといったレギュラー陣それぞれの経年変化の様子がどれも好ましく、最終話も、最終話と意図して書かれたのかどうか不明だが、最後の会話などなんだかとても良い終わり方だった。

     『グロリアの赤いコートを盗め』では、グロリアとニックの出会いが明かされる。グロリアから見た初対面時のニックの印象(容姿)が描かれるなどこの上なく興味深いエピソードだが、この上ない矛盾を孕んでいる!

    ※以下はネタバレというか、事件の真相やトリックの話はしませんが、ニックとグロリアについて余計なこと知りたくない方はご注意を。

     この矛盾こそ、五巻の解説で木村二郎さんが予告していた話か〜、と思ってワクワクして解説を読んだが、解説ではグロリアの姓の矛盾しか指摘されていなかった(私はそっちは気づかなかった)。そうじゃなくて、「〜そういうわけで私は恋人の仕事が政府関係の極秘任務だと知りながら一緒に暮らしているのよ」的なまとめになっているけど、いやいや、一巻の頃はグロリアはニックの仕事を「工場用地を探す仕事」と聞かされていましたよ!「政府関係の(何かスパイめいた)仕事」という認識も、途中でグロリアが勝手に勘違いして得たものだったはず。まあよくある矛盾として流していいしニックシリーズへの愛は変わらないが、グロリアに対する秘密がだんだんなくなっていく過程を楽しんでいた私としては、グロリア別人説を考察したくなるくらい、引っかかるものがある。

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    2023年12月17日
  • 怪盗ニック全仕事5

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     一九六六年に始まった怪盗ニックシリーズだが、第五巻は一九八九〜一九九六年に書かれた作品が収められている。もう私も生きていた時代だと思うとぐっと身近に感じる。
     時は確実に流れており、ニックは「初老」、グロリアは「中年」と表現されていた。「初老」の方はサンドラからのユーモア混じりの言及(「魅力的な初老」)なので、間に受けていいのかわからない。サンドラもニックから「相変わらず魅力的」と評されているが、年齢に言及するならば「中年」だろう。懐かしのチャーリー・ウェストン警部補との再会シーンでは、年をとった彼のことをニックははじめ誰だかわからない。ウェストンの方は「おれはすぐにお前に気付いたぞ」。片思い。
     各話、お決まりのパターンは崩さないものの、色々工夫が凝らされていてこの巻もとても楽しかった。

    ・まさかのあの人やあの人やあの人が依頼人になる。
    ・グロリアを「この世で唯一の女性だ」とか言った舌の根も乾かぬうちにサンドラを助けにいってかなり親しげにしているし。
    ・グロリアが就職した。
    ・ニックの活躍が小説化され掲載されている《エラリー・クイーン・ミステリー・マガジン》が本屋にあるという描写があった。
    ・ニックのお父さんの話がちょこっと。
    ・解説の、第六巻への引きが強い。

     次は最終巻。寂しい〜。

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    2023年12月02日
  • レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕

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    ブラックジョークの詰め合わせみたいな一冊で、死体がごろごろ転がっているっていうのに何度かうっかり爆笑してしまった。とりわけ『強盗/強盗/強盗』や『ジョーン・クラブ』みたいな天丼ネタが面白くてお気に入り。アリバイ作りが失敗したミステリとしての『愛しい死体』も、ものすごく良かった。ブラボー!

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    2022年10月28日
  • 怪盗ニック全仕事3

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    2巻ではとうとうニックの仕事がグロリアにばれた……? わけですが、3巻では完全にばれております。
    しかし動じないグロリアすげえ。
    しかも、手数料の値上げをニックに実施させるとは。
    女性はしたたかですw

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    2016年07月22日
  • 怪盗ニック全仕事2

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    しかし考えてみますと、つまらないものを盗む手数料が2万ドル。
    けっこう目の付け所が鋭いのではないか……!

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    2016年07月22日
  • 怪盗ニック全仕事1

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    怪盗という言葉にはやはり浪漫がある。
    但し、ニックは、ルパンは怪人二十面相式の、いつのまにか密室に忍び入って秘宝を盗み、どろんする、というタイプの怪盗ではない。
    誰もほしがらないようなつまらないものに限定して、依頼を受けて盗みを働く。その盗みはかなり当意即妙でああり、ニックが逮捕されないのは、あくまでも盗んだ代物が価値のないものであること、そして目こぼししてもらうために事件の真相をその場で解き明かしてみせるという技を使う事が理由。
    そう、つまらないものを盗みのには、依頼人に当然なにやら事情があるわけで、それは時に、別の犯罪を隠すため、ミスディレクションを狙ってニックに依頼してくるわけだ。

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    2016年07月22日
  • 斧

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    自分から仕事を取ってしまったらどうなるのか。もちろん仕事が全てではないだろうけど、子どもも小さい今、仕事によって得られるもの、もちろん主にお金が失われてはやはり暮らしていくには厳しいだろうな。そうしたらどうするのか。まぁ今は想像するだけなんだけども、きっとなんでもやるだろうな。昔上司が殺人以外なら何をやっても良いと言ったとかなんとか。どうだろうか、それ以外なら何でもやるだろうか。いやもしかしたら人を殺すことで何かを得られるならそれを想像しないでいられるだろうか。もし得られるものが大きいとしても、きっと自分は踏みとどまる。まぁ普通ね。
    でもそれをやりきる人もいるんだろう。何でもやるという言葉に嘘もなく。家族のため、自分のために立ち上がり、この世界を牛耳る資本主義に真っ向から戦いを挑み、そして勝利する。カッコ良いじゃないか。
    この本はきっと世の中で頑張るお父さんたちに向けた賛歌であり、迷わず行けよ、行けばわかるさ、と言った猪木の言葉も今ならきっと理解できるのである。

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    2016年06月30日
  • 怪盗ニック全仕事1

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    ネタバレ

    『斑の虎を盗め』
    ハリー・スミス、コーミック、ジニーの3人から動物園の斑の虎を盗むように依頼された怪盗ニック・ヴェルベット。ジニーと動物園で行動中に起きた銃撃戦。

    『プールの水を盗め』
    叔父であるサミュエル・フィッツ・パトリックの屋敷 からプールの水をすべて盗むように依頼されたニッ ク。全部盗む意味は?依頼人リディアの伯母の行方不 明事件との関係。

    『おもちゃのネズミを盗め』
    パリで撮影されている映画の小道具であるおもちゃの ネズミの盗難。盗み出したネズミ。撮影の為にアメリ カから届けられたおもちゃのネズミに隠された秘密。 女優キャロル・ヤングの危機。

    『真鍮の文字を盗め』
    ある企業SATOMEX社のビルにかかる真鍮の文字の内S・E・Xを盗むように依頼された怪盗ニック。旧知の警察官チャーリー・ウェストンのいる街での仕事。ニックに近づく女性記者シンディーの謎。

    『邪悪な劇場切符を盗め』
    依頼人ロスコー・フェイン。上演の終了したミュージ カル「ウィッキッド」のチケットを盗み出す仕事。上 演終了にも関わらずチケットを販売するショップ。殺 害されたショップの店主ソーン。チケットに隠された 秘密。

    『聖なる音楽を盗め』
    大聖堂のオルガンを盗む仕事。電話での依頼キャロ ル・アランダーと名乗る依頼人。大聖堂の街に住むオ ランダー夫人とは別人。オルガンを弾き予定のエルキ ン医師。医療ミスで訴えられるエルキン医師。原告は オランダー夫人。

    『弱小野球チームを盗め』
    ハバリ共和国の大統領の作ったチームと対戦させるために大リーグのチーム盗むように依頼された怪盗ニック。誘拐された大リーグチーム。セレモニーで放たれる空砲に隠された秘密。

    『シルヴァー湖の怪獣を盗め』
    シルヴァー湖に現れた大海蛇。大海蛇の出現でライバルホテルに客をとられたクラウダーからの依頼。湖で大海蛇をとらえようとするシーリー老人の遺体発見。大海蛇の正体は?

    『笑うライオン像を盗め』
    海からあらわれた女性ラン・ブルースターからの依頼。キャピタル・クラブにある笑うライオン像の盗難。クラブのオーナー・ラムスンとの関係。ライオン像に隠されたラムスンを破滅させる秘密とランとラムスンの関係の謎。

    『囚人のカレンダーを盗め』
    刑務所に服役中のオドンネルという男のカレンダーを盗む仕事。オドンエネルがおこした海賊事件、盗まれたダイヤモンド。オドンネルの妻の協力。

    『恐竜の尻尾を盗め』
    博物館に展示されているティラノサウルスの骨格標本を盗むようにキンケイドから依頼されるニック。博物館で起きたプリニウスのダイヤの盗難事件。骨格標本作成のために博物館に出入りしているキンケイド。

    『陪審団を盗め』
    屋敷の庭に作った迷路の中で夫グレゴリーの愛人ローラを決闘の末射殺したヘレンの裁判。陪審団を盗むように依頼され陪審団をグレゴリーの屋敷に連れてきたニック。ニックが掴んだ決闘の真相。

    『革張りの棺を盗め』
    死亡したチェイス・ダルトンの棺桶を盗むように共同経営者の男から依頼されたニック。葬式の最中にメキシコ人に盗まれた棺桶。ダルトンの姪リマの協力。飛行機事故で死亡したダルトンの息子。大麻の畑に隠された秘密と共同経営者たちが欲しがる土地の謎

    『七羽の大鴉を盗め』
    ロンドンを訪れたゴラの大統領の土産大鴉七羽を守る依頼をゴラ大使館員ハスキンズから受けたニック。同時にアイルランド人のテロリスト・スターヴァンガーから鴉を盗み出すように依頼されたニック。2つの依頼に隠された秘密。ハスキンスの狙いとスターヴァンカーの正体。

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    2014年12月19日
  • サイモン・アークの事件簿1

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    古書店にて半額以下で購入。悪魔や超常現象を捜し求める二千歳のコプト教僧侶か、はたまた理知的なオカルト探偵か……自分好みの探偵像や巻末の『ザディーグ』への言及が気になり、何度か手に取り、書棚に戻しを繰り返していたものの、20%オフのセールに乗じて遂に購入。但し読み始めるまで一年近くかかったが……。究極の悪(P26)を捜すというその信条は矢吹駆のようでもあり、黒い服着て超常現象のまやかしを追い回す様は京極堂を彷彿させるものがある。ミステリとしては実に正統派で、時が経つにつれオカルト色が薄れていくのも時代故か。

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    2014年11月28日
  • 斧

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    失業社会に警鐘を鳴らす作品。

    リストラされたビジネスマンが就職活動の邪魔になりそうな元同業者を次々と殺していくという話。主人公は天性の殺人者のようで、行き当たりばったりの犯行のくせに次々と殺人を成功させていく。裏表紙などでは「戦慄のノワール」「シリアスな犯罪小説」と紹介されているが、ほとんどブラックユーモア、というかギャグ小説である。しかし、失業率が上がっている現代日本社会の状況を考えると、現実にこんな事が起こっているのかもしれないという考えが頭をよぎってしまい、単純に笑い飛ばすことができない。経営者の皆さん、人命を守るためにもリストラは止めた方がいいです。

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    2013年05月15日
  • サイモン・アークの事件簿4

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    ネタバレ

    『悪魔の蹄跡』
    雪の上に残された謎の生き物の足跡。発見者のローランド・サマーズの家から続く足跡。村に住むかつての女優ダイアナ・ハント。ダイアナとサマーズの仲を疑っていた夫のマーク・イーゲンの失踪。

    『黄泉の国の判事たち』
    「私」の父と妹ステラの死。見通しの良い道路での互いの車による正面衝突。選挙を控えスキャンダルを恐れるフィリップ叔父。何者かに襲われ肋骨を折ったステラの夫フランク。「黄泉の国の判事たち」と呼ばれた父とフィリップ。皆が語りたがらない3人目の判事マラの謎。

    『悪魔がやってくる時間』
    友人のリン修道士から何者かに殺害されるかもしれないと助けを求める手紙を受け取ったサイモン・アーク。彼の目の前で転落死したリン修道士。リン修道士が中国から連れて帰った3人の修道士。中国の政策で5年間監禁された3人の修道士。

    『ドラゴンに殺された女』
    オンタリオ湖で起きた事件。焼けた船。被害者の1人の女性マージの死ぬ間際に言い残した「ドラゴンにやられた」という言葉からドラゴンがいると噂が広まったオンタリオ湖。マージのかつての恋人だった「私」の調査。被害者のギャリー・ブラックの遺体に残された弾痕。射殺されたブラックの同僚クリング。

    『切り裂きジャックの秘宝』
    切り裂きジャック事件の真相はヴィクトリア女王に送られるはずだったダイヤがちりばめられたライオン像の強奪と隠し場所に関する地図をめぐるものだったというスラックリーの日記。その日記を売りに出した孫のグレンダ・コックス。日記をめぐるセリスタ・ヴァッツとマーティン・ルードの対立。殺害されたグレンダの叔父ネズベット。サイモン・アークが発見したライオン像。

    『一角獣の娘』
    ネプチューン・ブックスの「私」のオフィスに原稿を持ち込んだハーヴィー・クロスが「私」の目の前で飛び降り自殺をした。彼の作品である「一角獣の娘」に興味を持ち彼の妹ヘイゼル・フェニックスを訪ねるサイモン・アーク。その町で殺害されたネプチューンブックスのアッシュ・グレゴリー。アッシュの悲報を伝えたマーサ・スケイン。想像上の生き物の名前を持った人々の謎と森に棲む少女の秘密。

    『ロビン・フッドの幽霊』
    「ロビン・フッドの迷宮」と呼ばれる庭園にやってきた「私」とサイモン・アーク。庭園で殺害されたジェフリー・バーロウ。20本の矢を刺されての殺害。庭園の持ち主ミルズの骨折と前の殺人事件の被害者クラッパーとの関係。過去に起きた少女たちの行方不明事件の謎。

    『死なないボクサー』
    何年も前に新聞に同じ姿の写真が掲載されているボクサー・ドラゴン・ムーア。ドラゴンの噂を調べていた記者ロジャー・ラッセルの殺害事件。上半身裸で死んでいたロジャー。

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    2013年03月01日
  • サイモン・アークの事件簿3

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    ネタバレ

    『焼け死んだ魔女』
    自分の教区に住み着いた魔女を名乗る女マザ-・フォーチュンの正体を探るようにサイモン・アークに依頼した神父。密室状態の自分の小屋で焼き殺されたマザー・フォーチュン。大学校内で起きる謎の死。ウェストウッド教授の調査。大学のプールに隠された秘密。

    『罪人に突き刺さった剣』
    痛悔修道会の修業の場で殺害されたグレン・サマー。覆面をし裸で十字架にかけられた状態の男たちの中で殺害されたグレン。彼が経営するバーでの調査。

    『過去から飛んできたナイフ』
    フレンチ・インディアン戦争の戦いの直前に起きた謎の事件をモチーフにしたイベントに招かれたサイモン・アーク。イギリス軍人の残した日記。彼が投げたナイフが消えた。100年後のイベント中に飛んできたナイフ。ナイフに喉を突かれ死んだクリフ。

    『海の美人妖術師』
    ドリスと名乗る海の女に出会ったハンス・ベルコー。金髪の髪の毛により絞殺され船で漂流している所を発見されたベルコー。彼の出会ったドリスの謎。

    『ツェルファル城から消えた囚人』
    戦犯である元ドイツ人将校ヴィッテルベルクを週刊しているツェルファル城。アメリカ、イギリス、フランス、ソ連で共同管理する西ベルリンのツェルファル城。ソ連の管理ののちアメリカの監視中に消えたヴィッテルベルク。ヴィッテルヴェルクの部屋のベッドから発見されたCIAのレイゲントの遺体。

    『黄泉の国への早道』
    ガラス張りのエレベータに乗りビルにあがったロック歌手レイジャー。60階にいた時エレベータの中から消えていたレイジャー。残された焼け残ったボール紙の秘密。

    『ヴァレンタインの娘たち』
    ヴァレンタインの儀式を復活させたオリヴァー・マーティン。少女たちに囲まれたオリヴァーが何者かに刺殺された。彼の周囲にいた12人の少女たちの秘密。

    『魂の取り立て人』
    誰か姿の見えない人物に後をつけられているとおびえるアルノ。サイモン・アークに助けを求めるが・・・。殺害されたアルノ。調査に赴いたサイモンと「私」を襲う犯人。

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    2012年01月17日
  • 夜の冒険 現代短篇の名手たち8

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    ニック・ヴェルヴェットやサム・ホーソーンのシリーズは読んでいたのですが、これはノン・シリーズのホック短編集です。でも期待に違わず面白かったです。短くても内容の濃い物語や、ラストの落とし方のうまさなど、堪能しました。

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    2010年04月13日
  • サイモン・アークの事件簿1

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    何これ、
    超面白いんですけど。
    新刊ためらわずに買った自分を褒めてあげたい。
    しかし、巻末になってくると、割と主人公(語り手)の年齢が厳しくてシリーズ続くの?って思ってしまった。

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    2009年10月07日
  • サイモン・アークの事件簿1

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    ネタバレ

    『死者の村』

    73人の村人全員が崖から飛び降りた村。取材にきた「私」が出会った謎の人物サイモン・アーク。燃やされたアウグスティヌスの『告白』。アクシダスという名の男。隔絶された村に起こった新興宗教。村が壊滅後に配達された手紙の秘密。

    『地獄の代理人』

     《地獄の代理人》と呼ばれた男フランシス・ブライアン卿の死の謎を解く本『悪魔崇拝』をめぐる殺人事件。『悪魔崇拝』のありかを知っていた男・ヒューゴ・リチャーズの殺害。3本の矢で磔にされた遺体。古い新聞を張られた地下室のあるパブで行われたミサの秘密。

    『魔術の日』

    エジプトで出会った殺人事件。戦後墜落した飛行機の積み荷に隠された謎。発見されたパイット・リンドハーストのシガレットケース。前日密閉されたクローゼットの中から現れた女性リマ・ジャクソン。殺害された謎の男。魔術師ウィザードの変装。砂漠で消えたリマ。

    『霧の中の埋葬』

    インドで手を触れずに女を殺す男ダゴンを目撃した男ブルーマーがサイモン・アークに助けを求めてきた。ブルーマーが持つ日本軍が隠した金塊についての秘密。ブルーマーを狙うダゴン。被害者の身長にかくされた秘密。休火山に隠された秘密。心臓発作で死亡したブルーマーの埋葬。

    『狼男を撃った男』

    自宅に侵入した狼男を撃ったと証言した州知事候補ヒューゴ・モルツ。撃った時は確かに狼だったが死体は人間に代わっていたという証言。被害者が連れいていた犬の秘密。被害者とヒューゴの妻の関係。

    『悪魔撲滅教団』

     「悪魔撲滅教団」にゆすられたネプチューン出版。サイモン・アークの仕掛けた罠。強請りの現場での逮捕をもくろむが・・・。爆発した金のはいった封筒の謎。指定されされなかった紙幣にかくされた秘密。

    『妖精コリヤダ』

    ロシアのサンタ・妖精コリヤダが現れるという集落。殺害されたトレヴィッツ教授。コリコリアダに触れられた一瞬で凍死していたトレヴィっツ教授。。

    『傷痕同盟』

    イスタンブールの美術館で傷つけられる絵画の謎。傷跡同盟の秘密を教えるとアークに手紙を渡した男の殺害事件。小説家ピザス、秘書のダーシャ、アークの友人メッガー教授。第2次世界大戦後ドイツの戦犯を逃がしていた組織の情報。

    『奇跡の教祖』
      
    サディアス・ラスクという男の興した新興宗教。取材に訪れた「私」とアーク。ラスクに母親の治療を依頼したケリー。死んだ母親。洗車機に車を入れ車ごと消えたケリー。宗教儀式の最中に燃え上がったサディアス・ラスク。

    『キルトを縫わないキルター』

    「私」の妻シェリーのキルトサークル。招待されたアークと「ミス死神」と呼ばれるマンディー・スナイダー。マンディー・スナイダーの語るサークル参加者の過去の犯罪。1本のビールを飲み帰宅したマンディ。支払われた50ドルの謝礼金。転落した自動車。本物のマンディの登場。

     2009年1月24日初読

     2011年1月20日再読

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    2011年01月20日
  • サイモン・アークの事件簿1

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    サイモン・アークは悪魔退治のために世界を旅する元コプト教の僧侶で2000歳を自称する。

    「わたしはただの人間ですよ。他の時代から来た人間です」

    世のオカルト探偵の多くはジョン・サイレンスやタイタス・クロウ、カーナッキのように魔のものと対決しますが、アークは怪異のような事件が実は人間の仕業による犯罪であることを暴き、解決していく。事件が一見悪魔的であること、そしてアーク本人が魔物的であるところがおもしろい。こういう探偵はあまりいませんが、京極夏彦の中禅寺秋彦はこのタイプですね。そういえばジャック・リッチー「カーデュラ探偵社」というのもありましたね。夜間しか営業しない吸血鬼のカーデュラの探偵社の話でした。

    さて、この短編集、10の短編が収録されている。半世紀前は好きだったが、もう一話として記憶がない。73人もの人間が一度に崖から飛び降りた、謎の大量自殺事件を描くアーク初登場の「死者の村」。ここで取材に来た記者でワトソン役の「わたし」がアークや後に結婚するシェリーと出会う。

    家に侵入した狼を撃ったつもりが死体は人間になっていた「狼男を撃った男」、クリスマスの日に子供たちにプレゼントを配ってまわる妖精による殺人「妖精コリヤダ」など。ホック得意のパズルストーリー。長編にするには軽いトリックが多いが、ジャストアイデアみたいなものも上手に短編に仕上げるあたりはさすがですね。

    「死者の村」で出会った若手記者の「わたし」が定年で引退後に関わる「キルトを縫わないキルター」まで数十年経っているが、ひとりアークだけは何も変わらず見た目は老人のような、身のこなしは若者のような様子であるところが恐ろしいですね。本当に2000歳なんでしょうね。

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    2026年09月12日
  • 斧

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    先に映画『しあわせな選択』を観ていたので、パク・チャヌク監督のキテレツ味が改めて感じ取れた(大好きなんだけど)。

    原作の乾いたアメリカン・ブラック・コメディの要素を忠実に再現するとしたら、コーエン兄弟しか思いつかない。

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    2026年03月26日
  • うしろにご用心!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    たくさんの目線で話が進んでいくけど、最後のたたみかけが面白い。

    悪いやつもちょっと間抜けで、絶対悪があまりない。
    平和に読めるのが良い。
    もっとこのシリーズを読みたいと思った。

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    2026年03月04日
  • 斧

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    じわっと面白いブラックコメディ。初期の筒井康隆を彷彿とさせる。
    そんな都合よく展開するかよと呟いてしまいそうなほど荒唐無稽なんだけど、細部に妙なリアリティもあって、おっさんには楽しめる作品ではないか。誰もが感じるモヤっとした悩みには不思議と感情移入ができてしまい、案外洋の東西を問わないのだと思った。単調にならないように挟み込まれるエピソードもまた素晴らしい。

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    2026年01月29日
  • うしろにご用心!(新潮文庫)

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    ネタバレ

    アメリカの作家、ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズ。シリーズの終盤近くの作品。

    知り合いの古物商から、大金持ちであるプレストンの家へ泥棒しに行くことを勧められたドートマンダー。プレストンは大勢の女性との関係で揉め、ニューヨークへと帰って来られず、カリブ海に滞在していた。一方、ドートマンダーたちの行きつけのバーが、ギャングに売られそうになっていて…

    軽妙な読み心地のドートマンダーシリーズ。一見関係がなさそうなストーリーが後半、一気に交差する。
    正直主役のドートマンダーがそこまで目立たない。もちろん、いいところは全て持って行くのだけど。
    シリーズ初期の作品が軒並み絶版なので、今作だけのことなのか分からないが…昔の作品も読めるようなんとかしてほしいシリーズのひとつ。

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    2025年12月09日