あらすじ
怪盗ニック・ヴェルヴェットは、きょうも仕事に精を出す。盗みの対象は価値のないもの、誰も盗もうとはしないものに限定されるが、一度引き受ければどんなに困難な依頼もこなすプロ中のプロだ。本書にはニックが日本を訪れる「駐日アメリカ大使の電話機を盗め」や、不慮の事故で骨折しながらも盗みに挑む「感謝祭の七面鳥を盗め」など、雑誌にのみ掲載されたものや本邦初訳のもの、シリーズ愛読者でも初めて読むであろう作品を多数収録した。短編の名手ホック随一の人気キャラクターの全短編を発表順に配して贈る全集第3弾、全14編。/解説=木村仁良
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Posted by ブクログ
2巻ではとうとうニックの仕事がグロリアにばれた……? わけですが、3巻では完全にばれております。
しかし動じないグロリアすげえ。
しかも、手数料の値上げをニックに実施させるとは。
女性はしたたかですw
Posted by ブクログ
第三巻のトピックは。
・ニック、日本に来る。
・グロリアに、怪盗であることを告白。
・記者に盗みの現場を押さえられる。
・依頼を受けてから決行までの間に足首を骨折。
どれも読み応えあったが、グロリアに話したことによる微妙な変化がいちばんの見どころ。この作品を楽しむうえではどうでもいいことだが、長年連れ添ったパートナーに「俺、実は怪盗なんだ」と言われたらどうするかな。人を殺したりはしていないわけだし、法には背いているかもしれないけど所詮法律も人が作った決まりに過ぎないし、職業に貴賎なし、愛があれば問題なし…か?とリアルに想像するのも楽しかった。
Posted by ブクログ
「価値のないモノを盗む」
怪盗ニック全集の3巻
今回は、きのうの新聞、赤い風船、蜘蛛の巣、石鹸、使用済みのティーバッグ、子供の絵、絵葉書、電話機、消防士のヘルメットなどなど
古いテレビドラマシリーズを見てるような感覚で、なめてかかると「何故依頼人はそれが必要か?」「それをどう盗むか?」で、ひと捻り加えてくるのが心地よい。
ジェフリー・ディーヴァーが豪華な食材(積み上げた設定、下調べ)で作る料理だとしたら、ホックさんのはなんというか「ひねり揚げ」スナック菓子感覚で合間合間でつまんで結局満腹になる感じ。
恋人のグロリアについに泥棒稼業がバレてしまうものの、グロリアはニックよりも冷静…強い…友達が麻薬の密売してるんじゃないか?とか疑いつつその友達と普通に接してるあたり…芯の図太さを感じる。
Posted by ブクログ
怪盗ニックの第三作。
思いもよらない展開だった。
一緒に暮らしているガールフレンドを仕事に連れていったら、
攫われてしまったとか、
とうとう彼女に泥棒であることを話すことになったとか、
手数料が値上げしたとか。
消防士のヘルメットを盗んだことで、
殺人犯の汚名を雪ぐことになった話の最後や、
彼女の友達の依頼を受けた話で、
身を守るためにバードウオッチャー達を呼び寄せたのも面白かったけど、
ニックが東京に現われたのには驚いた。
新樹という名前は珍しすぎないか?とか、
食品サンプルが店頭にあるレストランは多すぎて目印にならないぞ、とか
波打つサフラン色の僧衣はインドっぽくない?とか、
突っ込みどころはあるが、
ホテル・オークラや東京タワーが登場して嬉しかった。