あらすじ
価値のないもの専門の怪盗ニック・ヴェルヴェットに、ライバル登場!? 〈白の女王〉ことサンドラ・パリスは“不可能を朝食前に”をモットーに、決まって早朝に依頼を遂行する美女だ。二人はときに対立し、ときに協力しながら盗みに挑む。ターゲットは書斎の家具一式、図書館の蔵書、紙細工のお城、色褪せた国旗……。怪盗ニックの妙技ますます冴えわたる文庫版全集第4弾は、女怪盗サンドラ初登場短編「白の女王のメニューを盗め」を巻頭に、「ハロウィーンのかぼちゃを盗め」「枯れた鉢植えを盗め」など、本邦初訳の6編を含む全15編を収録。/解説=木村仁良
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Posted by ブクログ
怪盗ニック第四巻。第一作発表から気づけば二十年近く経っている。ニックもグロリアも年齢を重ねており、関係性にも少しずつ変化が見られるところが面白い。
・女怪盗サンドラ・パリス登場。けっこう重要な準レギュラーとなっている。サンドラ初登場話が第四巻の幕開けになっているところに、編集者の愛とセンスを感じる。ところでパリスという姓は男性を魅了する女性にぴったりなイメージがあるのかな。と、ポーラ・パリスを思い出した。
・ニックは五十に近い四十代で、グロリアはもうすぐ四十歳という時代。ニックの仕事はいつも現実離れしているが、二人の間に起こる事件はリアリティがある。
・仕事失敗のケースが増えてきた印象。仕事の成否は収入に直結するというか生業そのものであり、ここまで続けて読んでくるとそんな生活感もわかってくるので、手数料をもらえるかもらえないかという点に一緒にハラハラする。
Posted by ブクログ
怪盗ニックの第四作。
またもや意外な展開。
ニックにライバル登場。
それが、ポリシーは異なるがかなり腕の良い美女。
さらには、長年暮らしていた彼女と別れることに。
よりは戻るのか?
面白かったのは「紙細工の城を盗め」、
ライバルの美女が拘置所からニックを助け出すところ。
長年の彼女の依頼だったのに驚き。
「臭腺を持つスカンクを盗め」では、
ワシミミズクにスカンクをさらわせようと四苦八苦したり、
死んだはずの人間を見破ったりとこちらも面白かった。