あらすじ
価値のないもの、誰も盗もうとは思わないものを対象にした依頼のみを引き受ける、ユニークな怪盗ニック・ヴェルヴェット。彼の活躍を収めた2冊目の短編集である本書には、映画の没フィルム、サーカスのポスター、アパートのゴミ等を盗めといったお馴染みの奇妙な依頼のほか、何を盗むのか不明のまま仕事にかかる話、ニック自身が盗まれる話、何も盗まないよう頼まれる話など、シリーズ屈指の変化球エピソードが顔をそろえた。短編の名手ホックが生み出した並ぶものなき怪盗ニック、その全仕事を発表順に配して贈る全集第2弾、全15編。
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Posted by ブクログ
怪盗ニックシリーズ第2弾。『全仕事1』に負けず劣らずの短編が盛りだくさん。いつもどおり価値のないものしか盗まないニックだが、タイトルを見ればわかるように『怪盗ニックを盗め』や『何も盗むな』など曲者もちゃんと揃っている。またガールフレンドのグロリアとの関係にも進展があり、シリーズものとしても楽しめる作品が多い。ミステリとしての私的ベストは『くもったフィルムを盗め』と『海軍提督の雪を盗め』
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相変わらず、なんか、フツーなところが良いんだよな、ニック。価値のないものを盗む、ちょっと謎解きがあって、美女が出てきて、という定型お仕事パートは楽しんだ。
恋人のグロリアの登場回数がぐっと上がってきていると感じたが、彼女が、いつもニックの帰りを大人しく待つただの可愛らしい恋人でしかないというところが、今世紀的にはちょっと物足りない。しかしこれも、ニックから見たグロリアの姿としてはその通りなのだろう。ニックの真の姿をグロリアが知らされていないのと同じように。語られていないグロリアの暮らしは、読者だって如何様にも妄想できる余地があると言える。グロリアを主人公にした二次創作とかないのかなあ。
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怪盗ニックの第二作。
価値の無いものだけを盗むニック。
今回は、
一緒に住むガールフレンドに正体を知られるかと思いきや、
政府関係の仕事と誤解される。
仕事がやりやすくなっていて良かった。
手数料を取りそこなった話も面白かったし、
地中海の王国でクリスタルの王冠を盗む話も。
マフィアの虎猫の話も面白かった。
動機も面白かったし、猫を返してマフィアに話をつけたところのも。
睡眠薬で寝かした猫を電話線で外へ出すところは笑えた。
そう、ニックがなぜ泥棒になったのか、という話も。
もちろん、女が原因だそうだ。
Posted by ブクログ
依頼を受け「価値のないモノ」を盗む怪盗ニック・ベルベットシリーズの全集二巻目
「今日あたり帰り道には今読んでる本を
読み終えて、読むものなくなるなぁ」とか、読む本が途切れる合間合間で読み進める。
毎話よく出来てる。
1冊目を読み終えてから、このニックの本だけをずっと読み進めようと思わないのは何故なのか?を考えていたが、なんとなくわかった。
毎回パターンは違えど数ページで完結するため、なかなか設定やら人物名を覚えようと言う気が起きない。
短編なんだから仕方がないが、短編の中で少しずつ増えていく常連のキャラクターや時間の経過を読み解く事で楽しみ方が増えるかもしれない。
せっかく全集に纏まってるのだから、姿勢を正して読んでいこうと思う。
Posted by ブクログ
依頼人から高額の料金をもらって価値の無いものを盗むニック。なぜ価値の無いものに高額なお金を支払うのか。それがこのシリーズのミソ。以来主に盗品を渡して報酬を受けとると、xその理由を謎解きしてみせる。そんな短編のシリーズ。
隙間時間に詠むのにピッタリ。
Posted by ブクログ
価値のないものしか盗まない怪盗ニックが主人公。
宝石とか有名絵画とか価値の高いものを盗む怪盗は世にたくさんいるが、価値のないもの例えば普通の壁掛け時計とか、センスの悪い石像とか、普通の犬とかを盗むことを生業としている怪盗はそう多くないのでは。
なぜ価値のないものを盗むのかがポイントでページ数の少ない短編のなかで、その辺りの理由をきちんと説明付する技量はなかなかすごいなと思います。
良くない点をあげるとすると主人公が怪盗なので、やっぱり悪党なのには違いないということ。
いくら価値がないものとはいえ人の物を盗むのは犯罪ですから。
その辺りを上手く咀嚼できるようであれば楽しい作品だと思います。