辻田真佐憲のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
プロパガンダは一見楽しい歌や演劇の皮を被って行われるぞ!という話。「現代日本のプロパガンダは取るに足らない」で終わらせられているのはちょっと面白かったが、でも排外主義については結構なんか……加熱していた感じがある。やはり元から持っている嫌悪感にうまくブーストをかけることがプロパガンダ成功の秘訣なのかもしれない。AIの隆盛もあり、最近はテレビ番組の動画ですら手放しには信じられないような感じがある。どれもこれも嘘かもしれないと思いつつ情報を得るのは難しい。結局最後には自分の信じたい印象がぼんやり残っているのみだなと思う。でもそうやって疑う心を持っておくことが大事なのかなと思った。
-
Posted by ブクログ
戦前がいかに古事記、日本書紀に拠る日本神話を重視していた時代であるかを徹底的に解き明かしている。神武天皇は江戸時代まではほとんど忘れられたような存在だった、そしてヤマトタケルもそれぞれが明治天皇、白川宮能久親王(旧・輪王寺宮)に重ねてイメージを植え付けていたという。一方、神武以上に有名で人気があった神功皇后は女性の活躍が不要とのことで、大きく取り上げられなくなったとのこと。そして英雄神武の銅像の顔が不明であるだけに明治天皇と酷似したシンボルにすることから、曖昧なイメージである古代回帰を訴え、天皇を軍人としての面も強調することができたとは興味深い。神話を利用して天皇制の権威を高めようとした戦前
-
Posted by ブクログ
日本も参政党の躍進や高市政権の発足で、いよいよナショナリズムが前面に出てきた感がする。
近年のナショナリズムはSNS等での発揚が強いが、筆者はあえてリアルな場を求めて世界を巡る。
トランプあり安倍晋三があり、もちろん日本の戦前戦中の「八紘一宇」「神武天皇」を顕彰する場がある。と思いきや、難波大介(昭和天皇暗殺未遂事件)の生家も訪れている。
筆者の政治的スタンスは中立のような気がするが、現場で感じている感覚は自分にも近いので好感が持てる。かと言って、紹介されて場を訪れてみたいとは思わないが笑。
最後の総論で述べている「国威発揚の四象限」の解説は分かりやすく納得できる。 -
Posted by ブクログ
コテンラジオのゲッべルス回でムロさんが紹介していたので気になって購入。
プロパガンダとは、
「政治的な意図に基づき、相手の思考や行動に(しばしば相手の意向を尊重せずして)影響を与えようとする組織的な宣伝活動」のことである。(2p)
前述のコテンラジオ、ナチスの宣伝大臣であるゲッベルスの回をおかわりもして聞いていたのでこの程度にはどういうものか知っていた。
本書では大日本帝国のプロパガンダ、
欧米のプロパガンダ100年の歴史、
東アジアのプロパガンダ、
カルト宗教や中東宗教組織のプロパガンダ、
そして現代日本においてはどうなのか?という流れで、
プロパガンダについて述べている。
…てか -
Posted by ブクログ
日本国内の歴史修正主義の問題点や歴史修正主義の議論への対応に対する検証はもちろん今でも意味の大きい議論だとは思う。また、2020年に本書が出版されたこと自体にも大きな意味はあったと思う。
ただ、出版後2年でいろんな出来事があったり、いろんなことが分かったりした今読んでも、タイミングが遅すぎた
他方で、旧宗主国と旧植民地との関係に視野を広げた議論や、その関係性の議論をベースとした日本と韓国、アジア諸国との関係の議論は、高校の世界史で習っている歴史が基礎となってきる議論のはずなのにあまり考えていなかったことに気づいた。自分にとっても視野がが広がったと思う
4勝以下は流し読み -
Posted by ブクログ
P.48 教育勅語はどうとでも解釈できる
ヤヌスのような両面性
×儒教的な道徳を普及
○利用しながら近代国家の国民道徳に結びつける
啓蒙主義「学制」「自由教育令」
儒教主義「教学聖旨」福岡文政
国家主義 森文政
国体主義「教育勅語」
普遍主義(欧化主義、啓蒙主義)が共同体主義(儒学「我国固有の倫理」「国体の精華」)によって徐々に修正
→「教育勅語」は普遍的かつ絶対的でなかった。が天皇の言葉である以上、一切の批判を許さない神聖不可侵な性格を持っていた
大国化と文部省の没落
西園寺公望の世界主義
国定教科書
P.79 社会教育
国家主義的な「国民精神作興詔書」