辻田真佐憲のレビュー一覧

  • たのしいプロパガンダ

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    大好きな本です。読むのは2回目!
    歌、標語、映画などの幅広いジャンルに及ぶプロパガンダの数々は読んでいてとても面白く、同時に現代でも起こり得るという恐ろしさを感じられます。

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    2024年06月01日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    ネタバレ

    スタンスの置き方が難しい時代を極めてバランスよく記述してありました。日本の神話って名前が難しくてなんか取っ付きにくかったのですが、ザックリわかり易く纏めてあり、有益。確かに神話を踏まえないと戦前は理解できませんね。架空であるが故に自由度の高い神話をネタとして急速な近代化を進め、その後、逆にこのネタにしばられるようになってしまった日本。物語がないと国民国家はできないが、物語の行き過ぎが自滅をもたらす。歴史は繰り返す。やはり冷静な勉強は大事ですね。良書。

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    2024年05月16日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    日本書紀や古事記に出てくる日本神話が、戦前の拡大路線、対外戦争の中でいかにプロパガンダとして利用されてきたかを分かりやすく辿る一冊。神武天皇の八紘一宇に始まり、イザナギやアマテラスの時代まで遡り、神話の発祥地としての宮崎県と鹿児島県の争いや、軍人に人気を持った竹内巨麿の「竹内文献」など、知らなかった日本の歴史と神話の関係性を網羅できる。特に、神武景気や岩戸景気、いざなぎ景気といった言葉に表れるように、戦後の日本でも神話の教養が人口に膾炙していたことが印象的である。それが、日本という国が世界に晒された時の弱小コンプレックスなのか、日本という国の雰囲気をよく表していることなのか、考えてみたい。

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    2023年10月27日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    明治維新から77年で敗戦。敗戦から77年が昨年2022年。我々はいまだ明治政府に縛られている。いやそれどころか、亡霊のようにつきまとい、肥大化してさえいる。
    欧米列強と闘うためには西洋化が必須。
    江戸幕府にとってかわった薩長明治政府は天皇を担ぐ。
    しかし天皇は和服、では西洋化のシンボルにならない。
    古事記日本書紀に遡れば神武天皇は闘う天皇。
    神武天皇以来万世一系の天皇こそ闘う天皇。
    天皇陛下の下で富国強兵だ!

    みたいな絵を書いて、そのために、それまでは存在を忘れられていた神武天皇を担ぎ出し、
    その肖像画は明治天皇に似せて作り、、
    その明治天皇の肖像も元は東洋顔だったのが、それでは弱いと西洋風

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    2023年08月31日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    明治〜昭和初期にかけての、日本書紀や古事記を元にした引用が、読み辛いなと流していた。
    戦前〜戦中にかけて、分かりやすく勇ましく、読みやすくなって怖くなった。
    良い本だった。

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    2023年08月12日
  • 教養としての歴史問題

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    ある種の「歴史」を語るのが憚られる雰囲気が漂う昨今、正面から切り込む一冊でした。非常に参考になりましたが、こうした言説すらも攻撃の対象になるのかもと思うと難しい時代になったと思います。

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    2023年05月15日
  • 防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史

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    誰でも知っている防衛省・自衛隊。しかし、山本五十六、東郷平八郎、東条英機のように防衛省・自衛隊で思い浮かぶ顔はあるのか、防衛庁の歴史を知っているかと言えば、首を傾げる人が多い。そんな動機が筆者にこの良本を書かせた。

    本書が何より素晴らしいのは、列伝形式の物語風で兎に角読みやすい。それでいて、旧軍からの連節、駐留軍との関係、内務官僚による立ち上げと制服と背広の相剋などの草創期の視点、防衛大綱など戦略の背景などがよく理解できる。また、ある程度知識や記憶のある近年の話よりも過去に多くを割いていただいていることが、防衛省・自衛隊の成り立ちを理解する上で非常に良かった。

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    2023年04月27日
  • たのしいプロパガンダ

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    プロパガンダの悪用は、恐ろしい。自分が楽しんでいると思っていたら、実は、洗脳されていた、という自体になってしまう。プロパガンダの戦略を知っておくことは重要かと思う

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    2023年03月25日
  • 文春ムック 文藝春秋が見た戦争と日本人

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    もちろん原典は古いわけだけれど、それをこうして掘り起こし、集大成してみると、わが「美しい国」がどれほど美しくないのかが、決定的に再確認することができてしまう。この本が話題になっているように思えないのが、とても心外である。

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    2022年12月14日
  • 防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史

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    【現代日本では、自衛隊への信頼度はすっかり高くなった。しかしだからといって、「軍隊による安全」一辺倒でいいわけではない。「軍隊からの安全」もまた、古今東西の歴史を踏まえた、人類の英知のひとつである。この両者のあいだのバランスを取りながら、今後の安全保障を考えていく。それがいま求められている】(文中より引用)

    戦後間もない頃から現在に至るまでの幹部役人に光を当てながら、日本の防衛政策を人で読み解くことを試みた一冊。著者は、『文部省の研究』などでも知られる辻田真佐憲。

    人に焦点を当てた構成になっているため、防衛・軍事の素人にとっても読みやすく、かつわかりやすい内容になっているところが特徴的。そ

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    2022年11月17日
  • たのしいプロパガンダ

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    古今東西、芸術や娯楽が民衆の心に働きかけ、時には歴史を動かしてしまう。
    堅苦しくなく、楽しく、押しつけられるわけでもない「プロパガンダ」は、受け取る方は無意識、与える方は戦略的にというところが恐ろしい。
    今この瞬間にも、世界中で行われている。
    せめて歴史上の事例を知って、垂れ流されるエンタメのなかに潜む危険な「何か」に敏感でありたいと思う。

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    2022年09月21日
  • 教養としての歴史問題

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    昨今オープンレター問題で話題の呉座勇一氏が本書で論じるのは奇しくもことの発端となった網野善彦。本書で強調される「国民の物語」としての歴史が歴史修正主義という悪貨によって駆逐されている状況は、社会を変えていくためにマジョリティとどうコミュニケーションを取っていくか、その方法論が問われるわけだが、それは冒頭の問題を巡る差別を取り巻く状況にもまた当てはめるのは偶然ではなかろう。

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    2022年02月08日
  • 超空気支配社会

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    右や左の偏った意見に辟易している中、こういう意見を聞きたかったんだなと、自分の気持ちに気づかせてもらえる論考だった。

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    2021年08月20日
  • 文部省の研究 「理想の日本人像」を求めた百五十年

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    どういう教育をするか、ってその時の政治動向や思想のトレンドとかに大きく左右されるわけね……
    まさかゆとり教育にそういう意味もあったなんて
    もし希望通りMETI入ったとしても教育改革なんてできそうにないですね

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    2021年07月17日
  • 超空気支配社会

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    津田大介さんのポリタスTVで紹介されていた本。
    著者初めての評論集で、その多くは2014年から2021年にかけてのもの。覚えていることでも、視点が変わると新鮮でなるほど!となるのがおもしろい。
    「今日本当に必要なのは、専門原理主義とデタラメの中間、つまり総合知を模索することではないか。そしてそれこそ、評論家本来の領分なのである」
    同感!ついつい自分と同じ意見を持つ人ばかりで固まりがちなのは、どの分野でもありがちなこと。大事なことは「模索し続けること」なのではないか…とつくづく。

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    2021年07月16日
  • たのしいプロパガンダ

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    アニメ漫画音楽映画等を楽しむ人、かつ自分の考えや感じ方を他者にコントロールされたく無い人なら、読むと良い本。
    楽しくさり気なく思想誘導するから、「印象操作だ!」と言う人が出ても、「なに言ってんだ、人の楽しみにケチつけるな」と思わせる効果もあるのは、ネット上でもそんな事例を見るよね。
    プロパガンダの視点を知っていれば、楽しむ際に冷静に見られる(かも)。

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    2021年01月03日
  • たのしいプロパガンダ

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    日常的に触れるメディアにはどんなプロパガンダが隠されているのか、すべてを感じ取ることはできなくとも、敏感に感じ取る習慣はつけていきたいと思う

    後半、宮崎駿の件をさらっと流しているのは著者の趣味かな?とちょっと気になった

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    2020年12月27日
  • 古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家

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    朝ドラ「エール」が面白かったので昭和歌謡に興味がわいたのもあって購入。時代に合う音楽、ヒット曲とはどういう要因でできるのか、などの話を戦前・戦中・戦後を通じて描かれていて面白い。特に当時の社会情勢と関連付けて論じているところは読み応えあった

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    2020年12月16日
  • たのしいプロパガンダ

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    具体例が豊富でで国内・海外・ジャンル偏らず記載されていて面白かったしイメージがわきやすい良い本だった。エンターテインメント産業は危機に瀕するとこういう方向に引き寄せられる誘因ってあるよね、という意味でも今まさに読むタイミングだったのかも

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    2020年12月16日
  • 大本営発表 改竄・隠蔽・捏造の太平洋戦争

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    デタラメの代名詞とも言われる「大本営発表」。
    近現代史研究者の辻田氏はこの大本営発表にスポットを当て、その始まり(1937年の日中戦争時)から、最後(第二次大戦終了時)までを追いかける。
    最初はデタラメとは言えず、そこそこ正確に戦況を伝えていた大本営発表が、一体いつ頃から綻び始めるのか。勿論、日本の劣勢を隠すためではあるのだが、なぜ当時のマスコミはその発表に隠された大きな嘘をそのまま報道したのか。
    そこには陸海軍の対立と、国とマスコミの間の対立と癒着が深く関係していたことを丁寧に掘り起こしている。
    戦時統制で新聞に使う紙が統制の対象になり、群に逆らえば新聞が印刷出来なくなると言う国に急所を掴ま

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    2020年09月09日