「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

ビジネス・実用
1,078円 (税込)

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神武天皇、教育勅語、万世一系、八紘一宇……。
右派も左派も誤解している「戦前日本」の本当の姿とは?

神話に支えられた「大日本帝国」の真実。
「国威発揚」の物語を検証するーー!


「筆者はここで、同じく昨年、凶弾に斃れた安倍元首相が唱えた「日本を取り戻す」「美しい国」というスローガンを思い出さずにはおれない。それはときに戦前回帰的だといわれた。
だが、本当にそうだっただろうか。靖国神社に参拝しながら、東京五輪、大阪万博を招聘し、「三丁目の夕日」を理想として語るーー。そこで取り戻すべきだとされた「美しい国」とは、戦前そのものではなく、都合のよさそうな部分を適当に寄せ集めた、戦前・戦 後の奇妙なキメラではなかったか。
今日よく言われる戦前もこれとよく似ている。その実態は、しばしば左派が政権を批判 するために日本の暗黒部分をことさらにかき集めて煮詰めたものだった。
つまり「美しい国」と「戦前」は、ともに実際の戦前とはかけ離れた虚像であり、現在の右派・左派にとって使い勝手のいい願望の産物だったのである。(中略)
このような状態を脱するためには、だれかれ問わず、戦前をまずしっかり知らなければならない。」 (「はじめに」より)


【本書の構成】

第1章 古代日本を取り戻す 明治維新と神武天皇リバイバル
第2章 特別な国であるべし 憲法と道徳は天照大神より
第3章 三韓征伐を再現せよ 神裔たちの日清・日露戦争
第4章 天皇は万国の大君である 天地開闢から世界征服へ
第5章 米英を撃ちてし止まむ 八紘一宇と大東亜戦争
第6章 教養としての戦前 新しい国民的物語のために


【本書の主な内容】

・「新しい戦前」と「美しい国」の共通点
・「神武創業」に新政府がこだわった意図
・「建国記念の日」が生まれた背景
・君が代はなぜ普及したのか?
・明治維新は「中世キャンセル史観」
・神武天皇に似ている「あの人物」
・フェティシズムとしての教育勅語
・女子天皇・女系天皇を排した井上毅
・忘れられる神功皇后と理想の女性像
・神社参拝は軍国主義的なのか?
・「東京」の名付け親・佐藤信淵
・天地開闢とイザナミ・イザナギ神話
・「弱小国家コンプレックス」が生んだ妄想
・戦意高揚に貢献した北原白秋と山田耕筰
・実証なき物語は妄想、物語なき実証は空虚 ……ほか

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史
  • タイトルID
    :
    1354832
  • ページ数
    :
    304ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年05月17日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    18MB

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「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    戦前とはどんな世界か
    日本の神話とは何なのか
    国民とは何なのか
    これらを考えさせられる作品である
    国だって一つの生命体である
    いいところも悪いところもある
    それらを受け入れて前に進んでいけば良い

    0
    2026年03月21日

    Posted by ブクログ

    日本神話が明治以降の天皇制国家構築に度のように利用されてきたのか、を全く知らずで、この本をとても興味深く読み進められた。日本神話の世界はヤマタノオロチや因幡の白兎の話、ヤマトタケルの草薙の剣で火を払うなど、絵本でワクワク読んだものだが、この本での解説を読んでいると、物語が人間社会を構築する、というハラリの論考にもつながって興味深い。

    0
    2025年10月05日

    Posted by ブクログ

    明治維新〜戦前まで、日本がいかに神話国家になったのか?がよくわかる。(あと、靖国神社も理解できた)

    太平洋戦争で、日本がなぜ「我々は神の国だ」なんて変なこと言ってたのかが、よーく理解できた。

    「神話」は日本が近代国家を急造するための方便だった。欧米列強に植民地にされないように、強い日本になるために、国民を動かす装置だった。

    それは見事に大成功し、日本は幾多の戦争に勝ち抜き、第一次世界大戦時には五大国として君臨した。

    これらを成功させた土台には「神話」があった。
    理屈はこうだ。神である天照(アマテラス)の子孫の神武天皇から2,600年もの間、万世一系の天皇をいただく日本は神の国である。つまり神の子孫である天皇の言うことを聞けばよいのだと。日本は「神話」により、自国を神の国であると認識していた。

    ただこれは、欧米列強に植民地にされまいと、「日本は特別な国でなければいけない」という願望が生み出したものだ。アイデンティティを失うまいと生み出された日本特殊論である。

    今のイスラエルみたいなとんでもない思想だなと冷静に思う。(彼らは自分たちを神に選ばれし者と思ってる)

    元々は江戸時代にペリーがやってきた際、始まった。うまく欧米列強に対処できない幕府が頼りないため、のちの新政府軍が「元々日本は天皇の国である」と言い出す。

    それも当時、メジャーではなかった神武天皇を持ち上げて、神武創業として天皇親政を掲げた。理由は神武天皇の時代の記録なんぞ残っていないため、何か従わせるときに万能にロジックを組める。

    例えば服装を洋服に変えるときも、「洋服にしろ」と言っても国民は言うこと聞かない。神武の時代は「武」を大事にしていて、強き者の服装が正義であると。その当時の最強は西洋であるため、服も西洋に合わせるべきだ。というように、西洋化を進めるのに都合のいい口実として神話は使われた。

    戦後、GHQによって修身、国史、地理が教育から廃止された。これによって現在の日本人は神話なんて1ミリも知らない。私はこれについて、アメリカに日本らしさを奪われたぐらいの感覚を持っていたが、ともすると神話はあまりに右寄りであり、八紘一宇を履き違えるととんでもない思想になってしまう。

    世界と強調し、尊敬される国になった今の日本に至るには、神話を捨てた(アメリカに捨てさせられた)ことは、一定ポジティブに思える。

    また、靖国神社への理解が深まった。ペリー以降の日本の戦死者を祀っている。つまり自決や日本の敵はカウントされない。

    殉死した乃木希典や、病死した東郷平八郎は祀られてない。それぞれ乃木神社、東郷神社がある。ちなみに西郷隆盛は新政府軍の敵だったため祀られてない。

    また、神社には格がある。伊勢神宮は全ての神社を超越した存在としてカウントされてない。1番上のクラスは明治天皇を祀る明治神宮や、桓武天皇を祀る平安神宮など。

    靖国神社と似たテイストで全国に護国神社がある。基本的には戦死者が祀られるが、殉職した警察、消防士、自衛隊も護国神社に祀られている。ちなみに神奈川県には、護国神社がないらしい。

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    特に教育勅語の話が興味深い。いまだに教育勅語の一部分だけを取り上げて肯定する意見があるのには呆れる他ない。戦中の軍国主義への「下からの参加」はなぜ起こったのか。戦前からその下地が着実に形成されていったことを理解するのに大変役立つ一冊。

    0
    2025年09月15日

    Posted by ブクログ

    本読み仲間のおすすめ会で、積読のオススメとして紹介された多忙な先輩からお借りした。サイト記事で少し読んでましたが、大変論理的で納得感の高い内容でした。皇室や神話が、西洋化や国民皆兵等を進めるための方便として、その本質や伝統とは違う形で都合良く使われ、それをすべて否定しては、それこそ本質や伝統を見失うことが良く理解できました。
    本書では触れられていませんでしたが、笹川良一の「地球は一家、人類は兄弟」は、八紘一宇の言い換えであることに初めて気が付き驚きです。
    2025-034

    0
    2025年07月22日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに新書で面白い本を見つけた。
    日本の神話と明治初期の国づくり、そこから離れていった昭和初期、そして戦前の見方が分かれてしまった現代へと時代の流れを中立的な視点で考察していて学びが多い。
    依拠している古典も具体的に紹介されており、読者自らも検証することができる。
    現代の右派、左派の対立がどこから生じているのか学び、考えさせられた。

    0
    2025年02月27日

    Posted by ブクログ

    すごく良いです。
    日本は時代の空気やなんとなくの雰囲気に流されやすく「物語」の影響が大。無責任の構造というか、独裁的な牽引力の核がないというか。強みでもあり弱みでもあり、政治も経済も民衆も無自覚にダメ物語スパイラルにハマりやすい。的な感覚があればオススメです。
    戦前に詳しくなければ多くの発見が、大学受験で日本史選択程度の知識でも(私)、全然に発見が多数です。
    我々が生きる我々の社会を、多くの人にとって少しでもより良いものにするために、健全に盛り上げていこーよと。そのために必要な、空気に流されないスキルの獲得に有用です。我々の物語を適切に上書きして、社会をアップデートしていきたいですね。

    0
    2025年01月15日

    Posted by ブクログ

    知らないことばかり書いてあった。
    著者曰く、神武天皇は、いないし、明治時代に、国を進めていくために、都合よく持ち出されたもの。
    しっかり、確認できるのは、平安時代から。

    戦前は国務法と皇室典範に分かれていた。つまり、帝国議会は、皇室典範に関することは一切干渉できなかった。

    三種の神器は、南北朝時代から。

    日本は特別な国だという物語がないと、
    西洋に追いつくことができないと考えた。

    0
    2025年01月13日

    Posted by ブクログ

    そもそも、戦前はいつから始まったのか、何故日本は太平洋戦争中、あのような軍国主義国家になったのか、非常に興味があった。

    その答えがこの一冊にあった。
    なかなか衝撃的な内容である。
    有名な童謡の作曲家が国威高揚を目的とした歌をつくっていたり、我々が健在学んでいない事実かたくさんこの本には書かれている。

    日の丸、君が代、靖国神社等の問題は、この本の知識なしではよくわからない。

    明治維新も、我々が習ったことは随分過不足がある。
    なぞだらけである。実は、江戸時代の日本は平和でみな幸福に暮らしていたのではないか。

    明治維新から太平洋戦争終戦まで、何か重要なことが隠されているのではないか、という気持ちになる。

    色々考えさせられる一冊である。

    0
    2025年01月01日

    Posted by ブクログ

    わたしの個人的な思想はリベラル寄りで、いわゆる「歴史修正主義」的な動きなど、右派論壇に対してはつねに批判的な視線を向けてきた。関聯する記事などもよく読むのだが、そこでしばしば用いられるのが「戦前」という言葉である。「戦前回帰」といった形で眼にすることも多いが、しかしその実、われわれは「戦前」という言葉をイメージでしか捉えておらず、正しく理解できているとは言いがたい。そこで今回は、正しい「戦前」像を理解するために、「新書大賞2024」で第7位になった本作を読んでみた。内容的には、「創られた『伝統』」という、よく知られた言いまわしがあるが、たとえば「八紘一宇」というキイワードがいかに「創られた」かを解き明かすなど、それほど目新しさはない。それでも知らなかった智識もあってなかなか刺戟的な読書体験であった。とくに、著者は「『ネタ』が『ベタ』になる」と表現しているが、いわゆる「戦前」ムードが形成されるにあたっては、もちろん「上」が「あえて」利用して煽ったことが要因としてはもっとも大きいけれども、「臣民」の側がときにはそれ以上に「暴走」した結果、しだいに天皇の言動にまで影響を与えるほど大きな存在になっていったということは衝撃的であった。著者は「戦前」という言葉が安易に使われすぎていると指摘し、また「戦前」を全否定するような言説にも顔を顰めており、それはそうなのだが、「『ネタ』が『ベタ』になる」危険性を考えてみれば、やはり警鐘を鳴らさずにはいられない。大事なのは本作を読んでただ終わりにするのではなく、現実世界にも確実にある「戦前」の実を摘んでゆくことではないかと切に思った。その理解の第1歩として本作があるのだと思う。

    0
    2024年08月19日

「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 教育
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社現代新書
  • タイトル
    :
    「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史
  • タイトルID
    :
    1354832
  • ページ数
    :
    304ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年05月17日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    18MB

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