辻田真佐憲のレビュー一覧

  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    どの国でも少なからず、歴史や伝統と言われているものの中には実際そうでないものがあるのは割とよく知られているが、それを善悪二元論ではなく、我が国の「いわゆる戦前」にいかにして結びついたかを記した一冊。

    江戸時代までの長く続いた武家社会、中世社会から刷新し、新政府・新国家として内外共に成立させ認めさせる必要があった明治政府。
    そこで持ち出された日本神話は時に都合よく、時に歪められて組み込まれ、やがて人々を鼓舞する素材へと変化していく。

    「美しい国」「神武創業」「建国記念の日」「井上毅」「教育勅語」「皇統譜」など、現在も続く神話と歴史の距離感の発端から発展、そして戦前への到着までをわかりやすく追

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    2025年12月11日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    近現代史研究者の著者が明治維新後、列強の脅威に対抗するため日本がその精神的柱として「記紀」を元に作り出した「神武天皇」や「教育勅語」「八紘一宇」はどのように構築されていったのかを考察。
    そのカラクリを丁寧に紐解きながら、現代の思想的分断の背景にある安直な解釈に対し警鐘を鳴らした良書。

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    2025年09月20日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    「戦前」とはなにか。

    僕が受けた、あまり質が良いとは思えない左派小学校教育などでは、「悪い偉い人たちに騙されて、狂っていた時代」的に教えられたように思う。

    開国、明治から先の大戦と敗戦から現在。
    大体同じ時間が流れた今、戦前とはどのような時代だったか。
    改めて考えると。
    単純な整理はできないものの、東アジアの端でそれなりにそこに住むもの達を現在までなんとか届けるために、指導者もそこに従うものも様々な努力を重ねてきたんだな、と思った。

    そうは言っても、詐術的な指導もあっただろうし、激情的な熱狂に流され、狂ったこともあっただろう。

    時代と場所。
    人は自らの身体を選んで生まれることもできない

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    2025年09月13日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    戦前とはなんだったのか。明治政府が国を統治する為に使った天皇家の万世一系の物語。そこから八紘一宇、国体の本義へ、さらにエスカレートして世界征服まで知識人までが言い出した物語。国をまとめるのために物語は必須であるし、物語のない国民国家はあり得ない。ましてや西洋列強の帝国主義が牙を向く世界の中で日本が生き残るために必要な物語だったともいえよう。
    当時の国の指導部はそれぞれの考えで必死で日本を守ろうとして破滅なんて求めてなかったはずだが、結果的には破滅に向かった。

    現代に生きる我々は知恵に変えないといけない。
    政治家やメディアもそれぞれの立場で国の方向を述べる。当然本気で国の将来を憂いての人も多い

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    2025年09月03日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    知らなかったことをたくさん知ることができた。戦前の日本。天皇を崇めることで、心のなかでは無茶だとわかっていても、それを無理やりに正当化して。そうやって命を失っていったのは、「八紘一宇」(世界を天皇のもとに一つの家にする)などとうたっている上層の人ではない。まだまだ未来のあった青年や大人たちだ。
    君徳(主君としての立派な行ない)の結果の「万世一系」だったはずなのに、「万世一系」を維持するために暴政が行われるという逆転が生ずる。
    「世界制覇」なんて言葉が出てくるのもびっくりだ。世間を知らなすぎる。
    正直なところ、よくここまで回復したなと思う。
    それは平成天皇や皇后のお力が大きかったのではないかと思

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    2025年08月29日
  • たのしいプロパガンダ

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    戦時下における様々な「たのしいプロパガンダ」、つまりエンタメの皮をかぶったプロパガンダを紹介している本。
    音楽、映画、ラジオ、アニメなど、多種多様な媒体で熾烈なプロパガンダ合戦が行われたことが分かる。


    この本からの重要な学びは2つある。


    銃を突きつけて強制するようなプロパガンダは、反発を生むだけで恐ろしくない。
    しかしエンタメを楽しんでいるうちに、知らず知らずのうちに誘導されてしまうようなプロパガンダは恐ろしい。


    そして、そういったプロパガンダを見抜くことは非常に難しい。
    だからこそ過去の歴史から学ぶことが大切だ。

    どちらも今の時代に必要な心構えだ。


    現代でプロパガンダを

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    2025年07月15日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    戦前に記紀神話がどう整理されて愛国に利用されたのかがまるっと分かる近現代史。面白い。明治初期に作られた器を上手に乗りこなせる人がいなくなっちゃうとこうなるのか……。「ネタがベタになる罠」は上手く料理したら良き創作の種になりそう。

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    2025年05月04日
  • ルポ 国威発揚 「再プロパガンダ化」する世界を歩く

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    ナショナリズムの考現学《モニュメント編》、とでもいうところだろうか。(「学」というほどではないが...)。巻末のまとめで示された「国威発揚の4象限」は、この本を読む上でも、ナショナリズム的な現象を観察考察する際にも、助けになるものだと思った。

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    2025年03月30日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    国民統治における「物語」の、また、SNSを中心に見られる短絡的な考え方の危険性を感じた。「物語」は功罪どちらもあるものだが、本書においては「物語」の危険性、その「物語」に基礎づけられた戦前の日本が批判的に解説、分析される。

    なんかよくわからないものに導かれ、自らとんでもない結末を迎えないためにも、過去を、歴史を学び、うまくバランスを取りながら、今後我々がどうあるべきかを考えていかなければならない。

    そうした「冷静さの重要性」を思い起こさせてく、このところの、諸論点に対する右派の理屈付けに違和感を感じていたタイミングで、その違和感を解体して解説くれる本であった。左派を支持するとは言っていない

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    2025年02月23日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    日本の神話が戦前のプロパガンダにどう使われてきたのか、体系的に整理された良著。明治維新からひもといた点が特筆される。

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    2024年07月15日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    神話は実話かどうか実証できない分、良くも悪くも解釈の自由度があり、状況によって利用されがち。
    それは日本だけではなく、キリスト教なども同様。

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    2024年06月11日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    大日本帝国を宗教国家として見た時の、奇妙な天皇崇拝はどうやって形作られたのか?
    明治からの政府が作った上からの宗教と、草の根的な下からの宗教が結びつく流れが面白かった。
    木村鷹太郎、通称キムタカのオカルトとしか言いようのない日本書紀はそもそも世界の話をしていたという解釈は、抱腹絶倒するほどに面白いと同時に、これだけ賢い人がオカルトに傾倒してしまうというオウム真理教の様な怖さがあると感じた。

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    2024年03月30日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    ネタバレ

    タイトルから少し怪しいイメージをしていたが、読んでみたらしっかり分析してあり勉強になった。

    初代神武天皇など昔は祀られていなかった人が国威高揚の為、祀られるようになったと言うのが驚きだった

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    2024年03月28日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

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    日本神話をほとんど知らなかったので読むのに苦労しましたが、いかに神話が都合よく解釈され、利用されてきたかよく分かります。
    東西問わず様々な宗教に共通することですね。

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    2024年03月10日
  • 防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史

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    副題の歴代幹部でたどる戦後日本の国防史とある通り、歴代幹部の列伝を読んでいくと、内務省の横の繋がりから始まり、徐々に形を形成しその時の世界情勢を鑑みつつ徐々に変化してきたのが解る。通して読むと、人間の面白さを再認識させられる。

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    2024年01月22日
  • 防衛省の研究 歴代幹部でたどる戦後日本の国防史

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    ●昭和の将校研究本は数あれど、自衛隊幹部の本は中々ない。というかあまり流行らない、地味ってことかなあ。
    ●自衛隊創設の逸話が色々散りばめられていて面白い。
    ●特に気になるのは自衛隊幹部の思想面の話。やはり心配だし、穏便な歴史観を保持してほしい。陰謀論は論外。ある程度歴史を知っておかないと、免疫がなくて危ないというのはまさにそのとおり。
    ●今の自衛隊が売り手市場かどうかは定かではないが、優秀な人材が入ってくれないと国民としてもマイナスだよね。
    ●防衛大のように、自衛隊幹部学校の内容も国民に広く周知されるべきだね。

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    2024年01月03日
  • たのしいプロパガンダ

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    「楽しさ」を通じて民衆をコントロールしようとするタイプのプロパガンダを「楽しいプロパガンダ」と定義し、戦前日本、欧米、東アジア、宗教組織(オウムとイスラム国)、現代日本における「楽しいプロパガンダ」を概観した本。

    プロパガンダは楽しく、人を引きつけるものでなければならない。これはどの国でも共通の認識だったようで、旧帝国陸軍の清水盛明、ナチス・ドイツのゲッベルス、中国共産党の毛沢東も同様の見解を述べている。そして利益を上げるために民間のエンタメ産業も協力、便乗してさまざまなプロパガンダ作品を作り上げていった。プロパガンダの本質を知るためには、このような官民協働にこそ注目しなければならない。強制

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    2023年06月13日
  • たのしいプロパガンダ

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    プロパガンダを楽しむといった本ではなかった(汗)。第2次大戦まで、軍国主義国家だった日本は情報将校を中心にそれなりのプロパガンダ・スキルがあったようだ。現在の自衛隊は、かつてのスキルはないと著者は言う。国民に対する「遠慮」があるのかな? 人心を思い通りに誘導したい国(西側も東側も)、テロ組織などの、娯楽、エンタメの中に紛れ込んだプロパガンダに気をつけろ、ということなのだ。カバーのデザインは、ソ連の芸術家が製作したポスター

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    2022年12月12日
  • 教養としての歴史問題

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    ネトウヨ
    嫌韓・嫌中
    慰安婦問題はデタラメ
    ホロコーストは無かった
    ヘイトスピーチ
    などなど、日頃、「こういうのおかしいよなぁ」と思っている事について知ってみたくて読んでみました。
    上記のような思想的傾向を「歴史修正主義」というそうです。
    この歴史修正主義に対して向き合い、評価し批判するために有用な本だと思います。

    「はじめに」に本書の目的-歴史認識問題の現状を正確に把握し、未来を考えるきっかけを作る、と書いてあり、その目的に沿った5つの章と最後の座談会が配されておりいずれの論考も面白い。
    わたしには特に以下の章が読み応えがありました。
    第二章 植民地主義忘却の世界史
    第四章 「自虐史観」批

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    2022年09月19日
  • たのしいプロパガンダ

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    津田大介さんのポリタスTVで何度かお見かけしている方の著書ということで、安倍晋三銃撃事件以来なにかと騒がしくなニカと関連付けがされたり感じたりする中、今読んでも良いかなと思い読んでみた。
    たのしい とタイトルひらがなにあたり、著者はお若い世代(誰と比較して??)なので、かつての宝島系お笑い北朝鮮、、的な、まあ若気の至りというかそういうものを面白がっていたことを今、ある程度内省の批判をもって自己点検している、というような立場からは、やや軽くてその辺り微妙なラインをぎりぎりうまく書いておられる。著作本をみると、軍歌の研究者なんだ、、意外であった。表紙の装丁はロシアの有名なロトチエンコのレンギスのパ

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    2022年08月21日