辻田真佐憲のレビュー一覧

  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    あえて言う「あの戦争」とは。歴史とは中立的な事実の羅列でなく、読み解く人の史観が強く求められるものだと勉強になった。国民に民族の物語を伝える博物館、日本にも欲しいと強く思ったがその難しさにも語られている。
    歴史好きにはお薦めの1冊。

    0
    2026年01月23日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    昨今の世界情勢をみると、ウクライナ紛争や中東紛争、台湾問題から、最近ではアメリカによるベネズエラ攻撃等、自国第一主義による覇権主義が進んでいる。

    日本においても排外主義的な考えが広がり、右傾化している中で、徐々に世の中は戦前の状況に戻っているのではと懸念している。

    そのような中で、正に本書のタイトルにあるように、あの戦争がどのように始まり、今の世の中に通ずるところがかなりあったのではないか、また、止めることができたのではないかと思うようになり手にとった一冊。

    思えば、近代史から続く現代史は、学生時代に習ってはいるが、それは単語や人名を暗記することに固執し中身まではあまり理解できていなかっ

    0
    2026年01月18日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    歴史は受験のために暗記するものとしてしか触れたことがなかったが、様々な映画やドラマ、小説などで登場する太平洋戦争について中立的な知識をインプットしたいと思い購入。
    なぜ受験の頻出単語がなぜ頻出単語だったのか、この本で出題側の教授の意図が分かった気がした。

    歴史は常に事実ではなく物語であり、完全に中立的な立場にはなれないことが、様々な国でそれぞれの国の物語が作られていることを通して理解できた。
    今自分が立っているこの時代が何が起きたことの延長にあるのか、私も展示に足を運んで自分なりに物語を解釈してみたいと思った。

    0
    2026年01月10日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    戦争についてあまりにも知らなすぎたので、入門としてとても良かった。
    戦前の時代背景や、周りのアジアの国の日本への認識が分かった

    0
    2026年01月06日
  • ふしぎな君が代

    Posted by ブクログ

    「君が代」がどのように作られ、国歌という扱いをされるようになり、戦後まで残ったかを追いかける記述がなされる、至って穏健な考察。明治2年頃に外交儀礼の必要から急場しのぎで作られた「君が代」は海軍軍楽隊&宮内庁雅楽寮により改訂され、他の国歌候補との「国歌レース」に勝ち抜いていく。「歌う国歌」ではなく「聴く国歌」とすべきとの提言が序章にも最後にも書かれているが、その通り、それで良い、それが善い、と思う。かねがね、私はこの歌は難しいと思っていた(スポーツイベント等の場で、プロと言われる歌手がする独唱を耳にしても「大変そう」と感じる)。軍楽隊にしろ雅楽寮にしろ儀礼音楽の専門集団の手になる楽曲だから、式典

    0
    2025年12月31日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    前提として、本書にも書かれているが、中国・韓国・北朝鮮は日本に対して厳しいが、他の東南アジアの国々はそうではない。私もそれが常識であると思っていたが、実はそうでもなかった、というのが本書の第4章。各国の歴史博物館を筆者が回った報告となっている。少なくとも日本によって解放されたなどとどの国も考えていない。これは衝撃的である。
    日本に国立の歴史博物館がない。これに関する考察は順当に思えるが、重要な指摘するだ。政治家は誰もやろうとしない。難しいのは分かるが、これはやらなければならない話だ。

    0
    2025年12月27日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    この本で示したのは問いに対する結論ではなく、答えがいかに作られ、変えられ、利用されてきたかという過程です。
    ・戦後すぐの反省
    ・高度成長期の忘却
    ・危機の時代に再び持ち出される物語
    ――それぞれの時代が都合のよい“答え”を用意してきたことを丁寧に解きほぐします。
    本書の到達点は「これが答えだ」ではなく、
    安易な答えに飛びつくこと自体が危ういという認識を示す。

    0
    2025年12月26日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    なぜ戦争が避けられなかったのか
    軍部、政府の思惑や動きに加え、民衆や天皇の動きも考察
    権力者がいなかったからこその混乱
    各国の戦争に起因する日本への価値観など
    あの戦争を語る際に、あの戦争だけに焦点をあてるのではなく、それに至るまでの歴史や構造も見つめる

    0
    2025年12月15日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    どの国でも少なからず、歴史や伝統と言われているものの中には実際そうでないものがあるのは割とよく知られているが、それを善悪二元論ではなく、我が国の「いわゆる戦前」にいかにして結びついたかを記した一冊。

    江戸時代までの長く続いた武家社会、中世社会から刷新し、新政府・新国家として内外共に成立させ認めさせる必要があった明治政府。
    そこで持ち出された日本神話は時に都合よく、時に歪められて組み込まれ、やがて人々を鼓舞する素材へと変化していく。

    「美しい国」「神武創業」「建国記念の日」「井上毅」「教育勅語」「皇統譜」など、現在も続く神話と歴史の距離感の発端から発展、そして戦前への到着までをわかりやすく追

    0
    2025年12月11日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    著者が東南アジア各地を回られて、歴史博物館において、大東亜戦争がどのように表現されているのか、これは新しい視点だった。

    0
    2025年12月07日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    難しい題材についてバランスの取れた記述でコンパクトにまとめた良書。
    「あの戦争」は名称すら大東亜戦争、太平洋戦争、十五年戦争、アジア・太平洋戦争、第二次世界大戦と様々な呼び方があり、使う名称によって見方が変わってしまう。
    第一章では「いつ始まったのか」という問いから始まる。
    一般的には1941年12月8日の真珠湾攻撃を起点とする見方が広く受け入れられているが、実態を捉えるには日中戦争との連続性を見る必要がある。1941年12月12日に政府が
    この戦争の名称を「大東亜戦争」と発表した際には支那事変(1937年7月7日盧溝橋事件)も含めていた。さらに満州事変(1931年9月18日)を起点とする「十

    0
    2025年11月14日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    政治的になることを恐れて、歴史を忘れ去るのではいけない。批判されても65点の歴史を目指すという姿勢には共感した。
    最後の第四、五章が博物館における歴史の取扱い方の話なのも面白い。アジアでは大東亜共栄圏も東條英機も扱いがないか、小さい。国家の歴史にとって必要がないからである。対して、日本の博物館は、自国の歴史を取扱うのに慎重になりすぎて、ほぼ近現代の戦争について展示していないという(靖国神社の就遊館ですら愛国的というよりは受動的と指摘されている。)。
    各章、左右、実証主義を踏まえつつ、簡潔に自分の立場を説明している点もよいと思った。ほぼ同世代の著者だが、これくらいの距離感でもっと歴史を知りたくな

    0
    2025年11月13日
  • 「あの戦争」は何だったのか

    Posted by ブクログ

    戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。

    「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。
    本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」  ――「はじめに」より

    まさに、読みたいと思ったきっかけは、この帯に集約されている。
    戦後80年の節目の年に、多くのYouTub

    0
    2025年10月13日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    近現代史研究者の著者が明治維新後、列強の脅威に対抗するため日本がその精神的柱として「記紀」を元に作り出した「神武天皇」や「教育勅語」「八紘一宇」はどのように構築されていったのかを考察。
    そのカラクリを丁寧に紐解きながら、現代の思想的分断の背景にある安直な解釈に対し警鐘を鳴らした良書。

    0
    2025年09月20日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    「戦前」とはなにか。

    僕が受けた、あまり質が良いとは思えない左派小学校教育などでは、「悪い偉い人たちに騙されて、狂っていた時代」的に教えられたように思う。

    開国、明治から先の大戦と敗戦から現在。
    大体同じ時間が流れた今、戦前とはどのような時代だったか。
    改めて考えると。
    単純な整理はできないものの、東アジアの端でそれなりにそこに住むもの達を現在までなんとか届けるために、指導者もそこに従うものも様々な努力を重ねてきたんだな、と思った。

    そうは言っても、詐術的な指導もあっただろうし、激情的な熱狂に流され、狂ったこともあっただろう。

    時代と場所。
    人は自らの身体を選んで生まれることもできない

    0
    2025年09月13日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    戦前とはなんだったのか。明治政府が国を統治する為に使った天皇家の万世一系の物語。そこから八紘一宇、国体の本義へ、さらにエスカレートして世界征服まで知識人までが言い出した物語。国をまとめるのために物語は必須であるし、物語のない国民国家はあり得ない。ましてや西洋列強の帝国主義が牙を向く世界の中で日本が生き残るために必要な物語だったともいえよう。
    当時の国の指導部はそれぞれの考えで必死で日本を守ろうとして破滅なんて求めてなかったはずだが、結果的には破滅に向かった。

    現代に生きる我々は知恵に変えないといけない。
    政治家やメディアもそれぞれの立場で国の方向を述べる。当然本気で国の将来を憂いての人も多い

    0
    2025年09月03日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    知らなかったことをたくさん知ることができた。戦前の日本。天皇を崇めることで、心のなかでは無茶だとわかっていても、それを無理やりに正当化して。そうやって命を失っていったのは、「八紘一宇」(世界を天皇のもとに一つの家にする)などとうたっている上層の人ではない。まだまだ未来のあった青年や大人たちだ。
    君徳(主君としての立派な行ない)の結果の「万世一系」だったはずなのに、「万世一系」を維持するために暴政が行われるという逆転が生ずる。
    「世界制覇」なんて言葉が出てくるのもびっくりだ。世間を知らなすぎる。
    正直なところ、よくここまで回復したなと思う。
    それは平成天皇や皇后のお力が大きかったのではないかと思

    0
    2025年08月29日
  • たのしいプロパガンダ

    Posted by ブクログ

    戦時下における様々な「たのしいプロパガンダ」、つまりエンタメの皮をかぶったプロパガンダを紹介している本。
    音楽、映画、ラジオ、アニメなど、多種多様な媒体で熾烈なプロパガンダ合戦が行われたことが分かる。


    この本からの重要な学びは2つある。


    銃を突きつけて強制するようなプロパガンダは、反発を生むだけで恐ろしくない。
    しかしエンタメを楽しんでいるうちに、知らず知らずのうちに誘導されてしまうようなプロパガンダは恐ろしい。


    そして、そういったプロパガンダを見抜くことは非常に難しい。
    だからこそ過去の歴史から学ぶことが大切だ。

    どちらも今の時代に必要な心構えだ。


    現代でプロパガンダを

    0
    2025年07月15日
  • 「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史

    Posted by ブクログ

    戦前に記紀神話がどう整理されて愛国に利用されたのかがまるっと分かる近現代史。面白い。明治初期に作られた器を上手に乗りこなせる人がいなくなっちゃうとこうなるのか……。「ネタがベタになる罠」は上手く料理したら良き創作の種になりそう。

    0
    2025年05月04日
  • ルポ 国威発揚 「再プロパガンダ化」する世界を歩く

    Posted by ブクログ

    ナショナリズムの考現学《モニュメント編》、とでもいうところだろうか。(「学」というほどではないが...)。巻末のまとめで示された「国威発揚の4象限」は、この本を読む上でも、ナショナリズム的な現象を観察考察する際にも、助けになるものだと思った。

    0
    2025年03月30日