辻田真佐憲のレビュー一覧
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「楽しさ」を通じて民衆をコントロールしようとするタイプのプロパガンダを「楽しいプロパガンダ」と定義し、戦前日本、欧米、東アジア、宗教組織(オウムとイスラム国)、現代日本における「楽しいプロパガンダ」を概観した本。
プロパガンダは楽しく、人を引きつけるものでなければならない。これはどの国でも共通の認識だったようで、旧帝国陸軍の清水盛明、ナチス・ドイツのゲッベルス、中国共産党の毛沢東も同様の見解を述べている。そして利益を上げるために民間のエンタメ産業も協力、便乗してさまざまなプロパガンダ作品を作り上げていった。プロパガンダの本質を知るためには、このような官民協働にこそ注目しなければならない。強制 -
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ネトウヨ
嫌韓・嫌中
慰安婦問題はデタラメ
ホロコーストは無かった
ヘイトスピーチ
などなど、日頃、「こういうのおかしいよなぁ」と思っている事について知ってみたくて読んでみました。
上記のような思想的傾向を「歴史修正主義」というそうです。
この歴史修正主義に対して向き合い、評価し批判するために有用な本だと思います。
「はじめに」に本書の目的-歴史認識問題の現状を正確に把握し、未来を考えるきっかけを作る、と書いてあり、その目的に沿った5つの章と最後の座談会が配されておりいずれの論考も面白い。
わたしには特に以下の章が読み応えがありました。
第二章 植民地主義忘却の世界史
第四章 「自虐史観」批 -
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津田大介さんのポリタスTVで何度かお見かけしている方の著書ということで、安倍晋三銃撃事件以来なにかと騒がしくなニカと関連付けがされたり感じたりする中、今読んでも良いかなと思い読んでみた。
たのしい とタイトルひらがなにあたり、著者はお若い世代(誰と比較して??)なので、かつての宝島系お笑い北朝鮮、、的な、まあ若気の至りというかそういうものを面白がっていたことを今、ある程度内省の批判をもって自己点検している、というような立場からは、やや軽くてその辺り微妙なラインをぎりぎりうまく書いておられる。著作本をみると、軍歌の研究者なんだ、、意外であった。表紙の装丁はロシアの有名なロトチエンコのレンギスのパ -
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米国の犯罪学者Donald R.Cresseyによれば、不正行為は機会、動機、正当化の3要素が揃った時に起こると言う。戦況報告で噓をつくのも、情報独占がもたらす「機会」、戦況をよく見せたい「動機」、下からの情報を無碍にできないという「正当化」、すべての要素が揃っている。本来報道機関がその矛盾をついて情報の正しさを吟味する責任があるはずだが、部数を売ることを優先し、自ら翼賛的な報道姿勢を選択した事で「大本営発表」を支えた。戦後一部の新聞は権力と対峙することが使命と勘違いし、未だに部数/視聴率第一のセンセーショナリズムを繰り返すだけで真実や本質を掘り下げようとしない。それに記者クラブは警察を含む権
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朝ドラ「エール」がおもしろくて古関裕而?知らないなあと思いちょっと検索してみると、早稲田の応援歌「紺碧の空」「東京オリンピックマーチ」高校野球甲子園の「栄冠は君に輝く」はては「モスラの歌」おうおうみんな知ってるなあ、はてさて「イヨマンテの夜」メロディは思い出せないけど昭和40年代あたりNHKのど自慢でよく出場者が歌っていたなあ、さらに調べるとNHKのスポーツ番組の導入歌、「ひるのいこい」の開始の歌ときた。さらに「露営の歌」「若鷲の歌」示された歌詞をみると、”勝ってくるぞと勇ましく”、”若き血潮の予科練の” 戦争映画などでよく歌われている。俄然興味がわきこの本を読んでみた。
「イヨマンテの夜」 -
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令和2年上半期のNHK連続テレビ小説「エール」のモデル、作曲家の古関裕而の評伝。事実と活き活きとした描写が楽しめる。
さすがNHK、古関裕而に関する書籍が多く出版されている。その中から選んで見たのが本書。軍歌であったり日本軍全般と昭和史に関して多くの著作がある作家。古関裕而を語るには若いがその分冷静で学術的な記述。
古関裕而の4千曲に渡る幅広いジャンル。「六甲おろし」「闘魂こめて」や「紺碧の空」など。どうなるか分からないが東京2020大会関連でオリンピックマーチの関係が、古関ブームにつながっているのだろう。
本書を読むとドラマが史実にかなり忠実であることが分かる。
史実に即している割に -
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独学で作曲を学び、昭和を代表する作曲家になった古関裕而の生涯。
第1章 好きになったら一直線(1909~1930年)
第2章 ヒットを求めて四苦八苦(1930~1936年)
第3章 急転直下、軍歌の覇王に(1937~1941年)
第4章 戦時下最大のヒットメーカー(1941~1945年)
第5章 花咲く大衆音楽のよろず屋(1945~1973年)
第6章 経済大国の大門を叩く(1952~1989年)
主要参考文献有り。本書で引用した歌詞一覧有り。
NHK朝ドラ「エール」のモデルとなった作曲家、古関裕而。
激動の昭和という時代を音楽で生き抜き、
人々の想いに添ったメロディーを生み出したその生涯を、 -
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軍歌は明治~昭和初期の国民のエンターテインメントだった。最初の軍歌は、タイトルそのままの「軍歌」。その後、歴史や故事に因むものや兵隊の応援、戦況を伝えるもの等様々なタイプの多くの軍歌が作られた。
メディアが発達していなかった当時、戦況を伝える軍歌は、国民に情報を届ける手段でもあったらしい。曲は短く、歌詞は簡潔で覚えやすい。娯楽が制限されていた時代に、軍歌は国民の楽しみだったようだ。著者は軍歌マニアで、多くの軍歌を収集して分類し、軍歌の持つ意味を考察している。戦史や兵器の軍事マニアは沢山いるが、軍歌収集は歴史的な価値も含めて、大変面白いテーマだと思う。内容も真面目でとても良い本だ。
自分の経験だ -
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近現代史研究者(なんか幅広いなぁ)による、戦前日本から諸外国、宗教、そして現代日本に至るプロパガンダ研究。
新書のコンパクトな分量の中に、全体のストーリー感も含めて綺麗に纏まっているところには、著者の力量を感じます。読みやすく、わかりやすい。現代社会を生きる身として、一度は読んでおいても良いのではないかと思いました。
戦前からしても、やっぱり日本人はプロパガンダはあまり得意じゃなかったんだなぁ、と思いつつ、一部の熱意ある人物によってそれなりの効果が生み出されてきていたことがわかります。やはりソ連、ドイツ、アメリカが凄い。
細かい中身に入っていくと、本著で触れられていた「戦艦ポチョムキン」や、 -
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本当に恐ろしい大衆扇動は、エンタメの顔をしてやってくるーー。
帯に書かれたこの言葉、本書で著者が述べていることは真理だと思う。
つまらない教義じみたものは大衆に受け入れられることはない。でもそれが楽しかったり、オシャレだったり、良質な作品であったりしたなら。
かつそれと気づかないように巧妙に政治思想を誘導する内容がちりばめられていたら。
私もたやすく誘導されてしまうと思う。そしてその可能性は誰にでもある。
本著ではそんな事例を、戦時中の日本から、北朝鮮、ナチス・ドイツ、ディズニー、オウム真理教、イスラム国、宮崎駿の風立ちぬ、ガルパンといったように幅広く紹介している。ニュースで見た内容や身近 -
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明治、大正、昭和、平成の天皇が発した代表的な発言を取り上げて、その発言がなされた背景や、理由を探りながら、各々の天皇の人柄、目指したものを考える。
勿論、もっとも分量が割かれているのは、在位が最も長かった昭和天皇 裕仁 だ。裕仁については戦前と戦後に分けて章立てされている。
一方で、在位期間は短いものの、最もその人柄や思いが読み取れてきたのは平成の天皇 明仁。戦前戦後、日本の激動期を過ごし、戦争責任を問われた裕仁の崩御を受けて即位した明仁の目指した天皇像と、それが故に、自分の目指した天皇像を果たせなくなることを想定して発意した譲位、それに対する周囲の反発に対する対応など、成る程と思わせる。