【感想・ネタバレ】古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家のレビュー

あらすじ

軍歌から「六甲おろし」「オリンピック・マーチ」まで、日本人の欲望に答え続けたヒットメーカー。
連続テレビ小説「エール」のモデルになった80年の生涯。

軍歌「露営の歌」、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」、夏の甲子園のテーマ「栄冠は君に輝く」、「とんがり帽子」「長崎の鐘」
……。昭和という時代に日本人が求めた曲を作り続けた作曲家・古関裕而。

クラシックの作曲家を目指すも挫折し、
戦時中は軍歌でヒット曲を連発。
軍歌の帝王と称された前半生。
終戦後は一転してドラマや映画音楽から
社歌や自衛隊の歌まで作曲するなど
常に大衆音楽の担い手であった。

NHK朝の連続テレビ小説「エール」のモデルとなった
日本を代表する作曲家の80年の生涯を
新しい資料と丹念な取材で読み解いた一冊。

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Posted by ブクログ

朝ドラ「エール」が面白かったので昭和歌謡に興味がわいたのもあって購入。時代に合う音楽、ヒット曲とはどういう要因でできるのか、などの話を戦前・戦中・戦後を通じて描かれていて面白い。特に当時の社会情勢と関連付けて論じているところは読み応えあった

1
2020年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

朝ドラ「エール」主人公のモデルということで
興味を持ったので
ネタバレ承知で読み始めたところ、一気読み

古関裕而さんのことはよく知らなくても
この方ののこした曲の数々を我々は知っている訳で

「栄光は君に輝く」しかり
「スポーツショー行進曲」しかり

しかも、地元の近くの学校校歌も書いてらっしゃる

さらには、私が子供のころに放送していた番組で
審査員もしていらした
ああ、あの番組! と思うわけです

戦中のエピソードを読んでいても
いやあ、よく生き延びられたなあ……強運の持ち主だったのかなあと

まさに昭和史です

0
2020年04月21日

Posted by ブクログ

独学で作曲を学び、昭和を代表する作曲家になった古関裕而の生涯。
第1章 好きになったら一直線(1909~1930年)
第2章 ヒットを求めて四苦八苦(1930~1936年)
第3章 急転直下、軍歌の覇王に(1937~1941年)
第4章 戦時下最大のヒットメーカー(1941~1945年)
第5章 花咲く大衆音楽のよろず屋(1945~1973年)
第6章 経済大国の大門を叩く(1952~1989年)
主要参考文献有り。本書で引用した歌詞一覧有り。
NHK朝ドラ「エール」のモデルとなった作曲家、古関裕而。
激動の昭和という時代を音楽で生き抜き、
人々の想いに添ったメロディーを生み出したその生涯を、
様々な資料を駆使して紹介しています。
生活のためもあったり、依頼されたら断れなかったり、
1年も悩んで作曲する作品もあれば、即興で名曲を生み出したり・・・
いろいろあるけど、作曲が好きだったことに尽きる生涯です。
なんとその作品数は5000曲!
応援歌、軍歌、昭和歌謡、ドラマや映画の音楽、社歌と、
ジャンルも多様多彩・・・「モスラの歌」も彼の作品とは!
妻金子や戦時中の軍歌、菊田一夫、オリンピックとの関わり等の
エピソードも豊富で、読み易い内容でした。

1
2020年04月18日

Posted by ブクログ

「東京オリンピックマーチ」
高校野球甲子園の「栄冠は君に輝く」
プロ野球球団阪神タイガースの「六甲おろし」
映画ゴジラの「モスラの歌」
NHKのお昼の定番曲「ひるのいこい」

そのぐらいしか 知らなかった
ただ それだけでも
十二分に天才作曲家だと思う

本書では
それらの歌の背景を実に丁寧に
語られると同時に その時代が語られる
戦争前~戦時中~戦争後を
作曲という表現で生き抜かれた
古関裕而さんを
興味深いエピソードとともに
語られていく

歌は世につれ
世は歌につられ
まさに そのままの
昭和史の一冊です

0
2020年06月09日

Posted by ブクログ

朝ドラ「エール」がおもしろくて古関裕而?知らないなあと思いちょっと検索してみると、早稲田の応援歌「紺碧の空」「東京オリンピックマーチ」高校野球甲子園の「栄冠は君に輝く」はては「モスラの歌」おうおうみんな知ってるなあ、はてさて「イヨマンテの夜」メロディは思い出せないけど昭和40年代あたりNHKのど自慢でよく出場者が歌っていたなあ、さらに調べるとNHKのスポーツ番組の導入歌、「ひるのいこい」の開始の歌ときた。さらに「露営の歌」「若鷲の歌」示された歌詞をみると、”勝ってくるぞと勇ましく”、”若き血潮の予科練の” 戦争映画などでよく歌われている。俄然興味がわきこの本を読んでみた。

「イヨマンテの夜」をyoutubeで聴いてみると、なるほど歌自慢の人が歌いたがる歌かもと思った。伊藤久男という歌手はかなりな声量がある。伴奏はそのまま「モスラ」を歌ってもいけるか、とも感じた。

著者の辻田真佐憲氏、1984年生まれながら軍歌の研究者らしい。軍歌にかたよった内容なのかと危惧したが、題名のとおり、古関裕而の一生と曲が、昭和史の流れと共に分かるようになっていた。分かる、というより、平易な文章で小説的な手法で古関氏の曲と一生が流れ込んできた。そして巻末の参考文献をみると新聞、会報、など細かい多くの資料を参考にし、もちろん遺族やコロムビアなどへのインタビューもしたようで、真実性もあると見た。4時間で一気に読み終えた。

1909年(明治42年)生まれ。1929(昭和4年)~1939(昭和14年)が20代、1945年が36歳である。軍歌をたくさん作曲しているが、その時代を生きた者としては、「その時代にいたから」というしかないのではないか。ほとんどすべてが新聞社やNHKなどからの依頼だ。

曲は身近にあったのに、名前を知らななかったのはどうしてなのかなあ。服部良一などは歌とともに名前もよく知っていいたが。

ドラマでは弟がちょっと父にないがしろにされているようで、このあとどうなるのかなあ。本では5歳下の弟がいたとあり、戦争中は弟は福島市で所帯を持っていたとあったが。

2020.3.20発行
2020.4.25購入 

0
2020年04月25日

Posted by ブクログ

令和2年上半期のNHK連続テレビ小説「エール」のモデル、作曲家の古関裕而の評伝。事実と活き活きとした描写が楽しめる。

さすがNHK、古関裕而に関する書籍が多く出版されている。その中から選んで見たのが本書。軍歌であったり日本軍全般と昭和史に関して多くの著作がある作家。古関裕而を語るには若いがその分冷静で学術的な記述。

古関裕而の4千曲に渡る幅広いジャンル。「六甲おろし」「闘魂こめて」や「紺碧の空」など。どうなるか分からないが東京2020大会関連でオリンピックマーチの関係が、古関ブームにつながっているのだろう。

本書を読むとドラマが史実にかなり忠実であることが分かる。

史実に即している割には堅苦しくなく小説的に気楽に読める作品でした。

0
2020年04月23日

Posted by ブクログ

福島に住んでいたこともあるので、地元で敬愛されていることは知っていたものの、今どき必ずしも知名度のある作曲者とはいえないし、『六甲颪』の作曲者程度のイメージだったが、ここまで広汎な業績を残した音楽家だったことを初めて知った。大衆音楽を通した昭和史。

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2020年03月28日

Posted by ブクログ

朝ドラ「エール」を観て興味を持った。

昭和の時代ほぼすべてにかけて活躍した作曲家。
戦前のヒット曲からはじまり、戦時中の軍歌、戦後の「長崎の歌」などが生まれた秘話。戦後が駆け足だったかな。

奥さんが株に夢中だったとか、ドラマには描かれていなかったので、面白かった。

ドラマに描かれているとおり、人柄も素晴らしかったことが分かった。

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2021年02月25日

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