【感想・ネタバレ】「あの戦争」は何だったのかのレビュー

あらすじ

日本はどこで間違えたのか?
掲げた理想はすべて誤りだったのか?
「大東亜」は日本をどう見ていたか?

戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。

『「戦前」の正体』の著者が、右でも左でもない「われわれの物語」を編みなおす
現代人のための新・日本近現代史!

「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。
本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」 ――「はじめに」より


【本書の構成】

はじめに
第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき?
第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か
第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える
第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる
第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する
おわりに

【本書の内容】

●日中戦争を「支那事変」と呼んだ背景
●「ペリーこそ戦犯」と主張した石原莞爾
●「アジア・太平洋戦争」か、それとも「大東亜戦争」か
●米英との「協調外交」は可能だったのか
●近衛文麿の「知られざる慧眼」
●東条英機による「史上初の外遊」
●「パレンバン奇襲作戦」の真実
●南京大虐殺記念館の「意外な実態」 ……ほか

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Posted by ブクログ

歴史との向き合い方や考え方が、すごく勉強になった。もっと歴史から学んで自らの未来に役立てたいものだ。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

あの戦争というフレーズを聞いて私は
すぐに太平洋戦争と言う言葉が浮かぶが
日本での価値観も変化し
戦争に対する考え方も大きく変化しようとしている

世界は民主主義が崩壊しかけ保護主義気味に
自国第一主義になっている

まさに新たな戦前の模様になっており
毎日自衛隊の緊急発進
核兵器が新たに隣国では配置され
企業はサイバー攻撃の嵐
首相の一言で大騒ぎの始末
日本も今後戦火に
巻き込まれるかもという雰囲気になってきている

賢者は歴史に学ぶその為の1冊
日本は何故戦争を推し進めたのか
それが実に細やかに書かれている

原因は何か
アメリカの石油輸出の禁止?
ハルノート?日中戦争?フランス領への出兵?
はたまたペリー来航なのか?
それとも海軍?陸軍?関東軍?東条首相?
それをサラッと1冊で教えてくれる良書

国立近代博物館が日本にはないので
とりあえず1度も行ったこと事のない
靖国神社やその博物館に近々行こうと思った
そんな1冊
知ったフリをして生きてきた自分が
本当に恥ずかしくなった本


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2026年01月10日

Posted by ブクログ

おわりに
小林秀雄の言葉として
歴史とは因果の鎖ではなく、愛惜の念によってはじめて意味を持つものだった。

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2026年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

加害者意識も被害者意識も持たず、歴史として「あの戦争」を語るのはなんて難しいのだろうと思った。
主語がコロコロ変わる日本の立場、まだ日本としての歴史認識が曖昧であること、だから今も曖昧な態度なんだとは思う。
けれども、様々な立場を経験したからこそ、どの国よりも平和を叫ぶべきと思った。
まだまだ勉強が必要だが。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

「あの戦争」ということばが指すものは、揺れている。なぜならば、歴史とは究極的にはそれぞれの解釈に過ぎないからである。

本書は、上記のことを研究の蓄積から実地調査まで、複数のアプローチを駆使しながら明らかにする論考である。

本書のすごいところは、その「解釈」を単なる主観として糾弾するのではなく、むしろ主観による解釈の価値を肯定している点ではないか、と考えている(もちろん、「事実」自体が歪められている場合もあり、その点には留意されているが)。著者は、「おわりに」において、「客観」の暴力性にまで言及している。

それぞれが「意味化」した「あの戦争」を捉える本書は、とても考えさせられることが多かった。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後80年が暮れようとするこのタイミングで、辻田真佐憲氏の新書を手に取った。もともと氏は様々な媒体で発信しており、世代も近く、その歴史認識やアプローチには以前から深い共感を持っていた。本書も期待に違わず、極めて明快で示唆に富む内容だった。
特に印象に残ったのは、著者が東南アジア各地の戦争博物館を巡った末に辿り着いた、以下の考察である。
「細部の事実関係をあげつらうように実証的に検証し、『ここが違う』と逐一反論する姿勢が、かえって和解の妨げになることもある。むしろ『忘れない』という物語を共有し、その言葉を介して手を握る方が、より健全な関係の構築につながるのではないか」

「正しさ」を武器に相手を屈服させるのではなく、互いの「痛み」や「記憶」を尊重する姿勢。これは、泥沼化する現代の歴史認識問題に対する、一つの現実的かつ温かな処方箋に感じられた。
戦争を親世代すら経験していない私たちにとって、今改めて「あの戦争」を思考し直す時間は不可欠だ。著者が危惧するように、「新たな戦争」が起こることによって過去が上書きされ、風化してしまうような事態だけは、断じて避けなければならない。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

 今年は戦後80年ということもあって、戦争に関する本や映画などで、戦争について知ろうとして来た。今年の集大成のような気持ちで本書を手に取ったのだが、画期的でとても読み易く、読んで良かったと思った。

 これまでになかった視点で「あの戦争」を捉え直していて、己の史観(それはそれは拙いものだが)を改めるきっかけになった。
 本書の唱える「小さな否定と大きな肯定」と云う視点は、まさに金言であり、歴史について考える上で大切なものだと感じた。

 これを機に、戦争についてさらに学びたくなったし、このようなことがあったということを「忘れない」でいたいなと思う。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

話題書ということで手に取る。
「あの戦争」について、多角的に振り返っていく内容。
出来る限り神の視点で断罪するのではなく、客観的に振り返って評価していこうという著者の誠実さが終始感じられる。
当時の軍部が暴走し、愚かな戦争に突き進んだとどうしても考えがちになってしまうが、
果たして避ける道はあったのか?一石を投じてくれる内容だった。
素晴らしい内容だった。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

“あの戦争を語る際に、あの戦争”だけ”に焦点を当てるべきではないということだ。真珠湾攻撃や特攻隊といった個々の現象について理解を深めることも重要だが、なにより大切なのは、それらにいたるまでの歴史の過程や構造を見つめることだろう。あの戦争は、日本の近代史、あるいは近現代史という長い時間の流れのなかに位置づけて、はじめてその全体像が立ち上がってくる。そうした視点に立つことで、ようやくあの戦争は、過剰な肯定にも否定にもならず、落ち着くべきところに落ち着くのではないか”

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

アジア・太平洋戦争(大東亜戦争)を巡る解釈の多様性とその独特な位置づけは、日本の歴史観を複雑にしている。

満州事変を起点とする15年戦争としての側面、
日中戦争を起点とした視点、
欧米列強の植民地支配に対する反撃戦争という大東亜百年戦争論、
そして真珠湾攻撃を出発点とする一般的な見解。

どれもが独自の物語を紡いでいる。

「あの」戦争の代名詞が即座に何を示すのかが分かる背景には、この戦争が日本にとって象徴的な意味を持つからだ。
それは日本の「黄金期」昭和の絶頂における象徴であり、特異性の源泉でもある。
こうした解釈の難解さがゆえに、他国では当たり前に存在する公的な機関での展示が日本にはほとんど存在しない。(現在それに代わる存在であるのが、民間の歴史博物館である靖国神社に併設される遊就館である)

しかし自国の歴史を見つめる際、日本はその歩みを「小さく否定しつつも、大きく肯定する」という柔軟さを持ち続けることが重要だろう。
自身の歴史を「因果の鎖」と「愛惜の念」を持って学び続ける姿勢、それが未来に向けた日本の道を切り開く鍵となるに違いない。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

昨今の世界情勢をみると、ウクライナ紛争や中東紛争、台湾問題から、最近ではアメリカによるベネズエラ攻撃等、自国第一主義による覇権主義が進んでいる。

日本においても排外主義的な考えが広がり、右傾化している中で、徐々に世の中は戦前の状況に戻っているのではと懸念している。

そのような中で、正に本書のタイトルにあるように、あの戦争がどのように始まり、今の世の中に通ずるところがかなりあったのではないか、また、止めることができたのではないかと思うようになり手にとった。

思えば、近代史から続く現代史は、学生時代に習ってはいるが、それは単語や人名を暗記することに固執し中身まではあまり理解できていなかったように思う。

本書はその流れや要因を分かりやすく解説しており、教科書からは読み取れないような、現在の東南アジア諸国から見る日本の印象や評価を、現地まで足を運んで研究されており、新たな気付きもあった。

現在の東南アジア諸国とは、旅行も行きやすい友好な関係を保っているが、戦中には大きな被害や損害を与えており、特にシンガポールでの展示は厳しかったとのこと。

広島の平和記念博物館等で、日本は原爆投下や大空襲による大きな被害を受けたと被害者的な考えを持つ人も多いのではないかと思うが、今、友好な関係を築けている国に対しても信じられないくらいの非人道的な行為をしている過去を忘れてはならず、その歴史を知ることはとても大切だと思い直した。

歴史を知ることが大切な中で、国の考え方やスタンスも統一出来にくいこともあり日本には国立の近現代史歴史博物館がないとのこと。意外にもそうなんだなと思う一方で、時が経つことで戦前戦後の記憶や記録を風化させる一因になるのでは懸念する。

また、本中にも述べられていたが、仮にタイムスリップ出来て主要な人物になり変われたとしても、あの戦争を止めることは出来なかったであろうとの言葉が深く心に刺さった。

世の中の流れが、戦争をしてもしょうがないような流れになりつつある今の世の中において、今はその分岐点に立っている、いや、既に向かっているのかもしれないが、2度とあの戦争を繰り返さないよう過去を省み、未来に向けた考えを思索することが大切だと自戒した。

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

歴史は受験のために暗記するものとしてしか触れたことがなかったが、様々な映画やドラマ、小説などで登場する太平洋戦争について中立的な知識をインプットしたいと思い購入。
なぜ受験の頻出単語がなぜ頻出単語だったのか、この本で出題側の教授の意図が分かった気がした。

歴史は常に事実ではなく物語であり、完全に中立的な立場にはなれないことが、様々な国でそれぞれの国の物語が作られていることを通して理解できた。
今自分が立っているこの時代が何が起きたことの延長にあるのか、私も展示に足を運んで自分なりに物語を解釈してみたいと思った。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

戦争についてあまりにも知らなすぎたので、入門としてとても良かった。
戦前の時代背景や、周りのアジアの国の日本への認識が分かった

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2026年01月06日

Posted by ブクログ

前提として、本書にも書かれているが、中国・韓国・北朝鮮は日本に対して厳しいが、他の東南アジアの国々はそうではない。私もそれが常識であると思っていたが、実はそうでもなかった、というのが本書の第4章。各国の歴史博物館を筆者が回った報告となっている。少なくとも日本によって解放されたなどとどの国も考えていない。これは衝撃的である。
日本に国立の歴史博物館がない。これに関する考察は順当に思えるが、重要な指摘するだ。政治家は誰もやろうとしない。難しいのは分かるが、これはやらなければならない話だ。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

この本で示したのは問いに対する結論ではなく、答えがいかに作られ、変えられ、利用されてきたかという過程です。
・戦後すぐの反省
・高度成長期の忘却
・危機の時代に再び持ち出される物語
――それぞれの時代が都合のよい“答え”を用意してきたことを丁寧に解きほぐします。
本書の到達点は「これが答えだ」ではなく、
安易な答えに飛びつくこと自体が危ういという認識を示す。

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

なぜ戦争が避けられなかったのか
軍部、政府の思惑や動きに加え、民衆や天皇の動きも考察
権力者がいなかったからこその混乱
各国の戦争に起因する日本への価値観など
あの戦争を語る際に、あの戦争だけに焦点をあてるのではなく、それに至るまでの歴史や構造も見つめる

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

著者が東南アジア各地を回られて、歴史博物館において、大東亜戦争がどのように表現されているのか、これは新しい視点だった。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

難しい題材についてバランスの取れた記述でコンパクトにまとめた良書。
「あの戦争」は名称すら大東亜戦争、太平洋戦争、十五年戦争、アジア・太平洋戦争、第二次世界大戦と様々な呼び方があり、使う名称によって見方が変わってしまう。
第一章では「いつ始まったのか」という問いから始まる。
一般的には1941年12月8日の真珠湾攻撃を起点とする見方が広く受け入れられているが、実態を捉えるには日中戦争との連続性を見る必要がある。1941年12月12日に政府が
この戦争の名称を「大東亜戦争」と発表した際には支那事変(1937年7月7日盧溝橋事件)も含めていた。さらに満州事変(1931年9月18日)を起点とする「十五年戦争」史観、植民地主義に対する日本の反撃戦争と捉え、幕末を起点とする「東亜百年戦争」論と様々な見解がある。
著者は「総力戦」の時代を切り開いた第一次世界大戦が日本に与えた衝撃や民族自決の潮流の高まり、満州の権益確保、植民地となっていた東南アジアの資源への注目などを概観し、①日本を加害者として見る左派的な十五年戦争史観②日本を被害者として見る右派的な東亜百年戦争史観③実証主義(歴史観なき歴史観)と敢えて簡単に整理したうえで、歴史は科学ではなく、事実への意味付けは解釈によって変わるとして、最後に著者の考えを述べている。
著者は、「あの戦争」の実質的な始まりは日本が大陸で長期的な戦争状態に突入した1937年7月7日であり、この戦争は支那事変ではなく「日中戦争」であり、対米英開戦後は日中戦争を含めて「大東亜戦争」と呼称するという見方を採っている。
「大東亜戦争」の名称自体に右派的イメージがあるため使いにくい面がある点は著者も触れている。
第二章では「どこで間違ったのか」つまり開戦は回避できなかったのか、という問いである。
日本の指導層は長期戦になれば勝ち目がないことは十分認識していたにもかかわらず、関係各所の同意を取り付けて消極的な選択を行うことは不可能に近かったことなど、歴史的な選択肢から論じ、さらにその背後にある大日本国憲法の構造的欠陥について触れている。「そのような選択肢を、だれがどのようにして実行するのか」という「司令塔の不在」である。国務各大臣を個別に天皇を輔弼、陸海軍は天皇に直属、軍内部も軍政と軍令の二重構造があった。東条英機、石原莞爾、永野修身、米内光政などを論じ、最後に昭和天皇が取り得た選択肢の狭さに触れ、「護憲」が国を滅ぼしたとも言えると述べている。
第三章では、「あの戦争」において日本が掲げた理想を「プロパガンダにすぎない」と一括りに否定する見方と過剰に称賛する動きに対し、単純に割り切る見方ではなく、その中間に答えを見出そうとしている。脱亜入欧とアジア主義の相克、「人種差別撤廃」提案、「大東亜会議」などを論じ、自らが掲げた理想と、その裏にあった現実とを直視する必要があるとしている。
第四章では、視点を「大東亜」地域に向け、そこでどう受け止められているかを、各地域を実際に訪れの歴史博物館や記念碑の説明などを通じてどのように「あの戦争」を捉えているのかを読み解いている。
第五章では、「あの戦争」がいつ「終わった」と言えるのか=歴史上の数ある出来事のひとつとして扱えるようになるのか、を探っている。そして、「あの戦争」が特別な地位を占めていることは、国立近現代史博物館が存在しないという形で象徴的に表れていると指摘している。多くの国では、そこにそれぞれの国の「国民の物語」が明確に提示されている。あまりに不十分な国立歴史民俗博物館、「戦争が天災のような」昭和館、「受け身史観」の遊就館、それに対し、展示に工夫がみられる東京大空襲・戦災資料センター、負の歴史も明記するアメリカの国立アメリカ歴史博物館を紹介し、あるべき姿を探っている。
最後に、本書の結論として、あの戦争を語る際に、あの戦争「だけ」に焦点を当てるべきではなく、日本の近現代史という長い時間の流れの中に位置づけて初めて全体像が立ち上がってくる。そうした視点に立つことで、過剰な肯定にも否定にもならず、落ち着くべきところに落ち着くとしている。
【目次】
はじめに
第一章 あの戦争はいつはじまったのか――幕末までさかのぼるべき?
第二章 日本はどこで間違ったのか――原因は「米英」か「護憲」か
第三章 日本に正義はなかったのか――八紘一宇を読み替える
第四章 現在の「大東亜」は日本をどう見るのか――忘れられた「東条外交」をたどる
第五章 あの戦争はいつ「終わる」のか――小さく否定し大きく肯定する
おわりに

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

政治的になることを恐れて、歴史を忘れ去るのではいけない。批判されても65点の歴史を目指すという姿勢には共感した。
最後の第四、五章が博物館における歴史の取扱い方の話なのも面白い。アジアでは大東亜共栄圏も東條英機も扱いがないか、小さい。国家の歴史にとって必要がないからである。対して、日本の博物館は、自国の歴史を取扱うのに慎重になりすぎて、ほぼ近現代の戦争について展示していないという(靖国神社の就遊館ですら愛国的というよりは受動的と指摘されている。)。
各章、左右、実証主義を踏まえつつ、簡潔に自分の立場を説明している点もよいと思った。ほぼ同世代の著者だが、これくらいの距離感でもっと歴史を知りたくなる。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ずーっと気になっていた本。
よーやく読むことができました。

改めて、歴史は点ではない。その当時の世界情勢、日本の立場、様々な因果関係が交錯して積み重ねの結果である事を気づかせてくれた内容だった。
その始まりは黒船来航、日本の近代化からはじまっている述べられている。

他の国々が当時の日本をどうみるか、ではシンガポールなどが厳しい目で見ているのは新たな発見だった。個人的には中国、韓国は厳し目に見ているが東南アジアは比較的、良好なのかと勝手に奢った考えを持っていた。

日本は加害者か被害者かは100点か0点ではなく65点くらいというのは共感できる。
当時の日本が行なった事で全てが悪い事をした訳ではないがそれを正当化して開き直る事もないとも考える。いかにこの歴史を未来に活かすかが大事だと考えさせられる一冊だった。




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2025年11月05日

Posted by ブクログ

「あの戦争」という代名詞を使った言葉でわざとぼかし、あえて「太平洋戦争」「大東亜戦争」「十五年戦争」などと言わずに、「あの戦争」がいつ始まったのか、なぜ始まったのか、読者に考えてみろと迫ってくるような本。
今を生きる僕は、「あの戦争」のことを正確に知らないと思う。なぜならば、この本を読んで知ったことも数多くあり、当時の人々がその時、どう考えたのか想像する。

当時の世の中の雰囲気は、今では体感できない。今の感覚で当時を振り返っても正確に体現することもできない。「このまま座して死を待つより、死中に活を求めよう」という選択をなぜしたのか。

列強がこぞって地球上の資源を力によって確保していた時代。陣取り合戦が終了したとき、必然として発生する列強の武力衝突。今もその構図は変わらない。だからこそ「あの戦争」を学ぶ必要がある。

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

戦後80年、今こそ問い直す「私たちにとっての戦争」とは。

「日本の過ちばかりを糾弾することでも、日本の過去を無条件に称賛することでもない。過ちを素直に認めながら、そこに潜んでいた“正しさの可能性”を掘り起こす、言い換えれば「小さく否定し、大きく肯定する」語りを試みることである。それこそが、われわれの未来につながる歴史叙述ではないだろうか。
本書は、そのようにしてあの戦争を現在につながる大きな流れへと接続し、「われわれ」の物語を創出するための試みである。」  ――「はじめに」より

まさに、読みたいと思ったきっかけは、この帯に集約されている。
戦後80年の節目の年に、多くのYouTube番組に出て語られる内容に膝を打ち考え方が私の求めていたものかもと思い、書店へGO。
極端な←や→でない65点の歴史観がしっくりくる。

それにしても、思想が絡むこともあるからか学校教育では薄くしか触れない近現代史について「あの戦争」を中心に学べたのは良い読書体験となった。

アジア主義の台頭と八紘一宇
近衞文麿戦時に八紘一宇の精神に基づき大東亜の新秩序の建設を国是とした。
「八紘一宇」そもそも日本書紀に記された神武天皇のことばに由来する。
大東亜共栄圏は後付けだった
この3章は全体的に日本の過ちを示され、心苦しさを覚えたが、章のまとめで日本だからこそ世界をリードできる解を提案してくれる。

一 まず近代日本がとった誤った行動をきちんと否定しながらも、日本の理念が内包していた「より大きな可能性」を肯定する姿勢が必要だ。そうすることで、はじめて八紘一宇は普遍的な用語として再構築され、「大東亜共同宣言」も部分的に普遍性を含んだテキストとして読み直されうるだろう。

前のめりではなく、かと言って自虐史観でもない、前向きな歴史物語に賛同する。

著者がYouTubeで話していた左派系書籍から次の戦争を考える本を早速手元においた。今年中に読みたい。

加藤陽子著
 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』


80年の節目の令和7年11月に「国やすらかなれ」の願いがこめられている靖國神社を参拝。
国家存亡の危急に際して、愛する祖国や故郷、家族のために尊い命を捧げられたのが靖國神社に鎮まる英霊。
行きは鳥居を前に右にならえで一礼していたが、帰り道での一礼は平和に対する感謝の意が自然とわいてきた。

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

非常に読みやすかった。歴史はその年その時の時代の解釈により変わる、事実だけを羅列した歴史に意味はなく、感情が伴うもの。各国国立歴史博物館でその国の物語として歴史を語っているが、日本にはそれがない。今までと違った視点で歴史を見ることができて勉強になった。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

恥ずかしながら、戦争を扱ったコンテンツとして、火垂るの墓や永遠のゼロ等の映画や、広島の原爆資料館など、悲惨な体験として二度と繰り返してはならないと伝えるものしか記憶に残っていない。
この本ではこれまでの日本での戦争に対する思想を振り返った上で、各アジア諸国での展示等、多角的な視点で描かれていることで、俯瞰的に世界各国との関係性を踏まえて一連の流れとして理解することができた。
現代の日本及び世界で戦争が起こらないようにするために、また現在起きている戦争ができる限り早く収束するように、様々な視点で物事を捉えねばならないと実感した。、

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

右寄りでも左寄りでもない中立の立場であの戦争を振り返ってみてみようという視点はとても面白いと思いました。
アメリカに対しては被害者、中国に対しては加害者であり。あの頃の日本はアジアの島国ながら強豪列強と肩を並べていた。弱肉強食のあの時代に戦争せざるを得ない状況下であったことは間違いない。
現代の価値観だからこそ、戦争を批判的に捉えるがあの頃の価値観ではそうでないという視点もあると、、、
なにが悪でなにが正義か。見えるものだけが全てではないということ。綺麗事だけではうまくいかないということ。いろんな視点で物事を見極めていくと、、、そこには正解あるのだろうか。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

歴史学って何だろう。歴史とは単なる事実の積み重ねではなく、背後にある『物語』を含むものらしい。また歴史学は科学ではないとも。『物語』が個人によって異なるため、検証可能性がないからだと言う。そうなると単に事実関係を過去の文献から発掘するだけでは歴史学とは言えないし、仮にそれに意味付けをしたとしても「それってあなたの感想ですよね?」と言われてしまう。特に先の戦争のように政治的に意見が分かれる史実については共通の『物語』なんて得られるはずもない。
じゃあ歴史学なんて何の役にも立たないクソ学問かと言えばそんなことは決してなく、過去の歴史学者のおかげで世界の成り立ちを理解することができている。
「『あの戦争』は何だったのか」は何だったのか? 結局最後までこの本の存在意義が理解できなかった。

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

太平洋戦争(戦争の名称をどう呼ぶかの議論は本書の冒頭に十分行われている。私観では太平洋戦争が長年使われていて中立的な気がしている)についての最近のベストセラー。近年の太平洋戦争の書きぶりがどんな感じか知りたかったので読んでみた。

この中でも実証的な書き方が主流となっていることが述べられていたが、この本も中立的で実証的な書き方である。
当時の日本の状況や考えを辿りつつ、諸外国の立場も踏まえようとしている。
歴史が現在の思考を反映していることも留意している書きぶりは慎重で非を指摘しにくい。
うまくまとまっていて、現時点では太平洋戦争の振り返りとして上出来だと思った。
ただし、すでに太平洋戦争について色々な本を読んできた人間としては、綺麗にまとまりすぎて、掴みどころが少なく、印象に薄いようにも思われた。

しかし、東条首相の各国への外遊は初めて知ったことであり、勉強となったところは多い。
また、この本の最後に書かれていた、日本としてのあの戦争の位置づけをどうするかについて、本書に書かれていたわが国の立場の延長線上にあるのではないか。
この本の視点を更に深化させることにより、あの戦争について国民全体の合意ができる可能性を感じた。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

論理的文章で「あの戦争」について考察した新書です。
話題の本であり、「あの戦争」について多くの知識を持たないため、この本を読んでみたくなりました。
私が受けた高校の歴史教育では明治維新以降の歴史は飛ばされ、全く学ぶ機会が有りませんでした。 
この本を読み、歴史の見方が多様であることを知り、奥が深いことも分かりました。
なぜ「あの戦争」が始まったのか、事実を踏まえ、学んでみたいと思いました。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

「歴史とは現代からの解釈であり、そこには解釈者の意や価値観が加わるため、歴史は表情が変わる。」ことを前提にしている。

戦争の始まり(太平洋戦争、日中戦争、満州事変、、、、遡るとペリー黒船まで?)を、偉人たちの解釈をふまえて、多様な角度で示されている(もちろんご自身の解釈も)。

主に太平洋戦争に突入するまでの日本の状況(憲法や組織の脆弱性など)を多くのポイントをまとめられている。
→どことなく現代の強くなれない企業と似た点があるように思え、当時の組織体をもうすこし深く学びたいと好奇心が湧いた。

後半には、当時の日本の政治・軍事活動(大東亜新秩序、八紘一宇、人種差別撤廃)や、それらを他国からどのように解釈されていたか。未来にどうつなげていくのかと結ばれている。

→自国も他国も時代や状況など、その時、遡った時、すべては解釈で正しい解がないが、考え続けることが大事なのかな。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

所謂「太平洋戦争」(米国側の呼称らしい)に関して、なるべく客観的にという趣旨で解説した本。
視点が右か左かはさておき、冷静に書かれているのでわかりやすい内容だと思う。

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2025年10月30日

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