柴田哲孝のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み真の《黒幕》とは…?
2024年8月読了。
出版されて直ぐに買ったのだが、余りにも『生々しい話』過ぎて、又、一人の政治家として尊敬していた人の死だった為、案外と《軽いノリ》で書かれている本作は、読み進むのに相当手こずる『難物』だった。
著者としては本作を、あくまで世間への注意喚起と云う意味で《切っ掛けの作品》だと語っていたが、「陰謀説」を突っつき始めると《有象無象》のシロモノが《百花繚乱》に成ってしまう為、本当の意味での《黒幕》にしっかりと焦点を合わせた作品でないと、逆に読者は「面白い読み物だったねぇ…」で終わってしまう気がして、読後は何とも言えない無力感と寂寥感に襲われた。
それにしても、本当の故人はこんな -
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第一部の「復讐代行相談所」の物語は、小気味いい。著者の実際起こった事件に基づいて、それを飛躍させる編集力はなんとも言えない。
老人に言い寄る美人がいた。「殺し屋商会 復讐代行相談所 水鳥川亜沙美」と名刺を差し出す。老人は、娘の結衣と四歳になったばかりの孫を無謀な運転によって轢き殺されたのだ。その高齢の運転手トクダヨシマサは車が悪いのだと無罪を主張する。「人生なんて、そんなもんだ」とつぶやいていた老人に光がともる。水鳥川亜沙美は、依頼を受けて、愛人であり殺し屋のロンホワンに仕事を受けたことをつたえる。
ロンホワンは、その88歳の高級国民をなぜ殺すか?を考える。「謝らないのは良くない」「神 -
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柴田哲孝『幕末紀 宇和島銃士伝』光文社文庫。
伊達宇和島藩八代藩主・伊達宗城の密命を受けて脱藩し、柴田快太郎という、柴田哲孝の高祖父にあたる人物を主人公に幕末に起きた数々の事件の裏側を描いた創作時代小説。
柴田哲孝自身の祖先を登場させ、幕末の史実や人物を何とかパズルのようにつなぎ合わせたというような時代小説だった。そして、柴田哲孝が自分の祖先は、時代の中で一役を担っているのだと誇っているかのようで余り良い気はしない。少なくとも柴田快太郎なる歴史上の人物など聞いたことも、書物でも目にしたこともない。
伊達宗城の密偵にして射撃の名手であった柴田快太郎の目を通して、桜田門外の変、池田屋事件、 -
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柴田哲孝『殺し屋商会』双葉文庫。
最愛の家族を失ったり、騙されたりして、悲しみにうちひしがれる被害者に成り代わり、法で裁かれなかった悪党に鉄槌を下す殺し屋商会の活躍を描いた連作短編集。
味はあるが、物語としては曖昧な決着で、消化不良というのが正直な感想だ。
『殺し屋商会 復讐代行相談所』の水鳥川亜沙美と殺し屋のロンホワンのコンビが主人公で、極めて淡々と復讐の殺しを実行する様子が描かれるが、少しずつ水鳥川亜沙美とロンホワンの過去が明らかになる。
『第一話 復讐代行相談所』。上級国民なる言葉が話題となった元役人の老人による悲惨な交通事故がモデルだろう。一人娘と孫を交通事故で失い、一年後には -
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柴田哲孝『野守虫』光文社文庫。
シリーズ第4弾。
凶悪犯として生きざるを得なかった竹迫和也という男の悲惨極まりない人生を最後の最後に汲み取る刑事の片倉康孝。
旅行中の片倉刑事が凶悪犯の竹迫の逃走先を訪れ、さらにはそこに片倉の元妻まで現れるという余りにも出来過ぎの展開なのだが、流石は柴田哲孝、警察小説として違和感を薄めるように巧く仕上げている。
タイトルの『野守虫』とは、怪蛇のような日本の妖怪のことらしい。そして『野守虫』の刺青を背負う竹迫和也……
強盗の罪で刑期を終えて出所したばかりの竹迫和也が再び強盗を働き、所轄に検挙されたが、弁護士との接見中に脱走する。竹迫は定年間近の刑事・片倉 -
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柴田哲孝『奇蹟の馬 サイレンススズカ』ハルキ文庫。
『伝説の名馬 ライスシャワー物語』に続く競馬で活躍した名馬を描いたノンフィクション。
競馬のことは全く知らないし、余り興味も無いのだが、柴田哲孝の作品となれば読まずにはいれない。
競馬という人間の欲望を満たすためのギャンブルのため、人間のエゴにより創られたサラブレッド……と競馬など何も知らぬ自分が言ってしまうのは簡単なのだが、柴田哲孝は名馬と呼ばれたサラブレッドたちとその名馬を育てる厩務員たちの生き様を鮮烈に描いてみせる。
レースにはドラマがあり、ドラマを創り出す名馬がいる。しかし、その人生の終わりの瞬間は余りにも残酷だ。サラブレッド