柴田哲孝のレビュー一覧

  • Mの暗号

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    日本版ダヴィンチコードといった感じ。敗戦直後に隠された埋蔵金。次々と難解な暗号が解き明かされていく様は男心をくすぐる。埋蔵金に託された希望とは。心躍る読み応えのある一冊でした。
    あらすじ(背表紙より)
    歴史作家・浅野迦羅守のもとに、美人弁護士・小笠原伊万里が奇妙な相談を持ちかけてきた。継父が祖父から預かっていた地図と暗号文が、継父殺害に関係している疑いがあるので、その謎を解読してほしいというのだ。迦羅守が仲間と共に解読に挑むと、やがて戦後史の闇に葬り去られた三〇兆円の金塊“M資金”の存在が浮かび上がる。戦後史の謎に挑む、傑作冒険ミステリー!

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    2018年12月10日
  • 下山事件 最後の証言 完全版

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    ちきりんさんのブログを通して本書を知った。

    3章までの面白さは素晴らしい。

    下山事件という謎の多い事件(自殺?)について、
    著者の親族の話を中心にして説明されていく。

    後半は、同じような事実が繰り返されているような感があり、
    登場人物も訳がわからなくってしまい、結局消化不良だった。

    下山事件は真相が明らかになっていないとは言うけれど、
    結局、世の中の事件すべて、犯人(とされる人物)が捕まっていようといまいと、
    さらに言えば、事件であろうとなかろうと、「真相」などというものは、当事者以外には明らかにはならないものだ、と感じてしまった。

    [more]
    (目次)
    第1章 血族
    第2章 証言

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    2018年10月12日
  • 日本怪魚伝

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    ネタバレ

     釣りの紀行本かと思ったら小説やルポルタージュなどいろいろな形式が混在した作品集だった。釣りを扱ったものもいくつかあって、7月はとうとう1度も釣りに行かなかったので、釣りに親しんだような気分になった。

     僕は小さい魚でも持って帰って食べているので開高健に怒られそうだ。しかしそもそも大物なんか釣ったことがないしこれから先も多分釣らずに終わる。そう思うとなんだかさびしい気持ちになる。こんな小説で取り上げられるようなテーマとも無縁な、しょぼい釣りしかできない。

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    2018年08月03日
  • デッドエンド

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    笠原武大は、妻を殺害した罪で千葉刑務所に服役している。だが、一日も早くここを出ると決意していた。たとえどんな手を使ってでも。綿密な計画を練り、数十台のカメラの監視をかいくぐって、笠原は高さ3.5メートルの塀を越えた。大胆な行動で警察の追跡を躱しながら、“あるもの”を手に入れるために北を目指す。一方、捜索の指揮を執る田臥健吾警視は、警察庁の公安課に属し、本来は畑違いであるはずの自分が追手に選ばれたことに疑問を抱いていた。追う者と追われる者、それぞれの思惑と疑念が交差するなか、笠原の娘・萌子が誘拐されたというニュースが飛び込んでくるー。

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    2018年05月27日
  • 渇いた夏 私立探偵 神山健介

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    コクのあるハードボイルド探偵小説。

    伯父の遺産相続を契機に少年時代を過ごした福島の西郷村へ20年ぶりに戻った神山。東京での興信所勤めに限界を感じていた彼は、このまま定住し、残りの人生は田舎でスローライフを満喫しようと考えていたその矢先、伯父の死に不審な点を見いだしその真相を探り始める。
    骨太で重厚なストーリー展開に、一気通貫で読み通すことができた。
    作中、お酒を飲む描写が多く、読み終わったらウィスキーを飲みたくなった。

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    2018年05月26日
  • 下山事件 最後の証言 完全版

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    戦後史最大の謎、下山事件を扱ったノンフィクション。
    著者の祖父が、戦中は陸軍、戦後はGHQの特務機関員であったと。
    また、下山事件に大きく関わる亜細亜産業にいたという。
    下山本の類はそんなに読んだことがなかったけど、これは実に読み応えのある一冊でした。
    昭和史の事件を知ると実に、色々なものが見えて来るな。
    満州から帰ってきて国鉄で働いていた、自分の爺さんを思い出す。

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    2018年05月13日
  • 異聞 太平洋戦記

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    この物語は事実に基づいたフィクションである。
    そんなまさかな展開に。異聞というに正しく。
    ただ、こうももしかして?と思わさせられてしまうと。
    太平洋戦争についてはもちろんだが、久米島事件の章は戦争が引き起こす惨劇、人間を狂人にさせる恐ろしさが静かに描かれ、少々読むのが辛かったな。
    ノンフィクションノベル。本当に。
    先日も春の叙勲が発表されたが、東京大空襲、広島長崎の原爆投下を指揮し、五十万人ともいわれる日本市民を大量虐殺したカーチス・ルメイ将軍に勲一等旭日章大綬章が授与されている...
    戦争についての知識が乏しく、改めて知って行くと眺める景色が変わってくるな。

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    2018年05月01日
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介

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    私立探偵神山健介シリーズ第二弾。
    福島の山間部を舞台にした、このシリーズ。
    冒頭から重く読者を引き込む。
    男泣き。死姦。
    明治期からの満州時代に遡り、名家の一族の因果が。
    今回の依頼主の一卵性双生児の片割れ。
    双子ゆえの...
    ただのハードボイルドじゃないな。
    柴田哲孝氏らしい。
    最後の結末が衝撃的過ぎる。読み応え充分でした。

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    2018年04月09日
  • 砂丘の蛙

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    柴田哲孝『砂丘の蛙』光文社文庫。

    作中にも登場するように尼崎事件に着想を得たと思える警察小説。なかなか面白い展開で始まった物語に、いつもの柴田哲孝の小説だと安心して読み始めたのだが、何ということか!有り得ない!後半の山場に来て、柴田哲孝らしからぬ端折った感のある浅い描写に面白さが失速した。充分一定水準には達しているのに、非常に残念。

    殺人犯の崎津直也が刑期を終えて出所した直後に殺される。その直後、崎津を逮捕した刑事の片倉康孝が何者かに刺される。全ての謎は崎津から届いた手紙に書かれていた『砂丘の蛙』という言葉に…片倉は事件の謎を追い、捜査を続ける。

    いつもの柴田哲孝らしくノンフィクション寄

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    2018年01月16日
  • 渇いた夏 私立探偵 神山健介

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    ネタバレ

    評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    死の直前、伯父が遺したものは何を語るのか。亡き母の妖艶な写真、殺人事件の調査記録、古い鍵、そして謎の女…。福島県西郷村の家を相続した私立探偵・神山健介は、伯父の死の真相を探る。母とともに少年時代を過ごした懐かしい地。だが、その美しい思い出すらも二〇年前に端を発した一連の事件へと繋がっていた!?焦熱の太陽が暴く、人間の愛と狂気。

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    2018年11月14日
  • 異聞 太平洋戦記

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    初読みかと思っていたら『チャイナ・インベイジョン』の著者だった。どうりで史実を踏まえた展開が面白い! そして、それぞれの話題に妙な説得力がある。特に東京大空襲や真珠湾攻撃の真相が本書のとおりだとすると、背筋が寒くなる。史観が変わること請け合いである。「鬼の棲む山」は沖縄住民や下士官の反抗もなく守備隊長の暴虐が止まらない流れがただただ悲しかった。異聞ノモンハン事件の最後のオチ、チンギス・ハーンの墓が日ソ双方にとっての奪還ポイントというのは……(^^;

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    2017年12月14日
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介

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    ネタバレ

    評価は4

    内容(ブックデーターより)
    姉の遺体を捜してほしい―。福島の私立探偵・神山健介は東京から来たモデル・中嶋佳子から奇妙な依頼を受けた。二年前、ストーカーが双子の姉を拉致。だが犯人は自殺し、姉はそのまま行方不明になっていた。手掛かりは「土の中から姉の声が聞こえる」という佳子の曖昧な話だけなのだが…。やがて死んだ犯人の過去を追ううちに、戦前の満州から続く名家の闇が浮上する。『TENGU』『GEQ』の著者が贈る極上のハードボイルド・ミステリー。

    乾いた夏が第1弾で未読だった為、途中で引き返そうと思ったが結局最後まで読んでしまった。ハードボイルドに分類されるのだろうが主人公は極端なアウトロ

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    2018年11月14日
  • WOLF

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    人間の卑小さ、自然の偉大さが今回はより際立っている。
    人間の身勝手で、交配された雑種。
    餓えの凌ぎに人を喰う。

    柴田氏の動物シリーズは自然界に対する人間の傲慢さが巧く描かれるが、同時に東日本大地震の原発事故や日航機墜落事件などの災害時の国の隠蔽体質も同様に取り入れられている。

    これだけ、読み応えあるのに飽きさせないってのは、素晴らしいね。
    『DANCER』が未読なので読んでみよう。

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    2017年10月24日
  • 下山事件 最後の証言 完全版

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    下山事件そのものについては、遠くで聞いたことがあるかなぁ?程度のことだった。
    たまたま本屋さんで目に入り興味を持って買ってみた。

    まぁ・・・驚くことばかり、関わってくる人達もすごいし、色々が闇すぎて。

    なんだか下山総裁がお気の毒としか言えない。

    あんなことができちゃったことが恐ろしい。

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    2017年10月07日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    ネタバレ

     人名が多くて覚えられなくて、読むのが大変で1ページ2分くらい掛かった。半分ノンフィクションみたいな小説なので、資料性がある分エンタメ性が低いのではないだろうか。下山総裁が殺される場面が生々しくて怖かった。戦争で人を殺していた人が戦後暗躍している感じも生々しかった。他殺説を封殺するために人事異動をして骨抜きにするところがすごくリアルだった。柴田先生のノンフィクションの方も先に読んでおり、下山事件はもうお腹いっぱいだ。

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    2017年10月02日
  • チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕

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    実在の地名、人名、事件等を巧みに使い、危機管理意識が希薄な政治家、政府、自治体などの複合要因から中国に付け込まれていくフィクションを構成する筆致で、物語世界に引き込まれる。かなり以前に情報番組で広大な土地に中国領事館を建設する問題を扱っていた記憶はあるが、危機感はまったくなかった。日本侵蝕とは言い得て妙。すぐそこにある恐怖を感じた。終章では漫画「空母いぶき」の防衛出動シーンが頭に浮かんできた。

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    2017年08月19日
  • 下山事件 最後の証言 完全版

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    「文庫X」も凄いけど「下山事件」も凄い。というカバーの煽り文句に惹かれて購入しました。
    お恥ずかしながら下山事件を知らなかったので、事件の凄絶さにまず驚き、日本の闇…と言っていいのか、そういうものにぐいぐい引き込まれました。ただ、あまりに登場人物や組織が多いので、読むのが難しかったです。多分、半分も理解できていない。時間ある時に、メモしながら再読したいと思います。

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    2017年07月17日
  • WOLF

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    私の生活している埼玉県秩父市の周辺の奥秩父の山の中が舞台の絶滅したはずのオオカミが主人公の作品。なかなか読み応えのある一冊です。

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    2017年05月31日
  • WOLF

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    傑作。最初から最後まで緊迫感が絶えなかった。最後の結末も神秘的な余韻が心地良い。
    あらすじ(背表紙より)
    ノンフィクション作家・有賀雄二郎のもとに、林野庁の埼玉環境保全担当から突如連絡が入った。奥秩父の両神山の麓に“山犬”らしき大型動物の群れが徘徊しているという。息子の雄輝と共に現地に向かった有賀は調査を開始。カナダの大学で森林科学を学ぶ雄輝は、被害の様子をみてニホンオオカミではないかと仮説を立てる。次々に人を襲い始めた“山犬”に危機感を抱く2人は捕獲作戦に協力、正体に肉薄するが…。

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    2017年02月19日
  • 国境の雪

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    登場人物全員が悪者(^ ^;
    もう誰も信用できない...という鬱々とした気分になる(^ ^;

    はからずも、二冊続けて東アジアが舞台の
    もんのすごいハードなボイルドを読んだことになる。
    今回の主な舞台は中国。

    本作の特徴は、小説で有りながら、
    中国、北朝鮮、韓国、日本、アメリカなどの
    当時の政治家が全部実名で出てくる点。
    作中の時代背景も、実際に21世紀に世界で起きている
    事件や災害、事故、政治の動きなどがそのままなので、
    もの凄い臨場感。

    っていうか、実名出してこんなこと書いて
    作者は怒られないんだろうか...(^ ^;

    ストーリーは、日本で生まれ育ったと思われる
    諜報員の男と、半日本

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    2016年11月17日