柴田哲孝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本版ダヴィンチコードといった感じ。敗戦直後に隠された埋蔵金。次々と難解な暗号が解き明かされていく様は男心をくすぐる。埋蔵金に託された希望とは。心躍る読み応えのある一冊でした。
あらすじ(背表紙より)
歴史作家・浅野迦羅守のもとに、美人弁護士・小笠原伊万里が奇妙な相談を持ちかけてきた。継父が祖父から預かっていた地図と暗号文が、継父殺害に関係している疑いがあるので、その謎を解読してほしいというのだ。迦羅守が仲間と共に解読に挑むと、やがて戦後史の闇に葬り去られた三〇兆円の金塊“M資金”の存在が浮かび上がる。戦後史の謎に挑む、傑作冒険ミステリー! -
Posted by ブクログ
ちきりんさんのブログを通して本書を知った。
3章までの面白さは素晴らしい。
下山事件という謎の多い事件(自殺?)について、
著者の親族の話を中心にして説明されていく。
後半は、同じような事実が繰り返されているような感があり、
登場人物も訳がわからなくってしまい、結局消化不良だった。
下山事件は真相が明らかになっていないとは言うけれど、
結局、世の中の事件すべて、犯人(とされる人物)が捕まっていようといまいと、
さらに言えば、事件であろうとなかろうと、「真相」などというものは、当事者以外には明らかにはならないものだ、と感じてしまった。
[more]
(目次)
第1章 血族
第2章 証言 -
Posted by ブクログ
この物語は事実に基づいたフィクションである。
そんなまさかな展開に。異聞というに正しく。
ただ、こうももしかして?と思わさせられてしまうと。
太平洋戦争についてはもちろんだが、久米島事件の章は戦争が引き起こす惨劇、人間を狂人にさせる恐ろしさが静かに描かれ、少々読むのが辛かったな。
ノンフィクションノベル。本当に。
先日も春の叙勲が発表されたが、東京大空襲、広島長崎の原爆投下を指揮し、五十万人ともいわれる日本市民を大量虐殺したカーチス・ルメイ将軍に勲一等旭日章大綬章が授与されている...
戦争についての知識が乏しく、改めて知って行くと眺める景色が変わってくるな。
-
Posted by ブクログ
柴田哲孝『砂丘の蛙』光文社文庫。
作中にも登場するように尼崎事件に着想を得たと思える警察小説。なかなか面白い展開で始まった物語に、いつもの柴田哲孝の小説だと安心して読み始めたのだが、何ということか!有り得ない!後半の山場に来て、柴田哲孝らしからぬ端折った感のある浅い描写に面白さが失速した。充分一定水準には達しているのに、非常に残念。
殺人犯の崎津直也が刑期を終えて出所した直後に殺される。その直後、崎津を逮捕した刑事の片倉康孝が何者かに刺される。全ての謎は崎津から届いた手紙に書かれていた『砂丘の蛙』という言葉に…片倉は事件の謎を追い、捜査を続ける。
いつもの柴田哲孝らしくノンフィクション寄 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は4
内容(ブックデーターより)
姉の遺体を捜してほしい―。福島の私立探偵・神山健介は東京から来たモデル・中嶋佳子から奇妙な依頼を受けた。二年前、ストーカーが双子の姉を拉致。だが犯人は自殺し、姉はそのまま行方不明になっていた。手掛かりは「土の中から姉の声が聞こえる」という佳子の曖昧な話だけなのだが…。やがて死んだ犯人の過去を追ううちに、戦前の満州から続く名家の闇が浮上する。『TENGU』『GEQ』の著者が贈る極上のハードボイルド・ミステリー。
乾いた夏が第1弾で未読だった為、途中で引き返そうと思ったが結局最後まで読んでしまった。ハードボイルドに分類されるのだろうが主人公は極端なアウトロ -
Posted by ブクログ
登場人物全員が悪者(^ ^;
もう誰も信用できない...という鬱々とした気分になる(^ ^;
はからずも、二冊続けて東アジアが舞台の
もんのすごいハードなボイルドを読んだことになる。
今回の主な舞台は中国。
本作の特徴は、小説で有りながら、
中国、北朝鮮、韓国、日本、アメリカなどの
当時の政治家が全部実名で出てくる点。
作中の時代背景も、実際に21世紀に世界で起きている
事件や災害、事故、政治の動きなどがそのままなので、
もの凄い臨場感。
っていうか、実名出してこんなこと書いて
作者は怒られないんだろうか...(^ ^;
ストーリーは、日本で生まれ育ったと思われる
諜報員の男と、半日本