柴田哲孝のレビュー一覧
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戦後最悪の首相は誰か。記憶に新しいところでは原発対応を失敗した菅直人だとか、いや、格差社会を助長した小泉純一郎だとか、ちょっと戻って派閥金権政治の象徴である田中角栄だとか、いろいろ意見はあるだろう。しかし多くの国民を見殺しにしたという点においては、間違いなく村山富一だ。
1995年1月17日未明に阪神淡路地方を襲った未曾有の大地震。真冬の寒さのなかで倒壊した建物の下敷きになり救助を待つ人に、襲いかかったのは大規模な火災だった。道路は寸断され、消防車は行く手を阻まれ、消化活動ができない。このような大規模災害時において救助活動ができる能力があるのは自衛隊だけだが、自衛隊は出動要請が来なければ部隊を出すことができない。
被災地の行政は機能が麻痺した。このような非常時には中央政府が一刻も早く救援体制を組まなければいけないのに、村山首相は、あろうことか緊急性のない会議に出席し、事の重大性にようやく気づいたのは、地震発生から6時間以上が過ぎた正午ごろ。その間なんの手も打っていない。迅速な対応があれば救われた命が、どれだけあっただろう。
この本は、事実をもとにした創作だが、震災時の地方自治体、自衛隊、そして内閣の対応などは、どれも事実と思われる。(麻生幾のノンフィクション『情報、官邸に達せず』をむかし読んだが、おおよその事実関係はこの本と同じだった記憶がある) この部分を読むだけでも、とても勉強になる。いま話題になっている自民党の「国防軍」構想には賛成しかねるが、自衛隊が今の憲法ではがんじがらめだ、ということは、やはり考えなくてはいけない問題だと思う。
しかし、この本の主題は別のところにある。阪神淡路大震災は人為的に惹き起こされたもので、その裏には政財界を巻き込んだ巨大な陰謀があったという設定だ。
そこから物語はフィクションになってくるので、陰謀論とか地震兵器などの都市伝説的な小説が好きな人は、かなり面白い展開になってくる。荒唐無稽と退けるのは簡単だが、ここで述べられているような兵器の形態は、はっきり言ってそんなに難しい技術でもない。また故意ではなくとも、海底資源開発などの場合、掘削による活断層へ海水流入などで地盤が緩み、大規模地震を誘発する可能性も現実味がある。シュミレーションノベルとしての完成度は非常に高い。
情報が盛りだくさん過ぎて、素人にはどこまでが本当なのか判断できないので、巻末で専門家が解説をしてくれたら、なお良かった。
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Posted by ブクログ
私立探偵 神山 健介シリーズ第一作。
柴田節炸裂の「今どき」ハードボイルド。
銃をぶっぱなしたり、
大がかりな悪の組織と闘ったりという
「荒唐無稽」な話ではない。
酔っぱらったところを襲われれば骨折もするし、
車で飲みに行った帰りは代行を呼んだりと、
細かいリアリティが感情移入を手助けする。
が、あくまでハードボイルドである。
主人公は女にもて、ボクシングの経験があり
ジムで体を鍛え、車の運転も玄人はだしと、
男の子があこがれる「格好いい男像」は
きっちりと押さえている。
伏線の張り方も巧みだし、ミスリードも自然。
最後のどんでん返しは、若干予定調和っぽいか。
でも何より「平和なシーン」の描き方がうまいので
緊張感のある場面とのコントラストが強くてよい(^ ^
こういうのを「リーダビリティが高い」と言うんだろう。
一気読みしたくなる一冊です(^ ^ -
Posted by ブクログ
阪神・淡路大震災の影に、実は国際的な陰謀が蠢いていた。阪神、東京、アメリカ、北京五輪を控える中国を舞台に、日系米国人のジャーナリスト、ジョージ松永が真相に迫る。
ノンフィクションも手がける著者の柴田哲孝氏だけに、事実を織り込みながら読者を惹きつける。
阪神大震災では、法律的な手順の問題などから、自衛隊の出動が遅れ、災害派遣法が改正された。この時、重点的に変えられたのは原子力災害への派遣規定だった、という。
少し長いが引用する。
「松永は、胸騒ぎを覚えた。阪神淡路大震災の教訓を踏まえた自衛隊法の改正であるはずなのに、なぜ”原子力災害”なのか。当たり前に考えれば、原子力発電所の事故に対応するということなのだろう。だが、それにしては”地震災害”よりも明らかに”原子力災害”を重視しているのが不自然だ。これは単なる災害派遣法の改正ではない」(ハードカバー版P181)
なるほど。政府は当時から地震に連鎖して原子力災害が起こることをある程度、予見していたのか。地震の規模はともあれ、原子力災害自体は「想定外」ではなかったのだ。 -
Posted by ブクログ
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ウクライナ、ロシア、中国……
麻薬市場の利権をめぐる暗闇の影で
“死んだはずの伝説の殺し屋”が蘇る!
『暗殺』の著者が放つクライムノベル!
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私はカタカナの名前を覚えるのが苦手で、
あらすじを読んだ時「ついていけるかな」と不安になりましたが。
問題なく読み切れました!
最後までハラハラしました…人間怖すぎます…
主人公のクズリは殺し屋ですが、
情があって、渋いです。
ブラックシティハンターのようでした。笑