柴田哲孝のレビュー一覧
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元々タイトルだけで読んでみようかと思い、ベトナム戦争をテーマにしたものかどうかは全然知らずに読んだのだけど、ストーリー展開は、まあ小説だから出来過ぎなんだけど、面白かった。ヘロインはともかく、戦争で起きる現地の民間人の虐殺の問題は、自分でも周りでも経験した人はいないし、実際にそういう場面に遭遇したら自分はどうなるのか、わかったモンではない。でも、今回の参院選で、世の中は、そういう立場に自分が置かれるかもしれない未来を選んだ訳で、この小説の最後にあるように、この日本に住んでいても、ロクな未来が待っていないなら、どこか違う国に移住するのもアリだななんて、それも実現性のかなり低いことに思いを馳せてしまった。
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Posted by ブクログ
六篇の短編集。
怖い女。この物語に出てくる女達は、普通は、一般的には怖いと思われる存在であろう。狂気じみたキチガイと言っても差し支えない。
が、しかし、この「普通は」「一般的には」ってのが癖もんで。
道を歩けば、電信柱がそこらじゅうに散見されるように、この類のメンヘラはありふれてる。
法の弾劾場に立たぬ限り、一見狂気じみたここで物語れる女性達は日常に溢れている。
メンヘラって言葉が流布されるようになってから、相当イカれてても、ある種の許容というか麻痺が生まれてるな。
いや、これらを普通だと感じてしまう自分が感覚ズレを起こしてるのか...
短編の中での一番ごとに緩急をつける手腕は、さすが柴田氏。ではあるが、タイトル程の恐怖は覚えず。
やはり、個人的には柴田氏は長編の方が好みだな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の動乱冷めやらぬ時期、「松川事件」「三鷹事件」と共に国鉄の3大事件と呼ばれる謎多き事件。いつかは読みたいと思い続けていた「下山事件」のノンフィクション。
昭和24年7月、GHQの占領下にあった日本で、国鉄総裁だった下山定則が轢死体で発見された「下山事件」。自殺説、GHQ、CIAの陰謀説、大量馘首に端を発した労働組合による殺人、ソ連による暗殺説など様々な説が取りざたされながら、今も真相は闇の中に沈み、関係者もほとんどが鬼籍に入っている。
筆者は、事件にかかわったかもしれない男の孫として、貴重な親族の証言を得ながら、これまでのジャーナリストとは違った切り口で事件を検証していく。
一人の男が殺されたというだけに留まらない、重く、深く、暗い事情が目の前に示されるとき、自分の暮らす国のこれほどの闇を知ることへの躊躇に何度か挫折しかかった。
好奇心だけでは言い表せない何かに突き動かされ最後まで読んでみたけれど、やはり真相はいまだ霧の中。ん~はっきりしない。当時、関わった数々の人物が、不審死を遂げた事実を思うと、すべてを明らかにするのは筆者とて危険なのかしら?
国を動かしているのは誰だろう?という素朴な疑問が消えない。同じ思いをグリコ森永事件のノンフィクションを読んだ時にも感じたのを思い出した。
警察の捜査はもちろん、政治家をも操る右翼やフィクサーと呼ばれる存在。GHQによる占領が終わると、経済によるある意味軍隊なき占領があり、では現在は?
関東軍、満鉄、国鉄に群がる利権、国鉄民営化構想・・・下山という一人の男の死を突き詰めていくと、戦前にまで行き着くという闇の深さに愕然とする。
そして、それは今に至るも大きくは変わっていないのかもしれない。国を動かしている力を本当には知らないんだな~と思い、知らない方が幸せなのかもしれないとしみじみ感じた読後でした。 -
Posted by ブクログ
事件関係者が親族にいるというだけで、この手の本を書くのには反則気味ですね。(^^;
何があったか程度に事件を知っている身にしては、隠されていた真相が明らかになってゆくくだりも、「そんなことがあったんだぁ」ぐらいの感想で、内容の貴重さを感じられなかったのが残念です。(^^;
ちょっと、もったいぶったような部分とか、インタビュー時の状況を示した部分など、主題からちょっとだけずれている文章が、事実を系統立って把握するのを妨げている気がするのが、残念です。
まぁ、なんてぇか、「下山事件」(森達也)も持っている身としては、こっちを先に読んでおいて良かったなぁと思った事です。
インタビュアなんて、結構自分に都合がよいようにフィルタをかけて話を聞くもんだからね。(^^; -
Posted by ブクログ
1995年1月17日阪神淡路大震災。
大地震は果たして、自然災害なのか。
主人公の日系ジャーナリストが、重要証言を集め始めると...
9.11の米テロが陰謀説だということは、数多くの著書が記されている。政府ぐるみでユダヤ資本に莫大な資金がもたらされたのは周知の通りだ。
ワールドトレードセンターをタダ同然で解体し、数十億ドルの保険金がユダヤ系オーナーの懐に入った。
90年代以降の殆どの大規模地震が自然災害ではなく、人工的に引き起こされた人為的経済効果だと。
被災による経済損失よりも、復興特需による経済効果は遥かに凌ぐ額が生まれる。
本作は事実に基づくフィクションである。
丹念に地道に、情報を集め、作り込まれたジャーナリズム精神に基づく柴田氏の本作は、相変わらず読み応え十分だ。
松本清張の後継者に足り得る作家だ。