あらすじ
元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。
日本を震撼させた2発の銃弾。
本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?
日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。
奈良県で日本の元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳男性の容疑者。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体とのつながりを主張した――。
日本史上最長政権を築いた元総理が殺された、前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷となった銃弾が、現場から見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。
警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
国境の雪の衝撃と同じぐらい衝撃だった。下山事件は知らないので読む気が起きなかったが関連しているなら読まなくては。
1人の犯行ではないというフィクションにどこまで真実なのか、空砲だったのか、そして令和は使ってはいけない言葉だった理由も全てが真実味を帯びているので騙されてしまう。
Posted by ブクログ
2冊続けて同じ著者の本を読んだ。ノンフィクション寄りのフィクション、ということでとても面白かった。主人公が登場するまでは下山事件の本と似たような受け止め方で読みかたで進んだが、その後は推理小説っぽさが出てきてスッキリ読めた。
色々な思想を背景とする思惑がいくつかあって、自分達の思惑を邪魔する力が強大になってくるとその力を消そうとさえする。権力と結びつく影の力とかもあるんだろうとは思うけど、そういう人達も恐らく私利私欲のためだけではないのだろうと思うと、そうやってこの国はバランスをとってきたのかなぁ、とも思う。著者も取材を重ねて得られた真実と、証言、推測や憶測、噂などを組み合わせて創っていく中で小説はフィクションとノンフィクションの間を行ったり来たりする。そこが面白いのだろう。
Posted by ブクログ
いやぁ〜評判に違わず物凄い小説だった。
これほど踏み込んだことを書いている作家自身に危ういことは無いのだろうか。
そんな心配をするほどに小説は実にリアルに暗殺の裏側を描き出す。
気にはなっていた小説だったが、評判が良すぎるので敬遠していたのを後悔するほど危機迫る小説だった。
Posted by ブクログ
一部名前を変えているが、個人や組織が特定できるノンフィクションに近いフィクション。
あまりにもスムーズに描かれるのであの事件の真実はこうだったんだろうな、と思わせられる。
ただでさえ、多くの人が疑問に思っているであろう事件だったので、話を読むと、なんだか答え合わせをしている気分にさえなってくる。
おそらく発行部数でベストセラーになっていることは間違いないが、普通に新聞の書評で評価されることはないだろう。
なぜならば題材がかなりトリッキーだし、著者の命が危ないんじゃないかと思わせる内容だからだ。
それがまた、人気に拍車をかけていることは間違いない。
Posted by ブクログ
本作品についてネットで取り上げていて興味をもち読み始めた。
安倍元首相の銃撃事件を題材にされている。フィクションなのだが、実在の人物や実際の事件(読みながらググって確認した)を絡めてストーリーが展開する。読みながら何が事実ではないのかわからなくなってきた。というか、事実のように思えてくる。ただ、興味をもって調べれば調べるほど怖い結果が待ち受けていそうで怖い。
安倍元首相は、本当は暗殺されたのではないか!豊田議員とは誰なのか?
Posted by ブクログ
いやぁ、これは面白かった。前半は単なる出来事の羅列で正直つまらなかったが、この小説の真骨頂は『暗殺』以降にある。ラストも色々な想像をかきたてる結末で、最後まで読者を飽きさせない。久し振りにミステリーを読んだが、なかなかの傑作だった。
Posted by ブクログ
元首相の殺害という実際にあった話を
元にしたお話
最初にフィクションという記述があるのですが
どうしても現実もそうだったのではと思わざるを得なく
させる文章に引き込まれました
犯人の単独犯として片づけた警察でしたが
週刊誌の記者は真実を追い求めていきました
そして真実を追うとその先は・・・
恐ろしい作品でした
もしも現実も同様の内容だったとしたら・・・
怖すぎます
Posted by ブクログ
2022年7月奈良県で元総理が凶弾に倒れた。こんな出だしでストーリーが始まる。どうしても現実に起こったあの事件と重ねてしまう。でも、この小説はフィクションだという。
41歳の男性が現行犯逮捕された。ある宗教団体への恨みがあり、関わりのある元総理へ恨みの矛先が向かったという。ここまでは、現実の世界でも、小説の世界でも同じだ。ただ、その先の展開は、この作品では思いもよらない世界が描かれている。
新聞社襲撃事件、宗教団体、右翼、警察、防衛省、銃、スナイパー、政権与党、公安、ジャーナリスト、奈良、皇室、元号、さまざまな要素が絡み合って、事件の裏側を探っていく。普段の生活では考えの及ばない世界が繰り広げられる。最大の問題作と言って良いだろうね。
この小説の特長は、フィクションでありながら、現実との世界を行き来する錯覚に陥られることだ。時系列や登場人物に実際の事象があり、これはノンフィクションなのかと思ってしまう。それに、描写が緻密になっていて、ドラマや映画の映像世界を見ているような気分になる。とても読みやすくて一気に読めた。
柴田哲孝の作品を読んだのは今回が初めて。取材で裏付けられた事象を、見事な程に素晴らしい小説に昇華させている。読み応え十分だった。他の作品もぜひ読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
安倍晋三前首相の銃殺事件をリアルに書いている。
明らかに単独犯ではないのに、真相に迫ることなく鎮静化を図るのは、裏社会の黒幕が幕引きを命じているから。
Posted by ブクログ
例えば何も起きていない世界線で、首相が襲撃され命を落として、という話を描いたとすれば、どう感じていただろうか。しかしこれは実際にたった三年前の日本で実際に起きている。そしてまだ裁判が始まっていない。この国の中枢で何が起きているのか、という興味にページを捲らされる。作中の「右翼とカルトがどう違う?」という文章がかなり残っている。三島が書きはじめて、中村文則が実態を明らかにしたACSの、さらにリアルな素性に思える。フィクション、なんですよね?
Posted by ブクログ
これは異質な作品……
たんなるミステリー作品ではない、現実に起こった安倍元首相の暗殺事件をベースに描かれている。
人物名や団体名は架空になっているが、事件の時系列などは実際の事件に沿っているのでは??
そこに【想像の?】右翼団体や宗教法人などの関与?が書かれているため現実の事件と小説のフィクションが混ざりあい、なにか真実なのか錯覚がおこる。
そしてこのところの日本では、政治への不信感が高まりマスコミの偏重報道も助長し、この作品で語られるような裏の世界の真実味が増してくるように思える。
安倍元首相のショッキングな事件は日本中を震撼させたが、それより以前から不可解な事件は起こっており、この日本がどうなってしまうのか暗雲が立ち込める……
事実は小説よりも奇なりーー
Posted by ブクログ
ノンフィクションのような小説。
まさかと思いつつ、これはもしかしたら、ひょっとしてとも思ってしまう。
もしこれが本当ならば、事件以降の世の中(国内)の動きの不可解な部分が、するすると繋がる。
凶弾に倒れた元首相のモデルは、言うまでもなくあの人。
で、他の登場人物たちのモデルは誰なの?気になってしょうがない。
Posted by ブクログ
「暗殺」と聞けば歴史の闇に浮かぶ不吉な響きがある。その言葉を通じて現代社会の影を描き出す。権力の暗部や情報操作、誰が敵で誰が味方かも判然としない不安を映し出すのだ。物語は単なる事件の再現ではなく国家と個人、記憶と真実が交錯する劇場となる。首相の死は本当に単独犯なのか――その疑念が静かに広がり読み手は知らぬ間に「暗殺」の連鎖に巻き込まれる。虚構の中に潜む現実を見抜けるかどうか、それが私たちの課題でもある。
Posted by ブクログ
あまりにも題材が大きすぎるので、単なる陰謀論だったらどうしようと思って読み始めたのではあるが…。真正面から政治と右翼とテロの捻れた関係に切り込んだ、大変真面目で読み応えのある作品でした。何よりも小説としてストーリーがきちんと流れていて、キャラクターも魅力的なのが良いです。
文章のうまさでスイスイ読めてしまうんだけど、中身はとっても大事なことが書かれている。これから裁判始まるだろうけど、しっかり注目しないといけないですね。3.8
Posted by ブクログ
この小説は、読み手を圧倒する「現実のようなフィクション」の力があります。政治と権力、宗教、メディア……現代社会が抱える複雑な構造を、エンターテイメントとして描きつつも、読む者に深い思考を促す。そのバランス感が秀逸です。
フィクションであるからこそ、事実を問う自由度があるような気がします。報道の枠に収まらない「影の世界」に想像を巡らせる体験は、単なる読み物以上の重みがありました
Posted by ブクログ
フィクションではあるものの、実在の名称も多く出ることもあって事実との境目が分からなくなる怖さ、本当にそうじゃなかったんじゃないかと思ってしまう怖さ
とても面白かった。
匿名
真の《黒幕》とは…?
2024年8月読了。
出版されて直ぐに買ったのだが、余りにも『生々しい話』過ぎて、又、一人の政治家として尊敬していた人の死だった為、案外と《軽いノリ》で書かれている本作は、読み進むのに相当手こずる『難物』だった。
著者としては本作を、あくまで世間への注意喚起と云う意味で《切っ掛けの作品》だと語っていたが、「陰謀説」を突っつき始めると《有象無象》のシロモノが《百花繚乱》に成ってしまう為、本当の意味での《黒幕》にしっかりと焦点を合わせた作品でないと、逆に読者は「面白い読み物だったねぇ…」で終わってしまう気がして、読後は何とも言えない無力感と寂寥感に襲われた。
それにしても、本当の故人はこんなに《やらかし》ていたのか、そこから疑問である。又、この話の線で行けば、朝日は『かなり御目出度い会社』に成っており、最早「メディア」とは言えない事になる。左翼の旗頭はこんなに《だらしない》のか?
まぁ例の教会については彼の祖父の頃に「反共」絡みで色々と大きな金額が往復していた事は知っているが、それとてあの大藪春彦が自作でネタバレっぽく書いていたし、その程度の《金銭の移動》ぐらいで、祖父ではなく《彼の人》が殺されなくてはいけなかったとは思えない。『令和』の解釈もかなり無理がある…。
それから、ヤクザが汲々として凌いで暮らしている今の時代に『右翼の大立者』と云うのも不自然過ぎて、現実味が感じられなかった。まぁ、そこまで分かれば苦労は無いのだろうが…。
以上、雑駁に書いたがあくまで《皆の記憶を残す為》《いつの日か真実が暴かれる日まで》、今回の事件を忘れないでいたいとは強く思った。
読み途中ですけど。
呼んでいる途中ですけど、なかなか面白い。
あの事件のフィクションなのね、と思いながら、でもこの登場人物のモデルはあのひとだよね、とか、
いろいろ現実とクロスさせて読んでいると面白い
Posted by ブクログ
事実を基に描かれたミステリーエンタメ小説でした。
前半部分はなぜその凄惨な事件が起こったのか、加害者側の視点で描かれる。
後半はその事件を追い求める記者が事件の真実を追い求める展開になっていく。エンディングでは衝撃的な展開であった。
この小説に描かれている内容を、いま現実で起きている事件の裁判においても追及してほしい。
Posted by ブクログ
影の権力者には政界も警察もかなわないのか⋯
世の中に一石を投じた事件だっただけに、この物語のような裏があるように思えてしまう。
いやーお見事!!
Posted by ブクログ
緻密な取材の上で書かれた大作と思うけど、結局は陰謀?そっちではなく、某協会とか政治屋さんとかの深掘りが読みたかったなあ。これじゃあまるでフィクションみたい。まあ小説なので仕方ないか。
Posted by ブクログ
これは。
陰謀論…。
とてもよくできた、読み応えのあるノンフィクションの小説…。
と思いたいが、実は真実なのでは?と疑心暗鬼にもなる。
2022年に起きた元首相の襲撃事件(今はもう3年過ぎた)、公判の手続きがなんやかやでまだ裁判も始まらない。
素人の自分が普通に考えると
犯行の瞬間の映像もあり
実行犯もとっくに捕まっていて、
彼は動機もきちんと説明していて起訴もされているのに
どうして??
とは別に、80年代の朝日新聞阪神支局襲撃事件、
亡くなった首相と皇室の関係、
2020東京オリンピックも興味深かった。
にしても、カルトは厳しく規制しないと。
宗教のせいで戦争が起こることもある。
カルトは宗教ですらないとは思うけれど。
Posted by ブクログ
名前や名称を変えてはいるが事実に基づく部分も多くフィクションとノンフィクションの間に位置するような小説だ。発売当時書店に積まれていたので気になっていた。自分もあの事件は暗殺だと思っていたので自民党、警察、CIA、統一協会、右翼団体等
それぞれの視点を通して全体を俯瞰し見えてくるものは、あくまで可能性だが事実に近づいているのではと感じた。はやく事実が解明される事を願う。
Posted by ブクログ
事実を題材に、暗殺を創作した問題作とも言える
感情移入はできないものの、リアリティがあり事実ではないかと思えるほどの緻密なストーリーに感銘した
好き嫌いが分かれる内容ではあるが、読み易さは抜群
歴史や裏話がすいきな方には丁度良い作品と思います
Posted by ブクログ
フィクションという体なので、名前や教団名が違うので頭がこんがらがった。
陰謀論と呼ばれている説だけど、それぞれ読むとこういう事もあるんだろうなあ…といった感じ
全部鵜呑みにする訳じゃないけれど、頭の片隅に入れておいて自分で色々考えてみたい
Posted by ブクログ
記憶に新しいあの惨劇が再び…
元総理が凶弾に倒れ、一人の男が捕まった
あの事件をモチーフに細部の細部まで拘り抜いた作品でした
奈良県で元総理が撃たれ、死亡した。
犯行の動機は元総理とある宗教団体とのつながり
この事件は多くの疑問点が見過ごされ、致命傷となった銃弾も見つかってない
警察組織は単なる単独犯で片付けようとしているが、本当にそうなんだろうか?
この偶然は、必然なのか、真犯人は…
Posted by ブクログ
週刊誌のネタが確信に触れていたにしても記者を消すなんて本当にあるのだろうか?想像できない世界です。
フィクションとしてはおもしろいけど、恵美さんのようにリアリティのない人が登場して結構大事な内容をすっぱ抜くとか興醒めしてしまった。
Posted by ブクログ
本を開くと、目次の次のページに
「この物語はフィクションである。」
と書かれている。
事前情報として、この物語が奈良県で元内閣総理大臣が撃たれて死亡した事件を取り扱うことは知っているので、頭の片隅にフィクションであることをとどめておく必要があるのだな、と理解して読み始めた。
が、思った以上に「事実」なのだ。
事件の主の登場人物、団体は名前が変えられているのだが、登場する事件とそれに巻き込まれた人々の名前はそのままだ。
うっすら聞き覚えのある事件から、まったく記憶にない事件まで、登場するたびに検索してみると実際に起きた事件。
ああ、日本にもこんな不可解な事件がこんなにもあったのか、と感じさせられる。
そして、これは本当にフィクションなのか?と混乱をきたしてくるのだ。
作者、大丈夫なのか?と心配するほどに…
で、私は混乱したまま終わってしまった。
入り込めた人にはわくわくする展開なのかもな。