柴田哲孝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「いい話・・・だったのか?」というのが読み終わった際の感想。
300ページ以降の後半部分は物語がスピーディに上手く流れ、面白く読めたが、前半部分はイライラさせられる展開が続き、300ページ手前くらいで「もうこのあたりでクライマックスに向かってよいのではないか。500ページは長すぎる」と少し辟易する気分があった。
評価としては前半は☆2、後半は☆3。総合では☆2.5というところだと思う。
前半部分で「こんな作品だったかな?」と思ったことは、これまでのシリーズで登場人物がこんなに頭が悪く描かれていただろうかという点だ。
息子の雄輝はサラサに無意味に付きまとったあげく、家まで行き、扉越しに会話も -
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Posted by ブクログ
六篇の短編集。
怖い女。この物語に出てくる女達は、普通は、一般的には怖いと思われる存在であろう。狂気じみたキチガイと言っても差し支えない。
が、しかし、この「普通は」「一般的には」ってのが癖もんで。
道を歩けば、電信柱がそこらじゅうに散見されるように、この類のメンヘラはありふれてる。
法の弾劾場に立たぬ限り、一見狂気じみたここで物語れる女性達は日常に溢れている。
メンヘラって言葉が流布されるようになってから、相当イカれてても、ある種の許容というか麻痺が生まれてるな。
いや、これらを普通だと感じてしまう自分が感覚ズレを起こしてるのか...
短編の中での一番ごとに緩急をつける手腕は、さすが柴 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の動乱冷めやらぬ時期、「松川事件」「三鷹事件」と共に国鉄の3大事件と呼ばれる謎多き事件。いつかは読みたいと思い続けていた「下山事件」のノンフィクション。
昭和24年7月、GHQの占領下にあった日本で、国鉄総裁だった下山定則が轢死体で発見された「下山事件」。自殺説、GHQ、CIAの陰謀説、大量馘首に端を発した労働組合による殺人、ソ連による暗殺説など様々な説が取りざたされながら、今も真相は闇の中に沈み、関係者もほとんどが鬼籍に入っている。
筆者は、事件にかかわったかもしれない男の孫として、貴重な親族の証言を得ながら、これまでのジャーナリストとは違った切り口で事件を検証していく。
一人の男が