柴田哲孝のレビュー一覧

  • 幕末紀~宇和島銃士伝~

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    こういうアプローチで描く歴史小説はあまりなく新鮮であったが、幕末という舞台で何に主題を置くかというところは、何かボヤッとした感じで、ここのところは家に伝わる伝承、史書を紡いでストーリーを作り上げた由縁かと思う。
    ただ、兎にも角にも一市民の家にこのような歴史の大舞台に登場する人物との言い伝え、資料が存在するのは、奇異にも羨ましくも思い、また、教科書に載るような歴史出来事というのも、ある意味、生活の一部だったのかと感じた。

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    2024年08月11日
  • DANCER

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    ネタバレ

    「いい話・・・だったのか?」というのが読み終わった際の感想。
    300ページ以降の後半部分は物語がスピーディに上手く流れ、面白く読めたが、前半部分はイライラさせられる展開が続き、300ページ手前くらいで「もうこのあたりでクライマックスに向かってよいのではないか。500ページは長すぎる」と少し辟易する気分があった。
    評価としては前半は☆2、後半は☆3。総合では☆2.5というところだと思う。


    前半部分で「こんな作品だったかな?」と思ったことは、これまでのシリーズで登場人物がこんなに頭が悪く描かれていただろうかという点だ。
    息子の雄輝はサラサに無意味に付きまとったあげく、家まで行き、扉越しに会話も

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    2024年07月15日
  • チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕

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    実際に起きた事件・災害が物語の中心になっているので、まるで現実世界の話のようでした。(以前読んだ「国境の雪」もそうでした)。どこまでが現実でどこまでがフィクションなのかが次第にわからなくなっていき、物語に引き込まれました。

    尖閣諸島を巡る様々な領土問題を通して、中国の潜めいた恐ろしさを感じました。見方を変えればホラーでした。

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    2023年11月02日
  • デッドエンド

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    一人の男が脱獄した。彼の目的とは。
    王道の冒険小説である。
    多少、強引でご都合主義の部分もあるが、「そんな事はどうでもいい! 続きを読ませろ!」と言いたくなるような面白さがある。
    次第に明らかになっていく男の過去、そして男に迫る警察の包囲網、謎の組織と冒険小説のツボを上手いこと突いている。

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    2023年10月24日
  • 殺し屋商会

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    ここに来てクズリの続編が出てくるとは。前作の内容は全く覚えていないし、自分のレビューを見てもあまり魅かれなかった模様。ただクズリの名前は覚えていた。
    今作は短編集ということもあり前作同様にグッと引き寄せられるものはなかったけど次回作に続くような終わり方だったので期待したい。
    ただ最終話によって殺し屋商会と亜沙美の存在がすごく宙ぶらりんのまま終わってしまったので、しっかりと盛り返していただきたい。

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    2023年10月19日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    現時点で事実を知ることはできないが、エンタメ小説として完成している。下山事件についてwikipedia記事程度の事前知識があれば面白く読める。

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    2023年07月30日
  • 渇いた夏 私立探偵 神山健介

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    タフガイ探偵が自らの出生にも関わる、伯父の死の謎に挑むハードボイルド。多分一般的な語感ではこうした話がいちばんハードボイルドらしいのだと思う。あんまりリアルなお話ではなく、主人公の暴力を警察がスルーしてくれたりする。この方がカタルシスはあるんだけども。筋立ての方はかなり複雑。ハードボイルドは一見複雑そうに見えても、脇筋が幾つも絡んでいるだけで、メインのプロットだけを取り出すとシンプルなことが多いが、本作はホントに複雑。
     

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    2023年05月01日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    終戦から四年、生きるか死ぬかの時代、暗躍する男たち、いったい何が本当で、何が嘘なのか。膨大な資料と長い年月をかけた取材をもとに書かれた小説である事がうかがえる。柴田豊が娘の菱子の視線で描かれるとき、信頼おける父親の顔でしかない。更に最後の真実を読んで菱子の視線から伝わる柴田豊の感触に納得した。

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    2023年02月26日
  • 伝説の名馬 ライスシャワー物語

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    ライスシャワー
    長年の競馬人生で1番好きな馬は?と聞かれたらこの馬を挙げる。

    そのライスのことをあらためて思い出そう、タイムスリップしようと思って読んだのがこの本。

    とにかく切ない。
    競馬とはこんなに残酷なギャンブルなのか。

    それを思い知らされる。

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    2022年05月02日
  • 狸汁~銀次と町子の人情艶話~

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    料理にまつわる蘊蓄と料理人のこだわり。
    夫婦で営んでいる店は一見お断りなので時間の流れがそこだけゆったりとしている感じがする。
    他の作品にはない静けさが醸し出している。

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    2022年03月13日
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介

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    ハードボイルドを柔らかくした感じ?
    ムチャ振りもほどほどで描かれてないけどちゃんとシートベルトしてるんだろうなぁと本書に関係ない事を考える。

    ハラハラした感じもなく、1日で読めてしまう内容で何も考えたくない、現実逃避したい今だから読めると思う。
    4冊で終わりなので後1巻も購入しよう。

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    2021年10月01日
  • クラッシュマン

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    今回のヒロインの刑事が敵につかまって、犯されてまくってしまうというなかなかシビアな展開。最後はオバマ大統領の手紙、絶対ないわー。

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    2021年03月03日
  • RYU

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    未確認生物シリーズ??としては、TENGUの方が面白かったかなぁ。
    ジャーナリスト柴田さんの豊富な知識が満載で、この方の本は色々と勉強になる。(それを使う所がないけど·····)まだまだ読んでない作品があるので、ゆっくり集めたいなぁ。

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    2020年09月24日
  • KAPPA

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    3.1くらい。これを言っては元も子もないんですがかっぱの正体が分かるまではハラハラというか、不気味な生物の影が見えて好きなタイプの世界観でした。これは…青春小説…??

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    2020年09月17日
  • 狸汁~銀次と町子の人情艶話~

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    人の持つ感覚の一つ味覚。
    誰しも、思い出の味ってのはあるだろう。一度も食べたことがないにも拘らず、なぜか懐かしいと感じることもある。

    本作は食を通した人情話の短編集。
    小料理屋と若女将の設定って香ばしいよな。

    揚げ出し豆腐、食べたくなってきた。

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    2020年04月26日
  • 怖い女の話

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    六篇の短編集。
    怖い女。この物語に出てくる女達は、普通は、一般的には怖いと思われる存在であろう。狂気じみたキチガイと言っても差し支えない。
    が、しかし、この「普通は」「一般的には」ってのが癖もんで。
    道を歩けば、電信柱がそこらじゅうに散見されるように、この類のメンヘラはありふれてる。
    法の弾劾場に立たぬ限り、一見狂気じみたここで物語れる女性達は日常に溢れている。
    メンヘラって言葉が流布されるようになってから、相当イカれてても、ある種の許容というか麻痺が生まれてるな。
    いや、これらを普通だと感じてしまう自分が感覚ズレを起こしてるのか...

    短編の中での一番ごとに緩急をつける手腕は、さすが柴

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    2020年03月25日
  • 下山事件 最後の証言 完全版

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    ネタバレ

    戦後の動乱冷めやらぬ時期、「松川事件」「三鷹事件」と共に国鉄の3大事件と呼ばれる謎多き事件。いつかは読みたいと思い続けていた「下山事件」のノンフィクション。

    昭和24年7月、GHQの占領下にあった日本で、国鉄総裁だった下山定則が轢死体で発見された「下山事件」。自殺説、GHQ、CIAの陰謀説、大量馘首に端を発した労働組合による殺人、ソ連による暗殺説など様々な説が取りざたされながら、今も真相は闇の中に沈み、関係者もほとんどが鬼籍に入っている。
    筆者は、事件にかかわったかもしれない男の孫として、貴重な親族の証言を得ながら、これまでのジャーナリストとは違った切り口で事件を検証していく。

    一人の男が

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    2019年08月16日
  • 怖い女の話

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    怖い女かもしれないけれどあまり斬新さとか驚きはなかった。男の思う怖い女と女の感じ方は違うのかもしれない。
    なんとなく普通にありそうな感じ。
    でも、『さがしもの』の犯人がわかった時はいやだった。かなりいやで生理的に耐えられない。

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    2019年07月07日
  • クラッシュマン

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    第42回先進国首脳会議、通称「伊勢志摩サミット」。
    現在進行形の史実に基づいたタイムサスペンス。
    当時、イスラム国によるテロが多発していた。
    ISIS,ISIL。
    また、当時起こった熊本地震への国の対応へも痛烈な批判も交えながら、物語は進む。
    前作『デッドエンド』のキャラも登場し、読者を楽しませてくれる。
    柴田氏には、ぜひトランプ大統領を題材にした現在進行形のサスペンスを書いてほしいものです。

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    2019年06月17日
  • Mの暗号

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    M資金。戦後史の闇に葬られた三十兆円の金塊。
    随分と手垢の付いた題材ではあるが、そこは柴田哲孝氏。圧巻である。
    GHQ、日銀、亜細亜産業、ライカビル、日本金銀運営会、フリーメイソン。
    柴田哲孝フリークとしては、心踊る内容だ。
    昭和戦後史の史実を巧みに織り交ぜた良い意味での荒唐無稽さ。しかしながら、圧倒的な説得力。
    本書は探偵要素が強いが、次作の『Dの遺言』は柴田氏本来の持ち味が存分に活かされているとのことで、期待大だ。戦後のどさくさに紛れて消えた数十万キャラットのダイヤの行方。

    改めて『下山事件』は衝撃的な一冊だったなー。

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    2019年01月09日