【感想・ネタバレ】下山事件 最後の証言 完全版のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年07月31日

戦後史上最大の謎といわれる「下山事件」。その実行犯は自分の祖父なのではないか? という疑問から始まる、とてもスリリングなレポでした。吉田茂、白洲次郎、伊藤律などなど、聞いたことのある人物の名前が次々と絡んできて面白かった。
自殺か他殺かも意見が別れるなか、最後の証人・柳井乃武夫が、「"自殺...続きを読む説"というのはまったく考えられない。線路上の轢死体を我々はマグロと言うんですがね。運転士には本当に迷惑な話なんです。それを運転士の親方の、運転屋で一生暮らしてきた下山総裁が自ら飛び込んでマグロになるなんて、絶対にあり得ないんです。当時の国鉄内部の空気としてはそうでしたね」と証言したというのは、泣ける。

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Posted by ブクログ 2018年05月10日

戦後の未解決事件としてあまりに有名だが、こうして詳しく内容を知ると、ますます興味深い。著者の祖父が本事件に深く関わったかも知れないことから進められる取材は、身内や核心に近い人物から情報を引き出すのに有利だったようだ。矢板玄氏への取材は緊張感と安心感があった。桜田会、M資金、松川事件・三鷹事件など戦後...続きを読むの暗闇が目前に姿を現した。下川総裁を殺すことで誰が得をするのか? という視点で読み進めたが、誰が損をするのかということで説明できそうだ。いずれにしても真実を知り得る人々は鬼籍に入り、解明の手段はもうない……

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Posted by ブクログ 2018年01月27日

 究明に至らず未解決のまま真相が闇に葬られた国鉄三大事件と呼ばれる事件があった。

 無人列車が暴走して線路脇の商店街に突っ込み死傷者をだした三鷹事件、
 夜間にレールが外され通過中の列車が脱線転覆し乗務員三人が死亡した松川事件、
 失踪した初代国鉄総裁下川定則が翌朝に轢死体となって発見された下川事...続きを読む件である。

 ある日、著者が親族との宴会の席で酔った大叔母が、兄は下川事件に関わってかもしれないと口走った。
 下川事件のことを全く知らない著者は、事件について調べていく。
 
 三越百貨店に運転手を待たせて入店した下山総裁は行方不明となり、翌朝常磐線の北千住綾瀬間で轢死体として発見された。
 自殺説、他殺説入り乱れて捜査が進むも、下山総裁は自殺したとされ一方的に操作は打ち切られた。

 調べるほどに他殺を裏付ける数々の状況証拠の先に、アジア産業があった。
 そこはGHQ、政治家、右翼など戦後日本のキーマンたちが秘密裏に集まるライカビル四階に、その会社は存在した。

 GHQとCIAの対立、国鉄利権、反共政策、全ての線の交点に下山総裁は立っていた。
 真実は明かされることはなく、これも数ある解の一つに過ぎない。
 しかし、真実に迫る実体感がある。戦後日本の国の成り立ちの裏が垣間見える。

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Posted by ブクログ 2017年10月16日

どんな事件なのかも知らずに読み始めてしまい、
第一次世界大戦やら第二次世界大戦、ポツダム宣言、GHQM資金といろいろと勉強しながら読んだ。難しかった…
誰が、何のために殺したのか?は はっきりはしなかったけど、大勢の欲が一部の正義とぶつかってしまった事件なのかなぁ~と…
なんだか、昭和ってすごい時代...続きを読むったった気がします。
こんなに勉強したのは久しぶりで楽しかった。

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Posted by ブクログ 2014年06月23日

「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、この本を読んでまさにそう思った。どんな推理小説よりも謎めいていて、また圧倒的に面白い。乱歩も横溝もこんな面白い作品は書けないだろう。むろん、ノンフィクションとはいえ著者の主観も入っているから、すべてが「事実」だとは思わない。著者の親族にインタヴュウしている...続きを読むので、そういった点も差し引いて考える必要はあるであろう。ただ、それでもやはり絶対的に面白く、また「途轍もない」作品であることには変わりはない。昔から未解決事件について関心はあったが、これほど深い闇が広がっているとは思いもよらなかった。キイ・パーソンを挙げてみても、一般に名前を知られているだけでも佐藤榮作や岸信介といった首相経験者や、笹川良一や児玉誉士夫といった大物がつぎつぎに浮上してきて、しかも相互になんらかの形でかかわりを持っている。よく知られた日本共産党やGHQといった陰謀説に加え、南満洲鐵道までかかわってきて、もうとにかく圧倒される。あまりにもスケールが大きいのだ。こういう戦いに挑んでゆく著者の姿勢もすばらしいが、それをひとつの物語として整理してゆくことがどれだけ大変なことであろう。自殺説、他殺説、陰謀説、替え玉説、言及されるそれぞれの内容じたいにも興味は持ったが、あえて結論は濁して書いてあり、また、矢板玄氏に対してすべてを訊けたわけでもなさそうだ。そういった部分での消化不良感はあるが、しかしそれも気にならないくなるぐらいのクオリティがあるので、とにかく読ませる作品になっている。読み終えたあとも、事件のことを調べずにはいられなくなる。わたしもまた「下山病患者」なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2014年03月12日

いや、これは...
久々に骨太というか...
読みでがある大作でした(^ ^;

ここんとこずっと「日常の謎」的なミステリばかりで、
こういう固く、太く、重いものとはご無沙汰で。
若い頃は落合信彦とかむさぼり読んでたし、
こういうものも決して嫌いではないのですが...
なかなか頭が着いていかず(^ ...続きを読む^;

とにかく話のスケールがでかい。
戦後国鉄の三大ナゾの事件の一つがテーマで、
GHQやらCIAやら総理大臣やらまで巻き込んで。

さらに満州事変から日中戦争、戦後の安保まで含む
その「大きな歴史の流れ」の裏面に隠されてきた
下山事件の真相に迫るというハラハラドキドキ。

しかもこの下山国鉄総裁轢死事件で大きな役割を果たす
「亜細亜産業」に筆者の祖父が務めていたという。

「もしや、まさか祖父が犯人なのでは」
という疑問から取材を始めた柴田氏。
身内だからこそ手に入れられた、
新出の証拠や証言を織り交ぜつつ、
これまでの「下山事件研究」各説を丁寧に参照し
事件の真相を暴いていく。

近代史に明るい方だと、もっと楽しめるのでせう(^ ^;
そして最後の最後に「特定した」実行犯は
さすがに名を伏せられております。

が、これがおそらく事件の真相なのだろうな...
と思わせられる説得力がある。
事件の直接関係者が、ほとんど鬼籍に入られた現在では
証明のしようもないとは思いますが。

そして、この本に書かれている内容が正しいとすると、
日本の「政府」というもののあきれた本質は、
決して今に始まったことではなく、
むしろ第二次大戦前から何も変わっていない、
という暗澹たる気持ちにもさせられる逸品(^ ^;

証言者を追って謎解きしていく部分は
ミステリのような感覚で読めます(^ ^
白州次郎氏だの、エリザベス・サンダース・ホームだの、
巷間で伝わる「美談」と全く違う側面が見えてくるし、
日本の「裏面史」としてもとても興味深い(^ ^

エンタテインメント作家でもある柴田氏の筆は、
適度に「息つく間」を与えてくれるので、
ノンフィクションにありがちな「読みにくさ」とは無縁。

とにかく登場人物が多く、混乱しがちなので、
メモを取りつつの一気読みをオススメします(^ ^

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Posted by ブクログ 2012年07月18日

面白いので5回読みました。

でも。誰がどんな理由で事件を起こしたのか?何度読んでも全く分かりません。少し前の事件関連本は、GHQが首謀としていたものが多かった気がしますが、実際はそんな単純なものでなかったということ。アメリカ、日本の企業、政治家達、それぞれがお互いを利用していたのだろうから、関係者...続きを読む全員犯人だ!とすればいいのかもしれません。

戦後混乱の中、貪欲に金と権力を追い続けた男達がいました。皮肉にもアメリカに占領され属国になる恐れのあった日本という国を救ってきたのは彼らです。金に汚くても世界と対等にかけひきできる強さをもつ政治家、クリーンだけど融通のきかないどこまでも真っ直ぐな政治家、時代はどちらかを必要とし、必要としなかった方は消される運命なだったのは仕方のないことだったのでしょうか。

権力、金に対する強い欲求は共感できないからこそ、それらに翻弄される男達の不可解な行動に嫌悪するどころか気になって仕方ありません。

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Posted by ブクログ 2012年06月25日

「私の祖父は、実行犯なのか?」昭和24年7月6日、初代国鉄総裁下山定則が礫死体で発見された「下山事件」の事である。

著者柴田が大叔母から祖父の法事の時にポツリと聞いた言葉、それが発端となり、「下山事件」を調べていく事になる。

調べていくうち出て来るのは、関東軍、満州鉄道、GHQの各機関、巣鴨プリ...続きを読むズンに拘置されている戦犯、戦後日本を率いた政治家達の様々な裏の繋がりが出て来る。

中でも柴田の祖父が在籍していた「亜細亜産業」という会社には政財界人、日米諜報員が蝟集していた。

柴田の他の親族も祖父の関係で、「亜細亜産業」と関係しており、それらの人達からも色んな情報がもたらされる。

G2というGHQ内の一組織と「亜細亜産業」との関係はかなり密なものであり、そこを中心として現在の我々には信じられない様な人物の名前が出て来る。

吉田茂、岸信介、佐藤栄作の政治家等はその代表的な例であろう。
また、ロッキード事件で一躍有名になった児玉誉士夫等の名前が出て来るのも注目である。

戦後、GHQ占領下の日本で、裏舞台でこのような人脈が作られ、様々な利権に絡む様な事が行われていたという事に驚き、ノーベル平和賞まで受賞した佐藤栄作などについても、信用出来なくなる。

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Posted by ブクログ 2012年05月26日

これこそドキュメンタリー。
情報を集め、真偽の根拠を持ち、仮定を立て、確認となる根拠の情報を探す。

容疑者の親類という特殊な立場からの視点ですが、中立性は崩れてないと思います。

一国支配できりゃなんだってできちゃいますねー。怖い怖い。

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Posted by ブクログ 2012年04月18日

前半の説明がくどく、中断してしまったが、後半はページを捲らずにはいられない、息を飲むシーンが多かった。
このような事件が、WWⅡ後の日本で多発していた事実に驚くとともに、闇に葬られたままでいることに悲しみを覚えた。

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Posted by ブクログ 2012年03月19日

戦後最大のミステリーと言われた昭和24年の国鉄総裁の怪死事件「下山事件」。「自殺」として、捜査が打ち切られたが、左派の犯行説、GHQによる謀略説などもあり、朝日新聞記者の矢田喜美雄氏や松本清張氏(「日本の黒い霧」の一篇)らによるノンフィクションや熊井啓監督の映画が有名だ。

ジャーナリストで作家の著...続きを読む者は、発生から既に50年以上を経たこの事件を、まったく違う動機からアプローチ。亡き祖父が、この謀略に関係していたかもしれない、というのだ。

祖父は貿易会社「亜細亜産業」の役員で、存命の親族にも同社関係者がいた…。数々の資料を再検討し、推理を巡らせながら「亜細亜産業」の統帥へのインタビューも試み、「核心」へと迫っていく。文庫本にして600ページを超える大著だが、決して飽きさせない。

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Posted by ブクログ 2011年09月23日

日本戦後史のミステリー「下山事件」の決定版。ノンフィクションライターである著者の祖父がこの事件に関わっていたのなら、この事件を調べなければいけないだろう。そんな義務感がヒシヒシと感じられる執念の調査。

一番の驚きは下山総裁が休憩した旅館員の証言に信憑性がなくなったこと。それだけでも、この本を読む価...続きを読む値はあった。

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Posted by ブクログ 2011年09月29日

戦後最大の謎・下山事件の真相に迫った圧倒的なノンフィクション。
タイトルに「最後の証言」とあるが、情報の多さや論理の深度の点において、まさに棹尾を飾るにふさわしい読みごたえ。

GHQ・右翼・CIA・三菱など、様々な利権と膨大な数の関係者から成る複雑な背後関係について丁寧に記述され、初めてこの事...続きを読む件に触れる私のような読者にも理解しやすい。

ただ、明らかになった事実と推測が山ほど盛りこまれ、少し散漫な印象を受けた。

膨大な情報を著者が消化しきれていないのか、それとも意図的に情報を取捨選択して提示しているのか、論理が錯綜している部分もある。
そのため、著者が知り得た真相が真実かどうかは読者には判断できない。

ノンフィクションと言うよりは、迫真のミステリとしてのめりこむようにして楽しんだ。

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Posted by ブクログ 2018年10月12日

ちきりんさんのブログを通して本書を知った。

3章までの面白さは素晴らしい。

下山事件という謎の多い事件(自殺?)について、
著者の親族の話を中心にして説明されていく。

後半は、同じような事実が繰り返されているような感があり、
登場人物も訳がわからなくってしまい、結局消化不良だった。

下山事件...続きを読むは真相が明らかになっていないとは言うけれど、
結局、世の中の事件すべて、犯人(とされる人物)が捕まっていようといまいと、
さらに言えば、事件であろうとなかろうと、「真相」などというものは、当事者以外には明らかにはならないものだ、と感じてしまった。

[more]
(目次)
第1章 血族
第2章 証言
第3章 総帥・矢板玄
第4章 検証
第5章 下山総裁はなぜ殺されたのか
終章 慟哭

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Posted by ブクログ 2018年05月13日


戦後史最大の謎、下山事件を扱ったノンフィクション。
著者の祖父が、戦中は陸軍、戦後はGHQの特務機関員であったと。
また、下山事件に大きく関わる亜細亜産業にいたという。
下山本の類はそんなに読んだことがなかったけど、これは実に読み応えのある一冊でした。
昭和史の事件を知ると実に、色々なものが見えて...続きを読む来るな。
満州から帰ってきて国鉄で働いていた、自分の爺さんを思い出す。

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Posted by ブクログ 2017年10月07日

下山事件そのものについては、遠くで聞いたことがあるかなぁ?程度のことだった。
たまたま本屋さんで目に入り興味を持って買ってみた。

まぁ・・・驚くことばかり、関わってくる人達もすごいし、色々が闇すぎて。

なんだか下山総裁がお気の毒としか言えない。

あんなことができちゃったことが恐ろしい。

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Posted by ブクログ 2017年07月17日

「文庫X」も凄いけど「下山事件」も凄い。というカバーの煽り文句に惹かれて購入しました。
お恥ずかしながら下山事件を知らなかったので、事件の凄絶さにまず驚き、日本の闇…と言っていいのか、そういうものにぐいぐい引き込まれました。ただ、あまりに登場人物や組織が多いので、読むのが難しかったです。多分、半分も...続きを読む理解できていない。時間ある時に、メモしながら再読したいと思います。

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Posted by ブクログ 2013年04月21日

下山事件についてのあらゆる事象からの推察と分析。下山事件についてこの本以上に検証した作品はないのではないか。
最後まで読むには根気が必要だった。しかし徹底した検証は驚異としかいえない。柴田氏に脱帽した。

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Posted by ブクログ 2012年10月13日

事実は小説より奇なり、とは本当ですね。マンチュリアンリポートの次に読んだということも偶然にしては奇妙でした。昭和、戦後の日本のことをもっと知らないといけないと感じたし、国民の知らないところで壮大な駆け引きが行われている政治の舞台はきっと現代も同じなんだろうな。郵政民営化の裏側にもアメリカがみえかく...続きを読むれ。。。けど読んだら私まで消されそうwで怖かったです。

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Posted by ブクログ 2012年04月18日

好きな作者の(KAPPAやRYUなど)処女作との事で手に取ってみた。
名前こそ知っていたものの、事件の内容は詳しく知らなかったので、
非常に勉強になった。
近代史が気になりだしたきっかけになった本。

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

 下山事件って他殺だったんでしょ?程度の認識しかなかったので、諸説を丁寧に解説していただき、誠にありがとうございます。って感じでとてもいです。
 
 混迷する戦後日本の裏側、それも相当汚い面を知りました。
 
 小説っぽいところもあるので、虚実入り混じっているのかなという感じは受けますが、核心はまち...続きを読むがっていないと信じたいです。
 
 情報量が多いので、簡略化した形で映像化してくれないかなと思います。

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Posted by ブクログ 2019年08月16日

戦後の動乱冷めやらぬ時期、「松川事件」「三鷹事件」と共に国鉄の3大事件と呼ばれる謎多き事件。いつかは読みたいと思い続けていた「下山事件」のノンフィクション。

昭和24年7月、GHQの占領下にあった日本で、国鉄総裁だった下山定則が轢死体で発見された「下山事件」。自殺説、GHQ、CIAの陰謀説、大量馘...続きを読む首に端を発した労働組合による殺人、ソ連による暗殺説など様々な説が取りざたされながら、今も真相は闇の中に沈み、関係者もほとんどが鬼籍に入っている。
筆者は、事件にかかわったかもしれない男の孫として、貴重な親族の証言を得ながら、これまでのジャーナリストとは違った切り口で事件を検証していく。

一人の男が殺されたというだけに留まらない、重く、深く、暗い事情が目の前に示されるとき、自分の暮らす国のこれほどの闇を知ることへの躊躇に何度か挫折しかかった。
好奇心だけでは言い表せない何かに突き動かされ最後まで読んでみたけれど、やはり真相はいまだ霧の中。ん~はっきりしない。当時、関わった数々の人物が、不審死を遂げた事実を思うと、すべてを明らかにするのは筆者とて危険なのかしら?

国を動かしているのは誰だろう?という素朴な疑問が消えない。同じ思いをグリコ森永事件のノンフィクションを読んだ時にも感じたのを思い出した。
警察の捜査はもちろん、政治家をも操る右翼やフィクサーと呼ばれる存在。GHQによる占領が終わると、経済によるある意味軍隊なき占領があり、では現在は?

関東軍、満鉄、国鉄に群がる利権、国鉄民営化構想・・・下山という一人の男の死を突き詰めていくと、戦前にまで行き着くという闇の深さに愕然とする。
そして、それは今に至るも大きくは変わっていないのかもしれない。国を動かしている力を本当には知らないんだな~と思い、知らない方が幸せなのかもしれないとしみじみ感じた読後でした。

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Posted by ブクログ 2018年12月17日

関係者の血縁者による、ルポタージュ。
自分が犯人の身内ではないかというところから始まるのがとてもキャッチーです。

未解決事件のノンフィクションだから当たり前ですが
、膨大な資料により、仮説立てをしても当然のことながら犯人を明示しません。

ちょっと残念。。

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Posted by ブクログ 2018年11月12日

事件関係者が親族にいるというだけで、この手の本を書くのには反則気味ですね。(^^;
何があったか程度に事件を知っている身にしては、隠されていた真相が明らかになってゆくくだりも、「そんなことがあったんだぁ」ぐらいの感想で、内容の貴重さを感じられなかったのが残念です。(^^;
ちょっと、もったいぶったよ...続きを読むうな部分とか、インタビュー時の状況を示した部分など、主題からちょっとだけずれている文章が、事実を系統立って把握するのを妨げている気がするのが、残念です。
まぁ、なんてぇか、「下山事件」(森達也)も持っている身としては、こっちを先に読んでおいて良かったなぁと思った事です。
インタビュアなんて、結構自分に都合がよいようにフィルタをかけて話を聞くもんだからね。(^^;

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Posted by ブクログ 2018年10月09日

「下山事件に自分の祖父が関与していたかもしれない」

事件には特に興味も知識もなかった筆者が、「大好きだった祖父のルーツ」を辿りつつ事件の真相に迫るドキュメンタリー。
面白い、興味深い、が、長い……。

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Posted by ブクログ 2017年06月18日

結局、名前は明らかにされたかったが、読み通せば彼の事だとわかる。勿論、作者なりの結論として。

しかし、占領時の日本の立場やその中で暗躍した人々、政治家、第三国人、いろいろ歴史の教科書では決して語られることのない暗部が語られており、とても興味深い。


こんど、武相荘の見学でもしてこようかな。

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Posted by ブクログ 2016年03月08日

先に「暗殺者たちの夏」を読んだが、そのきっかけとなっている本書を読んでみた。
森氏の本で「彼」の伝聞でぼやけていたところが明確になった。
また森氏の記述における誤りを訂正している。
昭和史に明るくないので最後のほうは難しかったが、身内が関わっているかもしれないが真相を知りたいという心を感じる一冊だっ...続きを読むた。

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Posted by ブクログ 2015年08月09日

佐藤栄作、旧731部隊、キャノン、旅館の女将、伊藤律、アジア産業、、怪しいとされた人や怪しい人など予備知識なくともも読める。著者は全貌がだいたいわかったと言い切る。真実がみんなのものとなる日が来ることを。

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Posted by ブクログ 2013年02月18日

 前半の下山事件の詳細は、分かりやすく参考になりました。小説のように読めました。
 これまでも多くのひとが検証しきて、様々な説を唱えており、年数もたっていいることから新説を導き出すのは難しかったのでしょう。だんだん話が広がってきて、最後の方ではユダヤ資本まで登場した時には、少しくらっときました。

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Posted by ブクログ 2012年08月20日

怖い、とても怖い。

柴田哲孝の筆にかかるとまるでピカレスク小説のようでもあるけれど、これは終戦後の日本で本当に起きた事件。

幽霊や超自然現象より、生きてるニンゲンのやることのほうが余程怖い。

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