柴田哲孝のレビュー一覧

  • デッドエンド

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    これまでの柴田哲孝の作品とは、ひと味違うタイプのハードアクション小説である。まるで、矢月秀作の作品かと思うようなエンターテイメント性の高い作品。

    大胆不敵にも刑務所を脱獄したIQ172の笠原武大は、警察の包囲網を掻い潜り、向かったのは…

    少しずつ明らかになる笠原の過去。笠原は目的を果たせるかと思えば、笠原の娘の萌子が笠原を狙う一味に誘拐される。笠原の命を狙う一味と笠原を追う公安警察の田臥健吾…

    主人公の笠原も魅了的だが、娘の萌子が非常に良い味を出している。初期のキャロル・オコンネルのマロリー・シリーズのキャシー・マロリーか、パトリシア・コーンウェルのスカーペッタ・シリーズのルーシーを彷彿

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    2016年09月16日
  • 黄昏の光と影

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    なんだかありきたりなタイトルだなと思って読んでみたけど、予想以上によかった。今まで知らなかった作家。二人の刑事が事件を追い詰めていく様子は松本清張ものを思わせる。丁寧な描写でスリルもある。奇をてらわない淡々とした文章は私の好み。ぐんぐん読ませる。たまたま大きな台風被害で日本が打撃をうけた今読んだのもなんだか奇遇だ。哀しい話だった。すべての人生は重いものだと思った。

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    2016年09月04日
  • 黄昏の光と影

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    を読んだあとに再読。
    同様の事件をうまく盛り込んで、地味ではあるが、少しずつ点と点を線に結んでいく刑事の姿勢がとてもいい。

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    2016年06月29日
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介

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    ハードボイルド好きです。
    渋く淡々と進み、主人公も割と普通の人というものと、
    おいおいこんなんありかよ!、
    というタイプがありますが、
    これはええっつ!そこまでいくか?、という感じですね。
    これもいいじゃない。

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    2016年03月14日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    時の国鉄総裁が暗殺された事件とだけ知っていたが、こんな裏事情があるとは知らなかった。多くの関係者があの世に行ってしまったので書けるようになったのだろうな。戦後の混乱期とはいえ、こんな無法がまかり通るというのは恐ろしい。犯人検挙にはいたらなかったものの、件の商会がさっさと解体されたのかどうかが気になる。

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    2016年02月14日
  • 黄昏の光と影

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    骨太で泥臭い警察小説。今どき、こういう警察小説は珍しく、まるでノンフィクションのような趣きを感じる。

    定年間近の刑事の片倉康孝は孤独死した老人と老人の部屋にあった女性の白骨死体の捜査をするうちに老人と女性の過酷な運命に触れていく。

    最後の最後まで見えない結末と片倉が執念で喪われた過去に迫る展開が面白い。派手さは無いが、じっくりと読ませる警察小説である。

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    2016年02月11日
  • 国境の雪

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    長かった… 脱北者の女性純子がどうやって 日本へ入るんだろうって そこだけが知りたかったのに 
    日本やアメリカ中国・韓国の偉い人たちの 策略や取引なんかもリアルに実名で出てきて 大ジョブ??って思ったわ!

    悲しい話ですね みんなそれぞれの腹ずもりがあって お金に絡んでいて 人一人の命なんかは ひとつの駒でしかないんですね 自分たちは暖かくて安心な場所にいるのに!!

    最後は「ああ…やっぱりね」って思いました。

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    2016年01月31日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    フィクションの形をとっているが加害者の子孫である著者が何年もかけて調べ上げたほぼ真実の経過はこの通りではなかったか.フィクションんあので帰ってわかりやすい.疑問点は本書の下山殺害の主な動機はロマンス社の名簿,これ以外にもいろいろあったと思う.それから静脈血は出血するとすぐ凝固してしまうのでこの方法では殺せないと思う.やっぱりどこかの動脈を切断して殺害したのファと思う.

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    2016年01月15日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    ネタバレ

    昭和史最大の謎と言われる事件の断片をフィクションで埋めて生まれたノンフィクション。
    今までもこの事件の謎を追う本を著している著者ならではの密度の濃さ、熱の高さが圧巻。
    真相は闇の中とはいえ、時の権力の怖さに震える。
    「利益」を守るためなら、人は鬼にも悪魔にでもなれるという事か。

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    2015年10月12日
  • 下山事件 暗殺者たちの夏

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    ネタバレ

    どこまでが作り話かわかりずいので、文庫になった証言本のほうが、事件を知るには良い。でも時代背景の説明や戦後の東京の雰囲気はこちらがよく書かれている。小説にしては事実を追うせいか、人物描写に思い入れが少なく、印象に残るキャラクターは皆無。旅館の嘘つき女将フクくらいか。

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    2015年09月24日
  • 異聞 太平洋戦記

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    事実に基づくフィクションとのことだが、異聞だけあってどこまで信じていいか解らないけど大胆な話ばかりで
    興味深く読み進めることができた。

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    2015年03月26日
  • 冬蛾 私立探偵 神山健介

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    シリーズ中では1番静かだけど、徐々に暗闇が深まる感じがして少し不気味だった。蛭谷一家と信人はどこに行ったんだ〜?

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    2015年02月02日
  • 秋霧の街 私立探偵 神山健介

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    神山健介シリーズ中、最もハードなボイルド(^ ^;
    これまでもかなり危ないことに首を突っ込んでいたが、
    今回はもうシャレにならないレベル(^ ^;

    「戦闘シーン」は、かなりど派手で
    神山氏自身も今作ではある一線を越える。
    ネタ自体もかなりヤバイネタではあるし。

    惜しむらくは、人物像がやや薄っぺらい印象。
    悪人はただ悪人で、善意の協力者はひたすら善で...
    ちょっと安いテレビの2時間サスペンスみたい(^ ^;

    悪人にも悪人なりの「抱えてる事情」があったりとか、
    そんな描写があると深みもリアリティも増すのでは...
    あと、薫の息子の彼女が妊娠したというくだり、
    果たして必要あったのだろうか.

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    2014年12月12日
  • チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕

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    日本という小さな島国に非常識な介入を行い続ける中国の狙いは何か…様々な事実を土台にストーリーを膨らませたシミュレーション小説。

    北海道の原野を中心に日本の国土を中国人が買い漁り、尖閣諸島の海域で領海侵犯を繰り返し、日本の海上保安庁と衝突を繰り返す中国船。東日本大震災までもが描かれ、中盤までは今、この瞬間に起きている事態を克明に描き、非常に面白いのだが、ラストが何とも残念。広げた風呂敷を畳み切れなかったようだ。

    尖閣諸島、小笠原の赤サンゴの密漁。日本に土足で踏み込み、自国に於いてもモラルの欠片も感じられない中国人。彼らは、やはりアメリカに替わり世界のトップに立とうとしているのだろうか。それに

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    2014年11月21日
  • 秋霧の街 私立探偵 神山健介

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    設定はそれほど凝ってるわけではないが、なかなか余韻の残るいい作品だった。シリーズ4部作だと思っていたが、次も出てるということで結構なことだ

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    2014年10月29日
  • GEQ 大地震

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    阪神淡路大震災から13年。日系ジャーナリストの松永はCHISATOと名乗る女性に導かれ、阪神淡路大震災の取材を始める。

    あの地震は人工地震だったのか?
    と言う説に基づいて、ストーリーは進みます。
    「人工地震」なんてまさか!と思いますが、この本を読んでいると「本当にこれは人為的に引き起こされた地震なのかもしれない」と素人である私は思いました。

    かなり説得力があるんです。この地震が起きたことによって誰が得をしたのか?とか政治的な陰謀も含め、本当にリアルでした。

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    2014年09月09日
  • 冬蛾 私立探偵 神山健介

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    深い雪に閉ざされた山奥の寒村。
    何かを隠している排他的な村人たち。
    平家の落人伝説と老婆が歌う不気味な機織り歌。
    さらにはウソばかりついている依頼人と、
    何を考えているのか分からない「弁護士」先生。

    ...と、舞台設定としては「これでもか」というくらい
    清く正しい横溝正史ワールド(^ ^;

    最初は近づかないことに決めていた神山探偵。
    が、好むと好まざるとに関わらず、
    徐々に事件に、いやこの村に「取り込まれて」いく。

    通行不可の橋を越えた先にある廃屋に残る
    連続猟奇殺人の痕跡。
    神山探偵の滞在中に新たに起こる惨劇。
    が、警察に届けようとすらしない村人たち...

    おどろおどろしい世界を描き

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    2014年05月28日
  • 異聞 太平洋戦記

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    太平洋戦争の史実の裏に想像力を掻き立てるものがこれだけあるなんて、、、。最後に義経が出てきたときには OH!だった。作者の取材力と筆力そしてイマジネーションに敬服する。

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    2014年05月02日
  • GEQ 大地震

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    ネタバレ

    人口地震の真相をさぐるジャーナリストの話。
    壮大なスケールの話がリアルに感じられ背筋が冷たくなりました。

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    2013年09月26日
  • 異聞 太平洋戦記

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    ネタバレ

    事実に基づいたフィクション、という帯に惹かれて衝動買い。しかしなかなか面白かった。
    東京大空襲を日本政府は事前に知っていた、山本五十六はアメリカに亡命しようとしていた、真珠湾攻撃はアメリカが事前に知っていたのは知られているが、そのことすらも日本は知っていた、そして最後はなんとチンギスハーンが源義経だった話。これはニヤリとさせられた。清国の清は清和源氏からきている、とか。
    この人への興味がわいてきた。次は国境の雪を読んでみよう。

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    2013年08月13日