柴田哲孝のレビュー一覧
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これまでの柴田哲孝の作品とは、ひと味違うタイプのハードアクション小説である。まるで、矢月秀作の作品かと思うようなエンターテイメント性の高い作品。
大胆不敵にも刑務所を脱獄したIQ172の笠原武大は、警察の包囲網を掻い潜り、向かったのは…
少しずつ明らかになる笠原の過去。笠原は目的を果たせるかと思えば、笠原の娘の萌子が笠原を狙う一味に誘拐される。笠原の命を狙う一味と笠原を追う公安警察の田臥健吾…
主人公の笠原も魅了的だが、娘の萌子が非常に良い味を出している。初期のキャロル・オコンネルのマロリー・シリーズのキャシー・マロリーか、パトリシア・コーンウェルのスカーペッタ・シリーズのルーシーを彷彿 -
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神山健介シリーズ中、最もハードなボイルド(^ ^;
これまでもかなり危ないことに首を突っ込んでいたが、
今回はもうシャレにならないレベル(^ ^;
「戦闘シーン」は、かなりど派手で
神山氏自身も今作ではある一線を越える。
ネタ自体もかなりヤバイネタではあるし。
惜しむらくは、人物像がやや薄っぺらい印象。
悪人はただ悪人で、善意の協力者はひたすら善で...
ちょっと安いテレビの2時間サスペンスみたい(^ ^;
悪人にも悪人なりの「抱えてる事情」があったりとか、
そんな描写があると深みもリアリティも増すのでは...
あと、薫の息子の彼女が妊娠したというくだり、
果たして必要あったのだろうか. -
Posted by ブクログ
日本という小さな島国に非常識な介入を行い続ける中国の狙いは何か…様々な事実を土台にストーリーを膨らませたシミュレーション小説。
北海道の原野を中心に日本の国土を中国人が買い漁り、尖閣諸島の海域で領海侵犯を繰り返し、日本の海上保安庁と衝突を繰り返す中国船。東日本大震災までもが描かれ、中盤までは今、この瞬間に起きている事態を克明に描き、非常に面白いのだが、ラストが何とも残念。広げた風呂敷を畳み切れなかったようだ。
尖閣諸島、小笠原の赤サンゴの密漁。日本に土足で踏み込み、自国に於いてもモラルの欠片も感じられない中国人。彼らは、やはりアメリカに替わり世界のトップに立とうとしているのだろうか。それに -
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深い雪に閉ざされた山奥の寒村。
何かを隠している排他的な村人たち。
平家の落人伝説と老婆が歌う不気味な機織り歌。
さらにはウソばかりついている依頼人と、
何を考えているのか分からない「弁護士」先生。
...と、舞台設定としては「これでもか」というくらい
清く正しい横溝正史ワールド(^ ^;
最初は近づかないことに決めていた神山探偵。
が、好むと好まざるとに関わらず、
徐々に事件に、いやこの村に「取り込まれて」いく。
通行不可の橋を越えた先にある廃屋に残る
連続猟奇殺人の痕跡。
神山探偵の滞在中に新たに起こる惨劇。
が、警察に届けようとすらしない村人たち...
おどろおどろしい世界を描き