柴田哲孝のレビュー一覧
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今年の1月に奈良地裁で検察の求刑通り無期懲役が山上被告に下された安倍元首相銃撃事件をベースにしたフィクション。
「小説だからどうとでも書けるでしょ」と言い切れるか?国を守るためにある情報機関や警察組織が時として隠し事をする自由主義国家におけるブラックボックスであることを知っていれば、J.F.K.暗殺と同様の疑惑が生まれて不思議はない、と私は思う。
著者も、安倍元首相銃撃事件の公式発表に強い違和感を持ったので、本書を書いたようで、ノンフィクションとして纏めるには情報が(おそらくは、かなり)不足していたためフィクションにしたようである(池上冬樹氏の解説から推測)。
小説として面白く読めるし、 -
Posted by ブクログ
安倍元総理銃撃事件をもとにしたフィクション。
二〇二二年七月八日。田布施博之元総理が奈良県の近鉄大和西大寺駅前で演説中に凶弾に倒れ死亡した。
実行犯は奈良市内に住む上沼卓也 四十一歳。男は警察の取り調べに対し
「母親が “ある団体” に入会した影響で家庭生活がめちゃくちゃになった。その団体を成敗しなくてはならないと思い、その団体と関係が深い田布施元首相を狙った…」と供述した──。
スゴイものを読んでしまった。
タイトルが もう『暗殺』だし…。
“フィクション”と謳われているから
“フィクション”と思って読んでいるけれど 現実の事件と あまりにもリンクしているので 読んでいて現実と -
Posted by ブクログ
本書は史実をもとにしたフィクションですが、タイトルに異聞とあるように定説や正史に疑問を投げ掛ける非常に興味深い内容でした。
私には史実とフィクションの境界線が曖昧で何が真実なのか正直分からなくなってしまった。
なので自分なりにどの部分が事実なのか調べてみて愕然とした。
「超空の要塞」
東京大空襲の陰謀論がテーマの話で、作戦指揮を取ったルメイの言葉に耳を疑った。
「日本の反撃は事実上なかった」
えっ日本軍は何をしてたの?と。
ルメイの作戦は非常にリスクの高い作戦にも関わらず米軍の損害は微々たるもので日本は10万人以上の犠牲者を出した。
なぜ日本は無防備だったのか?
私が調べたところによると、 -
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ネタバレ戦後の未解決事件(はっきりとわかってないと言う意味で)の代表とも言える下山事件を亜細亜産業が黒幕という観点で真相に迫ったノンフィクション小説。
事件発生から70年も人々を引きつける不思議さはそれこそがミステリー。アメリカ占領期で今の日本とは違う危うさ、思惑が東京には渦巻いていたと考えれば、時間的にはつながっているけど、他の国の物語のようにも思える。
これまで様々な黒幕説が言われていたけど、ここでは戦前から続く亜細亜産業が黒幕で、作者の祖父も関わっていたのではないかという疑念が発端。これまで長きにわたり、下山事件を調べてきた作者には、著書を出すごとに匿名に近い形で、新たな情報が提供されており -
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ネタバレ予約の順番が来るのを楽しみにしていたので一気読み。
前回の著作から新たに分かった事実を補完している。
前著を読んでいまだに関係者から情報が集まるのはすごい。
実行犯は亜細亜産業で決定的だなと思った。
他殺も決定的で、国鉄汚職や利権を奪われた人の恨みを買われた説が今や有力となっているが、GHQ陰謀説や共産主義主犯説など当時の社会情勢が複雑に絡み合っているからこの事件の複雑さがある。
...のではあるけれど真犯人はそういった社会情勢だからこそ、犯行動機がマスクされるのではと実行したふうにも解釈できる。
満足度★★★★。
実名を挙げないのはやはり裁判沙汰を避けるためなのかな? -
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柴田哲孝『侵蝕』徳間文庫。
2014年に講談社文庫から刊行された『チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕』の改題作。
ということは既読であった。
日本という小さな島国に非常識な介入を行い続ける中国の狙いは一体何か。本作は、様々な事実を土台にしてストーリーを膨らませたシミュレーション小説である。
北海道の原野を中心に日本の国土を中国人が買い漁り、尖閣諸島の海域で領海侵犯を繰り返し、日本の海上保安庁と衝突を繰り返す中国船。東日本大震災までもが描かれ、中盤までは今、この瞬間に起きている事態を克明に描き、非常に面白いのであるが、ラストが何とも残念だ。散々広げに広げた風呂敷を畳み切れなかったよう -
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柴田哲孝『生贄』徳間文庫。
2011年に徳間書店から刊行された『サイコパス』の改題作である。既読であるのは承知の上で、購入した。
『サイコパス』、すなわち本作『生贄』は、エミコ・クルーニルを主人公にした『The Profiler 悪魔は天使の胸の中に』の続編にあたる。どうせ復刊するならば第1作から刊行してくれれば良いのにと思った。全く徳間文庫のやることは理解出来ない。
ついでに言えば、最近の徳間文庫は不誠実である。山田正紀の『囮捜査官』シリーズの第5巻のリブート作を2022年秋に刊行するという触れ込みで、『囮捜査官』シリーズの第1巻から4巻までが復刊されたのだが、2025年5月17日現在 -
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柴田哲孝『ブレイクスルー』双葉文庫。
『デッドエンド』シリーズの第5弾。
少々、消化不良の点もあるが、なかなか面白いアクション冒険小説だった。柴田哲孝はシリアスな探偵小説や社会派ノンフィクション風小説の他に、このようなエンタメ小説もしっかり読ませてくれる。
淡路島に本社を構える人材派遣会社キマイラのモデルはパソナであろう。パソナは人材派遣で労働者から搾取に次ぐ搾取を繰り返して巨大化し、政府にべったり貼り付いて利権を貪り続けている悪徳企業である。
逃亡中の元北朝鮮工作員、グミジャこと金久美子は殺し屋として殺人の依頼を受けながら生き延びていた。ネットで淡路島の警備会社社長の殺害依頼を受け