柴田哲孝のレビュー一覧

  • 異聞 太平洋戦記
    初読みかと思っていたら『チャイナ・インベイジョン』の著者だった。どうりで史実を踏まえた展開が面白い! そして、それぞれの話題に妙な説得力がある。特に東京大空襲や真珠湾攻撃の真相が本書のとおりだとすると、背筋が寒くなる。史観が変わること請け合いである。「鬼の棲む山」は沖縄住民や下士官の反抗もなく守備隊...続きを読む
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介
    評価は4

    内容(ブックデーターより)
    姉の遺体を捜してほしい―。福島の私立探偵・神山健介は東京から来たモデル・中嶋佳子から奇妙な依頼を受けた。二年前、ストーカーが双子の姉を拉致。だが犯人は自殺し、姉はそのまま行方不明になっていた。手掛かりは「土の中から姉の声が聞こえる」という佳子の曖昧な話だけなの...続きを読む
  • WOLF

    人間の卑小さ、自然の偉大さが今回はより際立っている。
    人間の身勝手で、交配された雑種。
    餓えの凌ぎに人を喰う。

    柴田氏の動物シリーズは自然界に対する人間の傲慢さが巧く描かれるが、同時に東日本大地震の原発事故や日航機墜落事件などの災害時の国の隠蔽体質も同様に取り入れられている。

    これだけ、読み応...続きを読む
  • 下山事件 最後の証言 完全版
    下山事件そのものについては、遠くで聞いたことがあるかなぁ?程度のことだった。
    たまたま本屋さんで目に入り興味を持って買ってみた。

    まぁ・・・驚くことばかり、関わってくる人達もすごいし、色々が闇すぎて。

    なんだか下山総裁がお気の毒としか言えない。

    あんなことができちゃったことが恐ろしい。
  • 下山事件 暗殺者たちの夏
     人名が多くて覚えられなくて、読むのが大変で1ページ2分くらい掛かった。半分ノンフィクションみたいな小説なので、資料性がある分エンタメ性が低いのではないだろうか。下山総裁が殺される場面が生々しくて怖かった。戦争で人を殺していた人が戦後暗躍している感じも生々しかった。他殺説を封殺するために人事異動をし...続きを読む
  • チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕
    実在の地名、人名、事件等を巧みに使い、危機管理意識が希薄な政治家、政府、自治体などの複合要因から中国に付け込まれていくフィクションを構成する筆致で、物語世界に引き込まれる。かなり以前に情報番組で広大な土地に中国領事館を建設する問題を扱っていた記憶はあるが、危機感はまったくなかった。日本侵蝕とは言い得...続きを読む
  • 下山事件 最後の証言 完全版
    「文庫X」も凄いけど「下山事件」も凄い。というカバーの煽り文句に惹かれて購入しました。
    お恥ずかしながら下山事件を知らなかったので、事件の凄絶さにまず驚き、日本の闇…と言っていいのか、そういうものにぐいぐい引き込まれました。ただ、あまりに登場人物や組織が多いので、読むのが難しかったです。多分、半分も...続きを読む
  • WOLF
    私の生活している埼玉県秩父市の周辺の奥秩父の山の中が舞台の絶滅したはずのオオカミが主人公の作品。なかなか読み応えのある一冊です。
  • WOLF
    傑作。最初から最後まで緊迫感が絶えなかった。最後の結末も神秘的な余韻が心地良い。
    あらすじ(背表紙より)
    ノンフィクション作家・有賀雄二郎のもとに、林野庁の埼玉環境保全担当から突如連絡が入った。奥秩父の両神山の麓に“山犬”らしき大型動物の群れが徘徊しているという。息子の雄輝と共に現地に向かった有賀は...続きを読む
  • 国境の雪
    登場人物全員が悪者(^ ^;
    もう誰も信用できない...という鬱々とした気分になる(^ ^;

    はからずも、二冊続けて東アジアが舞台の
    もんのすごいハードなボイルドを読んだことになる。
    今回の主な舞台は中国。

    本作の特徴は、小説で有りながら、
    中国、北朝鮮、韓国、日本、アメリカなどの
    当時の政治家...続きを読む
  • 黄昏の光と影
    なんだかありきたりなタイトルだなと思って読んでみたけど、予想以上によかった。今まで知らなかった作家。二人の刑事が事件を追い詰めていく様子は松本清張ものを思わせる。丁寧な描写でスリルもある。奇をてらわない淡々とした文章は私の好み。ぐんぐん読ませる。たまたま大きな台風被害で日本が打撃をうけた今読んだのも...続きを読む
  • 黄昏の光と影
    を読んだあとに再読。
    同様の事件をうまく盛り込んで、地味ではあるが、少しずつ点と点を線に結んでいく刑事の姿勢がとてもいい。
  • 早春の化石 私立探偵 神山健介
    ハードボイルド好きです。
    渋く淡々と進み、主人公も割と普通の人というものと、
    おいおいこんなんありかよ!、
    というタイプがありますが、
    これはええっつ!そこまでいくか?、という感じですね。
    これもいいじゃない。
  • 下山事件 暗殺者たちの夏
    時の国鉄総裁が暗殺された事件とだけ知っていたが、こんな裏事情があるとは知らなかった。多くの関係者があの世に行ってしまったので書けるようになったのだろうな。戦後の混乱期とはいえ、こんな無法がまかり通るというのは恐ろしい。犯人検挙にはいたらなかったものの、件の商会がさっさと解体されたのかどうかが気になる...続きを読む
  • 国境の雪
    長かった… 脱北者の女性純子がどうやって 日本へ入るんだろうって そこだけが知りたかったのに 
    日本やアメリカ中国・韓国の偉い人たちの 策略や取引なんかもリアルに実名で出てきて 大ジョブ??って思ったわ!

    悲しい話ですね みんなそれぞれの腹ずもりがあって お金に絡んでいて 人一人の命なんかは ひと...続きを読む
  • 下山事件 暗殺者たちの夏
    フィクションの形をとっているが加害者の子孫である著者が何年もかけて調べ上げたほぼ真実の経過はこの通りではなかったか.フィクションんあので帰ってわかりやすい.疑問点は本書の下山殺害の主な動機はロマンス社の名簿,これ以外にもいろいろあったと思う.それから静脈血は出血するとすぐ凝固してしまうのでこの方法で...続きを読む
  • 下山事件 暗殺者たちの夏
    昭和史最大の謎と言われる事件の断片をフィクションで埋めて生まれたノンフィクション。
    今までもこの事件の謎を追う本を著している著者ならではの密度の濃さ、熱の高さが圧巻。
    真相は闇の中とはいえ、時の権力の怖さに震える。
    「利益」を守るためなら、人は鬼にも悪魔にでもなれるという事か。
  • 下山事件 暗殺者たちの夏
    どこまでが作り話かわかりずいので、文庫になった証言本のほうが、事件を知るには良い。でも時代背景の説明や戦後の東京の雰囲気はこちらがよく書かれている。小説にしては事実を追うせいか、人物描写に思い入れが少なく、印象に残るキャラクターは皆無。旅館の嘘つき女将フクくらいか。
  • 異聞 太平洋戦記
    事実に基づくフィクションとのことだが、異聞だけあってどこまで信じていいか解らないけど大胆な話ばかりで
    興味深く読み進めることができた。
  • 冬蛾 私立探偵 神山健介
    シリーズ中では1番静かだけど、徐々に暗闇が深まる感じがして少し不気味だった。蛭谷一家と信人はどこに行ったんだ〜?