柴田哲孝のレビュー一覧
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柴田哲孝『侵蝕』徳間文庫。
2014年に講談社文庫から刊行された『チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕』の改題作。
ということは既読であった。
日本という小さな島国に非常識な介入を行い続ける中国の狙いは一体何か。本作は、様々な事実を土台にしてストーリーを膨らませたシミュレーション小説である。
北海道の原野を中心に日本の国土を中国人が買い漁り、尖閣諸島の海域で領海侵犯を繰り返し、日本の海上保安庁と衝突を繰り返す中国船。東日本大震災までもが描かれ、中盤までは今、この瞬間に起きている事態を克明に描き、非常に面白いのであるが、ラストが何とも残念だ。散々広げに広げた風呂敷を畳み切れなかったようだ。
尖閣諸島、小笠原の赤サンゴの密漁。日本に土足で踏み込み、自国に於いてもモラルの欠片も感じられない中国人。彼らは、やはりアメリカに替わり世界のトップに立とうとしているのだろうか。それにしても、中国の遣り方は非常識過ぎる。
しかし、中国に付け入る隙を与えた日本にも非はある。2009年にはGDPがアメリカに次ぎ世界2位だった日本は2010年には中国に抜かれ、世界3位に転落した。さらに数年前にドイツにも抜かれた日本はついに世界4位まで転落するなど、日本の経済力は年々低下している。原因はグローバルを見据えた経済対策、産業改革を推進出来ずにインバウンドに頼り過ぎた日本の政治家にある。そして、日本政府が、中国だけでなく、タイやフィリピン、ベトナムからの労働者や留学生、研修生の類を無制限に受け入れたことが、日本の国力低下を決定付けた。
最近でも、中国人による都内の高級マンションの購入が相次ぎ、都内のマンション価格は高騰しているという。さらに中国人がオーナーとなった賃貸マンションでは急に家賃が上げられたり、エレベーターが停められたりするなどトラブルが相次いでいる。
都内だけでなく、地方の田舎の休耕地や山林を中華資本の企業が買い取り、無計画に太陽光発電のパネルを設置し、土砂災害を誘発させるなどのトラブルも発生している。
さらには、日本に移住した中国人が国民健康保険制度で医療サービスを受けたり、生活保護や様々な社会保障サービスを受けているのも事実である。
台湾有事と騒がれているが、日本も何時、中国に侵略されてもおかしくない状況にあるのだ。
本体価格1,000円
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Posted by ブクログ
柴田哲孝『生贄』徳間文庫。
2011年に徳間書店から刊行された『サイコパス』の改題作である。既読であるのは承知の上で、購入した。
『サイコパス』、すなわち本作『生贄』は、エミコ・クルーニルを主人公にした『The Profiler 悪魔は天使の胸の中に』の続編にあたる。どうせ復刊するならば第1作から刊行してくれれば良いのにと思った。全く徳間文庫のやることは理解出来ない。
ついでに言えば、最近の徳間文庫は不誠実である。山田正紀の『囮捜査官』シリーズの第5巻のリブート作を2022年秋に刊行するという触れ込みで、『囮捜査官』シリーズの第1巻から4巻までが復刊されたのだが、2025年5月17日現在、未だにリブート作は刊行されていないのだ。『囮捜査官』シリーズは全巻既読であるにも関わらず、リブート作を楽しみに第1巻から4巻まで購入したのに、何たる仕打ちであろう。
色々と徳間文庫に対する愚痴を書いてしまって申し訳ない。
さて、本作。近年、余りお目にかからなくなった猟奇連続殺人鬼をテーマにした小説である。余りにも出来過ぎのような設定であるのだが、二転三転するストーリーはまあまあ楽しめる。
作中に登場するパトリシア・コーンウェルのノンフィクション『真相 “切り裂きジャック”は誰なのか?』では画家で役者のウォルター・シッカートが切り裂きジャックであると断言している。
歌舞伎町で発生した外国人女性連続殺人事件。
夜明けの新宿歌舞伎町の大久保公園で、何かの肉塊を貪る夥しいカラスの群れが目撃される。よく見ればその肉塊は顔を剥ぎ取られた金髪の外国人女性のバラバラ死体であった。さらに歌舞伎町の廃ビルでオブジェのように飾られた外国人女性の損壊死体が発見され、身体には『私は自分のために生きている』という文言が残されていた。
その文言は切り裂きジャックの正体に迫ったパトリシア・コーンウェルのノンフィクション『真相 “切り裂きジャック”は誰なのか?』にのみ記載されている文言だった。犯人は切り裂きジャックを模倣しているのか……
西新宿署の城島刑事は、元FBI捜査官のプロファイラー、エミコ・クルーニルに捜査協力を要請する。
エミコは付き合っている作家の沖田幸輝が7年前に書いた『サイコパス』という短編が一連の事件と酷似していることに気付く。
本体価格920円
★★★★ -
Posted by ブクログ
柴田哲孝『ブレイクスルー』双葉文庫。
『デッドエンド』シリーズの第5弾。
少々、消化不良の点もあるが、なかなか面白いアクション冒険小説だった。柴田哲孝はシリアスな探偵小説や社会派ノンフィクション風小説の他に、このようなエンタメ小説もしっかり読ませてくれる。
淡路島に本社を構える人材派遣会社キマイラのモデルはパソナであろう。パソナは人材派遣で労働者から搾取に次ぐ搾取を繰り返して巨大化し、政府にべったり貼り付いて利権を貪り続けている悪徳企業である。
逃亡中の元北朝鮮工作員、グミジャこと金久美子は殺し屋として殺人の依頼を受けながら生き延びていた。ネットで淡路島の警備会社社長の殺害依頼を受けたグミジャはバイクで島に乗り込み、あっさりとターゲットを射殺する。しかし、直ぐに高速道路が封鎖され、グミジャは淡路島から脱出不能となった。
そんな中、金沢大学で学ぶ天災女子大生の笠原萌子は人材派遣会社キマイラの企業説明会に向かい、消息を絶った大学の2人の友人を捜すため、バイクで淡路島を訪れる。グミジャに間違えられた萌子は元任侠道義会の警備会社のヤクザたちに生命を狙われる。萌子は危機一髪のタイミングでグミジャに助けられる。
萌子の父親である笠原武大は、かつてグミジャに監禁されたことがあり、萌子のことを覚えていたのだ。萌子も父親からグミジャの噂を耳にしていた。2人は行動を共にし、ヤクザたちの追手から逃れ、淡路島から脱出を図る。萌子とグミジャはヤクザたちに追われ、銃撃されると、突然現れたイザナギと名乗る三尾義政というヤクザ崩れの男に助けられる。
一方、萌子の父親の笠原武大は萌子の連絡が途絶えたことを訝しく思い、萌子の友人の父親で寺の住職、茲海と共にバイクで淡路島に渡る。
本体価格850円
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スーダンで自衛隊が武力行使して日本人を含む民間人を救出した時に相手を殺した。事件の報道も真実が語られず、特殊部隊(元親族などいない者が当てられていた)の6人のうち、3名が数年後の日本で同じ頃不審な死を遂げる。生き残った3人は別々に暮らしていたが集まり、原因を探る。スーダンで救出した長谷川麻衣子が最近帰国していることを知り彼女とコンタクトを取るのだが…。
最初は日本の上層部が事件抹消のために動いているのかと思いながらもどんどん動いていく展開にハラハラしながら読んだ。うわー、そういうことだったか、と最後はちゃんと納得させられます。こうやって裏で潰されているハードな出来事って、本当はあるのかな。そして、特殊部隊能力スゴすぎ。ハードなバトルもの大好きな人はオススメの一冊です。割りと展開は単純に進んでいくので(1組必要だったか?というモブチームいましたが)読みやすかったです。
たくさん人が死ぬので、高校以上。個人的には中学生から。 -
Posted by ブクログ
1990年代の『中米経済同盟』により、経済実態を無視した人民元の大幅切下げ断行を認めたのは米民主党のクリントン政権。目的は、"日本の経済と輸出企業潰し"そのジャパン・パッシングは、アメリカ経済を脅かすさらに厄介な敵-怪物-を作り出してしまった。可哀想なのは、日本だ。アメリカに散々貢がされ、輸出企業を骨抜きにされ、さらに基地問題では徹底で絞り上げられている。しかも中国には70年以上も前の『南京事件』ーあの事件も人口以上の市民が日本軍に虐殺されたと主張する矛盾と欺瞞の産物だーを種に、ODAが終了した後も、無償援助を威し取られている。
中国がドル国債を売りに転じたら、どこの国がその分を買い支える。EUは破産寸前だし、韓国などものの数にも入らない。そうなると、日本しかないだろう。以前は小泉が日本の郵便貯金と保険金をアメリカに差し出してドル国債を買い支える約束をした。今度は野田が、消費税を差し出す。それが伝統的な日米関係だろう。