吉見俊哉のレビュー一覧

  • トランプのアメリカに住む

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    トランプというある意味で異常な人物が大統領になったということが、著者によればレーガン時代(1980年代)から始まっていた米国の分断化、そしてネットを通してのフェイクニュースが影響を持ち始めていたことの流れの延長線上にある。そのことを理解できた気がする。まともな報道が信じられなくなり、世界に繋がっているはずのネットが実は自分と同様の考え方をする人たちだけに囲まれた「フィルターバブル」に閉ざされた世界であり、その中のニュースが真実であると思い込んでしまう。トランプ自身がそのような中で生きてきたのだと痛感する。ロシアが米大統領選挙に介入したという疑惑に間違いはないことを確信した。これからますますこの

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    2021年06月12日
  • 東京裏返し 社会学的街歩きガイド

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    路面電車を復活させるとか、高速道路を取り払うとか、もっと川筋や水上交通などをとか、面白い提言もたくさんあり、大学や渋沢栄一のことなども面白かったけれど、吉原の遊女たちの悲惨さ壮絶さや平将門のあたりはずっしりと重たくなった。どんな都市も多くの死の上に成り立っているのだから、避けても通れないわけだけれど。ピカピカのビルやタワマンの下に、死や怨が重なっていくつもの歴史の層を成している。

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    2021年02月13日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    #大学はもう死んでいる ? #刈谷剛彦 #吉見俊哉 #集英社新書 #読書記録

    283ページの新書の中で、日本の大学改革についてから、グローバル人材の定義、日本の大学と知と出版について、日本の大学の成り立ち、難しさ、優位性についてまで、幅広く語られる。
    最後は、それまで端端で語られてきたように、オプティミズム。


    語られる中で、自分の仕事に結びつけて、考える。それは、大学改革というテーマに関わらず、人の生き方や、考え方や、動き方について。
    これが、いわゆる知なのだろうと、文系の学問の意味のものすごい狭ーいけれど、発展的なものなのだろうとも思う。

    脳に汗が出るほど考える、思考する日々を、学

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    2021年01月31日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    いちおうプロの大学職員だと思ってるので、このタイトルに食指は動かない。むしろ副題には嫌悪感を抱く。それでも購入したのはやはり、苅谷×吉見両先生への“信頼感”だと思う。オックスフォード内で行われた対談は、若干拡散気味だが、どんどん読み込めた。
    「もう死んでいる?」としながら、基本的に楽観な内容に共感し、「大学が遊びに満ちた結界(p279)」であり続けられるよう行動しようと思った。

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    2020年11月01日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    ネタバレ

    苅谷剛彦さんと吉見俊哉さんの対談形式の本。
    教授や大学運営の立場から割と書かれていて、オックスフォードとハーバードで教鞭をとった経験から、日本国内の大学状況を比較して課題を論じあっていた。

    全体としては日本の大学は経済ナショナリズムの延長にあって大学とは何か、という理念の部分が欠けている、というようなことを言っていたと思う。
    大学制度や組織だけを変えようとしても解決できない課題だと思った。

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    2020年10月03日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    大学とは、大学の本質とは何か?
    日本と欧米、ハーバード・オックスフォード・東大の違い
    について、2人の教授が鼎談する内容。
    知の追求とは何かがちょっとわかる気がします。

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    2020年08月23日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    エモーショナルな部分を含む知の交流、人と人との出会いが、教育や学問の根底にはある。それが魅力的なのは「楽しい」からだ。


    あれだけロジカルな苅谷さんが、最後、「楽しい」という感情で結論づけてしまうあたりが良かった。

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    2020年08月19日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    海外大学から俯瞰的に見ながらも、現実的に実現が難しい点について論者二人とも十分に理解できていないと感じた。大学人に読むことは薦めない。

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    2020年01月21日
  • カルチュラル・スタディーズ

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    カルチュラルスタディーズをイギリスを中心とした経緯について知るには薄くていい本である。マルクスの影響がいかに大きいかについてよくわかる。付録の文献が充実しているので、カルチュラルスタディーズを論文で扱うための基本書である。

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    2019年09月02日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    ネタバレ

    「文系は役に立たないからいらない」「文系は役に立たないけれども価値がある」という議論を批判している。「文系は必ず役に立つ」らしい。「価値の軸を創造する力」「既存の価値を相対する力」が文系の知にはあるようだ。
    私は文系人間だが、べつに価値がなくてもいいし、役に立たなくてもいいと思っている。でも、下り坂の日本でこれからの時代を生きていく子どもたちが今までと同じ感覚で安易に文系を選択することはあまりよいことだとは思えない。
    いろいろな考え方があると思うが、大学に関する議論はそこに勤める人間の食い扶持ではなくて日本の将来や学生のことを第一に考えてほしい。

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    2019年08月16日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    理系と文系の「役に立つ」の違いは分かったが、じゃあ文系が理系のように稼ぐには(キャリアを作るには)どうしたら?たしかに理系の研究するなら若い方がいいのかもしれないが、最初に理系を学んで、社会人経験積んでから文系、というのがなんだかな。周りにも大学生(18~20歳に入学した、一般的な意味の)の時には文系だったけど、看護学校入り直したり会社で勉強してSEなってる文→理の進路を行く人も存在する。文系でも「短期的に」役に立てることがないとなかなか就職が厳しいのだよ。神の役に立つ、地球社会の未来に役に立つ、立派なお題目だけど、まず自分が自立できるだけの金を稼ぐのに役に立つ学問を学びたい。
    でも、「経済成

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    2019年05月14日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    「文系学部廃止」といったニュースがいかに歪曲されていたか、また世間の人々が「文系学部を役にたたない」と思っているか、その背景がよくわかった。文系の有用性を「長い期間でみれば役に立つ」と定義づけているが、そんなに長く待てない人たちばかりになってしまったことが何よりも問題。長文を読む気力もなく、すぐにリターンをもとめる人たちに対して、この言説は果たして有効だろうか。

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    2016年07月28日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    文系学部廃止の通知騒動をきっかけとして日本の大学の展望について論じる。大学だけの改革では何も変わらない気がする。ダブルメジャー,ダブル&マイナーの仕組みは面白いかもしれない。

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    2016年07月24日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    「大学の文系学部は廃止されるのか」という風評に流されず、丁寧にその風評の由来を解説し、文系学部を含めたこれからの大学のあり方を提言している。
    やや引用が気になるが、真摯に問題をとらえんがためのことであろう。

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    2016年05月31日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    <目次>
    第1章  「文系学部廃止」という衝撃
    第2章  文系は、役に立つ
    第3章  二十一世紀の宮本武蔵
    第4章  人生で三回、大学に入る
    終章   普遍性・有用性・遊戯性

    <内容>
    タイトルと内容はちょっと違って、文系学部が中心だが、大学そのものの生き残り策を提案している本。日本の社会がやや末期的状況の中、その一つが大学教育だ。定員割れの大学・学部が多くなり、とんでもないレベルの大学生(我々の時と比較して)が多くみられ、だからなのか卒業後の就職もおぼつかいない。策は、授業改革(私の嫌いなアクティブ・ラーニングを含めて=私は嫌いだが、大学教育には必要だと思う、や教養課程の再構築)・入試改革

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    2016年05月18日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    文系は役に立つ。
    約に立つための価値や目的自体を創造する価値創造型として役に立つという主張だが、イマイチピンと来なかった。
    これで文系廃止論に対抗できるのかどうか不安である。

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    2016年05月07日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    一般論に関する説明はわかりやすかったんですが、著者オリジナルの考え方の部分の説明が、わかりにくかったです。

    個人的には、「文系は役に立つ」の説明について、かなり物足りないというか、我田引水な印象を受けました。

    結論に違和感はないのですが、説明の過程には、かなりの違和感を覚えました。
    著者の他の本も読んで、もう少し理解を深めてみたいと思います。

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    2016年04月29日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    本書の内容を大きく分けると前半の文系学部廃止議論をトレースした第1・2章と、後半の文系以外の大学全般に対する考察をまとめた第3・4・終章がある。前半はあとがきにあるように、既に雑誌で公表済みのものでその意味では新規性に欠ける。出版社からは、予約購入前にこの点について説明があるとよかった。この点についてはあとがきに控えめに言及があった。同著者の前作からの接続を考慮すれば、第3章から読み始めるとスムーズだろう。逆に言えば、第2章と第3章の連関が十分といえず、それらの間にもう1章あると読みやすいと感じた。新書なので許容範囲とは思うが。

    前著でも力説していたように、本書でも「国民国家」と大学の関係で

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    2016年02月27日
  • 都市のドラマトゥルギー

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    〈演じる〉ことの根底にあるのは、間身体的な相互性を超越論的な審級との相互性に媒介していく、文字通りドラマティックな運動である。p354

    《あとがき》
    第一に、本書は、近代的な都市化のなかでの盛り場の意味的な機制の変容を、都市に集合した人々の相互媒介的な身体性の側から捉え返すことを目指したもの。

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    2015年08月01日
  • 大学とは何か

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    中世ヨーロッパを起源とする大学の歴史をコンパクトに解説.全4章構成で前半2章がヨーロッパ,後半2章が日本の大学を取り上げる.
    具体的には1章が中世ヨーロッパの古典的大学モデルを提示し.2章が近代ドイツを舞台として,フンボルト理念とそれに基づく近代型大学の誕生を描く.
    一転して3章では明治維新により近代化を目指す帝国日本が,当時先進国であったヨーロッパからいかにして学術体系,いいかえると知を輸入しようとしたのかを,帝国大学の誕生から叙述する.4章では敗戦によって崩壊した帝国日本がいかにして新生民主国家として再生するのかを,その一方で大学が戦前からの連続性を維持し,結果60年代末の大学紛争において

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    2014年08月05日