吉見俊哉のレビュー一覧

  • 大学は何処へ 未来への設計

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     日本の「大学」が劣化している。その一番の原因は、国民の無関心、誤解、保守的思考…。
     結局のところ「大学」を真に改革するには、日本の社会自体を改革しないといけない。しかし世間は社会の改革に乗り気ではない。だから日本の「大学」は、経済とともに国際競争から取り残されていく。

     そもそも、「大学とは何か」から始めなければ、改革は「ボタンの掛け違い」のまま悪化の位置図をたどる。それを歴史的経緯と並べて示したのが本書である。
     これを読んだ読者は、では何をすれば今日の窮地を改善させることができるのだろう…ただただ、途方に暮れてしまう。

     だが本書にはヒントもある。社会人も再び「大学」という場で学ぶ

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    2021年12月21日
  • 大学とは何か

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    「大学」という定義が歴史的にいかにゆらぎ、崩壊し、形を変えてきたのかを概観できる。「大学とは何か」に答えることではなく、この問いが成り立つ複数の地平の歴史的変容を捉えた本。
    あとがきでは、大学は自由を基本原理に据えたメディアだと定義。
    Keyは、「自由」やキリスト教思想、大学と出版文化の関係、にありそう。
    印象的な問いは「大学は誰のためか」。

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    2021年11月23日
  • 大学とは何か

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    大学の歴史を俯瞰して、大学とは何か、という問いに迫る。
    大学は中世ヨーロッパに端を発し、都市を基盤にして発展する。
    しかし、16世紀以降に印刷技術が発展し、越境的な知のネットワークを構築する。大学はこれに取って代わられる。
    19世紀になると、ナショナリズムを背景に研究と教育の一致という理念をかかげた国民国家型の大学が誕生する。翻って日本では、明治維新期に分野を先導する各国の学者を呼び、ひたすらに学知を移植する。そして戦後の複線化されていた高等教育機関の大学への一元化、大学紛争の混錬、文科省の大綱化、大学院重点化、国立大学法人化の施策について触れる。
    これらを踏まえ、大学とは何かといことを考える

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    2021年09月19日
  • 大学は何処へ 未来への設計

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    Excellent!さすが東大教授の大学論、Quality秀逸!
    日本の大学の①現状②経緯③世界の位置低下④入試至上主義
    コロナ禍で本質の問題が顕在化
    ①国家主導の画一化 個性化に逆行
    ②民間経営手法の導入 大学の喪失
    ③④⑤

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    2021年08月16日
  • 大学は何処へ 未来への設計

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    リンダ・グラットンの「LIFE SHIFT」を読んでからずっと、100年生活に「学び」をもう一度、組み込みたい(はやりのリカレント教育?)という気持ちがむくむく沸き上がっている自分にとっては、タイミンググッドな新書でした。一方で大学人というインナーサークルからの大学改革についての分析なので、悔恨、逡巡、もやもや満載です。章立てが序章「大学の第二の死とは何かーコロナ・パンデミックのなかで」第一章「大学はもう疲れ果てているー疲弊の根源を遡る」第二章「どれほどボタンの掛け違いを重ねてきたのかー歴史の中に埋め込まれていた現在」第三章「キャンパスは本当に必要なのかーオンライン化の先へ」第四章「九月入学は

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    2021年08月15日
  • 大学は何処へ 未来への設計

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    ネタバレ

    2021/7/17 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2021/7/26〜8/4

    これまでも大学の在り方について、著作を発表している吉見氏の本。コロナで遠隔授業が主体となった大学の、今後を、明治期以来の日本の大学の位置付けから読み解く。非常に 勉強になった。

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    2021年08月05日
  • 東京裏返し 社会学的街歩きガイド

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    大変面白かった。渋沢栄一と川の関係性に唸る。コロナ禍が落ち着いたら、この本を片手に歩いてみたい。地形を知ることで歴史を学び、自分の足で感じることで、街の見え方が変わってきそう。

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    2021年05月07日
  • トランプのアメリカに住む

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    アメリカの現状を細かに解説した読み応えのある好著だ.ライシャワー パラダイムの論考、非軍事的ナショナリズム/デモクラシー/日米安保体制を軸に戦後の日米関係の基礎を築いた由.「ハミルトン」が大好評なのは聞いていたが、就任前のペンス副大統領へのブーイングは面白い.菅総理へのブーイングはあるかな.TVドラマで復活版「ロザンヌ」でロザンヌ・バーが不適切なtweetで一夜にして首になった話も楽しめた.大学教育でハーバード大学のシラバスの素晴らしさとTA(Teaching Assistant)との連携が、密度の高い講義を創り出しているとの考察は多くの大学人に知らせるべきだと感じた.「日本のなかのアメリカ」

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    2020年11月30日
  • シリーズ日本近現代史 9 ポスト戦後社会

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    「東日本大震災」という大きな出来事が起こる前の著作ではあるが、90年代までの日本現代史を概観するのにうってつけの一冊ではないだろうか。
    いわゆる編年体の書物ではなく、社会学的な視点から日本(人)の歩みを記している。10年前の著作であるため、最終章のJカルチャー輸出の記述はやや古くなっている。

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    2020年05月11日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    巷で耳にする"そんなん学んで何になるの"という言説に漠然とした不安を抱えている文系学習者にお勧めしたい一冊。文系の知が役に立つことを述べてくれるだけでなく、個人的には文系の論文の構成について詳しく述べているので、論文作成時にも役立つと思う。
    吉見先生のゼミ、時間があれば参加してみたいな〜!今期のシラバスも凄かったそうな

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    2020年04月09日
  • 平成時代

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    まず1章で、世界の財界のことも、日本の財界のことも、私があまりに無知であることに呆れた。特に製造業のことが。
    政治や社会、文化についての章は、知識としては知っていても、それが何を意味するのか、という記述は私を内省へと導く。

    失敗からしか学べない。
    危機からしか変われない。
    著者の姿勢は、読む者を暗澹たる気持ちにさせるが、ここから強靱な思索が営めるかどうかが今、問われている。

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    2020年02月28日
  • 大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起

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    ネタバレ

    2020/1/22 喜久屋書店北神戸店で購入。
    2020/1/27〜1/30

    読む順リストを大幅に飛ばして読む。
    東大とオクスフォード大の教授お二人による対談形式で日本の大学と欧米の大学についての分析と批評が繰り広げられる。欧米がすべて良いわけではないが、文科省主導の日本の大学改革が良い方向に向かっていないのは明らかで、そのあたりの現状分析は鋭い。また、分析するだけでなく、対策なども議論されており、非常に優れた内容。順番を飛ばして読んだ価値があった。

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    2020年01月30日
  • 平成史講義

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    【本来ならば未来への道程が見通せなくなったときには、その未来への自らの構想力を改めて鍛え上げなければならない。それは、それまで当たり前と思われていることを問い直し、既存の安易な解決法を拒絶して、困難でも未来につながる道を選ぶ跳躍力を必要とする。これが、日本社会には存在しなかった】(文中より引用)

    平成とはいったいどういった時代であったのかを、政治や経済、教育や外交といった多角的な側面から分析した作品。著者は、東京大学大学院情報学環教授を務める吉見俊哉他。

    豊富なデータとともに、平成への一つの見方を提供してくれる一冊。一つの時代の輪郭を大まかになぞるのではなく、その時代を構成する様々な要素ご

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    2019年12月23日
  • 平成時代

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    日本の平成30年は失敗の歴史だった。のっけから強烈なメッセージを発する著者。そして、その失敗の具体例があげられる。

    グローバル社会、ネット社会に乗り遅れた日本企業たち。特に金融や家電業界では縮小、倒産が連鎖した。政治の世界では政権交代を繰り返しつつも、結局は与党一極集中と極端なポピュリズムだけが生き残った。さらに大企業と正社員に富が集中し、拡大する格差社会とそれに伴う少子化。そして、2つの大震災。

    こうしてながめてみると、たしかに平成はろくでもない時代だった。が、それなら平成後のネクスト安倍政権や東京オリンピック、消費増税などに希望があるのかと問われると、心もとない。

    批判的な眼で見れば

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    2019年10月22日
  • 平成時代

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    【一九八九年から二〇一九年までの「平成」の三〇年間は、一言でいえば「失敗の時代」だった】(文中より引用)

    タイトルずばり,平成とはいかなる時代だったのかを詳述した作品。特にその時代の「失敗」に焦点を当て,ポスト平成に求められるものとは何かにつき検討を重ねていきます。著者は,『トランプのアメリカに住む』等の著作で知られる吉見俊哉。

    かなり厳しい平成評であるため,著者があとがきで記しているように読んでいてかなり気分が重くなりました。しかしその厳しさ故に勉強となる教訓についても多く触れられており,平成以後を考える上で大変参考になる一冊だと思います。

    平成本は数多く発売されていますが☆5つ

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    2019年10月04日
  • 都市のドラマトゥルギー

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    【エキサイティングな都市社会論】

    ・きっかけ
    都市論の名著ということで東京史のおさらいもと思って積読状態に。

    ・要約
    東京の盛り場の形成と変遷を、そこに集まる人々による「上演」という視点で背後にある空間形成戦略と社会構造から読み解く。
    上京者のアイデンティティと未来性という軸から語る。

    ・感想
    いわゆる衒学的なきらいはあったが、関心分野だったので知的な興奮を覚えながら一気に読める。
    社会学的なアプローチとして、先人の議論の援用と膨大な資料による論証の作法は参考になる。
    都市空間を舞台とし、人々を演者ととらえ、さらにメディアの視点も交えつつ、丁寧に出来事をたどっていく作業。修論がベースとい

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    2019年05月15日
  • トランプのアメリカに住む

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    アメリカをめぐるさまざまな視点の中で、アメリカが壊れてきていることを論じている。ロシア疑惑、ワインスタイン、ロザンヌ、メキシコ、など切り口は多岐にわたるが、トランプの存在がその象徴として中央に存在することは間違いない。東アジアにおける日本も同様のアプローチが可能と思われるが、日本に出口はあるのでしょうか?

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    2018年12月29日
  • トランプのアメリカに住む

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    ネタバレ

    著者がハーバード大学で教えるためにアメリカはマサチューセッツ州ケンブリッジに滞在した、2017年9月から2018年7月までの間の滞在記である。時はトランプ大統領の就任1年目から2年目にあたる。当初の滞在目的は「あくまでハーバードの教育システムを内部に入り、それがどのように廻っているかを体験」することであったが、トランプ政権誕生で事情が変わった。この書もハーバードの教育システムにも触れるが、アメリカで次々と発生した「ポスト真実」「ラストベルト」「人種差別」「セクハラ」「銃乱射」といった問題に向き合い、アメリカの今を映し出すルポとなっている。
    興味深かったのは、ハーバード大学を扱った第3章、ラスト

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    2018年11月04日
  • 「文系学部廃止」の衝撃

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    タイトルがキャッチーすぎて、コアな人文系の人々が敬遠するのではないかと心配してしまうけれど、とても読みごたえのある良い本だった。

    教養とリベラルアーツの違い、文・理の区別の歴史的背景、文系は社会にとって長期的に役に立つということ、未来の大学像などなど、文学部の学生としては興味深い話題ばかり。

    日本の文系軽視の問題だけでなく、現代において「学ぶこと」の価値とは何かというところまで深く掘り下げているので、文系や大学関係者だけでなく、あらゆる人に読んでほしい。

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    2017年11月13日
  • 大学とは何か

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    中世のボローニア、パリ大学に始まり、イギリスのオックスブリッジ、そして19世紀のドイツでナポレオンの仏に押される中で、知の先進国としてのフンベルト大学の隆盛、そして20世紀はジョンズ・ホプキンス大学から米国の時代に。中世から近代にかけて大学が衰退し、近代知のパラダイムが浮上した時代があった!大学が学問的想像力を失い、古臭い機関に成り下がった時代があった!デカルト、パスカルスピノザなどが大学と縁があったのか!との指摘は興味深いものがある。日本の大学がドイツのフンベルト型大学をモデルに帝国大学を導入したとのこと。森有礼の理想、そして戦後は南原繁の考え方とプロテスタンティズムが日本の大学の方向性決定

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    2017年05月30日