吉見俊哉のレビュー一覧
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<目次>
はじめに 街歩きの文明論~狭く、曲がった、下り坂の楽しみ
第1日 駅から丘へ、丘から川へ、渋谷川筋を歩く
第2日 古川流域で高低差を実感し、町殺しの現場に遭遇
第3日 目黒川上流域のふたつの「川」と「まち」の地層
第4日 三田用水沿いに織りなされる軍都と自然
第5日 蟹川と新宿歌舞伎町の「裏」に広がる風景
第6日 青山・六本木・赤坂の川筋に見る軍都東京
第7日 都心の谷間から皇居を裏返す
<内容>
前著の時には感じなかった、東京の変遷を「街歩き」をしながら感じた。ブラタモリや暗渠巡り、近代の東京史などを読んできたか?実際に歩いてみたい。 -
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オリンピックや万博のような国家イベントの開催、成長の時代を再演するものとしてここに作動するメカニズムを、著者は「お祭りドクトリン」と名付けるのだが、多くの日本人が五輪や万博を「国民的なお祭り」として受け止める心性はどのように形成されたのか、それを著者は明らかにしようとする。
第Ⅰ章では、64年東京五輪の<舞台>に焦点が当てられる。軍用地から競技場への、軍都東京からオリンピックシティ東京への変容が論じられる。全国的にもかつての軍事施設が競技場や公園に転換したが、東京オリンピックにおいても軍用施設が主要会場に転用された。そして、代々木のオリンピック競技場及び選手村が作られた場所が米軍施設返還 -
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東京人21年10月号の特集「上野の杜の記憶」で著者とこの本を知る。
東京の東北部を七日間で歩いて過去を思い、感じて、未来を考えることのできる本。
ただし実際に歩くには、この本だけでは新書故の文量制限もあり、情報不足は否めない。特に地元民ではない者は事前の予習や地図アプリ持参などの準備が必要だろう。
第1日 都電荒川線に乗って東京を旅する 鬼子母神~雑司ヶ谷~巣鴨~王子・飛鳥山
第2日 秋葉原-上野ー浅草間に路面電車を復活させる 万世橋・秋葉原~上野~浅草
第3日 動物園を開放し、公園を夜のミュージアムパークに 黒門~上野東照宮~博物館動物園駅~寛永寺~不忍池
第4日 都市にメリハリをつけなが -
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トランプの切り口と、ハーバードの教育制度との2つの切り口でちょっと、観点がぶれているようにもおもえますが、いろいろな発見がありました。
東大教授が、トランプ統治下のアメリカで、ハーバードで1年間授業をもったものを扱っています。
気になったのは以下です。
■過去数十年で、日米の教育格差は縮まるどころか広がってきた。アジア、中国の台頭により、日本の役割は大幅に後退している。
■トランプのアメリカを理解する上での4つの視点
①ポスト真実化 フェーク
②階級の次元化 ラストベルトの白人層の支持、
③ナショナリズムと人種主義
④性差別と暴力の次元
■浮上するロシア疑惑
・トランプ政権とロ -
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1970年代後半以降のポスト戦後社会は、それまでに構築されてきた日本近現代の「時間」や「主体」が、自壊していくプロセスだったと言える。
高度成長期からの開発によって日本列島の自然は深刻なダメージを受け、産業の空洞化も進んだ。
また郊外化や核家族化の中で、日本人は内的自我を空洞化させていった。
新自由主義は、豊かさの幻想を打ち砕き、格差社会をまじまじと我々に見せつける。
これらをさらに促進する効果を持ったのが、グローバリゼーションである。
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日本の深刻な有り様から目を逸らすのではなく、それと向き合いながら悲観に陥ることなく希望や展望について思索していきたい。
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昭和天皇の死去と平成天皇の即位は、歴史の流れとは全く別の、特定個人の物語であるが、平成の始まりは、冷戦の終結やバブルの崩壊と不思議に重なっており、「平成史」というものを語る根拠となっているように感じる。
本書は平成の30年間を、色々な論者が、色々な側面(例えば、政治・経済・若者・教育、等)から論じたものを1冊にまとめたものである。1つ1つの論文は興味深いものもあれば、全然面白くないものもあるが、全体として平成時代の動きを想起させてくれる。
平成とは総じて言えばどういう時代であったのかについて、編者が述べている部分が何カ所かあるので、ここに引用しておきたい。
■総じて平成は失敗の30年であった -
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ネタバレ文理の格差は大学の法人化にある
P.59 東京帝大 第二工学部
P.62
…今日の私立工業大学の中核[例えば東京都市・工学院・芝浦工業]は、この戦後末期の工学系大拡張の副産物として生まれているのだ。
中でも東海大は大規模総合大学に発展した
P.63
…明治学院、青山学院、関東学院の三つの「学院」が一校への統合を迫られている。
…ミッション系ではない私学、たとえば明治大学や中央大学、立命館大学では、むしろこれをチャンスとばかりに工業専門学校を開設し、それが戦後、それぞれの大学において大規模な工学部に発展することになる。
P.68
…大綱化のなかで大学の「教養」と「専門」の敷居を取っ払 -
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【大学で何をするか、何をしたいか】
私はもう社会人になるため、私自身に活かせるかは分からない。
しかし、大学の教育がどうあるべきか以前よりも視野広く考えられたと思う。
特に今後のオンライン時代は、ミネルバ大学のような例は参考になる。
・日本人の興味は大学ではなく、大学入試にある
就職までのつなぎとしてのみ見られる。
→中身の薄さ
・ミネルバ大学はキャンパスを持たず、学生が4年間で複数の都市を移動し寮に住む。現地の企業やNPOと連携し、多様な環境に実際に触れることで、より実践的な議論をおこなう。
→机上の空論ではなく、経験をもとに考える
・大学での学び
→少人数での議論
オンラインでも十分 -
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欧州的ユニバーシティと奈良時代から官僚育成のために作られた日本的「大学」はイコールではない。中世旅する知識人のネットワークとして始まった学会。旅する知識人の集積場所、つまり多様性、独立独歩のユニバーシティ。
その違いがよくわかりました。
その分析を基に、21世紀ポストコロナの大学こそ、中世ユニバーシティをベンチマークにするべきではないか?と言う問いかけにとても共感しました。
校舎がなく、4年間半年毎に学生全員が世界を移動しながら学び続けるミネルバ大学。
経済に国境が無くなった社会を反映するには、大学も移動し続けるのは理にかなっていると思います。高城剛さんが「アイデアの質と量は歩いた距離に比例す -
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平成の30年をひとくくりにすると「失敗の時代」という著者の結論は否定できないだけに、笑えない結果である。企業経営、国民経済、そして政治的にも。4つの失敗が➀バブル崩壊、②阪神大震災、③2001年のNYテロ事件、④東日本大震災と福島原発事故がこの時代「日本が壊れていく時代」を象徴する言葉であることは間違いない。そして社会的にも幼女連続殺人の宮崎勤、オウム真理教、酒鬼薔薇聖斗事件なども失敗の時代を増幅するような出来事として書かれており、失敗の一環とのがりを感じざるを得ない。なお企業経営の失敗の中で、山一證券、東芝、シャープなどの事例にはあまりにも衝撃的だった。アルゴリズムによるフィルターバブルの時
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2020年のコロナ禍が一挙にオンライン授業を進展させ、大学は大きく変革させられたことから始まる。実は海外に比べて遅れていた日本の教育の現状が著者によって深刻な実態として心に迫ってくる。日本の失われた20年というのは経済、政治以上に教育において進んでおり、これは長く続く未来への深刻な影響が心配される。日本学生の海外留学者が減る一方で米国の大学へは中国、インド、韓国、台湾の学生たちが激増しているとは何と恐ろしい実態だろうか。それは若者たち自身の問題ではなく、日本の教育システムに問題があるという著者の深刻な問題告発である。日本の大学問題は入試改革ばかりに注目が集まるということは異常な姿なのだろう。そ