川副智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった…やっぱりクリスティー作品には登場人物たちの様々な会話、行動、思惑を絡め合わせて事件を複雑に見せる技術はもちろんのこと、それ自体に魅力があることがすごい!
そもそもポアロが外国人というのもあるけど、今回はイギリスの富豪の一家にスペイン人女性や南アフリカの青年も混じって、その土地で育った人々の個性が滲み出てくるような会話や人物描写が楽しかった。
あとこの作品の冒頭に、『マクベス』の引用がある。
「あの老人にこんなにたくさんの血があったなんて、だれが考えたでしょう……」
そして、クリスティーが義兄から「もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」をと望まれてこの作品を書いたことが記されている。
たしかにこの事件の被害者であるシメオンは、血溜まりの中で遺体として発見されたが…正直、時間が起きたときはこれだけ?と思ってしまった。
元気さと凶暴さ足りなくない?と…
でもポアロが暴いた真犯人は、思ってもみなかった人物で、その人物の立場からするとより一層事件の凶暴さが際立つ…
そして「血」!!
この事件はまさしくシメオンと同じ「血」が流れている人物によって行われたものだった…ここで冒頭のマクベスの引用を思い返すと、全く違う印象を受ける。なんと皮肉めいた言葉なんだろう…
解説でこの作品が『死との約束』のあとに書かれたものだと知り、なるほど、と思った。
たしかに家族の中に一人、殺される理由が十分にある人物がいて、という状況が全く同じだ。
これを中東からイギリスに舞台を変えて続けて書くことに、クリスティーの自分への自信を感じる。
たしかに今回はイギリスの暗いどんよりした雰囲気を楽しめた。状況は似ているけど全くの別物として読むことができた。
というかクリスマスが近いからぴったりだ!と思って読んだけど、全然クリスマスって感じじゃなかったな… -
Posted by ブクログ
ネタバレアリとダンテ、ふたりは最初から意気投合し、親友となった。やがて、ダンテはアリのことを好きになるが、アリはダンテを拒否する。
しかし、事故に遭いそうになったダンテを命懸けで救ったり、ダンテのために戦ったりするアリの姿に、アリの両親はアリの本当の気持ちに気づく。
何とも素晴らしい話だった。別に私は男同士が好き合う話が好きな訳ではない。(女同士の恋愛モノは何故か大好きだが。)ただ、自分の気持ちになかなか素直になれないもどかしさ、苦しさがこの時期の少年ならではの気持ちとしていきいきと書かれている本書は、とても好きだ。本書には性別云々と言うより、人として誰かを好きになることが書かれている気がする。
アリの両親、ダンテの両親(世代的には私と同年代くらいだな…)の子どもへの愛には驚かされた。最後まで自分の気持ちに気づけなかったアリの背中をひと押ししたのは、彼の両親なのだから。
ダンテの両親も息子の幸せを何より大切に願っている。親だって人間だから完璧ではない、だけどそういう完璧ではないところが好きだと言う少年たちを好ましく思う。
続編もあるようなので、楽しみに待つこととしよう。
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Posted by ブクログ
アメリカの作家ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著の長篇ミステリ作品『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落(原題:Shooting Script and Other Mysteries)』を読みました。
ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著は、昨年3月に読んだ『刑事コロンボ サーカス殺人事件』以来なので約1年振りですね。
-----story-------------
『刑事コロンボ』をはじめとする数々の推理ドラマで世界中を魅了した名コンビは、戦後アメリカ黄金時代のミステリー雑誌を飾った短編作家でもありました。
その貴重な作品をお届けする〈レヴィンソン&リンク劇場〉完結編!
長年勤めた会社を退職する男の最後の計画とは? 妻を殺した夫が落ちた罠とは?
極寒の米軍施設で兵士が知った犯罪とは?
人生のさまざまなシーンで起こる多様な事件をあざやかに描きだし、予想外の結末に導く手練の技を、ぜひご堪能ください。
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アメリカのミステリ専門誌『アルフレッド・ヒッチコック・マガジン』等に1959年(昭和34年)から1966年(昭和41年)に発表された短篇を収録し、2022年(令和4年)に刊行された作品です。
■ミセス・ケンプが見ていた(Suddenly, There Was Mrs. Kemp )1959/川副智子 訳
■生き残り作戦(Operation Staying-Alive)1959/仁木めぐみ 訳
■鳥の巣の百ドル(The Hundred-Dollar Bird’s Nest )1959/上條ひろみ 訳
■最後のギャンブル(One for the Road )1959/中井京子 訳
■記憶力ゲーム(Memory Game)1959/小堀さとみ 訳
■氏名不詳、住所不詳、身元不詳(No Name, Address, Identify)1961/高橋知子 訳
■ちょっとした事故(Small Accident)1961/木村二郎 訳
■歴史の一区切り(The End of an Era )1962/後藤安彦 訳
■最高の水族館(Top-Flight Aquarium )1962/後藤安彦 訳
■ロビーにいた男(The Man in the Lobby )1966/川副智子 訳
■解説 二杯目もアメリカン~レヴィンソン&リンクの短篇世界 小山正
予想外の結末に導く手練の技が見事に発揮された作品ばかりで愉しめましたねー 面白かったし、1篇が20ページ程度なので、とても読みやすかったですね……そんな中で特に印象に残ったのは、、、
妻を自殺に見せかけて殺すことに成功した男に脅迫者から電話が掛かってくる……脅迫者と殺人者の攻防の果てに思わぬ切り札が示される『ミセス・ケンプが見ていた』、
贅沢な生活を夢想する貧乏医師……ついつい犯罪に手を染める決断をしてしまう人物の皮肉な結末を描いた『鳥の巣の百ドル』、
抜群の記憶力を持つ男……肝心な時に実力を発揮することができない男の悲哀を描いたコントのようなオチの『記憶力ゲーム』、
自動車にはねられて記憶喪失になった男……唯一残された手掛かりはポケットに残された医師の名刺と1,000ドル紙幣をもとに自分の過去を探ろうとする『氏名不詳、住所不詳、身元不詳』、
15年間勤めた会社を退職する男が、彼に残された誰にも言えない大仕事を仕上げようとする……伏線の張り方と意表な展開が愉しめる『歴史の一区切り』、
の5作品かな……好みの作品ばかりで気軽に読めて満足必至の逸品揃いでしたねー この作品の前に『レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕』という作品が刊行されているようなので、こちらも読んでみたいな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレひょえ〜〜〜!そんな犯人もアリなのか!と思わず声が出てしまった作品。個人的に、先日読んだミステリーも〇〇が犯人で、〇〇も疑ってかからないといけないんだな、と少々複雑な気分です……。
それにしても。
クリスティーには「すごく面白い」か「面白い」作品しかありませんね、ええ。
タイトルがそのまま『ポアロのクリスマス』ということで、この時期が来るのを待ちわびていました。しかもこのタイミングで新訳版が刊行!
そのまえがきとして、クリスティーが義兄にあてたこんな言葉がありました。
「『もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」を読みたいと。どこからどう見ても殺人でしかありえないものを!
そんなわけで、これはあなたに捧げる――あなたのために書いた――特別なお話です。」
私は特別スプラッタものが好きというわけではありませんが、この不穏な出だしにはかなりワクワクしてしまいました。
大富豪の老人とその子供たちといえば、『パディントン発4時50分』も思い出されます。その際も個性豊かな子供たちが出てきますが、今作はそれがグレードアップ。
各々の人生、性格や考え方、他の家族との関係性が非常に丁寧に描かれています。そして彼らを支える妻たちも三者三様。だからこそ、すっかり「家族のストーリー」に惹き込まれて騙されてしまったわけですが。。
最後もハッピーエンドで、これが雨降って地固まるということでしょうか。彼ら「家族」が、これからはもっといい関係を築いていけたらいいなと思いました。
最後に、ミステリーにしては珍しく付箋を貼った場所をご紹介。こうした家族ならではの難しさって、万国共通なんでしょうね……。
p134
「で、家族が、一年じゅう離ればなれでいた家族たちが、また一同に会するわけです。そうした状況のもとでは、友よ、非常に強い緊張が生まれるということを認めなければなりません。もともと互いをよく思っていない者同士が、打ち解けているように見せなければならないというプレッシャーを自分にかけるわけですから!(略)でも、偽善は偽善です!」
p136
「無理してこしらえた状況は本来の反応を引き起こします」
(おまけ)p448
"わたしの場合は、いついかなるときとセントラル・ヒーティングだ……" -
Posted by ブクログ
アメリカの映画プロデューサー・テレビ番組プロデューサー・脚本家・作曲家・作家・映画監督作家「ノア・ホーリー」の長篇ミステリ作品『晩夏の墜落(原題:Before the Fall )』を読みました。
「アリス・ラプラント」に続き、アメリカのミステリ作品です。
-----story-------------
数々の人気海外ドラマを手掛けたクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作
〈上〉
メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。
この惨事に巻き込まれた画家の「スコット」は救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。
世間から英雄視される「スコット」だったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?
人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
〈下〉
米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?
意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。
メディアからの攻撃にさらされた「スコット」はある決断を下すが…。
幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。
その決着とは。
現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
-----------------------
2017年(平成29年)のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長編賞受賞作… 期待して読みました、、、
驚くような真相ではなかったですが… 生き残った売れない画家と4歳の少年の心温まる交流に気持ちが和まされたし、社会派作品としての要素もあって、愉しめる作品でいた。
2015年8月23日、日曜日の午後10時、高級リゾートのマーサズ・ヴィンヤード島からニューヨークへ帰るために《ALCニュース》代表の「デイヴィッド・ベイトマン」がチャーターしたプライベートジェット機が飛び立った… プライベートジェット機には、乗員3名の他、「デイヴィッド」とその妻「マギー(マーガレット)」、娘「レイチェル」、息子「JJ」、銀行家の「ベン・キプリング」とその妻「サラ」、「ベイトマン家」の護衛「ギル・バルク」、貧乏画家の「スコット・バローズ」の11名が乗っていたが、マーサズ・ヴィンヤード島を飛び立ってわずか18分後に北大西洋に墜落、夜の海に投げ出された「スコット」は、やはり九死に一生を得た4歳の「JJ」を抱え、何マイル離れているかわからないロングアイランドの海岸を目指して泳ぎ続ける、、、
命からがらロングアイランドの海岸に泳ぎ着き、奇跡的な帰還を果たした二人だったが、陸ではさらに厄介な事態が待ち受けていた… 一躍、ヒーローとして注目を集める「スコット」だったが、墜落の原因究明に当たる政府機関からは墜落への関与を疑われる。
さらに、「デイヴィッド」がアメリカの右派ニュース専門局の代表だったり、「ベン」がマネーロンダリング疑惑をもたれていたことから、さまざまな陰謀論が巻き起こった… とりわけ、自分の窮地を挽回するために、今回の墜落事故を利用しようと考えた《ALCニュース》の看板司会者「ビル・カニンガム」は、墜落はニュース専門局の代表を狙ったテロだと主張、執拗に「スコット」を追求し、過激な主張を繰り返す、、、
プライベートジェット機の中で果たして何が起き、何が起きなかったのか? 墜落は、事故だったのか、事件だったのか? 乗り合わせた乗員乗客11人の過去を洗い出していくうちに事件の真相が徐々に明らかにされる。
墜落したプライベートジェットに乗ったばかりに、運命が大転換してしまった「スコット」の人生と、墜落原因の解明を2本のメインストーリーに、乗り合わせた11名の人となりのドラマ、ニュース専門局を中心にした報道メディアの闇の暴露をサブストーリーにして、現代アメリカの脆さを描いた壮大な人間ドラマが展開されます… その中心は、人を信じて素朴に生きようとする「スコット」と、陰謀論に凝り固まって人を陥れようとする「ビル・カニンガム」の対比でしたね、、、
本作では敵役の「ビル・カニンガム」が巧く(憎たらしく)造形されていて効果を上げていましたね… 謎解き作品としてだけでなく、社会派作品としても愉しめる作品でした。
終盤は、海中から発見された機体のコクピット入口に残された弾痕やフライトレコーダー、ボイスレコーダーの解析、そして乗員乗客の過去から徐々に真相が明らかになる展開と、「スコット」が「JJ」を護るために「ビル・カニンガム」と番組中で対決する展開が交互に描かれ、一気に読んじゃいました、、、
上下巻で約650ページ… 短く感じましたね。
以下、主な登場人物です。
「スコット・バローズ」
画家
「デイヴィッド・ベイトマン」
《ALCニュース》代表
「マギー(マーガレット)」
デイヴィッドの妻
「レイチェル」
デイヴィッドの娘
「JJ」
デイヴィッドの息子
「ギル・バルク」
ベイトマン家の護衛
「エレノア・ダンリーヴィ」
マギーの妹
「ダグ」
エレノアの夫
「レイラ(レスリー)・ミューラー」
富豪
「マグナス」
スコットの友人。画家
「ベン・キプリング」
銀行家
「サラ」
ベンの妻
「ジェニー」
ベンの娘
「ビル・カニンガム」
《ALCニュース》司会者
「クリスタ・ブルワー」
《ALCニュース》プロデューサー
「ドン・リーブリング」
《ALCニュース》顧問弁護士
「ジェームズ・メロディー」
ガルウィング航空613便機長
「チャーリー(チャールズ)・ブッシュ」
ガルウィング航空613便副操縦士
「エマ・ライトナー」
ガルウィング航空613便客室乗務員
「ガス・フランクリン」
国家運輸安全委員会調査主任
「ウォルター・オブライエン」
FBI特別捜査官
「バリー・ヘックス」
財務省外国資産管理局調査官 -
Posted by ブクログ
アメリカの映画プロデューサー・テレビ番組プロデューサー・脚本家・作曲家・作家・映画監督作家「ノア・ホーリー」の長篇ミステリ作品『晩夏の墜落(原題:Before the Fall )』を読みました。
「アリス・ラプラント」に続き、アメリカのミステリ作品です。
-----story-------------
数々の人気海外ドラマを手掛けたクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作
〈上〉
メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。
この惨事に巻き込まれた画家の「スコット」は救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。
世間から英雄視される「スコット」だったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?
人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
〈下〉
米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?
意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。
メディアからの攻撃にさらされた「スコット」はある決断を下すが…。
幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。
その決着とは。
現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
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2017年(平成29年)のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長編賞受賞作… 期待して読みました、、、
驚くような真相ではなかったですが… 生き残った売れない画家と4歳の少年の心温まる交流に気持ちが和まされたし、社会派作品としての要素もあって、愉しめる作品でいた。
2015年8月23日、日曜日の午後10時、高級リゾートのマーサズ・ヴィンヤード島からニューヨークへ帰るために《ALCニュース》代表の「デイヴィッド・ベイトマン」がチャーターしたプライベートジェット機が飛び立った… プライベートジェット機には、乗員3名の他、「デイヴィッド」とその妻「マギー(マーガレット)」、娘「レイチェル」、息子「JJ」、銀行家の「ベン・キプリング」とその妻「サラ」、「ベイトマン家」の護衛「ギル・バルク」、貧乏画家の「スコット・バローズ」の11名が乗っていたが、マーサズ・ヴィンヤード島を飛び立ってわずか18分後に北大西洋に墜落、夜の海に投げ出された「スコット」は、やはり九死に一生を得た4歳の「JJ」を抱え、何マイル離れているかわからないロングアイランドの海岸を目指して泳ぎ続ける、、、
命からがらロングアイランドの海岸に泳ぎ着き、奇跡的な帰還を果たした二人だったが、陸ではさらに厄介な事態が待ち受けていた… 一躍、ヒーローとして注目を集める「スコット」だったが、墜落の原因究明に当たる政府機関からは墜落への関与を疑われる。
さらに、「デイヴィッド」がアメリカの右派ニュース専門局の代表だったり、「ベン」がマネーロンダリング疑惑をもたれていたことから、さまざまな陰謀論が巻き起こった… とりわけ、自分の窮地を挽回するために、今回の墜落事故を利用しようと考えた《ALCニュース》の看板司会者「ビル・カニンガム」は、墜落はニュース専門局の代表を狙ったテロだと主張、執拗に「スコット」を追求し、過激な主張を繰り返す、、、
プライベートジェット機の中で果たして何が起き、何が起きなかったのか? 墜落は、事故だったのか、事件だったのか? 乗り合わせた乗員乗客11人の過去を洗い出していくうちに事件の真相が徐々に明らかにされる。
墜落したプライベートジェットに乗ったばかりに、運命が大転換してしまった「スコット」の人生と、墜落原因の解明を2本のメインストーリーに、乗り合わせた11名の人となりのドラマ、ニュース専門局を中心にした報道メディアの闇の暴露をサブストーリーにして、現代アメリカの脆さを描いた壮大な人間ドラマが展開されます… その中心は、人を信じて素朴に生きようとする「スコット」と、陰謀論に凝り固まって人を陥れようとする「ビル・カニンガム」の対比でしたね、、、
本作では敵役の「ビル・カニンガム」が巧く(憎たらしく)造形されていて効果を上げていましたね… 謎解き作品としてだけでなく、社会派作品としても愉しめる作品でした。
終盤は、海中から発見された機体のコクピット入口に残された弾痕やフライトレコーダー、ボイスレコーダーの解析、そして乗員乗客の過去から徐々に真相が明らかになる展開と、「スコット」が「JJ」を護るために「ビル・カニンガム」と番組中で対決する展開が交互に描かれ、一気に読んじゃいました、、、
上下巻で約650ページ… 短く感じましたね。
以下、主な登場人物です。
「スコット・バローズ」
画家
「デイヴィッド・ベイトマン」
《ALCニュース》代表
「マギー(マーガレット)」
デイヴィッドの妻
「レイチェル」
デイヴィッドの娘
「JJ」
デイヴィッドの息子
「ギル・バルク」
ベイトマン家の護衛
「エレノア・ダンリーヴィ」
マギーの妹
「ダグ」
エレノアの夫
「レイラ(レスリー)・ミューラー」
富豪
「マグナス」
スコットの友人。画家
「ベン・キプリング」
銀行家
「サラ」
ベンの妻
「ジェニー」
ベンの娘
「ビル・カニンガム」
《ALCニュース》司会者
「クリスタ・ブルワー」
《ALCニュース》プロデューサー
「ドン・リーブリング」
《ALCニュース》顧問弁護士
「ジェームズ・メロディー」
ガルウィング航空613便機長
「チャーリー(チャールズ)・ブッシュ」
ガルウィング航空613便副操縦士
「エマ・ライトナー」
ガルウィング航空613便客室乗務員
「ガス・フランクリン」
国家運輸安全委員会調査主任
「ウォルター・オブライエン」
FBI特別捜査官
「バリー・ヘックス」
財務省外国資産管理局調査官