川副智子のレビュー一覧

  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    今回は人間の遺伝や性格、気質に焦点が当てられた作品。
    (家族のクリスマスパーティーがテーマだからね)

    登場人物が欲深く途中ちょっとしんどかったけれど、
    最後まで読み終えると綺麗で安堵です…。
    密室と聞くといくつかトリックが浮かぶと思いますが、
    今回は他の要素も合わさって当てられず、、、!

    ポアロ作品が作中でパズルに喩えられますが、これが言い得て妙で、登場する要素は不要に感じるもの含めて全てハマるべきところにハマるのだな….と。
    流石アガサ・クリスティ、天才ですね。

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    2024年12月25日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    面白かった…やっぱりクリスティー作品には登場人物たちの様々な会話、行動、思惑を絡め合わせて事件を複雑に見せる技術はもちろんのこと、それ自体に魅力があることがすごい!
    そもそもポアロが外国人というのもあるけど、今回はイギリスの富豪の一家にスペイン人女性や南アフリカの青年も混じって、その土地で育った人々の個性が滲み出てくるような会話や人物描写が楽しかった。

    あとこの作品の冒頭に、『マクベス』の引用がある。
    「あの老人にこんなにたくさんの血があったなんて、だれが考えたでしょう……」
    そして、クリスティーが義兄から「もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」をと望まれてこの作品を書いたことが記されている。

    たしかにこの事件の被害者であるシメオンは、血溜まりの中で遺体として発見されたが…正直、時間が起きたときはこれだけ?と思ってしまった。
    元気さと凶暴さ足りなくない?と…
    でもポアロが暴いた真犯人は、思ってもみなかった人物で、その人物の立場からするとより一層事件の凶暴さが際立つ…

    そして「血」!!
    この事件はまさしくシメオンと同じ「血」が流れている人物によって行われたものだった…ここで冒頭のマクベスの引用を思い返すと、全く違う印象を受ける。なんと皮肉めいた言葉なんだろう…

    解説でこの作品が『死との約束』のあとに書かれたものだと知り、なるほど、と思った。
    たしかに家族の中に一人、殺される理由が十分にある人物がいて、という状況が全く同じだ。
    これを中東からイギリスに舞台を変えて続けて書くことに、クリスティーの自分への自信を感じる。
    たしかに今回はイギリスの暗いどんよりした雰囲気を楽しめた。状況は似ているけど全くの別物として読むことができた。

    というかクリスマスが近いからぴったりだ!と思って読んだけど、全然クリスマスって感じじゃなかったな…

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    2024年12月09日
  • レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕

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    『刑事コロンボ』を生んだ名コンビの短編集。

    コロンボが大好きなので、コロンボの『殺人処方箋』の原型となった「愛しの死体」が読みたかった。

    『殺人処方箋』はコロンボの第1話で、愛人と組んで妻殺しの完全犯罪を目論む話。
    殺した妻を生きているように偽装するが、想定外の事態が起こり…というコロンボの中でも大好きな話。

    「愛しの死体」は途中まで同じで、短いのにオチがしっかりあって面白かった。

    どの話も短いのにブラックなひねりが効いていてオチが良い!
    さすがコロンボの生みの親。
    サクッと軽く読めてちょうど良かった^_^

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    2024年11月28日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    最後まで予想外の展開だった。動機としては弱いような気がしたけど長年の恨みって恐ろしいね。マクベスの一説が引用されて物語が進むところも楽しい。 

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    2024年10月17日
  • ダッハウの仕立て師

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    読み始めは展開が鈍く感じたが、戦争が始まると急展開。外見に拘る主人公が、やがて外側から見えた事実だけで判断され苦しむ。夢、生への執着、母性愛…どれもあっていいはずのものだ。客観的に見ればどこでどうすべきだったかは分かる。でも本人の立場なら?現代でも戦争は起こっているし、偏見に苦しむ人たちがいる。想像する心を持ちたい。

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    2024年09月29日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    旧訳ポケットミステリ版で。都筑道夫の解説付き。
    家族に本当のアリバイがないことくらいは、気付いたし、確かにアレには違和感があったが真相には辿り着けなかった。

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    2024年09月19日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    クリスティーにしてはなかなか派手なトリックで楽しめる。実際やってみるとどんな風になるのか気になるので、ドラマも観てみたい。
    クリスティー作品はもれなく抜群に面白いし、どれも3日もあれば読んでしまう。今作も例にもれずめちゃくちゃ面白いのだが、まさかこの人が…いやいや、それだけはないだろう、やめてくれよ、と思っていた人が犯人だったので、★マイナス1(笑)。

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    2024年07月18日
  • アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する

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    ネタバレ

    アリとダンテ、ふたりは最初から意気投合し、親友となった。やがて、ダンテはアリのことを好きになるが、アリはダンテを拒否する。
    しかし、事故に遭いそうになったダンテを命懸けで救ったり、ダンテのために戦ったりするアリの姿に、アリの両親はアリの本当の気持ちに気づく。

    何とも素晴らしい話だった。別に私は男同士が好き合う話が好きな訳ではない。(女同士の恋愛モノは何故か大好きだが。)ただ、自分の気持ちになかなか素直になれないもどかしさ、苦しさがこの時期の少年ならではの気持ちとしていきいきと書かれている本書は、とても好きだ。本書には性別云々と言うより、人として誰かを好きになることが書かれている気がする。

    アリの両親、ダンテの両親(世代的には私と同年代くらいだな…)の子どもへの愛には驚かされた。最後まで自分の気持ちに気づけなかったアリの背中をひと押ししたのは、彼の両親なのだから。
    ダンテの両親も息子の幸せを何より大切に願っている。親だって人間だから完璧ではない、だけどそういう完璧ではないところが好きだと言う少年たちを好ましく思う。

    続編もあるようなので、楽しみに待つこととしよう。

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    2024年04月14日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    富豪が殺され、密室な殺人。いかにもの一族の不和。これでもかというクリスティー時代の王道を存分に楽しめました。

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    2024年03月18日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    富豪の一族が集まるクリスマスイブに偏屈な老当主シメオンが殺された。部屋は密室なのに明らかに自殺とは思われない殺され方…犯人は一体?
    スーシェのドラマを何度も観ていたので犯人もわかっていたから楽しめるかな?って思っていたけど、ポアロが出てきてから一気に読めた。というか、シメオンが嫌な奴すぎて進められなかったというのもあるかも。
    ドラマとは確か3兄弟だったのに原作は4兄弟でビックリしたし、他にもいなかった登場人物が…ただ、カタカナの名前を覚えにくい私なので4兄弟プラス3人の妻、誰が誰なのかなかなか大変でした(・・;)

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    2024年03月02日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

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    アメリカの作家ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著の長篇ミステリ作品『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落(原題:Shooting Script and Other Mysteries)』を読みました。
    ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著は、昨年3月に読んだ『刑事コロンボ サーカス殺人事件』以来なので約1年振りですね。

    -----story-------------
    『刑事コロンボ』をはじめとする数々の推理ドラマで世界中を魅了した名コンビは、戦後アメリカ黄金時代のミステリー雑誌を飾った短編作家でもありました。
    その貴重な作品をお届けする〈レヴィンソン&リンク劇場〉完結編!
    長年勤めた会社を退職する男の最後の計画とは? 妻を殺した夫が落ちた罠とは?
    極寒の米軍施設で兵士が知った犯罪とは?
    人生のさまざまなシーンで起こる多様な事件をあざやかに描きだし、予想外の結末に導く手練の技を、ぜひご堪能ください。
    -----------------------

    アメリカのミステリ専門誌『アルフレッド・ヒッチコック・マガジン』等に1959年(昭和34年)から1966年(昭和41年)に発表された短篇を収録し、2022年(令和4年)に刊行された作品です。

     ■ミセス・ケンプが見ていた(Suddenly, There Was Mrs. Kemp )1959/川副智子 訳
     ■生き残り作戦(Operation Staying-Alive)1959/仁木めぐみ 訳
     ■鳥の巣の百ドル(The Hundred-Dollar Bird’s Nest )1959/上條ひろみ 訳
     ■最後のギャンブル(One for the Road )1959/中井京子 訳
     ■記憶力ゲーム(Memory Game)1959/小堀さとみ 訳
     ■氏名不詳、住所不詳、身元不詳(No Name, Address, Identify)1961/高橋知子 訳
     ■ちょっとした事故(Small Accident)1961/木村二郎 訳
     ■歴史の一区切り(The End of an Era )1962/後藤安彦 訳
     ■最高の水族館(Top-Flight Aquarium )1962/後藤安彦 訳
     ■ロビーにいた男(The Man in the Lobby )1966/川副智子 訳
     ■解説 二杯目もアメリカン~レヴィンソン&リンクの短篇世界 小山正

    予想外の結末に導く手練の技が見事に発揮された作品ばかりで愉しめましたねー 面白かったし、1篇が20ページ程度なので、とても読みやすかったですね……そんな中で特に印象に残ったのは、、、

    妻を自殺に見せかけて殺すことに成功した男に脅迫者から電話が掛かってくる……脅迫者と殺人者の攻防の果てに思わぬ切り札が示される『ミセス・ケンプが見ていた』、

    贅沢な生活を夢想する貧乏医師……ついつい犯罪に手を染める決断をしてしまう人物の皮肉な結末を描いた『鳥の巣の百ドル』、

    抜群の記憶力を持つ男……肝心な時に実力を発揮することができない男の悲哀を描いたコントのようなオチの『記憶力ゲーム』、

    自動車にはねられて記憶喪失になった男……唯一残された手掛かりはポケットに残された医師の名刺と1,000ドル紙幣をもとに自分の過去を探ろうとする『氏名不詳、住所不詳、身元不詳』、

    15年間勤めた会社を退職する男が、彼に残された誰にも言えない大仕事を仕上げようとする……伏線の張り方と意表な展開が愉しめる『歴史の一区切り』、

    の5作品かな……好みの作品ばかりで気軽に読めて満足必至の逸品揃いでしたねー この作品の前に『レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕』という作品が刊行されているようなので、こちらも読んでみたいな。

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    2024年01月26日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    クリスマスに間に合った!
    新訳が出ているのに気づき、慌てて購入しました。
    作品中の日進と同じようなペースで読み進められてうきうき。

    たまたま「死との約束」の次に読みましたが、支配する家長とその家族という、対をなすようなテーマで、読み順も大正解でした。
    こちらは作者が冒頭で「元気で凶暴な殺人」と表明したように、派手に楽しませよう!というエンタメ性が強いストーリー。
    死との約束の方が好みではありましたが、こちらもまたクリスマスシーズンに読み返したくなると思いました。

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    2024年01月02日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ひょえ〜〜〜!そんな犯人もアリなのか!と思わず声が出てしまった作品。個人的に、先日読んだミステリーも〇〇が犯人で、〇〇も疑ってかからないといけないんだな、と少々複雑な気分です……。
    それにしても。
    クリスティーには「すごく面白い」か「面白い」作品しかありませんね、ええ。

    タイトルがそのまま『ポアロのクリスマス』ということで、この時期が来るのを待ちわびていました。しかもこのタイミングで新訳版が刊行!
    そのまえがきとして、クリスティーが義兄にあてたこんな言葉がありました。
    「『もっと血が大量に流れる元気で凶暴な殺人」を読みたいと。どこからどう見ても殺人でしかありえないものを!
     そんなわけで、これはあなたに捧げる――あなたのために書いた――特別なお話です。」
    私は特別スプラッタものが好きというわけではありませんが、この不穏な出だしにはかなりワクワクしてしまいました。

    大富豪の老人とその子供たちといえば、『パディントン発4時50分』も思い出されます。その際も個性豊かな子供たちが出てきますが、今作はそれがグレードアップ。
    各々の人生、性格や考え方、他の家族との関係性が非常に丁寧に描かれています。そして彼らを支える妻たちも三者三様。だからこそ、すっかり「家族のストーリー」に惹き込まれて騙されてしまったわけですが。。
    最後もハッピーエンドで、これが雨降って地固まるということでしょうか。彼ら「家族」が、これからはもっといい関係を築いていけたらいいなと思いました。

    最後に、ミステリーにしては珍しく付箋を貼った場所をご紹介。こうした家族ならではの難しさって、万国共通なんでしょうね……。
    p134
    「で、家族が、一年じゅう離ればなれでいた家族たちが、また一同に会するわけです。そうした状況のもとでは、友よ、非常に強い緊張が生まれるということを認めなければなりません。もともと互いをよく思っていない者同士が、打ち解けているように見せなければならないというプレッシャーを自分にかけるわけですから!(略)でも、偽善は偽善です!」
    p136
    「無理してこしらえた状況は本来の反応を引き起こします」

    (おまけ)p448
    "わたしの場合は、いついかなるときとセントラル・ヒーティングだ……"

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    2023年12月23日
  • 晩夏の墜落 下

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    アメリカの映画プロデューサー・テレビ番組プロデューサー・脚本家・作曲家・作家・映画監督作家「ノア・ホーリー」の長篇ミステリ作品『晩夏の墜落(原題:Before the Fall )』を読みました。

    「アリス・ラプラント」に続き、アメリカのミステリ作品です。

    -----story-------------
    数々の人気海外ドラマを手掛けたクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作

    〈上〉
    メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。
    この惨事に巻き込まれた画家の「スコット」は救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。
    世間から英雄視される「スコット」だったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?
    人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。

    〈下〉
    米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?
    意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。
    メディアからの攻撃にさらされた「スコット」はある決断を下すが…。
    幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。
    その決着とは。
    現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
    -----------------------

    2017年(平成29年)のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長編賞受賞作… 期待して読みました、、、

    驚くような真相ではなかったですが… 生き残った売れない画家と4歳の少年の心温まる交流に気持ちが和まされたし、社会派作品としての要素もあって、愉しめる作品でいた。


    2015年8月23日、日曜日の午後10時、高級リゾートのマーサズ・ヴィンヤード島からニューヨークへ帰るために《ALCニュース》代表の「デイヴィッド・ベイトマン」がチャーターしたプライベートジェット機が飛び立った… プライベートジェット機には、乗員3名の他、「デイヴィッド」とその妻「マギー(マーガレット)」、娘「レイチェル」、息子「JJ」、銀行家の「ベン・キプリング」とその妻「サラ」、「ベイトマン家」の護衛「ギル・バルク」、貧乏画家の「スコット・バローズ」の11名が乗っていたが、マーサズ・ヴィンヤード島を飛び立ってわずか18分後に北大西洋に墜落、夜の海に投げ出された「スコット」は、やはり九死に一生を得た4歳の「JJ」を抱え、何マイル離れているかわからないロングアイランドの海岸を目指して泳ぎ続ける、、、

    命からがらロングアイランドの海岸に泳ぎ着き、奇跡的な帰還を果たした二人だったが、陸ではさらに厄介な事態が待ち受けていた… 一躍、ヒーローとして注目を集める「スコット」だったが、墜落の原因究明に当たる政府機関からは墜落への関与を疑われる。

    さらに、「デイヴィッド」がアメリカの右派ニュース専門局の代表だったり、「ベン」がマネーロンダリング疑惑をもたれていたことから、さまざまな陰謀論が巻き起こった… とりわけ、自分の窮地を挽回するために、今回の墜落事故を利用しようと考えた《ALCニュース》の看板司会者「ビル・カニンガム」は、墜落はニュース専門局の代表を狙ったテロだと主張、執拗に「スコット」を追求し、過激な主張を繰り返す、、、

    プライベートジェット機の中で果たして何が起き、何が起きなかったのか? 墜落は、事故だったのか、事件だったのか? 乗り合わせた乗員乗客11人の過去を洗い出していくうちに事件の真相が徐々に明らかにされる。

    墜落したプライベートジェットに乗ったばかりに、運命が大転換してしまった「スコット」の人生と、墜落原因の解明を2本のメインストーリーに、乗り合わせた11名の人となりのドラマ、ニュース専門局を中心にした報道メディアの闇の暴露をサブストーリーにして、現代アメリカの脆さを描いた壮大な人間ドラマが展開されます… その中心は、人を信じて素朴に生きようとする「スコット」と、陰謀論に凝り固まって人を陥れようとする「ビル・カニンガム」の対比でしたね、、、

    本作では敵役の「ビル・カニンガム」が巧く(憎たらしく)造形されていて効果を上げていましたね… 謎解き作品としてだけでなく、社会派作品としても愉しめる作品でした。

    終盤は、海中から発見された機体のコクピット入口に残された弾痕やフライトレコーダー、ボイスレコーダーの解析、そして乗員乗客の過去から徐々に真相が明らかになる展開と、「スコット」が「JJ」を護るために「ビル・カニンガム」と番組中で対決する展開が交互に描かれ、一気に読んじゃいました、、、

    上下巻で約650ページ… 短く感じましたね。



    以下、主な登場人物です。

    「スコット・バローズ」
     画家

    「デイヴィッド・ベイトマン」
     《ALCニュース》代表

    「マギー(マーガレット)」
     デイヴィッドの妻

    「レイチェル」
     デイヴィッドの娘

    「JJ」
     デイヴィッドの息子

    「ギル・バルク」
     ベイトマン家の護衛

    「エレノア・ダンリーヴィ」
     マギーの妹

    「ダグ」
     エレノアの夫

    「レイラ(レスリー)・ミューラー」
     富豪

    「マグナス」
     スコットの友人。画家

    「ベン・キプリング」
     銀行家

    「サラ」
     ベンの妻

    「ジェニー」
     ベンの娘

    「ビル・カニンガム」
     《ALCニュース》司会者

    「クリスタ・ブルワー」
     《ALCニュース》プロデューサー

    「ドン・リーブリング」
     《ALCニュース》顧問弁護士

    「ジェームズ・メロディー」
     ガルウィング航空613便機長

    「チャーリー(チャールズ)・ブッシュ」
     ガルウィング航空613便副操縦士

    「エマ・ライトナー」
     ガルウィング航空613便客室乗務員

    「ガス・フランクリン」
     国家運輸安全委員会調査主任

    「ウォルター・オブライエン」
     FBI特別捜査官

    「バリー・ヘックス」
     財務省外国資産管理局調査官

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    2023年02月16日
  • 晩夏の墜落 上

    Posted by ブクログ

    アメリカの映画プロデューサー・テレビ番組プロデューサー・脚本家・作曲家・作家・映画監督作家「ノア・ホーリー」の長篇ミステリ作品『晩夏の墜落(原題:Before the Fall )』を読みました。

    「アリス・ラプラント」に続き、アメリカのミステリ作品です。

    -----story-------------
    数々の人気海外ドラマを手掛けたクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞受賞作

    〈上〉
    メディア界の要人がチャーターしたプライベートジェット機が大西洋上に墜落。
    この惨事に巻き込まれた画家の「スコット」は救出した男の子とともに夜の海を命がけで泳ぎきり、奇跡的な生還を果たす。
    世間から英雄視される「スコット」だったが、落下原因の究明が難航するなかで次第に疑惑の目が向けられ始め…その飛行機にいったい何が起こったのか?
    人気ドラマクリエイターによるアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。

    〈下〉
    米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が乗る飛行機が墜ちたのはただの偶然の事故なのか?
    意図的な事件なのか?惨事をめぐる報道は日増しにエスカレートし、死者たちが秘めていた過去はさらなる疑惑を生み出していく。
    メディアからの攻撃にさらされた「スコット」はある決断を下すが…。
    幾重にも連なる墜落以前/以後の物語。
    その決着とは。
    現代アメリカを舞台に、卓抜なるストーリーテラーが紡ぐ至高のサスペンス巨篇。
    -----------------------

    2017年(平成29年)のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長編賞受賞作… 期待して読みました、、、

    驚くような真相ではなかったですが… 生き残った売れない画家と4歳の少年の心温まる交流に気持ちが和まされたし、社会派作品としての要素もあって、愉しめる作品でいた。


    2015年8月23日、日曜日の午後10時、高級リゾートのマーサズ・ヴィンヤード島からニューヨークへ帰るために《ALCニュース》代表の「デイヴィッド・ベイトマン」がチャーターしたプライベートジェット機が飛び立った… プライベートジェット機には、乗員3名の他、「デイヴィッド」とその妻「マギー(マーガレット)」、娘「レイチェル」、息子「JJ」、銀行家の「ベン・キプリング」とその妻「サラ」、「ベイトマン家」の護衛「ギル・バルク」、貧乏画家の「スコット・バローズ」の11名が乗っていたが、マーサズ・ヴィンヤード島を飛び立ってわずか18分後に北大西洋に墜落、夜の海に投げ出された「スコット」は、やはり九死に一生を得た4歳の「JJ」を抱え、何マイル離れているかわからないロングアイランドの海岸を目指して泳ぎ続ける、、、

    命からがらロングアイランドの海岸に泳ぎ着き、奇跡的な帰還を果たした二人だったが、陸ではさらに厄介な事態が待ち受けていた… 一躍、ヒーローとして注目を集める「スコット」だったが、墜落の原因究明に当たる政府機関からは墜落への関与を疑われる。

    さらに、「デイヴィッド」がアメリカの右派ニュース専門局の代表だったり、「ベン」がマネーロンダリング疑惑をもたれていたことから、さまざまな陰謀論が巻き起こった… とりわけ、自分の窮地を挽回するために、今回の墜落事故を利用しようと考えた《ALCニュース》の看板司会者「ビル・カニンガム」は、墜落はニュース専門局の代表を狙ったテロだと主張、執拗に「スコット」を追求し、過激な主張を繰り返す、、、

    プライベートジェット機の中で果たして何が起き、何が起きなかったのか? 墜落は、事故だったのか、事件だったのか? 乗り合わせた乗員乗客11人の過去を洗い出していくうちに事件の真相が徐々に明らかにされる。

    墜落したプライベートジェットに乗ったばかりに、運命が大転換してしまった「スコット」の人生と、墜落原因の解明を2本のメインストーリーに、乗り合わせた11名の人となりのドラマ、ニュース専門局を中心にした報道メディアの闇の暴露をサブストーリーにして、現代アメリカの脆さを描いた壮大な人間ドラマが展開されます… その中心は、人を信じて素朴に生きようとする「スコット」と、陰謀論に凝り固まって人を陥れようとする「ビル・カニンガム」の対比でしたね、、、

    本作では敵役の「ビル・カニンガム」が巧く(憎たらしく)造形されていて効果を上げていましたね… 謎解き作品としてだけでなく、社会派作品としても愉しめる作品でした。

    終盤は、海中から発見された機体のコクピット入口に残された弾痕やフライトレコーダー、ボイスレコーダーの解析、そして乗員乗客の過去から徐々に真相が明らかになる展開と、「スコット」が「JJ」を護るために「ビル・カニンガム」と番組中で対決する展開が交互に描かれ、一気に読んじゃいました、、、

    上下巻で約650ページ… 短く感じましたね。



    以下、主な登場人物です。

    「スコット・バローズ」
     画家

    「デイヴィッド・ベイトマン」
     《ALCニュース》代表

    「マギー(マーガレット)」
     デイヴィッドの妻

    「レイチェル」
     デイヴィッドの娘

    「JJ」
     デイヴィッドの息子

    「ギル・バルク」
     ベイトマン家の護衛

    「エレノア・ダンリーヴィ」
     マギーの妹

    「ダグ」
     エレノアの夫

    「レイラ(レスリー)・ミューラー」
     富豪

    「マグナス」
     スコットの友人。画家

    「ベン・キプリング」
     銀行家

    「サラ」
     ベンの妻

    「ジェニー」
     ベンの娘

    「ビル・カニンガム」
     《ALCニュース》司会者

    「クリスタ・ブルワー」
     《ALCニュース》プロデューサー

    「ドン・リーブリング」
     《ALCニュース》顧問弁護士

    「ジェームズ・メロディー」
     ガルウィング航空613便機長

    「チャーリー(チャールズ)・ブッシュ」
     ガルウィング航空613便副操縦士

    「エマ・ライトナー」
     ガルウィング航空613便客室乗務員

    「ガス・フランクリン」
     国家運輸安全委員会調査主任

    「ウォルター・オブライエン」
     FBI特別捜査官

    「バリー・ヘックス」
     財務省外国資産管理局調査官

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    2023年02月16日
  • ビール・ストリートの恋人たち

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    レイプの冤罪で逮捕されたことを背景にしてるが、純粋に無実が証明されるというようなスッキリさを感じさせない鬱を感じる作品だった。姉と母の活躍も見れてる点ではフェミニズム小説でもある作品と感じる。理不尽さをしっかり描写しながら、人間ドラマもしっかり描写されてるのが非常に良い点だ。

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    2023年01月07日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

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    一冊目の方がインパクトのある話が多かったけれど、二冊目は最後の数行であっけらかんと引っくり返してしまうような『こなれた』印象を感じた。『鳥の巣の百ドル』、『最高の水族館』などの、欲張り過ぎたから痛い目を見るという、なかなかヘヴィーなジョークが多く、苦笑したり震えあがったり。そこが面白い。『氏名不詳、住所不詳、身元不詳』のオチの付け方があまりにも予想外で、だから気に入ってしまった。

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    2022年11月14日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

    Posted by ブクログ

    リチャード・レヴィンソンとウィリアム・リンクの二人はテレビミステリードラマ「刑事コロンボ」の原案作者。その二人が書いた短編のミステリー集。
    なるほど捻りが効いた話が多い。

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    2022年07月17日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

    Posted by ブクログ

     各編20ページほどで、手軽に読めて面白い。 

     十分な計画をして犯罪を敢行する、ある機会に巡り合って犯罪に手を染めることを決意し実行する、状況はいろいろだが、思わぬ結末が待っていた、そんな作品が何編か。

     狭義のミステリーではないが、いざこざから勢いあまってクラスメートの腕に傷を負わせてしまった少年の感情の揺れを描いた「ちょっとした事故」。印象的な作品。

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    2022年07月11日
  • 【電子特別版】レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落

    Posted by ブクログ

    またもや短くも見事な物語にハラハラドキドキしながら没頭し、そして小気味よく奈落の底に突き落とされる。そんな快感?が10編待ち受けているシリーズ第2弾。夢中になって読み進めてしまうこと請け合いだが、あまりにも予想外すぎる結末に納得いかない読者も出てくるのではあるまいか。

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    2022年07月05日