あらすじ
卒業を間近に控えたパブリック・スクールの優等生6人が自動車で逆走。母娘3人の命を奪う大事故を起こしてしまう。20年後、一人で罪を被り刑期を務めあげたメーガンが、国会議員、辣腕弁護士ら、いまや成功を収めている5人の前に姿を現す。彼らと交わした“約束”を果たさせるために……。身代り契約の果ての惨劇を、周到に仕組まれたプロットと圧倒的筆力で展開する、予測不能サスペンス。(解説・大矢博子)
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Posted by ブクログ
掛け値なしの傑作というのは、こういう作品のことを言うのではないでしょうか。『身代りの女』というタイトルと簡単な作品紹介だけを見て、作品の良し悪しとは別に、自分の小説の興味のベクトルとは別の方を向いてそうだな、という気持ちがあったのですが、読んでびっくり、なんでいままで読まなかったのかと後悔してしまいました。ラストまでどう転ぶか分からない物語をぜひ楽しんで欲しいので、事前情報はあまり持たずに読んだほうがいいような気がします。でも、それでも簡単に内容に触れるとしたら……。
卒業を間近に控えた名門校に通う仲良しグループ六人。メーガン、フェリックス、アンバー、ザヴ、ダニエル、タリサ。輝かしい未来が約束された六人の未来はある日突然、暗転する。魔が差したようにはじめてしまった『肝だめし』という名の危険運転。その結果として、彼らは三人の人間を死に追いやる事故を起こしてしまう。これからどうするかを揉めた際、六人のうちのひとりが、すべての罪を被る、と宣言する。出所した時にその代わりとなる義務を払う、ということを条件に。そして二十年が経ち、出所したそのひとりが成功者として地位を得ていた彼らの前に現れる。
というのが、本作の導入。650ページのそれなりに長さのある小説ですが、澱みのない文章と先の読めない展開の妙があって、そんな長さは決して感じないと思います。自らを救うために、二十年後に代償を払うことを条件に悪魔と契約した五人の物語とも言えるかもしれません。この作品に分かりやすい形で描かれる〈善人〉はいませんが、その一方で、どこか共感を覚えてしまう人間らしさは全員に備わっているように感じました。キャラクターが魅力的でした。ラストの余韻も、どこか愛おしくなるものがあって、すごく好きです。
Posted by ブクログ
全体的に漂う不穏感に先が気になって一気読み。寝る前に読んだらダメな本。
結末は賛否両論ありそうだが、個人的には悪くないと思う。終盤からラストにかけて、もう少し丁寧に描写されていればもっと良かったかも。
Posted by ブクログ
読書家さんの本棚で見つけた。
メーガンは何故1人で罪を被ったのか?他の5人に何を求めているのか?5人はどうするのか?謎だらけで話が進んでいく。ラスト30ページになっても結末がわからず、600ページ越えの作品だったが、飽きることは全くなかった。
Posted by ブクログ
悪ふざけで罪のない命を奪った6人。大人になってからも目先のことにとらわれてしょっちゅうミスチョイスするので、展開が思わぬ方向に開けて行って、意外とページターナー本だった。
善人は死に悪人が生き残る。みんな我が身だけが大事。
「あなたならどうする?」と問われている気がした。
Posted by ブクログ
6人の若者達の度胸試しによって死亡事故が発生、その罪を1人で被ることを条件に少女は5人の仲間達と協定を結ぶ。
どういう方向に話が転ぶのか分からない疑心暗鬼のイギリスサスペンス。
傲慢な若者達が選択を間違え続けて右往左往する展開は無関係の読者からすると最高のエンタメ。
Posted by ブクログ
このミス2025で知り、購入。積読状態でしたが、読み始めると、先が気になる展開で、隙間時間はずっと読んでいました。
海外らしい事の始まりで、青春を謳歌する仲良しグループの若者が、度を超えるはしゃぎすぎの結果、最悪な事件を起こすという…。
グループはどうにか罪を逃れようと話し合い、その結果1人が罪を被り…。
あっさり時が経ち、刑期を終えた1人がグループの前に現れ、要求した事とは…
主な登場人物として…ずっと何を考えているのか、腹の中が掴めないメーガン。事のきっかけを作った割に罪悪感に乏しいフェリックス。頭は切れるが同時に冷酷なタリサ。臆病者でどこか卑怯なダニエル。優しい心の持ち主のアンバー。弱気気味であるが、賢く誠実イケメンなザビエル。
最後の展開は否定的な評価が多かったですが、見事に予想が外れ、私は割と好みでした。
フェリックスが生き残ったことは少しモヤモヤしますが、メーガンはどうか今後、少しでも幸せに生きて欲しいです。
Posted by ブクログ
最後の最後のどんでん返しに、恐怖した。久しぶりに良質のサスペンスに出逢ったなぁと思うのと同時に、人生の選択を誤れないなと、真面目に平々凡々が一番だと思った。
Posted by ブクログ
表紙も仕掛けの1つだった。見事に騙された。
ラストシーンのくだりはちょっと無理を感じてしまったが、じぶんの都合しか考えいない人たちに起きる最後としては、かなり「マシ」な結末にはなったのではないと思う。途中の選択(分岐)次第では、もっと悪い結末はいくらでもあったのだから。
Posted by ブクログ
ほぼ一気読み。
とくにちょうど半分くらいまではあまりに面白くてページをめくる手がとまらなかった。
しかしラストはよく意味がわからなかった。
なぜ何人もころす必要があったのか。
その前の父親襲撃も唐突すぎてよくわからない。
それで戻ってくるメーガンもわからない。「何かが起きていると感じたのよ」って曖昧な理由だった。
面白かったけれど最後は消化不良。
映画化したら観ます。
Posted by ブクログ
かなり面白かった。
まず、プロットが良い。
1人の少女が仲間達の罪を被り、刑務所へと入れられてしまう。女が刑期を務めている間、仲間達はそれぞれ成功し社会的な立場がある大人へと成長していた。そこへ20年の刑期を務め上げた女が帰ってくる。
何も起きないわけがなく…。
プロットも良ければ、話の転がし方も上手い。
序盤中盤は女が社会へ帰ってきたことで生じる波乱を丁寧に描いている。主に「仲間達 vs 女」 の構造。
いつ秘密を暴露するか分からない時限爆弾のような女をどう扱って良いものか、仲間達側が苦心している様子が面白い。
そして、終盤ではその対立構造から一変する。
停滞していた雰囲気から、一気に結末へとひた走る怒涛の展開が待っている。
ボリュームもそれなりにあるため、読み応えバッチリな作品だった。
Posted by ブクログ
最終試験を終え、アルコールの絶えない退廃的な日々を送るオール・ソウルズ校の成績優等生6人組。
調子に乗った愚行の極みで、真夜中の高速道路を逆走するという肝試しがグループ内の流行りごととして横行。
それまでは幸運にも何事もなかったが、最終試験の結果発表の前日、唯一やっていなかったダニエルにお鉢が回ってきたところで悲劇が起こるべくして起こる。
慌てて現場から逃げ去った6人だが、罪の意識、それ以上に自分たちが捕まる恐怖から責任の押し付け合いで右往左往。
そこでメーガンからの提案。
「わたしがやる(自首する)わ。全員の人生を台無しにするなんて馬鹿げてる。だれかひとりが残りのみんなを救えばいいのよ。ただし、あなた達全員はそれぞれひとつずつ義務を負う。なんであれわたしが求める義務を。わたしが求めればいつでもその義務を果たす。」
訝しさを感じつつもその魅力に抗えず、提案に乗る他の5人。
メーガンは、明日は皆予定通り行動し自分のことは誰も知らないと言うのだと残し皆のもとを去る。
一夜明け、とはいえ。。。
メーガンはそもそもなぜそんなことを申し出たのか。
若干思っていたのとは異なる状況を迎え、何か思惑があったのではと不安に駆られる面々。
当初はメーガンの窮地を皆でバックアップすることになっていたはずが、針は逆方向に触れ、保身に全力を費やし非道な程に距離を置く。
そして。。。
20年後の再会時の設定とそこからの展開がエグすぎる!
彼女の言っていることはどこまでが真実なのか、何かを見定めているのではないか。
冷静な態度は企みを感じさせるが、時にこぼれ落ちる率直な感情に憐れみを誘う。
それでも手を差し伸べることの出来ない我が身かわいい罪深さ。
1人の仲間に絶対的に借りのある者達の心理サスペンス。
トリックがどうこう、真相がどうこうということではなく、そういう追い詰め方!?というゾクゾク感が際立つ一作。
いやー、ほんとエグかった。
朧げながらに浮かび上がってくる義務の実像とか、震える。
全然話の筋は違うのだけど、1人の不気味な人物に翻弄されるその他大勢という点で『爆弾』を彷彿とさせられた。
最終盤の、ことが起こり始めてからのパニックサスペンス路線ぶりが、まぁありがちな感じだったので星4.5といったところだけど、途中までは星5の勢い。
帰ってきたシャロン・ボルトン。
このミス2025年度版海外編9位。
Posted by ブクログ
えー!
えー!
そうきたか?
いやまだまだ…
そうくるの??
え、なんでなんで
この終わり方なのか
ってくらい最後まで展開読めなくて面白かった
Posted by ブクログ
復讐劇が予測不能でどんどん読ませる。嘘が始まりでまた嘘をつくあたりはシンプルプランを彷彿とさせる。
結末に強引さは否めないが、まーおもしろかった。
Posted by ブクログ
ラストの急展開を再々読
導入の第一部、20年後の第ニ部に入ってゆき、まあぐいぐい読ませるが、ラストはまず一回では理解できず、再読したがその日は理解できなかった。
翌朝読み直し、ようやく理解できた。
あの夜、メグの提案に乗ってしまい警察に届けなかったばっかりに、結局あの夜のドライバーのダンが最後気が触れてハンマーを下ろし獄中のメグを救えたのに逆をしたタリサを殺し、約束を破り結婚したサヴを殺した。
ただ首謀者フェリクスが、ダンの仕業に最後気づき、ギリギリ間に合い、その時潰れてたアンバーと20年服役したメグを救った、と。
まあ、ラスト展開が急すぎて、まだスッキリしないので、星四つで。
疑問点。なぜフェリクスは一人で親父を殺したか?
弱い点。メグの最初の脅しかたが、強引すぎる。
Posted by ブクログ
・あらすじ
イギリスが舞台。
有名伝統校の監督生グループである6人組メグ、フェリックス、タリサ、アンバー、ザヴ、ダン。
6人は大学入試試験前夜に車道を逆走するといういつもの度胸試しを行った所、対向車と事故を起こしてしまう。
救護せずに逃げ出した6人は対応策を話し合う中で、誰か一人を犠牲にして警察に自首する案を採用する。
誰がその一人になるべきか……。
そんな中メグが自分一人で運転していた事にして自首すると主張した。
他の5人全員がメグに対して義務を負う、という条件の下で。
そしてメグは事実を記した念書と写真を撮り次の日に警察へ出頭する。
そして20年後メグは出所し、それぞれ成功した5人のもとへ戻ってくる。
メグは5人に何を求めるのか、そして5人はきちんと義務を果たせるのか。
・感想
面白かった!けど最後が駆け足だった感じが勿体無い……!
あの最後は私結構好きだったなー。
ハッピーエンドではないし、終わったからと言ってフェリックスもアンバーも心から幸福にはなれないだろうけど、メグは新しい土地で幸せに生きて欲しい。
フェリックスのキャラ描写はもうちょい深掘り出来そうだったからそこが1番勿体無い感じする。
続きも気になるし、短い章立ての作品で読みやすかったのもありスイスイ読み進められた。
5人とも薄情だけど1番最悪なのはタリサ、恐ろしい女だw
消してしまいたい、無かったことにしたい現実を直視できない弱さと人間の身勝手さ。
舞い戻ってきた悪夢に対して、あそこで誠心誠意の謝罪と感謝を見せておけばまた展開が違ったのにと思うけど仕方ないよね。
結局みんなその場の享楽を楽しむだけの一時的な仲間で真の友達では無かったってだけなんだと思う。
「もしあの時ああしていれば」「こうしていれば」とたらればは沢山あるけど全員が毎回選択肢が出るたびに最悪な手段、方法を選択していった良いサスペンス作品だった。
Posted by ブクログ
面白かったけど、あらすじを読んだ時は、もっとドロドロな嫌な話になるかと思ったけど、案外まともな話だったな。
話の展開やテンポなども良く、飽きずに読めます。
Posted by ブクログ
本当は6人全員で罪を背負うはずだったのに、1人が肩代わりした事で、20年後に出所した彼女にそのツケを払わされる話。
荒唐無稽なことはあまり起こらずに、メーガンが1人1人に静かなお礼参りをしていき、そのストレスで罪を償う機会を逃し続けた5人がとんでもない被害妄想をして暴走する。
最後まで読み、メーガン視点で考えると5人はかなり滑稽にみえる。メーガンがどこまで本当のことを言っているのかが曖昧で底知れぬ怖さがある。
最後の展開が違ってたら神作品だったかも…絶対にメーガンじゃないって分かってるし、ここに来て連続殺人はいきなりぶっ込んできたように感じる。脅すだけのつもりだったのよって…まさか!そんなこと言わないであいつらをやっつけてよ!
終盤の凡庸な展開で尻すぼみ、中盤までのワクワクが持続すれば傑作だったな。
Posted by ブクログ
小島秀夫監督のヒデミス2024に選出されていたため気になって購入。
序盤からずっと展開が気になって読み進めていたが、色々と疑問(というか気になる点)を残したまま急展開で終わってしまってちょっと残念かな。
Posted by ブクログ
超優等生達が起こした事故、罪を被ったひとりの女性が出所後にどうするか。恐ろしい復讐のストーリーと思って読んでいて、途中でそれだけじゃないことに気付きます。徐々に明らかになっていく過去や、登場人物達の弱さが切なくもあります。
Posted by ブクログ
凄い傑作だと思った。ラスト近くまでは。
みんな同じような感想を持ってるから、それこそがこの作品の弱点なんだと思う。登場人物が絶望感に満たされたところで読み終えるのが良いかも。
Posted by ブクログ
身代わりになった女性が刑務所から出所した後の他の5人の心理描写が引き込まれるくらい良かっただけに、終盤があまりにもあっさりと終わってしまって少し残念...
本当は星3.5くらいにしたいが、不完全燃焼に終わったので星3に
Posted by ブクログ
高評価だから,期待して読んだけど。
メーガンが自ら志願したんだから、身代わりと言うにはどうかな?
A試験を失敗して、父親と仲間のせいで自暴自棄にだったから、数年の刑期を終えたら、仲間から報酬を得て、好きだったザヴと結婚して…とか考えたのかな。
それが20年になるとは…
思惑がはずれたってことなんだろうけど。実際には、メーガンは復讐から殺人を犯すような性格ではないし。
なんか、結末はうーんって感じかな。
Posted by ブクログ
まあまあ。
ミステリーはほんのり。サスペンス。
そしてミランダを殺す、みたいな。
そしてミランダのほうが話はうまいかなと感じた。好みの問題。
メーガン視点が無いのは良い。想像の余地がある。でも、後半はたくさん出てきちゃったのがちょっとナンセンスさ。
メーガンの頭の良さは面白かったけど、また身代わりという罪を被るのなんかな。
解説で選択の物語と言われていたが、確かに、こうはならなかった場合も有り得る書き方で、ゲームのマルチエンドの一つという感じは受ける。ノーマルエンドかな。
メーガン大勝利エンドも有り得るのが匂わされているのが面白い。
未来ある若者がやらかしてその時はうまく誤魔化すが後で破滅するって結構いくつか出てきたな感。ラストサマーとか。
実際にイギリスで、お店でやらかして殺しちゃったっていう事件も起きてるし。
日本でも揉み消しはあるんだけど、あまり大々的に表沙汰にならない(だから揉み消してるわけだけど)し、厳しい視線を向けるエンタメ作品って思い付かないな。
Posted by ブクログ
高校の成績優秀な6人グループが、卒業間近の夜に高速で逆走運転をし、親子3人を事故死させてしまう。メンバーの一人が、全部の罪を被り20年服役して帰ってくる。5人は、それぞれ成功しているのだが、20年前に交わした約束を果たすことを求められ…。
読み始めたら止まらない、という紹介文が多かったが、確かにそうだった。では、星5つかというと?こういう結末で良いのか?何のかんの言っても、親子3人死んでいる訳だし、6人ともジコチュウ過ぎるだろう。確かに「予測不能サスペンス」ではあった。
Posted by ブクログ
「このミステリーがすごい」ベスト10に入ってたかと思う。
たしかにノンストップで読ませる筆力すごい。
けど後味の悪さ。救いのなさ。疲れた。
自分がミステリーに向かなくなってきてるのかなぁ…
Posted by ブクログ
高校卒業間近の男女6人が酒を飲んで親の車を運転し高速道路を逆走、対向車と事故を起こし、母子3人を死なせてしまう。6人のうちメーガン1人が出頭して服役し、それから20年後に釈放されたメーガンが他の5人に見返りを強要する…というサスペンス。
徐々にメーガンがモンスター化していくにつれて、メーガンに抱く同情心が薄れていってしまい、むしろ他の5人の方に同情しつつハラハラしながら読み進めていくが、終盤は強引な展開に気持ちが冷めてしまった。
Posted by ブクログ
海外ならではの教育システムの背景とか高校生でも親の車ガンガン運転しちゃう感じのイメージを思い浮かべながら読んだ。ダニエルがダンだったり、メーガンがメグだったりするのが慣れず誰?となりがちで、ちょこちょこ読むより一気に読んだほうが入ってきやすかった。ヒヤヒヤして心臓に悪い、イコール面白い。人の精神が病んていく描写がうまかった。犯人はこの人だろうな、からのまさかの人へ。読者だけでなく登場人物すら騙されていた!
Posted by ブクログ
プロットでスリリング感が一挙に最後にきた。
人は自分にとって辛いこと嫌なことを思い出す出来事やそれに連なる人物は、思い出したくないしなかったことにしたい。それを思い出すと自分が苦しくなる、罪を思い位出させるから。人を助けたつもりでも、助けられた人は忘れ去りたいし、いらない人物になってしまう。
Posted by ブクログ
久しぶりの海外ミステリーでちょっと読みにくかったかな。なかなか入っていけなかった。展開はめちゃくちゃ面白いんだけど、ラストもどうなるのか気になってしかたなかったけど、とにかく進まない。海外作品ブランクかな。もったいないことをしたな。もう一度改めてじっくり読む必要ありかな。