【感想・ネタバレ】身代りの女(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

卒業を間近に控えたパブリック・スクールの優等生6人が自動車で逆走。母娘3人の命を奪う大事故を起こしてしまう。20年後、一人で罪を被り刑期を務めあげたメーガンが、国会議員、辣腕弁護士ら、いまや成功を収めている5人の前に姿を現す。彼らと交わした“約束”を果たさせるために……。身代り契約の果ての惨劇を、周到に仕組まれたプロットと圧倒的筆力で展開する、予測不能サスペンス。(解説・大矢博子)

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ネタバレ

読書家さんの本棚で見つけた。
メーガンは何故1人で罪を被ったのか?他の5人に何を求めているのか?5人はどうするのか?謎だらけで話が進んでいく。ラスト30ページになっても結末がわからず、600ページ越えの作品だったが、飽きることは全くなかった。

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2024年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 このミス2025で知り、購入。積読状態でしたが、読み始めると、先が気になる展開で、隙間時間はずっと読んでいました。

 海外らしい事の始まりで、青春を謳歌する仲良しグループの若者が、度を超えるはしゃぎすぎの結果、最悪な事件を起こすという…。
 グループはどうにか罪を逃れようと話し合い、その結果1人が罪を被り…。

 あっさり時が経ち、刑期を終えた1人がグループの前に現れ、要求した事とは…

 主な登場人物として…ずっと何を考えているのか、腹の中が掴めないメーガン。事のきっかけを作った割に罪悪感に乏しいフェリックス。頭は切れるが同時に冷酷なタリサ。臆病者でどこか卑怯なダニエル。優しい心の持ち主のアンバー。弱気気味であるが、賢く誠実イケメンなザビエル。

 最後の展開は否定的な評価が多かったですが、見事に予想が外れ、私は割と好みでした。

 フェリックスが生き残ったことは少しモヤモヤしますが、メーガンはどうか今後、少しでも幸せに生きて欲しいです。

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2025年08月30日

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ネタバレ

表紙も仕掛けの1つだった。見事に騙された。
ラストシーンのくだりはちょっと無理を感じてしまったが、じぶんの都合しか考えいない人たちに起きる最後としては、かなり「マシ」な結末にはなったのではないと思う。途中の選択(分岐)次第では、もっと悪い結末はいくらでもあったのだから。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほぼ一気読み。
とくにちょうど半分くらいまではあまりに面白くてページをめくる手がとまらなかった。
しかしラストはよく意味がわからなかった。
なぜ何人もころす必要があったのか。
その前の父親襲撃も唐突すぎてよくわからない。
それで戻ってくるメーガンもわからない。「何かが起きていると感じたのよ」って曖昧な理由だった。
面白かったけれど最後は消化不良。
映画化したら観ます。

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2025年04月18日

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ネタバレ

かなり面白かった。
まず、プロットが良い。
1人の少女が仲間達の罪を被り、刑務所へと入れられてしまう。女が刑期を務めている間、仲間達はそれぞれ成功し社会的な立場がある大人へと成長していた。そこへ20年の刑期を務め上げた女が帰ってくる。
何も起きないわけがなく…。

プロットも良ければ、話の転がし方も上手い。
序盤中盤は女が社会へ帰ってきたことで生じる波乱を丁寧に描いている。主に「仲間達 vs 女」 の構造。
いつ秘密を暴露するか分からない時限爆弾のような女をどう扱って良いものか、仲間達側が苦心している様子が面白い。
そして、終盤ではその対立構造から一変する。
停滞していた雰囲気から、一気に結末へとひた走る怒涛の展開が待っている。

ボリュームもそれなりにあるため、読み応えバッチリな作品だった。

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2025年04月12日

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ネタバレ

最終試験を終え、アルコールの絶えない退廃的な日々を送るオール・ソウルズ校の成績優等生6人組。
調子に乗った愚行の極みで、真夜中の高速道路を逆走するという肝試しがグループ内の流行りごととして横行。
それまでは幸運にも何事もなかったが、最終試験の結果発表の前日、唯一やっていなかったダニエルにお鉢が回ってきたところで悲劇が起こるべくして起こる。

慌てて現場から逃げ去った6人だが、罪の意識、それ以上に自分たちが捕まる恐怖から責任の押し付け合いで右往左往。
そこでメーガンからの提案。
「わたしがやる(自首する)わ。全員の人生を台無しにするなんて馬鹿げてる。だれかひとりが残りのみんなを救えばいいのよ。ただし、あなた達全員はそれぞれひとつずつ義務を負う。なんであれわたしが求める義務を。わたしが求めればいつでもその義務を果たす。」
訝しさを感じつつもその魅力に抗えず、提案に乗る他の5人。
メーガンは、明日は皆予定通り行動し自分のことは誰も知らないと言うのだと残し皆のもとを去る。

一夜明け、とはいえ。。。
メーガンはそもそもなぜそんなことを申し出たのか。
若干思っていたのとは異なる状況を迎え、何か思惑があったのではと不安に駆られる面々。
当初はメーガンの窮地を皆でバックアップすることになっていたはずが、針は逆方向に触れ、保身に全力を費やし非道な程に距離を置く。

そして。。。
20年後の再会時の設定とそこからの展開がエグすぎる!
彼女の言っていることはどこまでが真実なのか、何かを見定めているのではないか。
冷静な態度は企みを感じさせるが、時にこぼれ落ちる率直な感情に憐れみを誘う。
それでも手を差し伸べることの出来ない我が身かわいい罪深さ。
1人の仲間に絶対的に借りのある者達の心理サスペンス。
トリックがどうこう、真相がどうこうということではなく、そういう追い詰め方!?というゾクゾク感が際立つ一作。

いやー、ほんとエグかった。
朧げながらに浮かび上がってくる義務の実像とか、震える。
全然話の筋は違うのだけど、1人の不気味な人物に翻弄されるその他大勢という点で『爆弾』を彷彿とさせられた。

最終盤の、ことが起こり始めてからのパニックサスペンス路線ぶりが、まぁありがちな感じだったので星4.5といったところだけど、途中までは星5の勢い。

帰ってきたシャロン・ボルトン。
このミス2025年度版海外編9位。

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2025年04月06日

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ネタバレ

・あらすじ
イギリスが舞台。
有名伝統校の監督生グループである6人組メグ、フェリックス、タリサ、アンバー、ザヴ、ダン。
6人は大学入試試験前夜に車道を逆走するといういつもの度胸試しを行った所、対向車と事故を起こしてしまう。
救護せずに逃げ出した6人は対応策を話し合う中で、誰か一人を犠牲にして警察に自首する案を採用する。
誰がその一人になるべきか……。
そんな中メグが自分一人で運転していた事にして自首すると主張した。
他の5人全員がメグに対して義務を負う、という条件の下で。
そしてメグは事実を記した念書と写真を撮り次の日に警察へ出頭する。

そして20年後メグは出所し、それぞれ成功した5人のもとへ戻ってくる。
メグは5人に何を求めるのか、そして5人はきちんと義務を果たせるのか。

・感想
面白かった!けど最後が駆け足だった感じが勿体無い……!
あの最後は私結構好きだったなー。
ハッピーエンドではないし、終わったからと言ってフェリックスもアンバーも心から幸福にはなれないだろうけど、メグは新しい土地で幸せに生きて欲しい。
フェリックスのキャラ描写はもうちょい深掘り出来そうだったからそこが1番勿体無い感じする。

続きも気になるし、短い章立ての作品で読みやすかったのもありスイスイ読み進められた。

5人とも薄情だけど1番最悪なのはタリサ、恐ろしい女だw

消してしまいたい、無かったことにしたい現実を直視できない弱さと人間の身勝手さ。
舞い戻ってきた悪夢に対して、あそこで誠心誠意の謝罪と感謝を見せておけばまた展開が違ったのにと思うけど仕方ないよね。
結局みんなその場の享楽を楽しむだけの一時的な仲間で真の友達では無かったってだけなんだと思う。

「もしあの時ああしていれば」「こうしていれば」とたらればは沢山あるけど全員が毎回選択肢が出るたびに最悪な手段、方法を選択していった良いサスペンス作品だった。

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2025年01月08日

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ネタバレ

本当は6人全員で罪を背負うはずだったのに、1人が肩代わりした事で、20年後に出所した彼女にそのツケを払わされる話。
荒唐無稽なことはあまり起こらずに、メーガンが1人1人に静かなお礼参りをしていき、そのストレスで罪を償う機会を逃し続けた5人がとんでもない被害妄想をして暴走する。

最後まで読み、メーガン視点で考えると5人はかなり滑稽にみえる。メーガンがどこまで本当のことを言っているのかが曖昧で底知れぬ怖さがある。

最後の展開が違ってたら神作品だったかも…絶対にメーガンじゃないって分かってるし、ここに来て連続殺人はいきなりぶっ込んできたように感じる。脅すだけのつもりだったのよって…まさか!そんなこと言わないであいつらをやっつけてよ!
終盤の凡庸な展開で尻すぼみ、中盤までのワクワクが持続すれば傑作だったな。

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高評価だから,期待して読んだけど。
メーガンが自ら志願したんだから、身代わりと言うにはどうかな?
A試験を失敗して、父親と仲間のせいで自暴自棄にだったから、数年の刑期を終えたら、仲間から報酬を得て、好きだったザヴと結婚して…とか考えたのかな。
それが20年になるとは…
思惑がはずれたってことなんだろうけど。実際には、メーガンは復讐から殺人を犯すような性格ではないし。
なんか、結末はうーんって感じかな。

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2025年02月09日

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ネタバレ

まあまあ。
ミステリーはほんのり。サスペンス。
そしてミランダを殺す、みたいな。
そしてミランダのほうが話はうまいかなと感じた。好みの問題。

メーガン視点が無いのは良い。想像の余地がある。でも、後半はたくさん出てきちゃったのがちょっとナンセンスさ。

メーガンの頭の良さは面白かったけど、また身代わりという罪を被るのなんかな。
解説で選択の物語と言われていたが、確かに、こうはならなかった場合も有り得る書き方で、ゲームのマルチエンドの一つという感じは受ける。ノーマルエンドかな。
メーガン大勝利エンドも有り得るのが匂わされているのが面白い。

未来ある若者がやらかしてその時はうまく誤魔化すが後で破滅するって結構いくつか出てきたな感。ラストサマーとか。
実際にイギリスで、お店でやらかして殺しちゃったっていう事件も起きてるし。
日本でも揉み消しはあるんだけど、あまり大々的に表沙汰にならない(だから揉み消してるわけだけど)し、厳しい視線を向けるエンタメ作品って思い付かないな。

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2025年01月23日

Posted by ブクログ

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プロットでスリリング感が一挙に最後にきた。

人は自分にとって辛いこと嫌なことを思い出す出来事やそれに連なる人物は、思い出したくないしなかったことにしたい。それを思い出すと自分が苦しくなる、罪を思い位出させるから。人を助けたつもりでも、助けられた人は忘れ去りたいし、いらない人物になってしまう。

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2024年12月11日

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