みやびあきののレビュー一覧
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Posted by ブクログ
和服を着た女マスターがやっている喫茶店。その店の名前は、ゆかり。
落ち着きがある雰囲気と、謎めいた女の大人の雰囲気をまとっている。
3人兄弟の羽多野貴樹が高校生。貴樹は背が低いようだ。
お兄ちゃんは、12歳上の働いているまさ兄。
まさ兄は、「経験を積むと苦味も美味しさに変わる」というほど、大人である。
まさ兄に、少し嫉妬を抱く弟。
妹が、知沙希。貴樹の2歳下というから、高校1年生。
貴樹は、珈琲にあこがれ、そして大人の女にあこがれる。
お小遣いが少ないにも関わらず、1杯500円の珈琲を飲みに行く。1ヶ月のお小遣いが、3000円。
ふーむ。今時の高校生の小遣いとはそんなものか。男の子の淡い感情が、うまく醸し出されている。
珈琲にも、やはり物語がある。
コーヒーカップを預けている女性の想いも切ないものがある。
ドキドキして、コーヒーを飲む。
何か、面白そうな展開で、私が、中学3年生の時に、珈琲屋に通い出した。この子はちょっと奥手。
確かに、私の通った珈琲店にも、大人の雰囲気をしたウエイトレスがいた。媚びた雰囲気がよかった。
ブラックで飲むことが、粋だと思って、背伸びしていた。そんな青春の苦い思い出が、ふんわりと漂って着た。こんな喫茶店が、今はないなぁ。 -
Posted by ブクログ
選手権へ向け心構えを新たにした悠月が行うのは部内戦ですか
これまでは部活動と言えど、少しだけお遊びの延長のような気軽さが有った。けど団体戦を行う為の部内戦を行うと成れば、少しだけ空気は真剣なものと成る
ここで悠月において課題となるのは勝ち上がる事ではないね。そもそも彼は既に部内で実力第一位。勝ち負けを争う立場にない
だから彼にとっての課題は団体戦というこれまでの将棋人生において存在しなかった戦い方を知ること
太原は悠月の知ってるようで知らないものを教えてくれる存在と成ったね
実力だけで考えるなら太原に勝った夜野をAチームのメンバーに選出して本気で全国を目指すのは合理的。けれど、団体戦は一人ひとりの実力を無関係に積み上げるのではなく、相互に影響を与え合うもの
太原の敗戦から心残りを読み取り、最上のメンバーを部員全員の意志で選び直そうとしたのは良い成長だと思えたよ
…その過程で露凛への想いが溢れ過ぎていたのは可愛らしかったけども(笑)
結局、本気で将棋を打ち直しても結果は変わらなかった。でも「結末は変えられた」と朗らかな表情で伝えてくれる太原が居た事によってAチームはより良いメンバーが選出出来たのではないかと思えたよ
団体戦は誰と組むかが重要
だとしたら、棋の音道場の訪問はまさしく悠月に誰と組みたいか、どのような将棋を打ちたいかを改めて考えさせるものとなったような
勝ちを目指さない将棋なら悠月は勝ちを問題なく拾える。だとしたら、勝ちを競っていた相手とならばどうなるか?潮は悠月と同じ元奨励会員、勝ちを目指しながら負けが増える空気を知っている
奨励会の空気にトラウマ的なものを抱えている悠月は潮と対局したらどうなってしまうのか?潮のセリフにあるようにそれこそ「対局したらわかる」
ここでの「わかる」というのは奨励会時代とは別の打ち筋を有するように成った潮の現状だけでなく、実力が伯仲する相手との対局中の空気もわかってくる
印象深いのはここで悠月は負けへの恐怖に負けそうに成るのではなく、弱気な自分に負けたくないと思えた事だね
露凛との対局で将棋の楽しさを思い出せた、再び俯くなんてしたくない。対局は負けてしまったけど、奨励会で戦った相手とも楽しい将棋を指せるように成ったのは大きな変化ではなかろうか
他方で気になるのは翠峰の件か…。序盤の印象だと自分より弱い者を気に掛けない実力者と認識していたけど、顔の痣や露凛を「…いいな」「やさしい」と評した点は彼が一面的な人物ではないと示唆してくれるね
かつての悠月も露凛も翠峰の事をちゃんと知る前に彼と道を違えてしまった。そして彼が奨励会員である間にまみえる可能性はない。それでも将棋を打ち続ける事がいずれ知れなかった翠峰の将棋へと繋がっていくように思えたよ
棋の音道場で潮と戦えた事は元奨励会員同士の対局における空気感の片鱗を悠月に教えてくれた。でも、あれは何かが懸かっている勝負というわけではなく
実質決勝戦のような雰囲気の久城率いる橙城高校との対局は本気も本気。空気も奨励会とまでいかなくても多少ピリピリするもの
まあ、久城の場合、普通に口の悪さが空気を悪くしてる面もあったけども(笑)
真剣勝負という悠月にとって不調が出やすい環境。一方で1人ではない将棋は彼に好調も出させてくれる
特に夜野が気合の入った打ち込みをする事で悠月に発破をかけるシーンは良かったなぁ
悠月より実力上位だろう久城に見える何か、それを掴めたらしい悠月はどこまでチームを勝たせられるのかな? -
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みやびあきのさんの新作
彼女の作品は割と好きです。
奨励会に入ったものの、6級のまま成績不振で退会した主人公、どちらかといえば多くの敗者(大抵は負けるものですので)に寄り添う存在ではないかと思いますが、まだ高校生くらいの年齢ではそこまでは見えないでしょう。
彼のファンだったとおぼしきヒロインとの対局などを通して、何かは動き始めるのだろうとも思います。
続きにも期待したいです。 -
匿名
無料版購入済みこの作品も丁寧で良いです
作者の前作も一定、読んでいます。
今度は靴職人さんの話のようで、作画の丁寧さ・綺麗さは安定しています。来客の悩みなどにも向き合うのでしょうし、開店祝いに訪れていた彼も気になりました。多分これも佳作となるでしょう。 -
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ほろ苦い恋の味。
年下の少年が、なにやら訳ありな感じの喫茶の若店主に憧れるお話。それこそコーヒーを飲みながら読みたくなるようなスローテンポの優しい雰囲気の物語です。
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Posted by ブクログ
前マスターが倒れた事で揺れる紫都香。前マスターの存在は今の紫都香にとって大切な寄る辺となっているから、そんな人物が倒れれば様々な不安が去来するのだろうね
そのタイミングで同じように家族に対して寂しさを感じているさやなを登場させる構成は上手いね
紫都香が自分の存在を支えにしていると理解しているから、これまでに積み上げてきた他の何かを支えにしろと諭す前マスター。鍵がないから家に入れないけど、かといって人に頼る事も出来なかったさやなに寄り添った紫都香
これらはどこか通じる寂しさを持っている。
だからその二つの寂しさを癒やすものが「おかえり」と「ただいま」になるのだろうね。昔の紫都香の言葉を今の紫都香に届けてみせた高樹の行動は良かったね
高校3年生の夏休みに入ったことで本格的に意識するようになる進路、そして文化祭での喫茶店
それらはこれからの自分の姿形を想像する行為に繋がり、時には想像を自分事にする為に実学を求める場合もある
そんな心境の貴樹にとって喫茶店で提供するコーヒーがインスタントになってしまったのは口惜しいこと。それを察したのか、貴樹に実地研修の場を提供した紫都香には驚き
貴樹と紫都香は再び客とマスターの垣根を越えて、カウンターの中に並び立った。そして貴樹の淹れたコーヒーを紫都香は「美味しい」と言ってくれた
この経験があったから貴樹は制約のある文化祭の喫茶店であろうと少しでも良い場を作ろうと奮闘出来たのだろうし、人に何かを捧げる事で得られる幸せを改めて実感できたのだろうね
というか、貴樹が中心になって作り上げた喫茶店は本当に素晴らしいものになっているね。予算を抑えつつも客に何を喜んで貰いたいか、何を楽しんで貰いたいかを追求した喫茶店になっている点が伝わってくる
その中で紫都香の目を引いた二つのアイテム。ダルゴナコーヒーは紫都香の知らないコーヒーとして新たな驚きを齎すもの。そしてコーヒーを描いた壁の絵画は旧い繋がりを齎すもの
紫都香を慕う貴樹にとってどうにも穏やかに対応できない紫都香と健吾の繋がり。少しずつ大人になりつつ有る貴樹だから遠慮してしまうという哀しさ……
そこを本当の大人である健吾が更に察してとんでもないアシストをしたね!
紫都香は自分が8つも歳上であること、客とマスターの間柄である為に自分と貴樹の間に線を引き過ぎてしまっていた。それが健吾の言葉、そして最後のコーヒーを誰に淹れたいかという問い掛けによって、変わるのだろうか?