塩田武士のレビュー一覧
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購入済み
普通に面白い
最後のどんでん返しがすごい!というレビューが多かったので、期待して読みましたが…
個人的には一体何がどんでん返しなんだろう…という感じで、ほぼ予想通りの展開でした。
ミステリー的なオチを期待して読まない方が良かったですね。
家庭内の描写に関しては、不器用と言うにはあまりにも前時代的でちょっと感情移入できませんでした。
とはいえ、速水があれこれ奔走する様子は面白くて読みごたえがありました。
出版業界ってこんな感じなんですかね、すごく勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
日本のアニメ業界をリアルに描いたお仕事小説です。装画は作中作の『アルカディアの翼』をイメージしているんでしょうね、とても素敵です。特に飛行船のデザインは『天空の城ラピュタ』最近で言えば『空挺ドラゴンズ』を彷彿とさせますね。
読み始めて最初のうちはアニメプロデューサー渡瀬の視点で話が進んでいくんですが…私が期待していたのはクリエイティブな方の制作だったのに、あれ…この本ってビジネスの方の製作の話だった?ちょっと私には難しくてついていけないかも…と不安になってしまいました。でもちゃんと文月視点のアニメーターさんたちのクリエイティブな方の制作の方も描かれていました。
アニメーターさんたちのアニメに対する愛情と情熱と、お金ではなく「人」で繋がる価値観がとても素晴らしかったです。アニメは世界に誇れる日本の文化と言っても過言ではないですよね。そんなアニメ業界の労働環境が、もっともっとよくなって欲しいなぁと切に思います。
お話の構成もとてもうまくて、クライマックスではめっちゃ興奮したしおもしろかったんですが、この本の主人公はおそらく渡瀬なんですよね…私的には文月の方により感情移入してしまっていたので、エピローグも「え、そこ?」と思ってしまいました。
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「大空を飛び回ることは爽快だ。でも、翼が折れれば落ちて死ぬ。つまり自由は責任でできている。そしてその責任は強さの表れで、究極の強さは優しさの中にのみ存在する」(287頁)
「人生のスタートラインって、自分の本当の役割を見つけたときに引かれるもんじゃないでしょうか」(313頁)
「一度挫折をした人間は経験により精神の筋繊維が太くなる」(319頁)
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Posted by ブクログ
敗走と助走は、ときどき見分けがつかなくなります。
僕らは芸術家じゃない。もちろん、視聴者の半歩先にいる必要はある。
でも、頑張っても一歩先までだよ。二歩先になると作り手のエゴになる。
構成が最初どうなるかって感じでやや不思議やったけど、作中作な中の半作中作みたいな入れ子構造やったな!
まあまあ面白かったんやけど、本来カタルシスであるべき、逆転のポイントで、目線が主に文月になって、ややハブられたような、なんとも中心にいれないような感じがして共感しきれんかったな。
なんというか、騙し絵の牙もそうやったような?なんかもひとつ没入感に欠けるなーこの人は -
購入済み
作者のデビュー作
「罪の声」にとても感銘を受けたので、この作者のデビュー作である「盤上のアルファ」を読んでみた。はっきり言って「罪の声」よりはかなり落ちる作品だと感じた。序盤の一章が本筋とはあまり関わりがないのに妙に力が入ってるし、何よりも他の作者の将棋を扱った作品と比べて対戦場面の記述に迫力がない。題名も内容を象徴しているとは思わない。
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ネタバレ 購入済み
社会批判する者の極端な論理が
主犯格の一人は、動機を「自分が社会に希望が持てなくても、誰か社会に希望を持つ者(今いる社会が、絶対的の基盤だと信じる人々)に空疎な社会を見せることができる。」と語る。インタビューをした記者は、強い憤りを感じた。「金が欲しいわけでもなく、権力や資本主義に一矢を報いるためでもなく。ただ、砂上の楼閣を建てるため青酸菓子をばらまく」。砂上の楼閣は、脅迫文の録音の主である幼い子供のその後の人生であり、その家族や犯人と関係者のその後でもある。戦後20年が過ぎたころから戦争を知らない世代が、中心的に、幸福の理想を求めた反帝国主義、反資本主義、社会民主主義、新自由主義など運動を起こした。しかし、活発になるほど世間は急進的な改革を受入れない。運動家は、不満を募らせていく。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書備忘録582号。
★★★☆。
アニメ業界のお話。しっくりこない。作者はいろいろ取材したと思うが、やっぱりしっくりこない。
アニメ業界はもっともっと進化している・・・。
物語は「アルカディアの翼」という冒険小説の冒頭で始まる。そしてこの作品をアニメ化したいという十字架を背負った玩具メーカー社員の渡瀬の話になる。アニメは製作委員会方式で作成され、そこにはアニメ制作と周辺ビジネスで商売として成立するんだという構図。グッズ販売で利益を得るのが渡瀬という訳だ。
渡瀬はアルカディアの原作者近藤との長年の交渉でやっとアニメ化の許可を得る。しかし、メインの声優の不祥事で計画は頓挫する。渡瀬は玩具メーカーを去る・・・。
場面は変わり、トータル・リポートというドキュメンタリーアニメを制作しようとしているアニメーターの文月の物語になる。なんとトータル・リポートはアルカディアの企画から挫折までを描いたノンフィクションアニメとして制作される計画。そして、トータル・リポートも制作途中に社員が起こした煽り運転事故の結果、頓挫する。制作会社も解散し、文月も無職となる。
そして渡瀬と文月が再び手を組み、アルカディアの翼を世に送り出す!
というサクセスストーリーです。
ですが!登場人物を躍らせることで、イチイチくどいくらいアニメ業界を業界!業界!業界!としつこく表現する作風にちょっとイラついてしまう私。笑
個人的にアニメは、私の人格形成の半分ほどを占めるくらい重要なアイテムなのでイライラ感が半端なかった。
夢を追う男たちとそれをサポートする女という構図もイライラを増長させる。笑
辻村深月さんの傑作「ハケンアニメ!」には足元にも及ばない。
どうもこの作家は相性が悪い。 -
Posted by ブクログ
自由から世界を生み出す - 塩田武士「デルタの羊」 ★★★☆☆
非常に凝った作りになっていて、前半は可読性が悪いです。アニメと映像をうまく融合できれば映像化してもいいかもしれないかな。ただ金はかかるな。
前半と後半で全然別の物語になっていて、前半はさらに2つ。アルカディアでさらに1つなので、4つのお話が進みます。厳しいな。さらに物語の中に主張がたくさん入っているので、エピローグで、回収するのがてんやわんや。もう少し絞ってシンプルにしても良かったかもー。
#引用
・人は自由から世界を生み出す
・自由は、ただあるだけではないに等しい
・綻びは往々にして小さな棘から生じる
・執念は必然的に狂気を生む
・決められた枠組ほど絶望するものはない。想像力のエネルギー源は「自由」だ。
・自由は責任でできている。そしてその責任は強さの表れで、究極の強さは優しさの中にのみ存在する
・なんにだって寿命はある。逆算が可能だから頑張れるのであって。ゴールテープがなかったから、マラソンなんて誰も走らないだろう。
・上下関係を嫌い、思考停止のまま平均化を目指すネット先行の社会は、ことさら「普通」であることを強いる。
・家族の絆もまた、生き物だ。経年により必ず歪みが生じる
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Posted by ブクログ
うーーーーん、面白かったんだけど、せっかくここまで種明かしするならちゃんと動機を犯人に語らせて欲しかった。自分が父を陥れた事が明るみに出るのを恐れての犯行、って俺は解釈したんだけど、解釈が分かれるラストにしないところを塩田武士のいい点だと思ってたので、星3つ。ミステリーと考えるとトリックも特に面白くはないのだけど、登場人物がなんとも良い。主人公の本宮もいいし、何しろペア組んだ優子が魅力的なので彼女が出てくる続編が読みたい。この刑事二人の崩壊しそうでしなかった家族像と対比して読ませるのもうまいとは思った。それにしても警察官を主人公にしておいて「本宮」は駄目だろう。何度も「本官」って一人称に読み間違えたよ。