井上のきあのレビュー一覧
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六編のグリム童話を下敷きにした物語。
トップバッターは、谷瑞恵の『ルンペルシュティルツヒェン』。
海外ドラマ、「Once Upon a Time」で知った、ルンペルシュティルツキン。
シーズンを重ねて、私はだいぶ馴染みになったが、日本ではそこまでメジャーな主人公ではないかも。
しかしあえて彼を選ぶことで、新鮮さがあってよかった。
彼が紡ぐと言う、金の糸の先に美しい未来が見え、読後がよかった。
『二十年』は『カエルの王様』がモチーフ。
これは、ホラーだ......。
特に、容姿に自信のある女性にとっては。
いや、一人で生きていくと言う覚悟があれば、あるいは、それを楽しめれば、美の呪いなど恐るるに足らず。
しかし、現実を見ようとせず、過去にとらわれ、王子様を待ち続けるだけの女性なら、それは......。
『A Cinderella Story』はそのまま、シンデレラの物語。
優しい人が必ずしも良い人ではない。
現代のシンデレラは世間知らずのお嬢様。
さて、ガラスの靴を拾ってくれるのは一体誰?
古いお姫様像に縛られていたのは誰?
それを手助けして、自らの足で歩けられるようにしてくれるのは、誰?
さながら最近のディズニー映画のよう! -
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1巻で、完全に惚れたのは由鷹と春野だけだったわけですが(あとおじいちゃんはズルイと思いました)、2巻では誓一というキャラも出てきて、うはうはでした。
由鷹推しとしては、彼の内面が垣間見られる回転木馬とレモンパイが読めたのも、またそのお話がただのハートフルストーリーで終わらなかったのも嬉しい。
女性キャラが…苦手です。鹿乃も若干苦手なのですが、今回一番辟易してしまったのは、真帆。
あああ、妹と同じくらい小さくて、しっかりした性格なのにどこか抜けてて、服装にも無頓着だけど身なりを整えたら結構垢抜けるタイプで、由鷹にあてがうみたいに出てきたな〜なんて思ってしまい、そういう思考にも辟易しました。
面白い!大好き!!なところと、それはちょっと勘弁してください…なところがあって、これからこの比率がどうなるのか非常に不安ではありますが、今のところ由鷹への愛が優っているので、このまま読み進めようと思います。 -
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ネタバレおおお!
なんという所で終わるのか!鬼切り!
オレンジさんだから、結末はなんとなくわかるけど、しかし、悶々と悩んでる慧くんが、どうやって覚悟を決めるのかはすごく気になる。
自覚なく虜にしている鹿乃ちゃんは慧に対して一途だけど、幼い頃からずっと一緒の慧に対して、どう距離を縮めたらいいかわからず、そこに春野君に免疫ないのに真っ直ぐなアプローチを受けてドギマギ。
→お茶会にお菓子を焼いちゃったり、帰ったら悪いかなとか考えて戸惑う鹿乃にキュン。
鹿乃ちゃんを女性として見ることに罪悪感を持っちゃう慧の気持ちもちょっとわかる。。
慧は育ちもあって理性とか常識観念が強そうだもの。
でも父性だけで春野の家にまでは普通行けないぞ!
良鷹視点も好き。態度とは裏腹に妹がかわいくてしょうがないのが、めっちゃ伝わる。シスコーン。
星の糸…アリアドネ、ギリシャ神話
赤ずきんを探して…能、鬼女、紅葉狩り -
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シリーズ2
秘密の花園
外国の少女プリシラが取りに来た着物
そこに昆虫学者黒塚が絡む
杜若
春の終わりの衣替えの時に蔵から着物をひとつ選んで出してみようと思った鹿乃、目録から珍しい男児の着物を選ぶ
そこにひょっこりあらわれた慧の後輩の加茂さん
亡き王女のためのパヴァーヌ
高校の同級生とプリシラ4人で鹿乃宅でお茶会をした際さいに出た奈緒の言葉で、その夜蔵から音符の付いた帯を出してみる
回転木馬とレモンパイ
兄良鷹が古美術商として訪れた家で託された回転木馬
この話だけは着物ではなく回転木馬のオルゴールの音色を探す良鷹と古美術店の弥生の娘真帆のはなし -
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ネタバレこの恋の行方は、想いの行きつく先は。
ひとつ前で告白して終わった鹿乃ですが、慧の返事はNOという。読者はその理由も知ってますけど、まあ、なんというか。慧の気持ちはわからないでもない。でもなあ、と思う。いや、それが少女漫画的な演出効果でもあります、となんだか結末を知っているつもりになって読んでいく。結局、慧と鹿乃は落ち着くところに落ち着いて、さあ、めでたしめでたし、だろうか。まだ続くみたいだけど。できれば、春野主人公で番外編など読んでみたいな。
「椿心中」義兄との恋に破れて心中した姉。妹は何を思ったか。そしてまた、義理の兄妹の恋。妹のように大事に思っている、という慧のことば。衣通姫伝説か、椿姫か。うだうだしている場合じゃないよ、慧ちゃん、と読者は言いたい。
「月を隠して懐に」母の十七回忌に、田村先生と出かける慧。その間に鹿乃はまた謎に取りかかる。春野も自分のことがよく分かっていないのかもしれない。着物を取り巻く人の想いから、鹿乃は自分の生き方を学んでいく。傷つきながらも進もうとしている。ほら、慧ちゃん、置いていかれますよ、と言いたい。
「暁の恋」田村先生の怪我は命に別条なく、でも慧はお世話の為に黒谷の方へ。この距離が二人にもたらすものは。鹿乃のために、奈緒と梨々子が行動を起こす。良鷹もアシスト。春野は負けっぱなしというか、辛いよね、少女マンガのこういうキャラは、とメタなことを言ってしまうか。そして、慧ちゃん、腹を括りました、おめでとう。ああ、すごく、コバルト的。
「羊は二度駆ける」良鷹と真帆の話。この二人の関係性は、慧と鹿乃とはまた違う、恋でもなく名の付けにくいもの。良鷹、ずるいなあ、とまた思う。 -
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ネタバレ想いを告げるということは、単純にはいかないことで。
とうとう鹿乃が想いを告げる。けれど、両片想いなのを知っている読者の願いとは裏腹に、なかなかすんなりハッピーエンドとは行かなくて。このもだえ感がやはりコバルト、とか思ってしまうけれども。
「星の糸」謎をきっかけに、変わり始めた自分たちの関係を見つめる鹿乃と慧。周囲はこんなにも応援モードなのにな。
「赤ずきんをさがして」母と子、父と子、それぞれの複雑な関係。タイトルは赤ずきんだけど、最後のリンゴのお菓子で誘う春野は、魔女か狼か、というところ。
「雪花の約束」春野が動いて、慧が動く。鹿乃が新たに取り組む謎は、父親の同僚と関わりがあった。鹿乃が大人になっていくということは、慧が覚悟する時も近いということ。傷つけたくないから、訊かなかったことも、訊けばよかったことがあったかもしれない。
「子犬と魔女のワルツ」定番になった良鷹の話。今回は、本編もあんな感じなので、兄としての良鷹、妹への思い。ぐうたらとか言われていますけど、これだからこのお兄さんは! -
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ネタバレ過去を解き放ち、今に繋いで。
両親の過去、慧の父親など、核心に迫ってくる。この何ともいえない鹿乃と慧のやり取りが実にコバルトの系統だなと。あと、今更ですがこのシリーズは着物とその小物もおしゃれだけど、食べものも美味しそう。
「星の花をあなたに」鹿乃が謎を解こうとする横で、慧と春野の攻防。叶わなかった想いも、知らなかった方が幸せだったと言わないで。
「稲妻と金平糖」母・千鶴と父・慶介の話を、喫茶店のマスター・満寿から聴く鹿乃。記憶にない両親のこと、記憶のある良鷹への遠慮。覚えていなくても、覚えていることもある。千鶴と慶介のデコボコ感もかわいい。
「神無月のマイ・フェア・レディ」文化祭の様子もそこそこに、今回の謎は慧の父親に関わることらしく。祇王の話とピグマリオンの話。田村先生と慧の事情。自覚する鹿乃の戸惑いと不安。そこに春野がとうとう宣言。春野はずるいなあ(褒めている)
「兎のおつかい」芙二子の母、つまり鹿乃の曽祖母にあたる汐子と、曾祖父の信篤のエピソード。独立したお話かな。 -
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ネタバレ秘められた想いを解き放て。
京都が舞台の着物(とアンティーク色々)のファンタジー。様々な恋愛が描かれている。
「金魚が空を飛ぶ頃に」鹿乃の友人・梨々子の祖父は、商店街の喫茶店<オー・ルヴォアール>のマスター・満寿。今回は彼に関わる着物の話。そして梨々子の話も。関西で金魚といえば大和郡山ですよね。
「祖母の恋文」鹿乃の祖母・芙二子が健次郎に宛てた恋文について、そのきっかけとなった帯はどのように解決するのか。芙二子と健次郎のやり取りも楽しい。そして、ちょっとやきもちを妬く慧。
「山滴る」謎の大学生・春野が持ち込んだ謎が、思いもよらぬ出会いを呼ぶ。田村先生の正体は、まだここではにおわせるだけ。
「真夜中のカンパニュラ」登場人物は良鷹と真帆。良鷹が夏を過ごす別邸の謎。事件の真相は哀しいけれど、この二人の関係も気になるところ。
巻末にCobalt掲載時のイラストが載っていて思い出しましたが、鹿乃と良鷹は色素が薄いんだな、と。和風顔のイメージがどうしても抜けない。