井上のきあのレビュー一覧
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シリーズ3冊め。いよいよ筆が乗ってきた感じです。作中の季節は夏あたり、のよう。鹿乃ちゃんの着こなしも涼やかなものが多いです。本当はもっと堅い本やSFを読みたかったのに、これを選んだのは、少し疲れていたせい。綺麗で優しい世界で、童話が読みたかったのかもしれません。そう、この本に収められているお話の少女のように。
鹿乃の過去や、青年たちのなかにざわめく、鹿乃をめぐってのほのかな恋も楽しいし美しいですが、メアリ・ポピンズや蜜柑のシャーベットの方が恋しいって何事でしょう。寂しいから、なのかな。風鈴草のおはなし。一番好きでした。あまり参考にならなくてごめんなさい。 -
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シリーズ最終巻。
本編の後日談といいますか、番外編のような内容です。
個人的にスピンオフ・番外編が好きという事もあって、本書の6篇も楽しく読ませて頂きました。本当、サブタイトルにある“宝箱”のようですね。
本編の頃から、“野々宮家ルーツ話”がお気に入りだったので、本書では「白帝の匂い袋」が印象的でした。内容はちょいとホラー入っていて、哀しい部分もあったのですが、何より鈴さんと季秋さんがお互いを想う姿に、心が温かくなりました。
ブローチ目線の「額の花」も素敵な話でした。“物“の意思をくみ取り大切に受け継いでいく事。これぞ、アンティークって感じですよね。
そして、「鶯の落し文」「山吹の面影」等で -
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シリーズ二作目。
白川紺子さんの他のシリーズも、設定は魅力的なんだけど…。本シリーズ1作目の、あっさりした地の文の感じがなんだかもう一つ面白くなくて、素材は好きだし道具立ては好きなのに、長らく放置していた。で、なんで読む気になったのか。簡単なの。副題に『レモンパイ』ってあったから。私、レモンパイ、大好物。着物の優しい手触りと、お紅茶とレモンパイ。そんなイメージを持って、久しぶりに読んでみることにしたのだ。
旧華族の令嬢、鹿乃は、兄と、兄の友人との3人ぐらし。彼女は祖母から譲り受けた着物が大好き。でもこの着物たちには、不思議ないわくがあって…。鹿乃が着物にまつわる過去の物語を謎解きしていくと -
Posted by ブクログ
ネタバレ「下鴨アンティーク 雪花の約束」
もうほんまに、この本素敵…。
コバルトのいいところを全部集めてるというか、コバルト世代が大人なって読むためのツボを抑えまくってるというか…。
(そして案の定私もツボをつかれている)
さて、祖母から譲り受けた蔵にしまわれてる着物から、その持ち主の過去と因縁に触れる…ちゅう筋は、(古いものから何かを読み取るという意味では)ビブリア古書堂と通じるところがある。
とはいえ、鹿乃ちゃんと栞子さんのキャラが全然違うので、
「似てる」
とは全然思わないんやけど(どっちやねん)、
あー、やっぱりここで終わるよねー…
と、もんどりうった。
以下、ネタバレになるんやけど