ダ・ヴィンチ編集部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
伊坂さんのインタビュー目当てで読みました。
15名の小説家のインタビュー集です。
全員が1970~80年代生まれ。それぞれ作品とはまた違う個性が出ていて面白かったです。
冒頭の西加奈子さんは「くもをさがす」を読んでいたこともあり目が潤みました。彼女の小説を読んだことがないので、やはり読まなくてはという思いが強くなりました。
伊坂さんのインタビューが面白くて読んでいて幸せな気持ちになったのは言わずもがな。小川哲さんと村田沙耶香さんも楽しめました。
小説に込められた思いや、着想を知ると作品の見え方も変わってきますね。あらすじやレビューだけ読んで避けていたものにも興味が湧いてきます。
また作品は苦手だけどインタビューは面白いなと感じた方もいました。
全員に共通することなのですが、皆さん日常において感じることはごく普通であるのに(例外もありますが)そこから小説を書くにあたっての発想が普通じゃない。
これまでは作品ばかり読んできましたが、最近小説家ご本人が何を思い、どんな工夫や苦労をして書き上げたのか、その経緯にも興味が湧いてきました。これからも時折読んでみたいと思います。
それにしてもこういうものを読むと、読みたい本が益々増えてしまって嬉しいような困るような。 -
Posted by ブクログ
鯨と煙の冒険(『百瀬、こっちを向いて』番外編/中田栄一)
一服広場の謎(『防犯探偵・榎本径』シリーズ番外編/貴志祐介)
皇帝の宿(『校閲ガール』番外編/宮木あや子)
街で立ち止まる時(『ススキノ探偵』シリーズ番外編/東直己)
同窓会(『君たちに明日はない』シリーズ番外編/垣根涼介)
心の距離なんて実際の距離にくらべれば、(『遠くでずっとそばにいる』番外編/狗飼恭子)
平和と希望と(『さよならドビュッシー』番外編/中山七里)
ゴロさんのテラス(『春を背負って』番外編/笹本稜平)
雁首仲間(『天地明察』番外編/冲方丁)
落としの玲子(『姫川玲子』シリーズ番外編/誉田哲也)
オレンジの水面(『北天の馬たち』番外編/貫井徳郎)
多田便利軒、探偵業に挑戦する(『まほろ駅前』シリーズ番外編/三浦しをん)
小説を読んだことがなくても映像作品を見たことがあったり、全く知らないシリーズは少なかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ田中栄一の作品「メアリー・スーを殺して」。
所謂オタク女子という人物が小説を書いていて、ある人の言葉を切欠に現実と関わる。
関わる先は大きくなっていく一方、メアリー・スーは?
そう、メアリー・スー=中二病となっているが自らが生み出したキャラだ。
作中のメインヒロインを理想の女性として置き、それに自分を投影していく。
彼女の作品の中に必ず出てくる彼女の理想が、メアリー・スー。
没頭していた時代に同じくそれらに没頭していた友人が、少し離れた時間に現れて「あなたの作品が読みたい」と。
久々に訪れた母校、そこで転寝をした彼女の前に現れたメアリー・スー。
キーボードを動かし始める動作で物語は終わる。
田中栄一氏の作品でこれだけ短編は初めて読んだ。
うん・・・
やっぱこの人の作品好きだわ。 -
Posted by ブクログ
中田永一(乙一)の作品が収録されていること、そして本にまつわる話のアンソロジーということで購入。
しかし、朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」と沢木まひろ「時田風音の受難」以外はすべて『ダ・ヴィンチ』に掲載されたものだった。
『ダ・ヴィンチ』に掲載される作品は結構クセがあるので苦手だ。
案の定、この短編集も特徴的というか・・・。
中田永一「メアリー・スーを殺して」
おもしろかった。しかし、終盤にかけておもしろさが加速していくような他の乙一の作品と比べると、ややしりすぼみしている。
あと、主人公の内面の話だと思ってたら外に向き始めたことにもやや違和感があった。
「メアリー・スー」という理想像は、完全になくしてもいけないのだろうな。
宮下奈都「旅立ちの日に」
手紙に書かれた物語と、父からの本当のメッセージの間に飛躍を感じる。
原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジエ」
実話が元になっているようだが、小説としての見せ方が中途半端だ。
ノンフィクションとして書くか、もっと飾り付けるかすればいい。
小手鞠るい「ページの角の折れた本」
どうして「あなた」という語りかけ口調なのか。
ストーリーもなんだかよくわからなかったが、読み返す気にもならない。
主人公みたいな女の人がとにかく苦手。
朱野帰子「初めて本をつくるあなたがすべきこと」
夫が情けないのは確かだとは思うが、主人公がすべて正しいような描き方が気に食わない。
ラストの主人公にキレ方はスカッとしてよかった。
沢木まひろ「時田風音の受難」
おもしろい。
官能小説は読んだことがないが、こういう感じの文章なのだろうか。
主人公が女性編集者の百山に翻弄されるのと同じように、私も翻弄されていた。
なおかつ、そうやって振り回されるのが心地良いのもよくわかる。
小路幸也「ラバーズブック」
素敵な話だと思う。
しかし、アメリカっぽさを出しすぎで、押し付けがましい感じがする。
宮木あや子「校閲ガール」
校閲ってそんなところまで見てるのか、と勉強になった。
ただ、やはり苦手な女の人が出てくる。
全体的に、小説を読むというより、世間話を聞かされるような作品が多い。
なので、あまり心に残らない。
強い女の人ばかり出てくるのもひとつの特徴だと思う。
『ダ・ヴィンチ』が女性向けだからだろう。
掲載される作品は芸術ではなく商品であり、読んだ女性が快感を得られるようになっている。
芸能界や海外といったキラキラ感も重要視している。
そういう作品をうまく集めてくるのは、編集部が優秀でコンセプトが定まっているからだと思う。
ただ、やはり男性にはうけないだろう。
私が嫌悪感を抱いてしまうのも、器か小さいということ以上に、仕方ない面が大きいと思う。