甲田学人のレビュー一覧
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ネタバレ分厚さにびっくりしつつ、でもその長さを感じさせない、最初から最後まで飽きる暇もなく面白かった。
と言ってしまうには、あまりに凄惨で、犠牲者も多いので不謹慎な気もするが。
雪乃さんも蒼衣くんも今回はどちらかというとメインよりは傍観者に近く(特に雪乃さん、蒼衣くんは最後に役割があったのでよかったけど、雪乃さんは今回あまり見せ場がない)ひたすら神狩屋さんこと雅孝さんの掘り下げ話。
そしてテーマは人魚姫。
今回もそこからの連想、解釈が面白かった。
真相に至った蒼衣くんの推理と、今回の潜有者の目から鱗感じも。
それに人魚と言えば「あの伝説」も話さないとなと思っていたら、しっかり雅孝さん絡みで登場して満 -
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ネタバレほうかごがかりシリーズ第3巻。とりあえず第一部完というか、この小学校での話は一区切り。
前作の引きから、もしかしたら惺は無事なのかもしれないと勝手に想像していたら。残念な結果で、尚且つ現実世界での死なので記憶から消されることがないという。
そして留希の担当していた「こちょこちょおばけ」は本当にタチが悪くて、「てけてけ」よりも大暴れしたんじゃないだろうか。
大方の予想どおり、ほとんど卒業できず。。。
そして何よりも菊。惺の決意とかよりも、菊の献身が切ない。甲田作品でこういうキャラと展開はあまりなかったのではないか。
太郎さんの話も意外性があり良かった。そういうことかと、今作一の驚きポイント -
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小学生の頃は『学校七不思議』というものはちょっとしたスパイスであり、ある種のファンタジーでもあったのに、それが鬼才の手にかかると、『子供たちから夢や希望や未来を根こそぎ奪い取る』という、こんなにもおぞましい物語になるのか…とあらゆる意味で半泣きになりながら読み終えた。それに対抗するのが、母を楽にさせるため自分は死んでも構わない=自身の未来に期待していない主人公、というのがまた上手く、おかげで『Missing』や『断章のグリム』以上に、これ解決するの?という絶望感も味わっていた。とはいえ、化け物を描き上げるためには自分も化け物になるしかない、と一線を越えた辺りの狂気感が凄まじく、『地獄変』を思い
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ネタバレ初見でまず分厚さに驚いた。
『灰かぶり』と『ヘンゼルとグレーテル』が同時収録だからかと納得。
世界観にどっぷり浸かれてたまらなかった。
血の臭いもどっぷり濃厚だったけど……相変わらずの血生臭さである。
『断章のグリム』シリーズは未読だったので、完全版で復刊なのは非常にありがたかった。
個人的には『Missing』より主軸キャラが(今のところ)絞られていて読みやすかったし、童話と神の悪夢との関連性を推理するミステリ部分や蘊蓄パートが蒼衣くんではないけど好奇心を刺激されて楽しめた。
内容は決して「楽しむ」なんて言葉を安易に使わせてはくれないのだが……主要キャラは何かしらのトラウマ持ちで、それを逆 -
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ネタバレなかなか読む時間がなくてやっと読めました。
学校の設立時期によっては規則やルールの認知も変わってくるよなぁ、と思いつつ二森くんたちの再登場嬉しかったです。
序盤で早速登場人物が死んでしまったので、展開が早いなぁと思いつつ…
死んだはずの2人がなぜ生き返ってきているのか、次巻がとても楽しみです。
全員の首に赤いリボンが巻かれているけど、二森くんのスケッチのメリーさんの首部分にも赤いリボンが巻かれていたということは、関係があるのでは?
協力者の無名不思議のはずなのに危害を加えかねないことや、担当だけでなく全員の首に巻かれているのは不思議ではあるが、その辺りも前回とは状況が違っているのだろうか?
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ネタバレシリーズ第2巻。
前作で死人が出たせいで、今作は最初から不穏な感じに。
前作は「まっかっかさん」と「赤マント」。特に「赤マント」がエゲツなく。
今作は「むらさきかがみ」、「てけてけ」、「こちょこちょおばけ」。
特に「てけてけ」が半端なく。これどうするんだよっていうレベルで恐ろしい。挿絵が本気出しすぎ。
意外にも「こちょこちょおばけ」の、名前は可愛いしやってることもそこまで大したことではなかったけど、最後の最後にドン底に落とす感じが。痛々しくてもうなんというか。。。
今作は、前作に比べて怖さも絶望感もパワーアップ。
一応、3巻で一区切りのようで。ここまで来たら幸せなエンディングが全く予想で -
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綺麗に終わった。
これ本当に綺麗に、ぎゅって苦しくなるぐらい綺麗に終わった。涙が止まらなかった。
多分、私自身が非常に涙脆いからだろうけれど。
次々と死んでいく『かかり』の子供に、7人目の存在。そういやどこかで見たことある名前だと思っていたら、前の作品の『霊感少女は〜』で出ていなかったかな?
会話文は「っ」とか「……」とか喋らないことが多いのに、何故だか登場人物の心情が分かる。それでいて景色が想像できるほど詳細。言葉は必要最低限のはずなのに。
登場人物の心情をそのまま刷り込んでくるかのような上手い書き方。多分、他の誰も真似できない。
理不尽な世界の中で、それでも最後には救済があるっていいね。